箱船航海日誌 2003年03月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’03/03/31 (月)

バチ当たりなお話


 今月の日誌を読み返してみると、オーディオ以外のネタが半分以上を占めている。一体このwebページの趣旨は何なのかと、我が事ながら問い質したくなるほどである。などと言いながら、今日も外しネタである。雑食性でゴメンナサイ。

 随分前からファイルバックアップ用の外部記憶装置を何とかしなければならないと考えてきた、にもかかわらず、不精と無知の為せる業、付属のFDDでお茶を濁してきたのである。

 だがそれもwebページのファイルが大きくなるにつれ、さすがに苦しくなってきたのだった。さてどうすべえかと思案投げ首しているところへ強力な助っ人登場。「ちょっと古い型ですがMOドライブでよろしければ差し上げます」と、友達からのありがたいお言葉。願っても無い、渡りに船とちゃっかりいただいてしまった。

 ロジテックLMO-230H。230MBメディアまで使用可能のMOドライブである。もとよりパソコンチ(PCオンチ)である僕のこと、ドライバのインストールから接続まで、すべて友達任せである。どうやって使用可能にしてくれたのか、僕にはじぇんじぇんワカリマセン。傍でマヌケ面してタバコふかしながら待っているだけのらくちん接続である。さらにMOメディア/230MB10枚付き。ありがたやありがたや。

 上げ膳据え膳で早速使ってみる。ううむ、超快適である。過去の日誌から何から全部あわせて多寡だか20MB未満である「船長の戯言」ファイルなど、そっくりそのまま一瞬でバックアップ完了。230MBメディア1枚あれば、単純計算でむこう10年間は事足りるわけだ。10枚で100年分以上。使い切る前に死にますな。僕にとっては充分過ぎるほどの容量と使い勝手である。なんて嬉しいんでしょう。

 この友達のお陰で、僕のPC環境は短期間に飛躍的改善を見た。しかも投資と労力ほとんどゼロである。こんなことをやってると、そのうちバチが当たるぞ。

 僕が彼にして差し上げられたのは、せいぜいお風呂に入ってもらうことくらい。嬉しさに呆けて夜食を用意するのも忘れてしまった。申しわけない。最後までマヌケなのである。

 本当にありがとう。お疲れだったでしょうに。無事ご帰宅されたようで安心しました。次回御出での折には美味しいお寿司を食べに行きましょうねえ。

 5月を楽しみにしています。

’03/03/30 (日)

だけのことはある


 初試用は週明けに、と思っていたが、例によって僕はガマンできないのである。何よりも今日はお昼から好天だったし、少しく時間があったので早速使ってみたわけだ。ザイモール製エステート グレーズ コンコースワックス。ああ、長い名前だ。

 添付された注意書きには「塗ったらすぐ拭き取れ」とある。乾くのを待つ必要は無い、むしろ乾くとグワイが悪いとも。この辺は一般的な固形ワックスと随分違うのである。さらに「大面積で作業せず、小さく区分けして塗れ、そしてすぐ拭き取れ」と、注文が多いのだった。そうか、高級になるとそーゆーことになるわけダ。ここは素直に従って作業するのである。

 水洗いから始めてワックス完了まで4時間。シンドカッタ。だが、結果はご覧のとおり。ヒジョーに美しい艶を得ることができたのである。これまでのものとは一味も二味も違う深く柔らかい艶、光をのみこむような輝きには見惚れてしまうほど。「もう一層塗装したような艶」とはあながちウソではない。個人的には大正解なのである。

 しかし。値段は高いが作業性は高くない。特に拭き取りには時間がかかるし、いい加減にするとムラにもなりやすい。気難しいワックスだと思う。そういう意味では誰にでも薦められるものではないのである。

 これはやはりDHK党員向けのワックスである。しかし、車はオーディオパーツと違って面積がデカイから、労力はシャレにならん。

 ヤレヤレと嬉しげに眺めていたら、早速極悪ラクがボンネットに飛びのりやがった。ギャー。

’03/03/29 (土)

大仰な


 昨日の精神注入CDが効いたのか、今日は体調がかなり快復したようだ。ダルさが少なくなり、体が軽くなった。それにしても昨日一昨日のシンドさは何だったのか。愚息1号から感染したウイルスを素に、抗体を作るためエネルギーを消費していたのだろうか。まさかね。

 さて、サイファに乗り替えて3ヶ月あまり、ようやく春が来て天候が安定し始めた。洗車し甲斐のある季節になったわけである。

 それを見越し、少し前からワックスの物色を始めていた。こういう場合、wwwは誠に便利である。ちょっと検索すれば、あるわあるわ。多種多様のワックス類がゾロゾロ出てきた。その中には以前お薦めいただいた「ポリラック」、僕でも名前だけは知ってる「シュアラスター」など、有名所も沢山ヒットした。

 沢山ありすぎて、どれを選べば良いのかさっぱりわからない。しかし、どうやら「カルナバロウ」なる素材が一つのキーワードになるらしいことだけは分かってきた。カルナバロウ。ご存知の方は多いと思う。だが、車カンケイに暗い僕にとっては耳慣れない言葉である。

 「カルナバロー」で一つの言葉かと思っていたら、ゼンゼン違った。無知は怖いのである。恥ずかしいのである。

 良く良く調べてみると、「カルナバ(Carnauba)」「蝋」であるらしい。ブラジル原産のカルナバ椰子の葉から抽出される蝋の一種。非常に丈夫で、しかも美しい艶が得られるという。口紅の主成分でもある、高価な天然素材。よってこれが含まれているワックスは高級品、ということになるのである。

 これをキーワードとしてどんどん検索しているうちに見つけたのが、写真のブツである。米ザイモール社製エステート グレーズ コンコースワックス。全容積の47%をカルナバ蝋が占めるというこのワックス。何だかご大層なお名前である。お名前がそうならお値段もご大層で、一般的なものと比較すれば極めて高価である。

 だが。このグレードなど序の口である。完全受注生産の「ヴィンテージワックス」になると、同量8オンス(約227g)で、あっ、なんということだ300,000円(!!!)である。誰が使うねん。

 ともあれ多寡がサイファ如きにこんなもの? 恥かしながら「塗装がもう一層増したような深い艶が実現できます」というキャッチの餌食になったのである。車屋のインボーにはまっとる。遺憾である。

 いやいや、これは手入れを全くせずに塗装をズタボロにしてしまった前愛車コルサへの罪滅ぼし、加えてDHK広報活動の一環なのだと、言い聞かせるのである。ダイヤモンドペーストよりは安いぞ。

 効果や如何に。週明け、天気が良ければ早速試してみたい。今までのワックスと何も違わなかったらどうしよう。

’03/03/28 (金)

精神注入CD


 体がダルいのは未だ治らない。何なんだ、このグタッとした感じは。と言って発熱するわけでもなく、節々が痛いわけでもなし。単なるナマケ病か? ここは一発気合の入る音を聴き、馬力かけるべし。

 と、取り出したのが上のCDである。「PULSE/The New Music Consort」(米NEW WORLD RECORDS 80405-2)。(P)1990の、古いCDである。確か、長岡先生もどこか(ディスク・ホビーだったか)で取り上げていらっしゃった。

 元々ADでリリースされていた「PULSE」と「DOUBLE MUSIC」の2タイトルを1枚にまとめたCDであるからして、つまりお買い得である。僕が買ったのは'93年、既に10年経っているがまだ買えるはず。ただし、CDナンバーは変わっているかもしれない。

 昨年2月、トゥイーターをぶっ飛ばしたのはこのCDを聴いている時だった。それがトラウマとなり、聴くのは多分一年ぶりくらいだと思う。断線の原因がこのCDではないことは随分前に判明しているので、まったく問題ないわけだが、久しぶりの試聴にいささかキンチョーしたのであった。

 いや、やはりこのCDは素晴らしい。100%打楽器のみの録音。切れと力、実在感は特筆モノ。1日に載せた「The All Star Percussion Ensemble II」を上回る爆発力と押し出しの良さ、圧倒的なDレンジの広さを併せ持つ。音場感も抜群、殊に奥行きは無限大。部屋の壁をぶち抜き、しかも鮮明極まりなく楽器が定位する。「手で触れそうな音」とはこういう音を指して言うのである。

 特にトラック6のシンバルとティンパニの瞬発力は壮絶である。音場空間の一点から瞬時に吹き上がる音の様は、サウンドマニア必聴。痛快である。

 うむ、これを聴いてちょっと元気が出た。気分が良くなったところでスパッと寝よう。そうすれば明日はもう少ししゃんとする。

 と、思いたい。

’03/03/27 (木)

アヤシイ

 のである。多忙な一日だったことを差し引いても、この倦怠感は些かアヤシイ。「春眠暁を覚えず」という。今日は正に春眠を誘う「ひねもすのたりのたり」した天気だった。僕もそれに合わせて只「のたりのたり」しているだけだったらヨイのだが。

 ここは用心専一、早寝しよう。午後11時が宵の口、なんて生活をしていては遺憾のである。

 と言いつつ、夜の時間は日常からの逃避行、その開放感は他に比すべきものがない。日々、この魔力に打ち勝てずにいるわけである。

 ハイハイ、よく分かったから、今夜はもう寝なさいって。

’03/03/26 (水)

特効薬


 何処からもらったか、愚息1号がありがたくないものを持って帰った。インフルエンザである。

 先週の金曜日あたりから、普段のような勢いがなくなっていると思っていたところが、日曜日の午後になって全身の倦怠感と熱っぽさを訴え、「キボチ悪い」と言ってダウン。休日診療所で「ああ、こら典型的なインフルエンザですな。まだ初期症状だから、コレが良く効くでしょう」と、タミフルという薬を処方してもらった。

 この薬、2000年12月12日に承認されたバリバリの新薬である。インフルエンザウイルスの増殖に必須であるノイラミニダーゼという酵素の働きを阻害し、増殖を効果的に抑え込む薬だそうだ。今のところインフルエンザ特効薬の決定版である。

 同時に処方された解熱頓服ロキソニン(効果が高いので有名な解熱剤ボルタレンは、インフルエンザ患者には禁忌である)との相乗効果で一時的に症状は改善されたものの、月曜朝の体温は39.2℃まで上がり少々心配した。が、やはりそこは特効薬。夜になって随分と楽になったようで、火曜日の朝には、解熱剤を飲まずにほぼ平熱を保てるようになった。明日はさらによくなるだろう。お医者様のおっしゃる通り、タミフルの効果は高かったということになる。

 本人は快方に向った。しかし、次に注意すべきは周りにいて生活を共にする僕らである。インフルエンザ、正にinfluent(流れ込む、流入する)。家族へのウイルス流入は必至である。目の前でゲヘゲヘ咳をする1号を見ながら、既に感染していることは間違いないと、愉快でない確信を持つのである。

 となれば後は如何にして発症を抑えるかが問題である。手洗いとウガイはもちろん、何よりも大切なのは不必要な肉体的疲労である。ちゅうことはつまり、早寝して免疫力の低下を防ぐことが極めて重要になる。

 以前はインフルエンザを「流行性感冒」と訳し、風邪の一種とされていたようだが、今に至ってその認識は過去のものである。実体は風邪とまったく別の、時には死に至る重篤な感染症なのである。見縊ってはイケナイ。

 時候は春先、昼と夜の気温差が大きくなり、ただでさえ体調を崩しやすい時期である。怪しいと思った時は、暖かくて旨いモンを食べ、熱い風呂に入って何よりも早寝すべし。皆さん充分に注意しましょう。楽しいオーディオも健康あってのことです。

 何だかみのもんた氏の番組みたいになっちった。

’03/03/25 (火)

何もしない、のは


 昨日の日誌、転送後に読み返してガクゼンとした。まったくに意味不明の記述部分があったのである。なんじゃこりゃ。ちゃんと確認して転送したつもりがこの有様。お恥ずかしいことでございます。この間は曜日表示がムチャクチャだったし、すっかりボケボケなのである。大変失礼致しました。訂正しましたので、平にご容赦を。

 さて、今日で彼岸も過ぎた。今年の春彼岸は、例年になくやたらと多忙だった。夜、仕事を終えてPCの前に座れるのが23時を過ぎる頃。それから日誌を更新、しようとしてキゼツしてしまったことが一度ならず、こんなんではまともにオーディオできる筈もない。なんだかなあ。

 しかし面白いもので、聴かずにスイッチ入れっぱなしにしておくだけでも音は変わって行くものである。耳のせいだ、とおっしゃるムキもあるかと思うが、そうばかりも言えないこともある。その伝からすると、何もしないのもオーディオである、と、これはかなり強引な言い訳である。

 今月初めに導入したWAGC302、やはりこれにもエージングはあるようだ。あれだけ硬く重ければ当然のことか。当初に比べ音の実在感が増した印象である。曰く「実在感」とは、非常に抽象的な表現であって、これを文章上で的確に伝達するのは極めて困難なのである。

 強いて言うなら、アニメ的、CG的立体感から実写的、現実的立体感への変化、と表現すればよいだろうか。より明確な定位、それに楽器や人物の肉厚(ボディ)が加わったような感じ。正面からは見えていない部分の厚みや存在が感じられるような音。 ...う〜む、どう書いても不充分なのがもどかしい。

 文字に表現し切ることはできなくとも、ヒジョーによい方向へ変化しつつあることは確かである。音を立体映像的に記録し伝達することができればどんなにか面白いだろうにと、できもしないことを考えてしまうのだった。

 今月いっぱい来月初めまでは、今の調子で多忙が続きそうである。その後、少々時間に余裕ができそうな気配なので、そうなればまたオーディオに専一となりたい。

 何もしないのもオーディオ。そりゃ遺憾でしょう。

’03/03/24 (月)

工夫次第で


 先日見えた居眠り学生さんからもらった(こればっか)、小型赤色レーザーポインターである。聞くところによると、何でも「香港の怪しげな店で手に入れた」のだそうだ。電源はボタン電池LR44/3個。小型ながら出力は高めで、光源を直視するのは極めて危険である。

 さすがレーザー光だけあって、光の直進性は凄い。たぶんオモチャ的なものだろうけれど、使いよう、工夫次第では役に立ちそうな気もする。

 たとえばスピーカーのセッティング。これを天板に設置し光を放射、リスニングポイントに付けたマーキングに命中するよう調整する。もちろんもう片方のスピーカーでも同じ作業をするわけだ。そうすれば左右SPの内振り角度を正確に決められ....ないかな?

 そうするにはポインター自体の正確な設置が必須になるわけで、ここが狂っていたのでは話にならない。

 写真に見える金色の先端部分を外し、発光源の取り付けグワイを見る。残念、本体に対して随分と傾いた状態で取り付けられている。これは遺憾。調整のための設置にはこの傾きを吸収する工夫が要る。ここさえクリアできれば面白いことにもなる、けれど、労多くして功少なしっちゅうことになるのだろう。そもそも、そこまでこだわる必要があるのかどうか、大いに疑問なのである。

 それはそれとして、なかなか楽しいブツではある。特に、愚息二人は目を輝かせ、なんとか我が物にできないかと機を窺っているようだ。

 これはね、ちょっとキケンなものだからね、キミタチにはやれないのだよ。

’03/03/23 (日)

若気の至り II


 9歳でロックにシビれ、それ以来30年以上のロックマニアと自負するワタクシも、中学生の頃にはディスコ・ミュージックに毒されたことがございますのです。フニャけたりディスコったり、忙しい時期だったのである。

 先日載せた岩崎宏美の「センチメンタル」と一緒に買ったEP盤である。「K.C.&サンシャイン・バンド/ザッツ・ザ・ウェイ」(日RCA SS-2504)。(P)1975。

 知ってる人はよ〜く知ってる、知らん人は全然知らん(当たり前ですな)曲だろう。当時のディスコ・ミュージックブームに乗って、バカ売れした曲である。同時期のヒットにはスタイリスティックスの「愛が全て」(すげえタイトルだ)、ヴァン・マッコイ&スタイリスティック・オーケストラの「ハッスル」や、「ソウル・ドラキュラ」「ソウル・フランケンシュタイン」(誰だか忘れた)などがある。「ソウル・若三杉」「ソウル・増位山」などという、ワケの分からん曲が出る頃には、ブームも終わりを迎えていたっけな。拡大再生産もたいがいにしろ、と。

 表題の曲、今聴くと何でこれが好きだったのか、売れたのか、さっぱり分からない。5分03秒間、ただひたすらに「That's the way ah ah I like it ah ah」と繰り返すばかりである。なんじゃこりゃ。リズムも単調だし、特に盛り上がる部分もない。

 しかし考えようによっては、それこそがヒットした最大の理由だったりするのかもしれない。大体が楽しきゃあいい、踊れりゃいい、というのがディスコ・ミュージックである。難しい講釈なんか無意味なのだ。

 音は悪くない。無作為の作為というか、ホントに何にもしていないというか、ただ録っただけというか、歪みが少ないのは立派である。この間、愚息が買ったポルノグラフィティーの新譜を聴いたが、それよりも遥かに良い音である。28年前のEP盤、21世紀のCD。どーしてこういうことになるのだろう。

 何で好きだったのかわからん、などと言いながら、懐かしさと音の素直さでよく聴いている。なんだ、結局好きなんじゃないか。

 失礼イタシマシタ。

’03/03/22 (土)

予報大当たり

 天気予報通り、今年の春分は雲一つない大快晴だった。人寄せで何が一番ありがたいと言って、やはり良いお天気、なのである。おかげさまで盛会裡に終えることができた。参拝してくれた人々の精進が、よほど良かったのだろう。

 その「大快晴」の風景を写真に撮る、つもりはしていたのだが、さすがに昨日は忙しく、準備できなかった。残念である。

 節目節目の供養会、それは僕にとって極めて重要なオツトメである。しかしながら、些かくたびれるのもまた事実。昨晩はキゼツするように寝てしまった。

 次の節目はお盆である。あと4ヶ月強、それが終れば秋彼岸がやってきて、その次は正月で....あっという間に1年が過ぎるのだった。

 冬が終った途端に、時間がいきなり加速を始めたような気がする。よほど冬がキライなのである。

’03/03/21 (金)

特異日


 昨日の曜日表示が誤っていた。大変失礼致しました。昨日は木曜日、今日は金曜日、春分の日である。この日、ウチでは彼岸の供養会を開く。秋分と並ぶ年中行事の一つである。

 この地方だけのことかもしれないが、どうもこの両日はあまり天気が良くないことが多いような気がしてならない。酷い雨降りとまで行かずとも、今ひとつハッキリしない空模様のことが多い。スカッと晴天になったという記憶がほとんど無いのである。そういう巡り合せになっているのかしらん。

 気象用語に「特異日」という言葉がある。「偶然とは思えないほど毎年決まった気象現象が起こる確率の高い日」を指して言う用語である。日本気象協会編の「気象年鑑」では、「晴れ」の特異日を11日、「雨」の特異日を7日挙げている。

 前者は1月3日、1月6日、1月19日、12月6日(以上太平洋側のみ)、4月5日、5月13日、8月10日、10月23日、11月3日(以上全国的)、10月16日、11月8日(以上東北以南)の11日。後者は3月30日、4月8日(以上関東以西)、6月28日(全国的)、7月10日(沖縄以外)、9月15日、10月13日、11月17日(以上北海道を除く)の7日である。

 冬に太平洋側の天気が良いことは珍しくない。太平洋側に限った晴天の特異日は、裏返せば日本海側(うちら辺である)では雨(か雪)の特異日であるとも言えるわけだ。そう言えばホントにそうなような気がする。げんきまじんさん宅で毎年開かれている「お正月だよ、じまんべや」OFF会にいつも行けなくなるのは1月3日が特異日である所為だったか。

 10月10日も晴れの特異日だと仄聞したような覚えがあるが、それは挙がっていない。東京オリンピック(1964年)の開会式を10月10日にしたのも、この日が「晴れ」の特異日だったから、というのは俗説だったのかな。春秋彼岸近くの3月30日、9月15日は「雨」の特異日になっている。それがウチら辺ではチョイとズレているのかもしれない。4月8日が雨の特異日というのは、些か残念。この日は「降誕会」(ごうたんえ)、所謂「花祭り」。お釈迦様の誕生日なのである。

 時に、今日(3/21)の予報は「快晴」である。午前午後とも降水確率0%。こんなことは珍しい。確かに今(午前1時過ぎ)現在、皓々たる月が輝いている、と思って空を見たら、なんだ朧月じゃないか。

 日中はホントに晴れるんだろうな。

’03/03/20 (火)

精巧


 昨日載せたWAGC支持器の下部中央である。極めて精巧、極めて細かい作業の賜物であることがよくわかる。脚の開きグワイを決めるバーを支えるリング状の部品は、縦に通る三本の支柱が食い込む形に加工されている。

 脚を開閉する時、このリングが支柱に沿って上下スライドする。ちゅうことは、切り欠きが不正確だったり、三本の支柱がそれぞれ平行を保っていなかったりすればどーなるか。当然リングが途中で引っかかり脚の開閉ができなくなるのである。イケナイ。そんなことになってはイケナイ。

 もちろんそんなことはまったく無く、動きは非常にスムース、しかも一切ガタは無い。正確な仕上がりである。スカスカ動くのでもなく、丁度良い加減の手応えがある。手に伝わるこの抵抗が、独特の高級感をカモシ出すわけだ。ボリュームノブを回すときの感触と同じなんだな。

 まだ使いもせずに眺めてばかりいる。ウレシイのである。やっぱりDHKしたくなってきた。しかし、これを完璧に磨くのはヒジョーに困難。構造が込み入っているので、やるなら一旦分解しないと遺憾。バラしたものをもう一度ちゃんと組み立てられるかどうか。う〜む、どーしようかなあ。

 ムズムズするのである。

’03/03/19 (水)

支持器 II


 昨晩はまたしてもブラックアウトし、更新が遅れました。ゴメンナサイ。

 全体僕のオーディオとは、友達の厚意によって支えられている部分が極めて多いのである。いちいち数え上げるとキリがないくらいだ。有形の物はもちろん、無形の財産もたくさんいただいている。北は北海道から南は沖縄まで、東西南北足を向けては寝られないところばかりナノダ。毎日立って寝ようかしらん。

 そういう友達からまたひとつ、僕の琴線に激しく触れるものが届いた。先日載せた、DHS総裁からの贈り物である。

 P-700用WAGCケーブル支持器である。ご覧の通り、全身是真鍮の塊。実測重量1,060gある。C-280V用に作ってもらったものよりは相当に大掛かりになった感じ。

 これは彼一流の遊び心である。「必然に拠る構造ではないけれど、一つのシャレとしてお使いいただければ」と彼は言う。僕としては大喜びである。オーディオにとって、見ているだけで楽しくなることも極めて重要なファクターの一つだと思うからである。ありがとうございます。

 さて、当面これをWAGC支持器として使うわけだが、眤と眺めているとそれだけでは勿体無いような気がしてくる。非常に堅牢な造りなので、さらに重いものを載せても大丈夫だろう。雲台部分は差し替え可能なので、少し工夫すれば汎用性を持たせることができそうである。実に楽しい構造物だと思う。

 ケーブル支持という、裏方さんに使うのは少々惜しい。できることなら常時見えるところに置き、姿を眺めながら音を聴きたいとも思うのだが。

 あんまりマジマジ眺め過ぎるとDHKのムシがムズムズしてくる。こりゃやっぱり目立たないところに使ったほうがいいかな?

’03/03/18 (火)

PCとRC


 居眠り学生さんからプレゼントをもらった。ご覧の光学式マウスである。ロジテック製。これまで使ってきたPC付属のものとは比べ物にならないほど快適である。何が嬉しいと言って、ほとんどメンテナンスフリーであること。ボールとローラー(って言うんでしょうか?)にゴミがたまってゴロゴロすることもなく、底蓋を開けて掃除する必要もない。

 ポインターと手の動きの同期は完璧で、ズレがヒジョーに少ない。ただ、ちょっと重いように感じたので、底の四隅と頭(コードがシッポならそうなるか?)部分にテフロンテープの小片を貼ったら俄然軽快滑らかになった。実に快適である。居眠り学生さん、どうもありがとう。

 「ロジテック」というメーカー名を見て、僕はとても懐かしく思った。何故か。昔、模型エンジンを使ったR/C(ラジコン)に熱を上げていた頃、中学生の小遣いでも少し頑張れば買えそうなハイCPプロポ(トランスミッター、レシーバー、サーボモーターがセットになったコントローラー)を出していたのが、このメーカーだったのである。

 R/C飛行機を飛ばそうと思うと、最低3ch(方向舵、昇降舵、エンジンスロットル)のプロポが必要になる。それにフラップやエルロン、スポイラーまで操舵するなら忽ち5ch6ch食ってしまうわけだ。当時、3chプロポでも40,000円以上だったと思う。4〜6chになると5〜70,000円。30年前の中学生にすれば、とても買えたものではなかった。

 それをロジテックは30,000円を切る定価で売っていたのだから、正にハイCP。これならお年玉で買えるかもしれないと、その気にさせてくれたメーカーだった。「フタバ」や「サンキョー」などのブランド品に比べルックスは武骨で、やや見劣りするものの安いのはありがたかった。性能的にはほとんど遜色なかったと思う。

 調べてみると、現在はPC周辺機器専門の会社になっているようだ。会社のロゴは昔そのままである。

 PCとRC。まったくの畑違いでもないと、言えなくもないんだなあ。

’03/03/17 (月)

野性


 昨日の日誌に関するメッセージを掲示板にいただいている。大変励みになり、うれしいことである。ありがとうございます。

 その中で、炭山さんからのメッセージには些か唸らされるものがあった。言われてみれば確かにそうである。本屋に並ぶ「上手な猫の飼い方」なるものを読んでみても、そこには「できるだけ室内だけで飼いましょう。出入り自由にすると他所への糞害や、何よりペット自身の寿命を縮めることにもなります」などという記述が見える。

 ノラネコや他の動物と交わることで、病気に罹る確率が上がる、というのである。ご丁寧に座敷猫とそうでないものの寿命比較表まで載せてある本も見られる。当然座敷猫のほうが長生きするというわけだ。

 室内に閉じ込められ時にはリードまで付けられて、外へは一歩も出してもらえず、本来具備された本能を発現することもなく、高栄養キャットフードのみを食わされ、しかし長生きだけはする。一方では24時間出入り自由、思う存分野性を発揮し、時には家人に悲鳴を上げさせるような獲物を持ち帰り、またある時はノラネコと喧嘩して向こう傷をもらい、だが天命に従いネコ生を閉じる。さて、当の猫にとってはどちらが幸いなのだろうか。

 恵まれていると思うのもかわいそうだと感じるのも、それは人間の勝手だ。彼らは今ある環境を唯々諾々と受け容れるだけのことである。飼い主が出入り自由を望んでも、昨今の住宅環境がそれを許さない場合も多々あるだろう。

 長い寿命を得られるという座敷猫だが、中には外へ出られないストレスから酷い脱毛症や内臓障害を患う猫もいると仄聞する。こうなってくるとさすがに気の毒になるのである。

 幸か不幸かウチの極悪ラクは、完全放し飼い状態である。昨日の如く本能全開、動くものなら何でも狩って持ち帰る。半殺し状態(!)でしばらく遊んだあとは、頭からバリバリ喰ってしまうのだった。誠に健康的でもあり、反面極めて不衛生だとも言える。

 さて、彼女の生涯は短命に終わるのだろうか。

’03/03/16 (日)

ウグイス受難

 今朝仕事に出かけるとき、参道の中ほどにある桜の小枝に一羽の小鳥がとまっているのを見た。スズメではなく、ムクドリでもない。もちろんヒヨドリでもない。くすんだ緑色の体をしたその小鳥は、そう、ウグイスである。メジロにも似た体色だが、ウグイスのほうがやや小型でスマートなので、遠目でもすぐに分かった。

 とまっていた木が梅ならば殊更絵になったわけだ。いずれにしても里まで降りてきてくれたのが嬉しくて仕方ないのである。遠くから山のエコーに乗って聴こえてくるさえずりは絶品であるし、至近で聴くのも声に力が感じられてヒジョーによい。それを楽しみにできると思っていたら。

 帰ってくると居間で愚妻がバタバタしている。どーしたんだと訊くと「ラク(ご存知ウチの極悪猫である)が外からトリを獲ってきた」という。その一瞬厭な予感がした。「どんなトリだ」「スズメくらいの小鳥。でもスズメじゃない。 ...アレ、ウグイスかなぁ...」。

 既にラクから取り上げ小箱に横たえられたものを見ると、それはまさにウグイスである。悪い予感的中。まだ若いらしく、最早絶命しているものの羽毛が瑞々しく美しい個体だった。長く寒い冬をガマンして、ようやく春のさえずりができるようになった途端、極悪ラクの凶牙にかかるとは。

 猫の狩猟本能を責めることはできない。スズメ、トカゲ、セミ、モグラその他諸々を狩ることと何ら変りはなく、ウグイスだけが特別に気の毒なわけでもないのだから。それに、僕が今朝見かけたものと同一個体かどうか、それさえ極めて怪しいのである。

 ただ、タイミングが良(悪)過ぎるのである。ラクのグリグリ目を眤と見ながら「アンタなあ、なんにもこの季節、しかも今日という日にウグイス獲ってこんでもええやんか」と、話しかけても詮無いこと。ビー玉のような目をキロンキロンさせるばかりである。彼女は具備された本能の赴くままに、行動を起しただけのことなのだ。

 とはいうものの、猫ではなくヒトである僕としてはどうにも遣る瀬ない気持ちを禁じ得ない。今朝方見た(それが同一ウグイスであるかどうかはワカラナイが)桜の根元に葬ってやることにする。申しわけない、成仏しておくれと願いながら。

 今日の写真は自粛し、ウグイス氏の受難を詫びるのである。

’03/03/15 (土)

DHS


 友達から1枚の写真が届いた。上へご覧に入れるのがそれである。さて一体これは何でしょう?

 先日も同じようなことを書き、その正体は既に判明している。これもその仲間である。今回は入力(P-700)側用にということなのだが、実は今のところ構造正体は不明である。「到着してからのお楽しみね」と、全体像は教えてくれないのだった。う〜む、この写真から想像するに、相当にメカメカしいものになっているような気がする。ヒジョーに楽しみなのである。どうもありがとうございます。

 この友達、こういうものを一から十まで全自作してしまうのだから凄い。金属素材から自分で厳選し、自宅に小型旋盤、フライス盤を設置。眉を顰めるオクサマを尻目に、毎夜金属加工に精を出すのである。もちろん金工を生業とする人ではない。完全に「シュミ」なのである。いや、マイリマシタ。

 ボール盤くらいなら、僕のような工作ヘボでもどうやら使える。あくまでも「使える」程度なのであって、「使いこなせる」のではない。しかし旋盤フライス盤となるとそうは行かないのである。フツーのシロウトには「使う」ことすら極めて困難だ。如何に僕が道具マニアであっても、さすがに手が出せないツールなのである。

 今回このものの為に素材から削り出した部品点数は35点以上だという。凄い話であり、また非常にありがたいことでもある。彼曰く「僕は金工フェチです」と。ナルホド偏執的御仁が、ここにもいたわけである。

 そこで彼には、ここに謹んで「大日本偏執的切削加工党総裁」の称号を贈りたい。

 DHS総裁、萬歳萬歳萬々歳。

’03/03/14 (金)

モノクリスタル


 と言っても、電線素材のお話ではない。

 学年末が近くなり、愚息達も荷物整理を始めたようだ。学校に置いてあった色々なものを持って帰り始めたのである。上の写真は愚息1号が3学期を通じて育ててきたダイヤモンド、なわけはなく、ミョウバンの単結晶である。対角線で4cm強と、なかなかに立派な結晶に育っている。技術的には難しくないそうだが、毎日継続的に世話する必要があり、根気の要る作業だと言っていた。

 調べてみると作り方のwebページがちゃんとあって、ちょっと感心してしまった。興味ある方はこちらへどうぞ。家でも比較的簡単に実験できそうである。

 ナスビ糠漬けの発色を良くしたり、キムチ床の素などにも使われるミョウバン。そもそもその正体とはナンゾヤ? 恥かしながら僕は知らなかった。理系オンチがバレるのである。

 ミョウバン(明礬)。「3価の金属の硫酸塩と1価の硫酸塩が結晶水で結ばれた形の化合物の総称。一般的にミョウバンと言うと、アルミニウムとカリウムを持つ硫酸アルミニウムカリウム[AlK(SO4)2・12H2O]をさすことが多い」と、物の本には書いてある。これを読んでもまだ僕には何のことかさっぱり分からない、が、そーゆーものだ、ということで。

 単結晶を作る実験に、なぜミョウバンが適しているのか。それは溶解度と関係している。ミョウバンは溶解度が非常に高く、大量のミョウバンを少量の水に溶かし込むことができる。結果、非常に高濃度のミョウバン溶液ができるわけで、結晶の析出も容易になる。結果、特殊な環境下でなくとも単結晶を作り出すことができると、こういうわけである。

 比較的容易、と言っても世話の仕方、環境の整備などで結晶の形にはかなりの差が出るらしい。確かに愚息の作はややイビツである。名人になるとさらに巨大で美しい形状(ほとんど正八面体にできるそうだ)の結晶を作れると聞いた。ナルホド、どの世界にもこだわっている人がいるものである。バケ学マニアって言うのかしらん?

 これを見ていて、現在の超高純度シリコン単結晶製造技術を連想してしまった。半導体テクノロジーの大元である。半導体用単結晶シリコンの純度は11N(イレヴン・ナイン)以上だそうである。99.999999999%。6Nどころの騒ぎではないのである。

 結晶。クリスタル。この言葉には何かしら人を惹きつける魅力、魔力のようなものがあると、お思いになりませんか?

’03/03/13 (木)

若気の至り


 9歳でロックにシビれ、それ以来30年以上のロックマニアと自負するワタクシも、中学生の頃にはフニャけたことがあるのでございます。ワキゲのヒダリ...いや、若気の至り、デアル。

 随分前になるが、近所の楽器屋さんへ立ち寄ったら、古いシングルレコード(EP)がどっさりと置いてあった。もちろん全て中古盤である。洋楽、歌謡曲、演歌、民謡、主題歌、何でもアリのごった煮状態、どれでも100円。上のEPはその中から見つけて買った1枚である。

 「センチメンタル/岩崎宏美」(日ビクター SV-1257)。(P)1975。'75年10月25日発売。当時の定価は500円である。何を隠そう僕はこの人のファンである。といってもCDもADも持っていないケド。

 デビューシングルの「二重唱(デュエット)」('75/04/25)、♪あなたお願いよ〜♪のフレーズで有名な2枚目の「ロマンス」('75/07/25)はイマイチ好みでなく、僕が好きなのはやっぱり「センチメンタル」で決まりである。しかし、リリースが1975年とは、既に28年も経ってしまったのだなァ。ジャケット写真に時代が出てますな。

 買ってから1回くらいしか聴いていないことに思い立ち、久しぶりに聴いてみることにしたのである。モチロン、箱船大袈裟システムで。

 EP盤は別名ドーナツ盤(ああ、死語の世界だ)とも呼ばれ、センターホールが大きいので当然EPアダプターが必要になる。これを使うとスタビライザーを載せられない。そこで一計。EPアダプターでセンター出しをした後、これを取り去った上でスタビライザーを載せる。こうすればしっかりと押さえが利き、盤のセンターズレも皆無である。

 これがなかなか音が良い。音が素直で歪み感も少なく、特にボーカルは実に伸びが良く透明である。元々この人は歌が非常に上手く声も綺麗、録音の所為だけではない。口先だけでクチャクチャ歌う昨今のアホ歌手とはモノが違うのである。

 試しにスタビライザー無しで聴いてみたら、ガックリと悪くなってしまった。輪郭不鮮明、切れ無く透明感大幅後退、ちっとも面白くない。LP盤よりも差が大きいのは、盤が薄く、TTとの接触面積も小さい所為だろう。妙なところでスタビライザーの威力を再認識した次第。

 ちょっとフニャけて歌謡曲方面へ靡きながら、その後は結局ロック小僧へ戻るわけである。だが、この曲を聴くとやっぱり懐かしい。嬉しくなって何度も聴いてしまった。

 CDも買おかな。

’03/03/12 (水)

ディジタル四季


 今日は昨日の仕切り直しということで。早めの更新にさせていただく。ご了解ください。

 3月に入ってからというもの、天気が悪く寒い日が続いている。気温は連日ヒトケタ台、流石に積もりはしないが毎日雪降りである。山からは鶯の第一声が聴かれたというのに、これでは寒さで死んじゃうんじゃないかと気が気ではない。

 箱船裏庭に芽を出していたフキノトウはほとんどが「花」になった。中には晩生のヤツがいて、ご覧の通りツクシと仲良く隣り合わせで生えている。花にならないフキノトウとツクシを同時に見られるのは珍しいことである。冬の終わりと春たけなわが同居する。昨今の季節感はどこかおかしいような気がするのだった。

 少雪に終わった冬だった。だが、気温は近年になく低かったように感じている。特に1月末の寒波は強烈で、本堂の花筒の水が凍りついたのには驚いた。初めてのことである。

 昨年の桜開花は3月29日、一昨年より6日早かった。今年はどうだろうか。平均気温が低く寒の戻りが強いわりに、草木たちはきちんと季節を刻んでいるようにも見える。今回の冬型が終われば、一気に春へとなだれ込むつもりかな。

 最近の季節移行はディジタルフィルターのようだ。昔のスロープを−6dB/octくらいの緩やかさとすれば、今は−96dB/oct並みの急峻さである。オーバーラップが極めて少ない。昨日まで冬、今日から春、といった感じ。季節変化ほどアナログ的なものはないと思っていたが。

 オーディオに限らず世の趨勢は専らディジタル式、季節もディジタル四季で如何でしょう。

’03/03/11 (火)

あっという間に丑三つ時

 WAGCにかまけていたら、外では春の準備が着々と進んでいる。 ....というネタで日誌を書こうと思っていたら、結局ケーブルにつるべ取られてなんとやら、時間がヒジョーに遅くなってしまった。

 春ネタは明日のことにイタシマス。どーもすびばせん。

’03/03/10 (月)

本質的価値


 このケーブル、流行ってるってほんとうだろうか。もしそうだとすると、何処で流行ってるんだろう。大人気というが、何処で大人気なんだろう。そんなにバカスカ売れているのだろうか。

 確かに話題にはなっている。電線音頭に浮かれるチマタを、これまで比較的冷静な目で見てこられた石田善之先生をして「このケーブルとの出会いでその圧倒的な音質の差を素直に認めざるを得ない」(AA誌108号)と言わしめることからしても、話題性の高さが伺い知れるというものである。話題性の高さを、流行りや人気の高さと混同するのは如何なものか。

 「はやり(流行)」=その時代全般の好み・風潮。時代、時期の好みに合って、広くもてはやされること。

 このケーブルを「時代、時期の好みに合って、広くもてはやされている」ものというふうに観てしまってはあまりにも寂しい。決してそういう一過性のものではないと断言できる。実際「もてはやされて」などいないのである。本質的な品位の高さが認められているのみ。

 いみじくもTE27さんは「ケーブルの新境地を開拓したと思えばこれからのオーディオに寄与する役割は大きい。我々自身の価値観を大きく変えてゆく必要があると思う」と述べておられる。まったくに感を同じくするのである。

 もちろん、これが最終兵器的なものだとは思わない。きっとこれ以上の世界があるはずである。製作者の側にも「まだまだ道半ばといったところかもしれない」という見方があると仄聞する。

 現段階でさえ「道半ば」であるとするならば、全行程走破したその先には、どんな音世界が広がっているのだろうか。そこに興味を持ち期待するのがオーディオマニアの本懐であると、僕は思う。

 本質的に優れたものを認める声と、一過性の流行り廃れ。両者を千里眼の如くに見抜ける目を持ちたいと、思えどもなかなかに困難なのである。

’03/03/09 (日)

I.E不調


 今日はWAGCネタを一休み。休むのはネタだけであって、僕は引き続きWAGCと遊戯三昧(ゆげざんまい)である。結構なことでゴザイマス。

 近頃I.E6.0がいやに不調である。別段おかしな操作はしていないと思うのだが、またしては「不正なアクセスがあったため、このアプリケーションは強制終了されます」というアカペケ印が出るのである。「不正なんはオマエやろ」とPCに毒づいてみても仕方ない。普段はちょいとイライラするくらいで実害は少ない。海外通販などの注文フォームを埋めている最中にも頻繁にエラーメッセージが現れるのは非常に困るのである。

 Netscape6.0も入れてあるのでそちらを使えば問題ない。ところがこのブラウザは起動時がヒジョーに重い。途中でPCが止まっちゃうんじゃないかと思えるほどである。それが気色悪くてどうしても足(手?)が遠のいてしまうのだった。

 Netscapeのwebページを閲覧し、7.0という新しいバージョンが出ていることを知った。こんなこたぁ皆々様既に良く御存知だろう。くずてつはそーゆー方面に極めてウトいのである。先日も居眠り学生さんから「もう少し意識を高く持ってください」とお叱りを受けたばかりである。ゴミンナサイ。

 説明を読んでみると「スタートアップの速度を改善した」とある。他にもいろいろ改良点はあるようだが、あまりよくわからない。ともかく「速いことは良いことだ」と、早速ダウンロードしてみた。以前、6.0を引っ張ってきた時には1時間以上かかったものが、今回はそれよりもファイルサイズが大きいにもかかわらず8分足らずで完了。ADSLの威力を実感したのだった。居眠り学生さん、MTUの効果は大きいようです。

 慣れない手つきでセットアップし、ソソクサとブラウジングしてみる。確かにスタートアップ時間は随分と短縮されているようだ。なかなかグワイが良いのである。全体的な使い勝手は6.0と然程変わらない。うむ、これなら僕の常用ブラウザに使えそうである。なんて、ナマイキなこと言ってんじゃないよ。要するにアカペケが出ないのが嬉しいわけである。これからはこっちにしよう。

 メーラーはだいぶん前にAL-mail32にしたし、ブラウザもNetscapeへ。だんだんM○社のアプリケーションから離れていくのである。

’03/03/08 (土)

価値を決めるものは

 3月5日付けの日誌に関してメールをいただいた。高価なケーブル導入に対するひとつの問題提起であると、僕は受け取らせていただいた。

 「安いもの=良くないもの、という図式がオーディオ界にはあるようだ」とこの方はおっしゃる。確かにそういうロジックが存在することは否めないと、思う。だが、少なくとも僕自身はそういう価値観でオーディオしているつもりはない。もし僕が「高価なものは良いのだ。高価だから良いのだ。高価なものを買おう。安いものは良くないのだ」という理論で行動様式を決定しているとしたら、1m百数十円のビニールキャブタイヤケーブルを十年一日の如くに使い続けたりはしないし、手をブチルゴムで真っ黒にしながら3日も4日もかけて良いのか悪いのかワカランようなケーブルを自作したりはしないのである。

 今回導入したWAGC302ケーブル。どう考えても安いとはいえない。高価である。非常に高価である。当然のことながら僕の経済力からして、もっと安い方が良いに決まっている。だが、開発段階、構造、製造段階での手間などを勘案すると、決して無体な価格設定ではない。良心的設定とさえ思われる。加えてそれに結果が伴っているわけだから、ある意味ではハイCPとも言えるのである。そこが"悪魔的"と言わざるを得ない所以でもある。これは言い訳ではない。実際に手に取り音を聴けば、誰もが納得するであろう事実である。

 ケーブルに限らず、機器も含めて価格差が音質差に比例する、ほどオーディオは単純であるはずはない。そんなことは皆さん良く良くご承知だろう。安くて良いものもあれば、高価で良いものもある。そのまた逆もあり得るわけだ。そこを見極めるのは、他の誰でもない、すべて自己責任である。

 「次は0.6mか」などと書いてはいるが、簡単に実現できるものではない。そんなことをやっていたら、僕は忽ち家から追い出されるのである。だが、追加導入を考えてしまうほどの魅力が、WAGC302にはある。その事実を、できるだけ多くの方に知って欲しいという思いもあっての、導入なのである。

 毎日知ったような風に日誌を書いている。一人でやっていることだけに、事実誤認、あるいは独善的な記述が多々あろうかと存ずる。反論、異議をお持ちになって当然である。その場合には、できれば私信ではなく、掲示板のほうへメッセージ頂けると幸いである。私信では「個人対個人」の対決になり、閉じた論議になりがちである。さまざまな意見を多くの人が見聞きし、それについて公開の場で討論したい。僕はそう望むのだが、これもまた皆さんのご意見をお伺いしたいところではある。

 如何なものでございましょうか。

’03/03/07 (金)

期待活躍


 毎度毎度のことながら、楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまうのである。2日目も朝から晩までオーディオ漬け、僕一人ではこんな聴き方は絶対にしない、というよりできないのである。やはり仲間は本当にありがたいものである。

 AD、CD、DVDと山のようにソフトを見聴きし、ともかくも量的にはご満足いただけたようで、ホストとしてはこれに優る喜びはない。音のご感想については、掲示板へのメッセージに待ちたい。次回からは更のご遠方からのお越しということになりそうだが、また是非ともお会いしたいと、思うのである。ありがとうございました。

 前回もそうだったように、今回もちょっとシャレたお土産をいただいた。写真のような小型三脚である。KenkoのHandy Boy Digital DEK-3Sという。小さいながらも非常にガッチリした造りで安っぽさは皆無である。

 これはうれしい。普段使っている三脚では大きすぎて使えない、さりとてフリーハンドではブレて困るとき、この小型三脚は威力を発揮するだろう。特に小物を接写する時にはヒジョーに重宝するのである。どうもありがとう。大切に使わせていただきます。

 間もなく新しい生活が始まるとおっしゃる居眠り学生さん。どうかひとつ、春からは「お目覚め社会人」さんとなって、頑張っていただきたいのである。

 ご活躍を期待しております。

’03/03/06 (木)

お披露目第一号


 WAGC導入後、初めての来客である。居眠り学生さん。午前中のご到着後、今(午前零時過ぎ)までほとんど聴きっぱなしの見っぱなし。さすがにクタビレたので今夜はこの辺で一旦終了、後は明日のお楽しみ。

 いろいろと彼なりに実験したいことがあるそうで。箱船がアナタのお役に立てれば、それは僕の幸いでございます。

 それにしてもキタナイ部屋だこと。

’03/03/05 (水)

欲は底を知らず


 中毒患者のように音を聴き倒している。ついさっきもシェエラザード45回転盤を聴き、ナミダが出るほど感激したばかりである。ああ、ヤッパリ僕はこのケーブルを導入して大大大正解だった。支払いの痛みは何処へやら。忽ち雲散霧消である。

 C-AX10→B-2302間にはオルトフォンのReference 6NXを使ってきた。SWドライブに使っても芯のある低音を実現できる良いケーブルだが、単線と比較するとやや薄味になるキライもある。今回WAGC302の導入で自作6Nケーブルが1ペア浮いたので、それをここに廻すことにした。写真は交換後の様子である。

 確かに音は変った。僕にとっては良い方向への変化である。しかし、である。その差は次元の差ではなく、程度の差である。WAGCを入れた時ほどの差は、当然至極ない。従来ケーブルの音質差というものはこの程度のモンだと、僕はずっと考えてきた、し、体験的にもそうだった。「ケーブルを換えて音が激変するようなら、それは他の部分に問題がある」などと分かったようなことをノタマってきたわけだ。

 「多寡だか十数年オーディオやっただけで作り上げたアンタの常識なんか、屁のツッパリにもならんよ」。WAGC302は、僕にそう言っているような気がしてならない。己が底の浅さを見事に証明された形である。アイデンティティー・クラッシャー。デモリション・ケーブル恐るべし。

 そういうものであることを深く実感し、支払いの痛みは今や完全に消え失せ、かてて加えて試聴時にはC-280V以降を全てWAGCで固めた音を聴いている。その音、強烈無比なことこの上なし。こうなるというと、これまでのテンカイからして次の行動様式は自ずから知れようというものである。

 0.6mで、足りるかなあ....。

’03/03/04 (火)

価値とは


 P-700側は、お休み中のSUSコンセントボックス(これも友達謹製)に急遽お出ましいただき、LRのケーブルが交差する点の下で仮支持する。急場しのぎである。いずれは何かちゃんとしたものを考えねばならないだろう。

 クラシック、古楽、現代音楽、ロック、J-POP、フュージョン、ジャズなどなど、何を聴いても素晴らしい。次から次へと矢継ぎ早に聴いてしまうのである。先月も書いた通り、この音を言葉で表現し切れるほど僕には文章力がない。何度も何度も繰り返し聴きたくなる。このケーブルには強烈な常習性があります。

 この前の試聴時に比べ、歪み感がさらに減っているように聴こえる。歪み感のなさと静けさ、これはもう圧倒的で、どんなにボリュームを上げてもまったくうるさくならない。使われ過ぎて陳腐な表現でもあるわけだが、本当だから仕方がない。そういうより他にないのである。

 充分に音量を上げたときの音。爽快痛快大正解である。こんな音聴いたことない。試聴版の後、何かしら仕様変更があったのかどうか、だとしたらこれはもう偏執的音追及の末としか言い様がないのである。いずれにせよ僕には知る由もなく、唯、音が良くなったことを素直に喜び、感謝するばかりである。

 高価なことがとかく話題になるケーブルである。だが簡単に「高い」と言って切り捨てるのは如何なものか、と。手間と素材を思えば決して法外な価格設定ではないのである。加えて、同じ30〜40万円程度でこれほどの感激を味わえる機器が、今現在他にあるのだろうか。極めて疑問である。

 M85さんの「『現有システムの音が好みであり、市場の新製品には魅力を感じないが、音質改善を図りたいマニア』には、願ってもない朗報だろう」というお言葉が、全てを物語っている。

’03/03/03 (月)

ヤメられない


 先月25日の正解は、ご覧の通りである。そう、その魔力に屈し、清水の舞台から30万回飛び降りるくらいの思い切りと覚悟で、導入してしまったのである。FOSTEX WAGC302/0.8m。そのための支持器であったわけだ。ほてつさん、大正解。申しわけありませんが賞品はありません。ゴメンナサイ。

 荷物を受け取り、はやる心を抑えながら開けてみる。既に実物を見て触っているにもかかわらず、この重さ、太さ、硬さはやはり常軌を逸していると、改めて思わざるを得ない。友達曰く「沖縄名物イラブー(オキノエラブウミヘビ)の燻製みたいだ」とは、言い得て妙である。

 先日の試聴時には、短時間ということもあってケーブル支持についてはテキトーにしておいた。今回システムの一部として恒常的に使うのならば、やはりキチンとした支持器が不可欠、というより絶対必要だと思う。

 当初の予定通り、C-280V→P-700間に使う。アンプの中ではかなり頑丈な方と思われる両者のピンジャックを以ってしても、支え無しにぶらさがったままでは破壊の危険を免れない。これまた友達曰く「ケーブル肘掛」(脇息、とも)の役割は大きい。導入を考えていらっしゃる方、できれば実物をご覧になり触ってみてからにされたほうが安全かと存じまする。

 0.8mは必要にして充分な長さだった。SWドライブB-2302を僅かに移動させるだけで全く問題なく繋ぐことができ、ともかく一安心である。接続前には充分なフォーミングが必要。片方をつないでから曲げる。イケナイ。そんなことをしては絶対にイケナイ。間違いなくピンジャックを壊します。見事にバキッと逝きますぜ。

 さて、その音。昨日今日と更新が遅くなっているのは、このケーブルの所為なのである。一度聴き始めたら止まらない。止められない。時間が経つのも忘れて唯々聴き惚れてしまう。曲が終わるのが勿体無いような感じ。聴けば聴くほど尚更に聴きたくなる。そういう音である。

 ちゅうわけで、音のイムプレッションは、明日に続くのである。

’03/03/02 (日)

ガマン不可能


 ....やってしまった。

’03/03/01 (土)

一発


 どうやら冬が終わりに近いことを実感できる3月がやってきた。春本番まで、あともう少しである。

 さて、3月一発目の話題は、毎度お馴染みソフトネタである。L・Zボックスセットと一緒に届いたCD「The All Star Percussion Ensemble II」(米Golden String GSCD-013)。1月8日に載せた「III」と同じく金蒸着CDである。

 1994年9月14〜15日、サニー・パーチェイス・パフォーマンス・アートセンターのオーディトリアムCで録音。「III」と全く同じホールである。使用マイクもほぼ同じで、ホールの残響音用にゼンハイザーMKH-20、打楽器群には同MKH-40、ノイマンKM-140、KM-143(ここだけが違う)、ティンパニだけにB&K4006を使っているのも同様である。

 ここまで同じだと、流石に音には統一感がある。I〜IIIに音の違和感はない。これはもうこういう音を狙っているとしか思えないのである。尤も、この「II」の方が先に録音されているわけだが。

 くるみ割り人形、四季、天国と地獄などを下敷きに、打楽器アンサンブル向きにアレンジしたもの10トラック。これまた非常にポピュラーな曲ばかりで、特にオーディオマニアでなくとも楽しみ得るCDだと思う。

 優秀録音盤である。「III」に書いたのとほぼ同じ印象を持った。選曲の所為か、こちらの方が爆発力はあるような感じである。ドカンとくるfffの瞬発力は圧倒的。サウンドマニア推奨盤である。

 但し、「III」のときもそうだったように、これを聴いた後「I」のADを聴けば、やはりその差は大きいのだった。それが非常に残念である。

 「II」「III」もADで出して欲しい、けれど、それは無いものねだりになるのだろうな。