箱船航海日誌 2001年09月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’01/09/30 (日)

狭き門


 C-AX10のリヤパネル、バイアンプ駆動時に使う出力端子である。この端子は、マルチチャンネルサラウンドモードを選べばフロントSP用出力になり、ディジタルネットワークモードを選べば高/低2ウェイSP用アウトになる。箱船の環境ではディジタルネットワークを使うことになるので、OUT1/HIGHからP-700へ、OUT2/LOWからB-2302へ繋ぐわけだ。

 昨日からヒマがあれば箱船に篭ってイジリ倒している。現状では専らクロスオーバーの調整である。これがなかなか微妙で、一つの設定がオールマイティというわけではないのだ。あるソフトでは非常に良くなる一方、別のソフトではイマイチ、というような現象が起こるのである。設定変更は極めて容易なので、ソフトに応じてその都度パラメーターを動かせばそれが理想的である。だが、僕みたいなナマケモノに、そんなことができるわけはないのである。メンドクサイ。

 たった二日間しか聴いていない時点での印象だが、箱船での使用環境に於いてはかなりスイートスポットが小さいアンプではないかと思う。優秀録音盤は情報量、透明感、音場感、切れ、立ち上がり立ち下り、繊細感、多くの点で大きく改善される。逆に録音イマイチと思われたソフトでは更にそのアラが目立ち、ひどくバランスを崩すことが多いのである。一部のJ-POP、フュージョンなどはバケの皮が剥がれて悲惨なことになってしまった。

 使い始めのアンプにありがちな、「音のトゲトゲしさ」がその原因とも思われるフシもあるので、けっして決定的なことは言えない。だが、以前に比べてソフトの良し悪しに関する門が狭くなったことは確かなようである。

 とはいうものの、たかだか二日間の試聴ではあまりもっともらしいことを言わないほうが良いのダ。実力発揮はこれからだろうし、そもそもアホのくずてつがどこまで使いこなせるのかという事のほうが、遥かに問題なのである。

 スキルと感性が問われている。恐ろしいことだ。

’01/09/29 (土)

新旧交代


 届きました、C-AX10。これでシステムを復帰させることができる。ああヨカッタ。今日の写真は新旧交代の図。こうして並べてみると、C-AX10のほうがひとまわり小さいことが良く分かる。ウッドキャビネット分だけ小さい感じである。

 早速メインシステムに繋いで鳴らしてみる。まず、先日の試聴時と同じ設定で聴いてみよう。SWを100Hz−96dB/octでハイを切り、スーパーネッシーも100Hz−96dB/octでローを切る。

 やはり中高域の透明感が飛躍的に向上、ローはコイルが不要になったせいか歪み感が減り、ヒジョーに力強くなる。しかも低域のカブリがなくなり情報量増大、音場感が大変に良くなるのである。この間とちょっと違うのは、ややハイ上がりに聴こえなくもないこと。繊細感が不足している感じである。エージングもあるだろうから、レンジの広いCDを鳴らしっぱなしにしてある。まだちょっと寝ぼけてるかな?

 クロスオーバーの設定は、70〜100Hz辺りに良いところがありそうな感じがする。遮断特性、位相、タイムアライメント、レベルなど、調整できる部分が極めて多いので、これから時間をかけてゆっくりと決めていかねばなるまい。分厚い取説は読んでも分からないことがたくさんある。ムチャクチャに機能が多く、半分(以上?)くらいコンピューターみたいなアンプである。

 それにしても、マホウとしか思えないような音の変わりようである。CDもADも新たな生命を吹き込まれたように生き生きと鳴り渡る。未だやや粗さはあるものの、この冴え冴えとした音はどうしたことだろう。感動は極めて大きい。ここしばらくは、かかりっきりになりそうなグワイです。

 いや〜、オーディオってほんっとうに素晴らしいですねっ。

’01/09/28 (金)

空席


 スペースは既に空けてある。つまり現状音が聴けない状態なわけだ。だから早く着いて欲しいのだけれども、C-AX10はまだ来ない。今日は報告できると思ったのになぁ。とボヤいてみても仕方ない。ここはじっと待つより他になし、焦るとロクなことはないのである。

 ラックのこの部分が空きスペースになっている風景は、滅多にないことである。前回空いたのはC-280Vを初めてオーバーホールに出した4年前。その時は空いたと同時にPRA-2000ZRを入れ、帰ってくるなり元に戻したので空席の間はなかった。

 ここが空っぽだと、何だか非常に寂しいのである。視覚的にも不安定で、このままずっとカラだったらどうなるんだろうというワケのわからん不安感にも襲われるのだった。

 他の機器はACコードを抜き、休眠中である。長く家を空けるときを除いて普段はスイッチを切ることがないのでこれもお寒い状況、実際にも部屋はいつもの熱を失っている。まるで仮死状態である。

 このまま蘇生しなかったら、どーしよう。

’01/09/27 (木)

帰宅

 ヤレヤレくたびれた。京都市内から宇治市、高槻市から藤井寺市、東大阪市を廻って帰った(関東の方はピンと来ませんでしょ?)が、どこもかしこも渋滞停滞、ひどいところでは2Km進むのに50分以上かかってしまった。クラッチを踏む左足はフクラハギが痛い。マニュアルミッション車に渋滞は辛いのである。やっぱり五十(ゴト)日は車で走るもんじゃない。

 プリアンプが届いていればうれしいなと思いながら帰途につくも、残念ながら未着だった。早くても明日か。

 決めてしまったら早く聴きたいのである。

’01/09/25 (火)

リタイヤ


 1991年9月7日、清水の舞台から飛び降りる(死語!)ような覚悟で買ったアキュフェーズC-280Vである。11年目にして遂にリタイヤと相成った。分不相応な高級アンプを導入したということで、当初は20年使うつもりでいたのである。しかし、進化するディジタルの前にそうも行かなくなってしまった。決してこのアンプの価値が下がったわけではないのだが。

 初めてこのアンプでアナログレコードを聴いた時の感激は、一生忘れることがないだろう。余りの音の良さに、僕は図らずも落涙したのだった。「何を聴いてもギョッとするような音で鳴る」と書かれたダイナミックテストの評価に偽りなし、否、それ以上の感動がこのアンプにはあったのだ。以来10年余、今も大ファンであることに変わりはない。

 思い出深いアンプである。D-55+DRW-1MkIIによるピュアオーディオシステムから始まって、三管プロジェクターの導入に伴うVAシステムへの移行、更には箱船に至る大変更を共にしてきたのだから。

 リタイヤするとなれば、下取りに出すことで少しは新規アンプの足しになろうけれども、とてもそんな気にはなれない。10年間お疲れ様とオーバーホールに出し、その後は2階サブシステムで余生を送ってもらうことにしよう。ならば2階でもアナログやってみようかな。箱船以前のシステムが、そっくりそのまま再現されることになるわけだ。それもまた面白い。

 メインシステムからはリタイヤするが、結果的には20年以上使うことになりそうである。いや、やはり素晴らしいアンプです、C-280V。



 
〜閑話休題〜

 明日から二日間、彼岸のオツトメで出張します。26、27日付の航海日誌はお休みにさせていただき、28日付けから再開いたします。C-AX10システム入りの報告ができればいいのですが。どうぞよろしくお願い致します。

’01/09/24 (月)

ダイナベクターがんばる


 ダイナベクターのMCヘッドアンプ、PHA-100である。堂々たる現行商品、今時新規にヘッドアンプを開発するという快挙には、心から拍手を贈りたい。

 聴くのは当然のこと、見るのも触るのもまったくの初めてである。最初に驚いたのはそのサイズ。思っていたよりずうっと小さい。既に返却してしまったので正確な寸法は分からないが、本体はCDジャケットより少し大きいくらい。もちろんてのひらにすっかり乗るサイズである。左の黒い箱は電源ユニット。ON/OFFはこちらでの操作になる。これはご覧のとおり、本体より更に小さい。両方併せても、スぺースファクターは最高である。重量は計るのを忘れました。

 写真では並べているが、理想的にはもっと離して置いたほうが良いと思う。本体キャビネットは6面すべて厚手のアルミ板製、サイズからしても強度は極めて高い。たぶんうっかり踏んづけてもまったく問題ないだろう。といってもフンづけてはイケナイのである。脚は薄い樹脂(ゴム?)製の円板が四隅に貼ってあるだけの極めてシンプルなもの。フロントパネルにはON/OFFインジケーターが一つ付いているのみである。ヘッドアンプとして本質的な性能を追求した結果のシンプルさであろう。ゲインは固定されている。どれくらいか知りたくて取説を調べたが、記述はなかった。C-17の26dBレンジよりも高く、32dBレンジよりは低いという感じ。28〜30dBあたりだろうか。

 リヤパネルには入出力のピンジャックがそれぞれ一組とアース端子、それにカートリッジロード切換えの小型トグルスイッチが付いている。パネル面積が小さくかなり手狭で、特にアース端子は使い難かった。ピンジャックはガッチリした上等の物が使われている。

 箱船の環境ではアキュフェーズC-17との比較になる。決して劣ってはいない。ヘッドアンプを使うメリットを充分に味わえる良いアンプである。音の抜けが良く、サイズからは想像できないような馬力もある。ハイゲインイコライザーでは聴くことのできない微粒子サウンド、秋晴れの空を思わせるような爽やかさを持っている。C-17に比べると、全体を支配する余裕不足と言うか、ある種の「枠」を感じてしまう部分はある。キャビネットのせいかも知れない。

 個人的には重厚長大派なのでどうしてもC-17やH-Z1のほうへ目が向くが、今やどちらも中古でしか手に入らないことを考えれば、このPHA-100の存在は本当に貴重だと思う。これから本腰入れてアナログに取り掛かろうという人は、今のうちに買っておいたほうが良いような気はする。少なくとも損することは絶対に無いはずである。

 ただポンと置いて短時間鳴らしただけ、その条件でこれだけ鳴れば、先行き楽しみでもある。エージングでの変化もあるだろう。

 これくらいのヘッドアンプと優れたCR型フォノイコライザーを組み合わせた重厚長大製品を、どこか出してくれないかなァ。

 ダメ?

’01/09/23 (日)

訂正

 13日の日誌に書いたセシウム原子時計の話について、専門家の方からご指摘をいただいた。

 『原子時計に使うセシウムやルビジウムは放射性の強い同位体ではありません。ガイガーカウンターを直に当てても何もでてこないです』

 どうも申しわけありません。記事をそのままウノミにし、HPにアップしてしまったのは極めて軽率でありました。ここに謹んで訂正し、各方面の方々へお詫び申し上げます。

 いや、そりゃあそうだろうな、記事の記述も多少意識して大げさに書いてあったんだろうな、などとムシのいいことをドシロウトは思うのだった。アホ丸出し。

 ちょっと言い訳をさせていただければ、決して原子周波数標準を茶化すつもりはなく、それほどまでしても音を追求する人々がいることをお伝えしたかったのである。おそらくMJの記事も、そういう意図があったのだろう。放射線が漏れ出すものを、まさかホームユースには具せないはずだから。

 ちゅうことで、ガンマ線はガマンせんでもヨロシイ。安心してお使いください。スミマせんでした。

 とは言え、話としては面白いと思う。オーディオファンである限り「音の為なら千里の道もなんのその」という思いを皆持っているはずだ。さすがに放射線はカナワンけれども、元を辿れば同じ穴のムジナである。と思うのは、僕の手前味噌かしらん?

 色々な方のオーディオサイトを拝見するにつけ、皆それぞれに凄いことやってるなァと感歎の声を上げずにはいられない。一所懸命に一生懸命である。ハタから見れば、なんてアホなことをと映るに違いないのだが、そーゆー世間様の白い目にもメゲず、オーディオファンは今日も力強く進みゆくのである。

 デモ、ご近所様とは仲良くしましょうね。

’01/09/22 (土)

毒の正体


 ...はパイオニアC-AX10でした。決して気を持たせて引っ張ったわけではなく、各方面へご迷惑がかかってはと、バラすのを躊躇していたのでアリマス。でも、すでに導入することを決めたので、もう良いだろうと。炭山さん、ゴメンナサイ。バラしちゃいました。

 全身これディジタルで固めたこのアンプ、どんな音が出るのか非常に楽しみにしていたのである。結果はまるでマホウをかけたような向上ぶりであった。ディジタルネットワーク(チャンネルデバイダー)の威力は凄まじく、少なくとも先日の試聴に於いては、メリットがデメリットを遥かに上回っていると感じた。

 CDプレーヤーは、D-Dで繋ぐことによりGT-CD1をトランスポートとしDACをグレードアップしたのと同等の効果が得られるわけである。実際にその効果はかなりのものがあり、GT-CD1単体の音が如何に生硬で、深みに欠けていることかと思わざるを得なかった。ディジタルは間違いなく進化しているのである。当たり前ダネ。

 特に不思議な感覚を持ったのは、フォノ再生である。ディジタルフォノイコライザーを通るわけだから、A/D、D/A変換のプロセスを経たアナログサウンドを聴くことになるのである。これが極めて真っ当な、と言うより、極めて素晴らしい音なのである。正真正銘のアナログサウンド。ディジタル臭さは皆無である。ディジタルなのにアナログ? ノウミソが裏返りそうだった。

 内蔵DAC、ディジタルネットワーク、ディジタルフォノイコ、それぞれの良さが箱船システムと僕の好みにバッチリ嵌まってしまったようだ。

 結局今年はシステム大変更の年になってしまった。試聴段階とは違い実際にシステム入りすれば、またあれこれと追い込みたくなるに違いない。けれども、このアンプと箱船システムとの相性は、これ以上ないほどに良いと思ったのだった。

 以前からこのアンプをお使いの方々からすれば、なにを今さらと思われるだろう。いや全く、恐れ入りました。これはスグレモノです。

 来週には届く予定。毒を喰らわば皿まで、行けるところまで行ってみよう。

’01/09/21 (金)

鼓膜疲労?

 17〜18日の試聴は素晴らしい体験だった。炭山さん、生田さん、げんきまじんさん、本当にありがとうございました。

 これまでに無く長時間集中試聴し、耳は相当疲れたようである。昨日の朝から右の耳下腺が腫れて、非常に痛い。喉は痛くないし、どこかに炎症がある様子もない。今のところ熱も出ない。なんなんだ、これは。

 ただ、何となく体がダルい感じはあるので、やっぱりちょっと疲れたかな。良いグワイに新しいアンプが来るまで(あっ、書いちゃった!)少々時間があるので、しばらく耳を休めることにしよう。

 箱船を建てた頃は、徹夜で死ぬほど聴いてもこんなことにはならなかったのに、やっぱり40の声を聞くといろいろ差障りが出てくるのだなあ。あんまり若くないね。

 とは言うものの、今回の試聴ではオーディオの深さを改めて思い知ったのだった。自己限定してはイケなかったのだ。全てのオーディオファンがこういった体験をできれば、俯き加減のオーディオ界も活性化するのだろうな。

 自分のフィールドで最新機器を試聴する。現実は厳しいが、メーカー、販売店、メディアともに、できるだけ努力して欲しいものである。

’01/09/20 (木)

考える人


 猛毒アイテム、である。思わせぶりな画像で申し訳ない。これがこんなに優れたものだったとは、まったく思いも拠らなかった。実はかなり前からAE86さんからは薦められていたのである。「くずてつシステムの環境なら、これで行けばいいじゃん」って。人の話は素直に聞いておくべきである。ごめんなさいね、AE86さん。

 CDはもちろん、ADまでも凄まじく向上するのには恐れ入った。余分な音を綺麗に切り取ってしまうことが、必ずしも悪くないことを学習した。今さらながら自分の不勉強さ、無知さ加減にゲンナリするのである。頑迷にディジタルを嫌うことの愚かしさ。目からウロコである。何でもやってみなきゃ分からないよ。

 さて、ともかく困ったことになった。一度良い音を聴いてしまうと後には戻れなくなるのがオーディオである。さりとて現用機器にも思いは残る。

 う〜ん、どーしよーかなぁぁ〜。

’01/09/19 (水)


 アキュフェーズA-20V。トライアンプ再構築に向けての高域用候補アンプである。サンスイB-2105も有力候補だが、今回はお借りできなかった。

 A級20Wのこのアンプ、大音量派の僕とのマッチングはどうかと思ったが、聴いた感じではまったく問題なし。メーターの針は時々レッドゾーンへ入っている。けれども出てくる音に危機感はないのである。

 トータルの音については、再び事情により詳しくは書けないが(ゴメンナサイ)、一言でいえば予想外の大成功である。う〜む、体(耳?)にドクだ。

 と思っていたらもっと強烈なドクが、この後に控えていた。これは猛毒であって、もうすっかりカラダ中に廻ってしまった感じである。一緒に聴いたげんきまじんさんも完全にノックアウトされた様子。

 ディジタルは進化する。

’01/09/18 (火)

ルビー


 オルトフォンKontrapunkt-bである。買った? いえいえ、これは借物。ありがたいご縁を頂いて試聴の機会に恵まれたのである。上の画像は、箱船のプレーヤーに付けたところを撮ってもらったものだ。綺麗デショ。

 事情により音について詳しくお伝えすることはできないが、非常に良い音であるのは間違いない。これは良いカートリッジである。

 「ルビーカンチレバー」であることはAA誌などのインフォメーションで知ってはいたが、実物を見てビックリ。正に「ルビー」である。ピンクスケルトンのカンチレバーなんて、僕は初めて見た。もちろんルックスよりも出てくる音のほうが肝心なわけである。でも、これには感激。

 「しばらくはシステム変更をヤメて鳴らし込まねば」などと言っておきながら、こんなモノを聴いてしまうと決意が揺らぐのだった。

 いやいや、イケネーよ。買えないって。

’01/09/17 (月)

あ〜悔しい。もう一台!


 DATテープとダイレクトCD-R。聴き比べてみた。僅差でCD-Rの勝ち。音場の広さ、切れ、透明感、立ち上がり、低域の締まり、声の自然さ、多くの点で僅かながらCD-Rが上回っているように聴こえる。ただし、全体にやや硬さがあるのはなぜだろう。DATはほんの少し甘くなるけれども、しなやかな感じは良く出ていると思う。

 考えてみれば、プレーヤーもメディアもまったく違う訳だから、単純に比較してはいけないのである。DATテープをマスターにCD-Rを焼き、それをCDプレーヤーで聴けばまた違って聴こえるかもしれない。

 ガムランの録音ということで、キングレコードからでているCD「バリ・バトゥール寺院のゴン・グデ」、長岡先生が方舟で録音されたガムランなどと比較してみた。

 キングも方舟もバリ系ガムランなので、演奏は全くと言っていいほど違うのである。リズムからして基本的に違う。バリ系は派手なんだなと、改めて思った。

 それを差し引いても、僕の録音など足許にも及ばない。特に方舟のガムランには完全に脱帽。あれはすごい録音である。演奏もイイ。テクニクスRP-3800Eで録ったとはとても思えない。誤解の無いように申し上げておくが、決してマルガ・サリの演奏が悪いのではない。僕の録音が思いっきりヘボなのである。ま、当たり前ですな。

 実は僕も昨日、RP-3800Eを持って行ったのだった。だが、マイククリップが怖くて使わなかった。方舟のガムランを聴いていたのにもかかわらず、である。う〜ん、ちょっと後悔。DATをもう一台持っていればパラで録れたのだが。悔しいからタスカム買おうかな。

 再認識。生録は難しい。特に楽器は。だから面白いのだろうケド。

’01/09/16 (日)

マルガ・サリ


 げんきまじんさんのお骨折りにより、ガムランの生演奏を録音できるという、願っても無い機会を得ることができた。「マルガ・サリ」という、ジャワ系ガムラングループである。演奏はとても素晴らしかった。

 まじんさんによると「ジャワ系ガムランはバリ系に比べると演奏がやや穏やかで、そんなにはガンガン来ない」ということだったが、生を聴いてみると決してそんなことはない。やはり生音のトランジェント、立ち上がりは凄いものがあり、完璧な録再は困難である。

 特に難しいと思えたのは、写真奥に見える大型のゴングである。直径は約1mほどあるだろう。一曲中、時々しか鳴らされないゴング、しかしその存在感は極めて大きい。聴いた感じでは40〜50Hzくらいにピークがありそうな音である。非常に深々と力強く、素晴らしい浸透力を持った音色で「ズゥ〜ン」と鳴る。これを忠実に再生するのはかなり難しいのではないか。

 今回の録音では100V電源を確保できたので、いつものD-C88と共にマランツのCD-R、DR-17を持ち込み、ダイレクトCD-R録音に挑戦してみた。

 録音モードを48kHz/16BITにセットし、C88のディジタルアウトからDR-17のディジタルインへ。48kHzで受けた信号を内臓のサンプリングレートコンバーター(SRC)で44.1kHzにダウンコンバートし、直にCD-Rを焼いてしまう、というわけだ。

 モードを44.1kHzにすれば、SRCを通さずにそのままCD-Rを焼けるのだが、マスターテープのクオリティを考えるとどちらにメリットを見るか、微妙なところである。SRCのクオリティにも左右されるだろう。いずれまた試してみたいと思う。

 テープとCD-R、まだ詳しく比較できていないので、何ともいえない。録音そのものはまあまあの出来といったところか。当然のことながら、生音には遠く及ばない。音楽プログラムには、花火や爆音とは違った難しさがあるのだ。ただ録りゃあ良いってモノでもない。僕のレベルは正に「ただ録った」だけ。工夫もクソも何もない。

 昨日は録音の達人が複数みえていたので、そちらの方々に期待しよう。

 げんきまじんさん、あれだけの人数をドライヴするのはさぞご苦労だったと存じます。本当にお疲れさま。おかげさまでとても貴重で、楽しい時間をいただきました。本当にありがとうございました。

’01/09/15 (土)

電源環境


 箱船の電源系統は、東西の壁コンで1回路、南北の壁コンにそれぞれ1回路、フロアコンセントに1回路、照明、エアコン、に各1回路という振り分けになっている。コンセントの数を合計すると、全部で58口付いている。もちろん全てを同時使用することは絶対にない。壁際に物を置いた時、必ず使えなくなるコンセントができるので、それを避けるために狂気と思われるほど沢山設置したのである。

 東の壁一面にADラック、西の壁にはスクリーン、サブウーファー、スーパーネッシーが置いてあり、実働しているコンセントは8口。南北にはCDラックがあるので、これもそれぞれ8口程度。フロアコンセントは4ヵ所16口取れるのだが、そのうち2ヵ所は機器のラックに敷かれて使えない。拠って実働8口である。

 写真はテーブルタップTYPE I である。TYPE I だが、底板だけ15mm厚真鍮板に換えてあるので、TYPE III とのキメラですな。これは北側の壁コンから引っ張ってある。ここに繋がるのはプリとヘッドアンプの二つ、1回路にこれだけだからかなり恵まれた電源環境と言えるだろう。

 この環境でもテーブルタップを強力型に換えると、やはり効果があるのだ。ワルノリして底板を交換したが、さすがに僕の耳では差があまり分からなかった。モノとしての魅力は大きいし、精神衛生上ヒジョーにヨロシイので、その分音がよくなるだろう、と。

 あと、気になっているのは壁コンとテーブルタップ側プラグの接点である。壁コンもCSEのCONSENT1に換えてはあるが、5.5スクエアキャブタイヤの重みに負けている感じだ。ここが曖昧になっていては、如何に1回路であろうとも、テーブルタップが強力であろうとも、何の意味も無いのである。

 ここにもHUBBELのL型プラグを使い、ケーブルを真下に引き出すのが次善の策かなァ。

’01/09/14 (金)

欲しかったんだ〜


 カートリッジケースである。以前からこのタイプのものが欲しくて欲しくて。なら、買えばいいのだけれども、何だか縁がなくて今に至っていたのだ。

 そうしていたら、友達が「ちょっと古くて悪いんだけど、使わないからあげる」と、わざわざ持って来てくれたのである。古い? なーにがそんなこと。ゼンゼン問題じゃあありませんわ。確かに外観は古く見えるかもしれないが中を開ければご覧のとおり、ほとんど新品同様である。御丁寧にカートリッジ用の刷毛までちゃんと付いている。これで文句を言おうものなら、僕は地獄行きである。

 どうもありがとう。

 早速これまで使っていたベスタックスの木製カートリッジケースから使用頻度の多いものを移しかえた。ベスタックスも悪くはないのだが緩衝材ゼロのケースなので、ちょっと不安があるのだ。

 嬉しくて、蓋を閉めてはまた開け、開けてはまた閉め、アホ丸出しである。べつにこれを持ってどこへ行こうというものでもない。けれども、何だかとってもうれしいのである。

 宝石箱のようである。アナログの楽しさは、こういうところにもあるのダ。

’01/09/13 (木)

鉛と言っても別用途


 無線と実験の今月号を読んでいたら、「ルビジウム発振器の仕組みと応用」という記事が載っていた。解説は柴崎功氏である。原子周波数標準の仕組みについて詳しく書いてあるのだが、はっきり言ってジェンジェンワカラン。原子が持つ特有の共振を利用し、おそろしく正確なクロックを取り出す、ということだけは何となく分かるのだが。

 ルビジウム発振器を使い時間精度を飛躍的に向上させたときの音については、AE86さんがHP中「企画のページ」で報告されている。ご一覧あれ。

 ルビジウム発振器の時間精度は誤差±0.001ppm(10億分の1)というもの凄いものだそうで、水晶発振器を上回ること10000倍である、と。これだけでも超正確だと驚いていたら、更に上があるらしい。

 セシウム発振器、水素メーザーがそれである。メーザーとはレーザーのご親戚さんみたいなものらしい。この辺の話はまったくカイネフェアシュテーン、皆目分からんので省略。興味のある方は無線と実験10月号を買ってください。僕が読んでいて笑ってしまったのはセシウム発振器の項である。

 セシウムは強い放射線を出すのである。これを利用して正確な発振(ルビジウムより2〜3桁高い長期安定度)を得るというのだが、それってひょっとしてコワイのではないか?

 と思いながら先を読んでいたら、次のように書いてあった。

 「(前略)...セシウムから出る透過力の強い放射線(γ線)が人体に有害で、セシウム容器から漏れた放射線を浴びると脱毛などの被曝症状が出る...(後略)」

 やっぱりアブねーぞ。ま、僕は元々剃髪なので脱毛しても問題ないケド...ってそーゆーハナシではないな。

 それでもセシウム発振器をオーディオ用に導入しようと検討している人たちがいるそうで、その心意気には驚いてしまうのだった。

 「(前略)...セシウム発振器がオーディオ店や家庭に入るようになったら、ガイガーカウンターと被曝バッジは、マニアの必需品となりそうだ」

 今まで重石に使っていた鉛が、こんなところで役に立ちそう。将来のデジタルは、鉛の防護服が必須になります。

 ナニ、γ線? そんなもん音のためならガマンせんかいっ!

’01/09/12 (水)

高精細


 シトさんの白いケーブル。やっと視聴することができた。写真はDVD-H1000のリヤパネルである。ご覧のとおり、ケーブルが太くBNC接栓が大きい上にBNC-RCA変換プラグを使っているせいもあって、3本のケーブルがひしめき合っている。両端の2本は少し外側へ押し拡げられ、ピンジャックにかかる負担は大きい。極めて硬いケーブルなので、ちょっと引っ掛けでもしたらジャックはたちまちご昇天。アブナイのである。

 だが、このケーブルの威力の前で、そんなことは問題にならないのダ。

 ケーブルを高品位のものに換え、明るくなったとか、シャープになったとか、過去にそういう体験は幾度かあった。たとえばオルトフォンの7N-HiV100、あるいはカナレの5C線など。しかし、このケーブルは、そういう変化ではないのである。

 一言でいえば、「細かい」のだ。解像度がぐんと上がり、細部まではっきりと見えるようになる。フォーカスがビシッと決まる感じといえばいちばん近い、けれどもそれともちょっとニュアンスが違うなあ。もっと根本的な違いがあるように感じられる。これまでのケーブルでは追い切れていなかった信号まできちんと伝送しているというか、誤魔化しが無いというか。

 もちろん明るくもなるのだが、より自然光に近い明るさになるのである。画にもハイファイというものが存在するとしたら、このケーブルは正に「ハイファイ映像ケーブル」ということになる。

 以上は525P出力で視聴した時の印象である。これまでのケーブルのプログレッシヴ映像は、どうしてもベールが一枚かかったような感じで、スピード感に欠けるものだった。プログレ映像の限界、あるいはH1000の限界、はたまたソフトのせいかと思いきや、この白いケーブルを使えば一発解消。極めて自然で、高精細な画を見ることができる。

 箱船のプロジェクターは残念ながら、今や太古PJになってしまったVPH-1252QJである。その環境でこれだけの画が出るのだからG70、G90で、さらに高品位HTPCなら、さぞ壮絶な画が見られることだろう。おそるべし、シトさん白いケーブル。こりゃあ手離せないなあ。う〜む。

 シトさん、願ってもない体験をさせてくださって、本当にありがとうございました。

’01/09/11 (火)

イヤハヤ


 これは僕が依頼したものではないのだが、ADスタビライザー34に影響された友達が「作ってみたから試してくれ」と持ち込んだのだった。う〜む、やはりくずてつ菌にヤラレタ人がここにもいたな。

 形状はあるメーカーのものを基本にしているということだ。高さ/30mm、上面径/Φ65mm、くびれ部分径/Φ60mm、底面径/Φ90mm、周囲/純銅、中央/Φ40mmSUS圧入、重量/1,030g。重さは僕の物とほとんど変わらない。底面積がかなり大きく、押さえ効果は高い。銅+SUSのハイブリッドはこれが初めてである。弾いてみても鳴きはまったくない。仕上げは大変美しく、見事である。

 早速聴かせてもらったが、これは非常に興味深い結果が出た。オール純銅スタビとオールSUSスタビを足したような音である。なんや、そのままやんケ。そう、「そのまま」というのが面白いのである。

 ハイは非常に明るく散乱し、やや派手目である。ボーカルなどはちょっときつめになることもある。低域は充分に締まっていながら独特の弾力を持っていて、僅かに粘る感じ。といってハイとローがアンバランスということはなく、決してドンシャリ調ではない。スレスレのところで絶妙にバランスしている。

 中高域の明るさは純銅、ローの弾力感はSUS、一体感を持ちながら別々に自己主張しているというフシギな音である。面白い。

 ニュートラルといえば、やはりスタビ3に譲るだろう。だが、これはこれで持っておきたいスタビである。やればやるほど分からなくなるのがADスタビ、けれども幾つあっても楽しいのである。

 彼のとんぼさんも今、スタビ製作に取り掛かっていらっしゃるとのこと、どんな結果になるのか興味津々である。

’01/09/10 (月)

分割型+ジョイントパーツ


 リヤカノンL専用インナーリング(以下IR)の図面である。自分で書ければカッコいいが、相変わらず友達の手を煩わせたものだ。

 今回はリヤカノンLの構造上、Sネッシーのようにバッフル裏へ引き上げることが出来ないので、二分割半月型にし、バッフル開口部から取り付け可能にする。無理をすれば一体型でもイケるかもしれないが、途中でにっちもさっちも行かなくなったらカナシイので見送りである。

 サイズは外径Φ185mm、内径Φ158mm、厚み15mm、非磁性ステンレス製。幅を大きく取れないので、厚みを増やし(Sネッシー用は10mm厚)Sネッシー用のような歯車型にはせず、少しでも強度を稼ぐ。図面右の円弧状のものは、分割した二本のIRを繋ぐ部品。これを裏から繋ぎ目に当て、IRを固定するネジで共締めしようという魂胆である。同一材料を避けて8mm厚真鍮板で作る。

 と、偉そうなことを書いているが、このジョイントパーツの発案は彼のAE86さんである。彼の原案では固定ネジでの共締めでなく、IRにタップを切りジョイントパーツを個別に裏からネジ止めするというものだった。どちらにもメリットデメリットがありそうだが、加工の省略(要するにコストダウンね)と、より強い締め付けが可能ということで、共締め仕様を採ることにする。

 分割型IRを見かけ上一体化するためのジョイントパーツ。僕一人で考えていたら、この方法を思い付くことはできなかっただろう。つまるところ、オーディオとは観察力と発想力なのである。AE86さん、どうもありがとう。

 このIRが取り付けられれば、暫くは落ち着けるかな? 現在音は硬直気味、部屋はゴミ溜め、ソフトは停滞、困った状況である。充分な鳴らし込みが不足している。

 先ずは部屋を掃除し、腰を落ち着けて音を聴くことが必須である。

’01/09/09 (日)

TYPE II


 7月13日の日誌に載せたテーブルタップのセカンドヴァージョンである。今回の変更点は、材を全て真鍮にしたこと、天板、側板は8mm厚、底板だけ15mm厚にしたことの二点。構造は前回のものとまったく同じである。

 真鍮にしたのにはたいした理由は無い。ただそうしたかっただけ。ステンレスは硬くてピカールで磨いてもピカピカにはならないので、真鍮なら綺麗に磨けるだろうということもあった。しょーもない。底板を厚くしたのは、単純に重くするため。後で底に鉛板などを貼るのなら、最初から厚くて重いほうがいいだろうと、これもアホの一つ覚えである。

 119W×130D×63H、3,800g。前作は2,860gだったから約1kgの増加である。これにコードをつけ、粒状鉛で重量を付加(ショートさせないようにね)すれば、総重量は6kg近くに達するだろう。正気の沙汰ではないのである。

 前作に関して、なぜコンセントを横方向にしなかったのかとご指摘を頂いた。ごもっともである。横出しにすればコードにかかるテンションから逃げられるし、安定もするわけだから。

 そうと分かっていながら今回も上面出しにしたのは、HUBBEL/HBL8215CAT(UL規格L型ホスピタルグレードプラグ)を使ってみたいから。これを使えば更に上から重石をかけられるのである。どこまで行くんやアンタは。

 これとは別にTYPE IIIも既に出来ている。サイズはこのTYPE IIとまったく同一だが、天板、底板を真鍮で、周囲の板はステンレスでというハイブリッド版である。なぜハイブリッド? これもちょっとやってみたかっただけ、大それた狙いはない。ただ、種類の異なる金属を組み合わせることで鳴きが少なくなるかなと勝手に考えているが、どうだか分からない。

 こういうムチャな注文に文句も言わず黙々と製作してくれる友人には大感謝である。どうもありがとうございます。

 その友人曰く、

 「自分で作っておいてナニだが、実物を見て欲しくなった。もう1個作ろうっと」

 ....くずてつ菌に感染してますぜ、ダンナ。

’01/09/08 (土)

マトリクス大好き


 ようやくリヤカノンLがシステム復帰である。もっと簡単に作業できると思っていたのは見通しが甘かった。例によって部屋はムチャクチャである。こうしてお見せするのも心苦しいくらい。申しわけありません。

 168ES+DF168リヤカノンL。結論から先に言えば、これは大成功である。スピーカーマトリクスで使っているので、単体の音を正確に評価することは難しい。システムとしてトータルでの感想である。

 音場の繋ぎ目がまったく無くなった。フロントを208ESに換えて以来、168SSとのキャラクターの違いがやや気になっていたのだ。ソフトによってはリヤの音がかなり耳に付くものもあった。そういうものを聴いても極めてスムースに繋がっている。168ESになって聴感上の能率が少し下がったというレポートがあったので、ちょっと心配していたがまったく問題ない。むしろSSよりも良く鳴っているように聴こえる。にもかかわらず突っ張った感じはなく、うるささもない。

 ハイが伸びているのはメリット大。音場の透明感、見通しが良くなるのである。薄雲が晴れた感じ。SSよりも歪みが少なくなっているのが良く実感できる。暗さ、鈍重さは皆無である。音の粒子が非常に細かく、しかも一粒一粒がクッキリしている。トランジェントが良く、分解能が高いということだろう。

 低域にも力があり、リヤからもモリモリ出てくる印象。フシギなことにフロントの低音とバッティングしないのである。場合によってはスピーカーマトリクスすることで低域が薄くなってしまうこともあるのだが、今回は大変うまくいっているようだ。SSよりもコーンの動きが少ないのに、音が楽に飛び出してくる感じがある。リニアリティが良い?

 AE86さんもおっしゃっていたが、エージングゼロ状態でも、この168ESはとてもよく鳴るユニットである。これまでのESシリーズユニットとは一味違うみたい。エージングが行き届いた時どんなふうになるのか、今から楽しみでもある。

 今回は最初からDFリングを付けてしまったので、有る無しでの違いは比較できなかった。しかし、DFリングが音、音場に寄与している部分が極めて大きいことは容易に想像できる。リヤに使うのはもったいないくらいである。

 ネッシーJr.、D-37、スーパーレアユーザーにとっては黒船のようなユニットではないだろうか。気になって夜も寝られない。モアイに使っても相当なクオリティアップになりそう。トゥイーターが難しいか。ランチャーのセンターユニットに使えば凄い音になるだろうな。

 168SSとの差はかなり大きいようだ。かなりの出費にはなるけれども、できればリングとセットで使いたいユニットである。エンクロージャーもやや大きめに作り直すのが理想的かもしれない。

 う〜む、周辺整備が大変。でも、この音を聴くと、ガマンできないだろうな〜。

’01/09/07 (金)

ジャケットも音もカラフル


 A級外セレ第一巻82番、吉田進/エンカI&II、ウツセミ(仏PATHE MARCONI 069-83037)である。実物を見るのはこれが初めて、とてもカラフルなジャケットに驚いてしまった。外セレの写真は全てモノクロで、けれども何となく色を想像できる物もあるのだ。このタイトルがこれほど綺麗なジャケットだったとは、まったくイメージできなかった。

 PATHE MARCONIのほかのタイトルなら何枚か持っている。オレンジ色の縁取りが特徴的(黒の縁取りもある)で、これは想像できたが、「瞑」の文字はこういう色でデザインされていたわけだ。う〜む、ちょっと感激。

 音にはもっと感激。リヤスピーカーはまだ鳴らせないが、ガマンできずに聴いてしまった。これは凄い音である。長岡先生が詳しく紹介されている上に僕がゴチャゴチャゆっても仕方ないから多くは書かない。ただ、ブラスの切れ込みは筆舌に尽くし難い。F特ではそんなにハイが伸びているようには見えないが、空間をずばりと切り裂き伸びやかに鳴りまくる様子は、もうたまらん。

 EMIの録音というと、何だかヒステリックなのもが多い印象である。このタイトルは一味も二味も違うのである。ヒジョーに優れている。

 捜しても捜しても見つからなかったこのレコードをこうして実際に聴くことができるのは、いわしゃじんさんのご厚意による賜物である。

 いや〜、とってもシアワセな気持ちです。ありがとうございました。

’01/09/06 (木)

やっと片ch


 DF168取り付け完了。もう片方残っている。作業を初めてみると、これが結構手間要りであることが分かってきた。バッフル開口をすこし削り、仕込んであったオニメナットをドリルで削り飛ばし、さあこれでリングが付くぞとやってみたら、ユニットを再取り付けする段になって内部配線のコードが短くなっていることが判明し取り付け不能。スピーカー端子からハンダを外してコードの交換。やれやれとユニットを付けたら今度は用意したネジが5mm長くて使えない。というふうにトラブルの連続、と言うより僕がマヌケなだけです、ゴメンナサイ。

 しかしながら、こうして片方だけでも完了してみるとやはり嬉しい。ヒジョーにイカツイ感じである。やっぱりリヤスピーカーとしてはオーバークォリティの感がないではない。これも一つの実験かと、どんどん進めることにしてしまおう。

 さて、明日はいわしゃじんさんがお見えになるというのに、1階の部屋は天地がサカサマになったような騒ぎである。僕は大変不精なので、片付けながら作業するということを知らないのである。部屋を見渡すと、どういう手順で作業したかすぐわかるような「くずてつ道」がついている。オマエはモグラか。

 この調子だと明日にはとても間に合いそうもないのである。仕方ないね、どうも。ともかく今夜はできるところまでやることにしよう。徹夜も辞さず、と。

’01/09/05 (水)

シトさんの白いケーブル


 パラレル同時進行は困難である。だが、ともかく繋ぐだけでもやっておかなきゃと。写真中央が表題のケーブルである。

 ケーブルの直径約10mm、感触はシールドに銅管が使われているのではないかと思えるほど、硬く重い。左に見えるΦ1.6銀単線自作コードよりも硬いのである。繋いだまま無理に曲げるとジャックが壊れる可能性大。これ以上急角度には曲がらない。音、画のためには急角度に曲げない方が良いとも言えるが。

 画、音については既にAE86さん、M85さんなどが報告されているので、まず間違いないところだろう。早く見たいのだけれども、リヤスピーカーが未だ立ち上がらず、音が出せない。音がなくても画だけ見れば良いとお思いでしょうが、同じ視聴をするならちゃんとした(フツーはちゃんとしてるのかな?)状態で臨みたいと、これは僕のこだわり。

 ゴチャゴチャ言うとらんでさっさと見ろっちゅうハナシである。シトさん、もう少しお待ちくださいね。後日、ちゃんとご報告いたします。

’01/09/04 (火)

問題山積


 やるべきことがたくさん溜まってしまった。花火、自衛隊の録音編集、HPでの報告、リングの取り付け、インナーリングの思案。そこへシトさんが「謎の白いケーブル」をお貸しくださったものだから、頭の中はもうゴチャゴチャ、どれも早くやりたいことばかりだけに困ってしまうのであった。

 シトさん、ありがとうございます。どんな画が出るのか、とても楽しみにしています。

 さて、たくさんの事をパラレルに同時進行させられればカッコいいのだが、残念ながら僕にはそんな能力はないのである。柄にもなく無理をすればたちまちフリーズしてしまうのが関の山なので、一つ一つシリーズでやって行くことにしよう。

 今やりかけていることはリヤカノンLのリング取り付けである。ともかくこれを完了しないとマトモに音も聴けない。片ch1本は付けられたので、ユニットを仮に載せてみた。う〜む、スバラシイ。208ESリング付きより更に精悍な感じ。ルックスからして既にいい音で鳴りそう。

 思うに今年の夏は、システムの変更が非常に多かった。最近音に落ち着きがないのは、やはりこのせいだろう。決して悪くはなっていないけれども、何かしら生硬いような、ぎこちないような、自由に動けていないような、そういう印象は否めない。この辺で一度立ち止まって、音がこなれるのを待つべきだろうと思っている。

 夏が終わり、動くのが得意でない季節になろうとしている。ちょうど良い。暫くは鳴らし込みに専念しないと遺憾のである。

 その前に、溜まったシゴトをやってしまおうね。

’01/09/03 (月)

大観衆


 見て、聴いてきました、平成13年度陸上自衛隊富士総合火力演習。ご覧のとおりの大観衆、仮設スタンドは満杯である。おそらく3〜4万人、あるいはそれ以上。

 今日(9/2)は早朝から会場入り、さすがにクタビレたのでちょっとだけ。今年も凄かったですぅ〜。やっぱりカオが痛い音だった。

 改めて思ったのは、完璧な録再は絶対不可能ということ。いや〜、それにしてもスゲエ音だ。高崎さん、Sさん、AE86さん、M85さん、大変お疲れさま、お世話になりありがとうございました。

’01/09/01 (土)

DF168


 早くも到着。とんぼさん謹製FE-168ES用DFリングである。もちろん168Σ、168SSにも共用できる。厚さ15mm、外径Φ220mm、内径Φ158mm、リングの幅31mm、実測重量2,180g、砲金製。DF208は15、Φ250、Φ185、32.5、2,720gだった。外径、内径が小さくなったわりにリング幅が狭くなっていないので、見た目はかなりソリッドな感じ。強度ではDF208を上回っているはずである。重量も大差がない。

 仕上げは前回より更に磨きがかかり、非常に綺麗である。ただし、加工終了から時間が経てば当然表面は酸化するわけで、ピカールで磨くとより一層美しくなるのである。誤解のないように言っておくが、決して仕上げが粗いのではない。防錆加工していない生のままなので、経時により表面が酸化しているに過ぎないのである。

 写真はベンコットにピカールを付けて3回磨き、乾拭きした後アルコール系洗剤(研磨材の入っていないもの)で洗浄し、更に無水アルコールで脱脂したものである。このまま放置すれば再び酸化しくすんでくるので、この上からアクリル系クリヤーラッカーを吹き付ける。

 磨くのは骨の折れる作業ではあるが、実に楽しい。酸化膜が剥がれ下からピカピカの生地が現れるのは何ともいえない快感である。フォステクス純正P168も素晴らしいと思うけれども、この快感と達成感は味わえないのだ。

 僕は残念ながら金属加工の専門知識も技術もないので、リングそのものを自作することは出来ない。いつもとんぼさんや友人の手を煩わせるばかりである。だが、自作派を以って任ずるならば、せめて研磨作業くらいは自分の手でやりたいと思うのである。

 両ch分4本全て磨き終わるには少々時間が必要になる。早く聴きたいところだが、明日からは富士山へ出かけることになっている。聴けるのは来週かな。

 とんぼさん、今回もまた、ありがとうございました。

 ということで、9月2日、3日付けの航海日誌はお休みにさせていただきます。9月4日付けの日誌、自衛隊演習の報告から、宜しくご閲覧をお願い致します。