箱船航海日誌 2014年07月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’14/07/31 (木)

残り6日だが


 この間の日曜日は、お盆へ向けての恒例・境内草刈であった。早朝からたくさんのお手伝いをいただけて、あっという間に境内ツルツル。皆さん、ありがとうございました。

 その日は朝から曇り空で、気温もそれまでに比べてうんと低く、時折小雨混じりながらも作業するにはずいぶんと楽であった。このまま夏が終わっちゃうのか知らん、と思ったがそんなに甘くはない。昨日から猛暑復活。今日はまた恐ろしいほどの暑さである。入道雲が動き出す。

 暦の上では、あと6日の盛夏である。

’14/07/30 (水)

共振対策


 SBX-7のアームボードを外したところ。正確には、アームボードと呼べるのは昨日の日誌に書いた、A92×100×10mmの板だけである。これには「MOUNT BASE BP-407」と刻印されている。WE-407/23用のマウントベースなのである。

 では、あとの2枚の板は何と呼べばよいのか。これらは非磁性体、BP-407とも本体とも異質の金属で作ってあることからすると、共振を打ち消すための板とも考えられる。一種のレゾネーターか。実際、この板を取り付けると、本体の鳴きが抑えられるのである。

 前後についているサッシにも同じ効果があるようだ。材質は同一のものと見えるが、これも取り付けると本体の鳴きが減る。剛性を落とさず共振を低減するための策、と言えそうだ。SAECのこだわりが見て取れる。

 ある程度の共振抑制効果はある。けれどもやはり完璧ではなくて、すべてを取り付けた状態でも、かなり鳴きの多いキャビネットと言わざるを得ない。モノが大きく重いだけに共振エネルギーも大きく、容易なことでは低減できないだろうと思う。強化版アームボードの比ではないのだ。

 どのような対策を打つか。使い様には一工夫要りそうである。

’14/07/29 (火)

SBX-7


 後先考えず、このようなものを入手してしまった。SAEC ターンテーブルデッキ SBX-7である。1978年頃、SAECがユーザーの注文に応じて製作していた特注プレーヤーキャビネットだ。同じシリーズに、ロングアームにも対応するSBX-3というモデルもあった。

 僕は昔からこのキャビネットに大きな憧れがあった。1980年代後半になってから存在を知り、これは凄いと大喜びで買おうとしたが、既にディスコンになっていたのである。それを今さら買ってどーする。どーしましょう。

 なかなか凄い造りである。モーターが取り付く本体となる部分は磁石に反応するから、おそらく鉄系統の金属製、磁性SUSかもしれない。SAECの古いカタログには「素材に特殊金属を使用」と紹介されているが、正確には分らない。この部分が490×395×50mm。前後に490×12.5×50mmのサッシが付き、最大寸法としては490×420×50mmのキャビネットになる。このサッシも磁性金属製である。

 アームボードは3つに分割されている。奥から、@74×100×10mm A92×100×10mm B225×100×10mm。このうち、Aの板にアームが付く。@とBは非磁性金属製、Aだけが磁性金属製である。3枚はそれぞれM6SUSキャップスクリューでがっちりネジ止めされる。

 脚は高さ70mm、φ50mmとφ44mmのアルミスリーブ二段構えで、内部には非常に硬いスプリングが仕込まれている。クッションはほとんど感じられない。裏側には硬質ゴムが貼ってある。

 以上、恰も戦車か装甲車のようなキャビネットである。金属嫌いの人が見れば卒倒しそうだ。重量を実測しようとしたが、搬入とクリーニングで息が切れて断念。クソ重いのである。全て鉄製と仮定して比重から計算すると、約52kgと出た。そりゃ重いですわ。

 実際の使用までには課題が山積である。楽しみながら、解決しよう。

’14/07/28 (月)

強化策成功


 アームボードを強化したADプレーヤー3号機の試聴である。カートリッジはMC-L1000。特別に選んだわけではなく、強化直前に着けていたのがこれだったから。ボード以外の条件はできるだけ揃えて聴きたかったのである。

 最初の音が出た瞬間、あっと思った。ゼンゼン違うではないか。立ち上がりが鋭く、切れ味抜群。全域に渡って滲みが減り、非常に見通しが良い。細かい音の明瞭度が向上し、音場も広くなる。曖昧さがなくなった感じだ。1号機、3号機とも、同じ土俵で勝負できるレベルに到達している。テクニクスの純正キャビネット(SH-10B3)でこんな音が聴けたのは、初めてだ。

 金属的な響きが付くことを心配したけれども、僕としてはまったく問題ないと感じている。ただ、聴き手によっては「こんなのアナログの音じゃない」という判断もあるかもしれない。金属臭くはないものの、「アナログ的な音」としてしばしばイメージされる、ゆったりとリラックスして聴けるような音ではないからだ。少なくとも、オットマン付き高級リクライニングチェアーに身を委ねる向きの音ではない。叩き起こされそうだ。最も、ウチのアナログは全部そうだケド。

 改めて思いを至すのは、支点を明確にすることの重要性である。本来動いては遺憾ところを、より動きにくくする。極めて基本的なことである。オーソドックスがいちばん。チョイと置いただけで良い音が出るアームがあるとすれば、それはまた質の違う良さだと思う。僕が求めるものとはまったく別の世界である。

 強化策は大成功。僕の手前勝手な注文をすべて受け容れ、見事に仕上げてくれた友達には大感謝である。

 ありがとうございました。

’14/07/27 (日)

見た目からして


 強化版アームボードの取り付けが完了した。

 この状態で、ボードの鳴きはほとんどなくなった。人工黒曜石キャビネットとの間には薄いゴムシート(おそらく0.5mm厚以下)が介在しているから、そのダンプ効果もあるのだろう。あとは重量増加と、鳴きのさらなる抑制を狙い、タングステンシートやらクリスタルガラスブロックやらGT-CD1のスタビライザーやら、いろいろ置いてある。効果のほどは、例によってよくワカラン。これも実験のうちである。

 試聴はまだである。音は確実に変ると思う。もちろん、良くなるか悪くなるかは、別のお話。メリット・デメリット、どちらが勝つか。グッドならそれで吉、NGなら仕切り直せばよいのだ。ルックスからすると、良くなりそうな気は、するンだケド。

 楽しみである。

’14/07/26 (土)

4.66kg


 強化版アームボードにWE-407/23のアームベースを取り付ける。砲金製スタビライザー付きである。この状態で、実測4.66kg。持ってみると、数字で感じる以上に重い。なかなか好いグワイである。

 ぶらさげて叩くと、多少の鳴きがある。考えていたより鳴かないのは、2枚重ね構造の副産物か。素のままでも問題なさそうな程度だが、気は心ということで、裏側に1mm厚のfo.Qシートを適当に切って貼り付けておいた。少しばかり静かになったようだ。どれくらい音に影響するのかは、ワカリマセン。やらないよりマシ、くらいかしらん。

 この状態で、キャビネットへ実装する。

’14/07/25 (金)

強化版完成


 ADプレーヤー2号機用の、強化版アームボード本番製品が友達から届いた。

 アルミダイキャストのフレームに26mm厚アピトン合板のボードをはめ込んだものがオリジナルボード(写真奥)である。WE-407/23取り付け用の穴を開けた状態で、実測460g。ヘナヘナではないけれども、いささか軽い感じだ。

 今回の特製品は、オリジナル外形寸法そのままに真鍮へ置き換えて作ってもらった。最も薄いところ(キャビネット上面に見える部分)で10mm厚、最も厚いところ(アームが取り付く部分)は25mmある。一枚板から削り出すことも可能ではあったが、コスト綱引きの結果10mm厚+15mm厚の2枚重ね仕様にしてもらった。2枚は6本のネジでがっちりと一体化され、ガタやスキマは皆無である。

 実測重量3.3kg。オリジナルの7.17倍である。これにWE-407/23のアームベースとスタビライザーが付けば、4.5kgくらいになるだろう。1号機、3号機のボード重量には及ばないけれども、制限がある中での強化策としては充分過ぎるほどの出来だと思う。

 ムクモノマニアの血が騒ぐ質感なのだ。

’14/07/24 (木)

青空と蝉の声


 梅雨が明けて以来、日に日に暑さが増しているような気がしますが、如何でしょうか。イヤ、気がする、のではなくて、本当に暑くなっているのである。

 午前8時過ぎ、既に30℃を超えている。9時になったら32℃、午後には38℃近くになってしまった。エラいこっちゃ。けれども僕は至って元気である。オツトメに出かけて大汗かき、青空を見上げて蝉を聴き「暑いなあ、夏だなあ」と大喜び。

 庭のオニユリは、燃えるような色の花を咲かせている。

’14/07/23 (水)

少しお目覚め


 ADプレーヤー3号機のMC-Rohmann、少しばかり目が醒めてきた様子である。未だ万全とは言えないまでも、ずいぶんと音に生気が出てきた。古いカートリッジだけれども、まだまだ第一線で通用する音である。

 どちらかと言えば、リラックスして音楽を楽しむことに向いたカートリッジだと思う。美しく、豊かで静謐な音にはほれぼれするのだった。と同時に、ソースに対する敏感さも併せ持っているところが大きな魅力でもある。悪い録音はそれなりに、良い録音にあたれば素晴らしい再生音を聴ける。

 WE-506/30との相性も良いようだ。EPA-100MkIIで聴くと、低域に独特の軟らかさを感じたものだが、締まりと力感が出てきて実在感が増す。長いアームのメリットが活きている印象である。HELIKONよりもマッチングが良いと思う。コンプライアンスが低い(サスペンションが硬い)所為もあるのか知らん。

 このカートリッジのコイル素材は、現在生産されなくなった6N銀である。ついでにリード線も6N銀線。さらに言えばアームコードも、HX-10000とC-280Vをつなぐラインコードも6N銀だ。銀だらけ。さぞ銀臭い、まぶしく腰高で白飛びしたような音になりそうなものだが、そのようなクセはまったく感じられない。極めてマットウな、ハイファイサウンドである。

 しばらくはこの組み合わせで。

’14/07/22 (火)

コロコロ


 TTシートにJP-501をお使いの皆さん、表面に付いた埃や細かいゴミなどは、どのようにクリーニングしていらっしゃるだろうか。あのシート、きれいに掃除するのにはちょっと工夫が要るように思う。水洗いすればよい、というお話もあるが、埃は取れても直に触ることで傷だらけになったりするのである。

 僕は昔、NAGAOKAのローリング152というレコードクリーナーを流用していたことがある。これはグワイが良かった。しかし今やゴムローラーの経年劣化で粘着力激減、最早使えない。ある友達は粘着力弱めのガムテープを器用に使って掃除していた。ガサツな僕にはちょっと怖いのである。プラッタ外周に余計な力をかけ、センターシャフトを傷めてしまいそうで。

 そこで登場、ニトムズの「コロコロ」である。ローリング152のご親戚さん、ともいえる粘着クリーナーである。一般的なサイズでは幅が広すぎて使いにくい。ので「コロコロミニ クルマ用」なるヤツを買ってきた。幅80mm、カーペット用などに比べると粘着力はやや弱め。これならどうだ。

 早速試してみた。TTシート用には粘着力が少しばかり強い感じで、使い様にはちょっとコツが要る。その分埃・ゴミはよく取れる。コロコロの粘着剤がシートに残ることもなく傷も付かず、とてもきれいになった。

 お薦めだけれども、ちょっと高いかな。854円でした。

’14/07/21 (月)

次は2号機


 21日、昨年に13日遅れて近畿地方でも梅雨が明けた。春頃の長期予報で「エル・ニーニョ現象の発生により今年の梅雨明けはないかもしれない」などと脅されていたから、少々遅め(と言っても平年並み)の出梅にも大いに喜んでいる。大好きな、夏がやってきたのだから。

 さて、ADプレーヤー3号機が一段落したところで、次は2号機である。もうずいぶん前から考えていながら実行に移せていなかった、アームボード強化策へ打って出るのである。と、何だかエラそうに言うけれど、自分の手で出来るものではない。例によって、実際の加工は友達へお願いするのである。

 先日、友達から10mm厚アルミ板製の試作アームボードが届いた。写真でキャビネット所定の位置に納まっているものがそれである。このままでも充分実用になる仕上りグワイだが、本番製品ではもう一工夫。オリジナルアームボードの形状をそっくりそのまま、アルミよりも比重の大きい金属板へ置き換える企てである。この試作品は、その準備段階というわけ。

 斯様嬉しげに何でもかんでも金属だらけにしているけれど、それで本当に音は良くなるのだろうか。はっきり言って、ワカランのである。音に金属的な色が付きまくってNGかもしれないし、重量と強度の増大により瞬発力が向上するとも考えられる。メリットとデメリット、どちらが勝るか、僕は知りたい。やってダメなら一旦元に戻し、次の策を考えればよいのである。

 失敗は成功の母。と、格好よく言っておきましょう。

’14/07/20 (日)

3号機再起動


 アームボードの磨き直しが終り、アームリフターの高さ調整も完了、晴れてADプレーヤー3号機再起動である。カートリッジはご覧の通り、HELIKONからortofon MC-Rohmannへ換装した。一度はロングアームで、このカートリッジを使ってみたかったのである。

 永らく休ませていた所為か、鳴らし始めは切れが鈍くレンジも狭い。如何にも寝ぼけた音である。けれども持ち味であるところの、しなやかでキメが細かく静謐な感じは出ている。しばらく鳴らせば目が醒めてくるだろう。まずは穏やかなソフトから始め、徐々に凶悪なヤツへ移行するのである。

 ところで、挟んでみた鉛シートの効用は。うーむ。よーわからん。

’14/07/19 (土)

余計なことか


 ADプレーヤー3号機のアームボードとアームベースの間に挟んでみたい「何かしら」は、軟硬あれこれ考えあぐねた結果、0.4mm厚鉛シートをリング状に切り抜き挟み込むことに決定。写真はその様子である。

 厚み0.4mmに大きな意味はない。手持ちの中で最も薄いヤツを選んだだけである。1mm、2mm厚も考えたのだが、ちょっと厚すぎるンじゃないかと却下。平面性を確保するのが難しくなるし、切り抜くのにも骨が折れるからである。

 アームベースをスタビライザーで締め込んでみた感じでは、わずかながらも食い付きが良くなりスリップが減った、ような気がする。少しでも音の向上に寄与すればいいな。と、これはあくまでも希望的観測である。ひょっとしたら、ものすごく余計なことをやってしまったかもしれないのだ。

 これも一つの実験、ということで、次へ進むのである。

’14/07/18 (金)

27年物JP-501


 遠方の友達から「使っていないJP-501があったら譲って欲しい」と連絡があった。お役に立てるならばどうぞ、と返信しておいてからハタと考え込んだ。

 思えば僕は、もう10年以上使っていないのだった。裸でその辺にうっちゃりカマしたりはしておらず、一応はきちんと保管してある。けれどもさて、10年超である。往年のパイオニア製名TTシートとは言え素材はブチルゴム系、大風邪ひいて劣化し、ニチャニチャになってはいないだろうか。

 保管棚を探すと、2枚のJP-501が出てきた。うち1枚は1987年、もう1枚は1991年の購入と書いてある。新しいほうでも23年前のもの、しかも10年を超えて放置してあったわけだ。こりゃダメかと思ったが図らずも保管が良かったのか、両者ともベタベタもニチャニチャもない。充分使える状態であった。弱粘着性のテープでペタペタクリーニングし、傷が少ない1991年物のほうを友達に送った。

 残った1987年物が上の写真である。一見きれいなようだが、これは写真マジック。埃は取れたものの細かな擦り傷や凹みが目立ち、如何な友達と言えども言え差し上げるにはいささか躊躇われる状態である。よって、実験もかねてADプレーヤー3号機に、12年ぶりの復活となった。

 27年間熟成(?)されたJP-501は、どんなグワイかしらん。

’14/07/17 (木)

さすがRR


 新譜を買うよりさらに久方ぶりの登場。サンワfo-Res SS-30RTスペアナである。RRレーベルの「ローマの松」を聴いていて、そのF特が知りたくなり測定してみた。長々と使っておらず、ちゃんと動作するかドキドキしたけれども、ご覧の通りまずは正常に測定できて一安心。ちょっとアブナイところも、あるのだが。

 A面「ローマの松」全曲のF特である。オーケストラのレンジとしては異例に広いと言ってよい。特に高域は目覚しく、20kHzまでレベル落ちなく伸びている。この形からして20kHz以上がストンと切れているとは考えにくく、漸減しながら30kHz、或いはそれ以上まで伸びていそうに見える。さすがRR。

 外盤A級セレクション第3集120項に、同じ曲のMOBILE FIDELITY盤のF特が示されている。それと見比べると、低域の伸びでは一歩譲るものの、ハイの伸びは明らかにこのRR盤が勝っている。聴感上でも、高域のきめ細かさと情報量、歪み感の少なさでRR盤に分があると感じた。

 さてもう1枚の新譜、「Mephisto & Co.」。僕の好きな「魔法使いの弟子」が収録されているし、加えて45回転盤ということで、とても楽しみである。

 やっぱりRRは、いいなあ。

’14/07/16 (水)

大推奨盤


 「EIJI OUE / RESPIGHI / The Pines of Rome」(米REFERENCE RECORDINGS RM-1509)を聴いた。これは強烈である。超のつく優秀録音盤と言ってよいだろう。

 冒頭「ボルゲーゼ荘の松」は圧倒的である。音の洪水。高域の伸び、切れ、輝き、浸透力、解像度、情報量、すべての点で最高。音場感は恐ろしく広く深く高く、スピーカーを完全に無視して縦横無尽に音が炸裂する。オーディオ的快感ここに極まれり。

 第3部「ジャニコロの松」の最後に登場するナイチンゲールのさえずり、オーケストラとの距離感と音色が妙にリアルでギョッとする。実際に演奏されているのではなく、テープ再生のはずだが、どうなのだろうか。

 第2部、第3部の静かな展開から、第4部「アッピア街道の松」になると俄然豪快になる。徐々に音量が上がって行き、曲の終りではエラいことである。Dレンジ、Fレンジとも圧倒的に広く、強烈な音圧で椅子から吹き飛ばされそうになった。これは凄いレコードだ。

 この曲はオーディオファン、さらに言えばサウンドマニア好みの曲とも言える。この他にも優秀録音盤はいくつかあり、いずれも素晴らしいレコードである。しかしその中でも今回の盤は一、二を争う優れた録音と聴いた。特に、解像度と情報量という点ではベストではないかと思う。

 既にCDをお持ちの方も、是非とも聴いてみてください。

’14/07/15 (火)

良い組み合わせ


 専ら中古レコードばかり買っている中にあって、久しぶりの新譜である。米REFERENCE RECORDINGS / REFERENCE MASTERCUTSシリーズの最新リリース盤を2タイトル。「EIJI OUE / RESPIGHI / The Pines of Rome」(RM-1509)、「EIJI OUE / Mephisto & Co.」(RM-2510)である。

 1509は200gプレス33回転盤1枚、2510は200gプレス45回転盤2枚組だ。(P)2013、2014の新譜といっても録音は前者が2001年、後者は1998年で、CDではずいぶん前にリリースされている。これまでのREFERENCE MASTERCUTSシリーズと同様である。

 したがって、既にお聴きになった方も多いはず。僕はCDを買っておらず、このレコードで聴くのが初めてである。実は、もっと早くに買える予定になっていたのだけれども、某H〇Vさんのものすごく悠長な対応によって、えらく遅くなってしまったのだ。結局は馴染みの海外ショップで購入、注文から5日くらいで届いてビックリした。あるところには、ちゃんとあるのだな。

 1509については、「すごく良いですよ」という情報を友達から聞いている。これまでにもハズレのないシリーズだから、大いに期待するのである。

 米RRレーベル+大植英次+ローマの松。これは良い組み合わせだ。

’14/07/14 (月)

何かしら


 写真は、WE-506/30のアームベース裏側の様子である。この面がアームボードと接触するわけだ。ご覧の通り、円周部分を幅4mmくらい残して浅くザグってあり、全面では接触しないような形状になっている。

 取り付けてしまえば見えなくなる部分だから、単なるデザインでこうなっているのではないと思う。一様な平面で全面接触にすると、アームボードの面のグワイによってはガタが出るおそれがある。それをできるだけ避けるためと、もう一点は音をコントロールする意味もあるのだろう。

 現状、アームベースとアームボードの間には何も挟んでいない。元々ワッシャの類は付属していないから、それがデフォルト状態である。余分なクッションは可能な限り排除する、というのはSAECのポリシーでもある。

 要らぬ夾雑物なしに良い音が再生できれば、それは理想である。しかし現実には上手く行かないこともままあるわけで。わずかでも何かしら挟んだほうが良さそうな気がしている。

 「何かしら」が何なのか、今のところよく分らないのだケレドモ。

’14/07/09 (水)

錆びたら磨け

 磨き直すならば、アームボードは一旦丸裸にせねばならない。もちろん、最終的にはハンドルも外すのである。

 アームリフターの台座を剥すのには少々苦労した。後先考えず馬鹿みたいに両面テープでくっつけてあったのだ。接着剤剥離液を使い、やっとのことで引き剥がしに成功。ナイスタックって、考える以上に強力なのである。瞬間接着剤なんか使わなくてヨカッタ。

 表面はマダラ模様になっている。この程度なら、磨き直すのは比較的容易だろうと思う。問題はその後、防錆対策である。理想的には、強固な塗膜を作る透明塗料で必要最低限、ごく薄く塗装できれば言うことなし、なのだがそれが難しい。これまでの体験からして、スプレー缶では上手く行かない。ハケ塗りはさらに困難。コンプレッサーとエアブラシならグッド。とは言えそんなものは持っていないのである。

 塗装は諦めて、錆びたらまた磨くかな。

’14/07/08 (火)

モリアオガエルの寺


 オツトメ出張版で京都市内へ出かけたついでに、高槻市の実家へ寄ってきた。この時期に行くのは久しぶりである。

 すぐ脇に竜神さんの池があるいちばん奥の部屋で寝たら、モリアオガエルの声でエラい騒ぎだ。一晩中グエグエ鳴きっぱなし。僕はまったく気にならない、どころか、却ってよく寝られるくらいだが、人によっては一睡もできないだろう。彼らの声は、かなり耳障りとも言えるのである。

 写真は池の傍にせり出す椿の樹である。縮小してある所為でわかりにくいけれど、この樹だけで10個以上、モリアオガエルの卵塊がぶらさがっている。ところどころ白っぽく見えているのがそれ。池の縁の低いところにもある。その総数20個以上。毎年観察している兄によれば、今年は特に多いという。

 1個の卵塊から生まれるオタマジャクシは300〜800匹、それが20個超だから、最大で16,000匹以上のオタマジャクシがさほど大きくない池に泳ぐことになる。池、オタマでマックロケ。にはならない。上手くしたもので、樹の下池の中ではイモリさんが大口開けて待っているのだ。大好物。斯くしてちょうど好い加減に淘汰され、バランス良く個体数が保たれるわけである。

 モリアオガエルが庭にいる寺。ある意味、贅沢である。

’14/07/07 (月)

尻拭い

 先月23日に書いた「その場しのぎ」の尻拭いである。アームを外し、重石を取り除き、残っているのはアームベースとリフターだけ。アームベースの下には1kgのスタビライザーがくっついていて、全体の重量はほぼ24kgある。手掛かり無しで持ち上げるには危険な重さ、ということで、自作組み立て式ハンドルを取り付け、移動準備完了。なかなかメンドウなのである。

 表面には重石を載せていた部分にうっすら跡が残っているし、側面にもくすみが目立つ。やはり磨き直したほうが良さそうな感じだ。この機にやっておかないと一生やらないだろうな。

 十円玉色になる前に。

’14/07/06 (日)

丈夫で長持ちB-2302


 なにやら故障続きの拙宅装置だけれども、使い始め以来一度も故障していないアンプもある。写真のヤツである。SANSUI B-2302VINTAGE。1994年7月28日購入の古いアンプだ。

 ただ黙々とサブウーファーをドライブし続けること20年、調子を悪くしたことがない。よほど良い個体に当たったものか、或いは元々が故障の少ないアンプなのか。同じアンプを使っている友達が複数いるけれど、故障して困ったという話はあまり聞かない。ハイパワー(6Ω 380W×2)のわりに発熱が非常に少ないのも、丈夫で長持ちの原因なのかもしれない。

 しかし、如何にも古いアンプである。最早いつ調子を崩してもおかしくない年数が経っているわけで、今のうちに一度はオーバーホールしておいたほうが良いのである。パーツだって劣化しているに違いないのだから。

 現在、SANSUIは事実上活動停止状態である。メンテナンスは受けてくれるようだが、ちょっと不安もある。SANSUI本体とは別に、修理・オーバーホールを専門にしているところもあるようだから、そちらへ依頼したほうが安心か。

 なんだ、やっぱりこーなるわけだ。

’14/07/05 (土)

次はC-280V


 DP-85の復帰を喜んでいたら、次はC-280Vである。ご覧の通り、フロントパネルの照明が暗くなっている。水色に光っているべき「Accuphase」のロゴは完全に消灯状態、下段の表示も半分以上消えている。中央赤色のパワーインジケーターも、心なしか暗くなっているようだ。

 現状、再生音には問題がないからひとまず安心だけれども、見た目の印象はヒジョーに良くない。このまま放置すればやがては全消灯してしまうだろうし、そうなるとますます感じが悪い。古い装置でもきれいに使っているからこそ奥ゆかしいわけで、邪険に扱っているふうでは哀しいばかりである。修理へ出すに若くは無し。

 アキュフェーズの公式webページを調べてみると、C-280Vは故障箇所によって修理不能と案内されている。最も致命的な故障は、ボリュームである。部品在庫ゼロ、代替品もなし。ボリュームにガリが発生したり、左右に大きなレベル差が出た、などのバヤイには修理不能である。一巻の終り。発売以来24年にもなんなんとすれば、致し方ないことなのである。

 発売の次の年、1991年9月に使い始めて23年。健常でありさえすればまだ使い続けたい、僕にとっては最上第一のプリアンプである。しかし残念ながら、寿命が尽きるのは時間の問題である。完全NGとなる寸前まで使い、この装置もまた近い将来新調せざるを得ないようだ。

 ナンギななあ。

’14/07/04 (金)

早咲きネム


 ネムの花である。当地では、7月5日頃を過ぎてから咲き始めるのが通常である。個人的な印象としては「梅雨の終りを告げる花」と感じているくらい。ところが今年はずいぶん早く、先月25日頃から満開になっていて、今や既に盛りを越えている。

 2011年7月9日の日誌に「只今満開、例外的に早い開花」と書いてあるから、3年前に比べれば2週間くらい前へずれているわけだ。ネムが早く咲くとその夏は猛暑、とは僕の勝手な見立てである。長期予報はエル・ニーニョ現象発生で長びく梅雨、短い夏、しかも冷夏、と予測しているそうだが、どうなのだろうか。僕としては早咲きネムに大きく期待したいところである。

 今日は一日鬱陶しい天気だった。早く夏が来ないかなあ。

’14/07/03 (木)

大変好調


 設置完了。ご覧のような状況である。これまで使っていた御影石の台座を外し、DP-85の上に往年の名プレーヤーPanasonic DVD-H1000を載せた。DVDを見るときの使い勝手を良くしたかったこと、御影石を外した分の付加重量にしたかったこと、ついでにDP-85の重石にもなってくれれば、という狙いである。H1000にはずいぶん失敬なお話だ。

 久しぶりに健全なDP-85を聴いたような気がする。張りと透明感があり、生気が漲った音である。定位も確かで音場感抜群。イマイチ冴えないと思っていたCDも、非常に抜けが良く清澄に鳴っている。SACDも大変好調、メリットがよく出てさらに痛快爽快な音である。こりゃあイイ。

 とは言え、ディジタルプレーヤーとしては、やはりご老体と言わざるを得ない。ディジタル技術の進歩は速いのである。そんなに遠くない将来、時期プレーヤーへ更新せねばならないだろうと思う。それまでの間、今回のような大きな故障なく行ければ良いのだが。

 とまれ、復帰できてヨカッタヨカッタ。

’14/07/02 (水)

ご老体DP-85


 ここのところ調子が悪かったSACD/CDプレーヤーDP-85が修理から帰ってきた。依頼したのは先月19日、どうも拙宅の装置は6月の故障が多いのである。ナンデだろ。湿気の所為かしらん。

 今回は光ピックアップとローディングベルト、加えて表示パネルの交換となった。それなりに大きな修理だったわけだが、永く使っていればグワイも悪くなるのである。12年物のご老体なのだ。何より、完全復帰させてもらえてヨカッタヨカッタ。

 ラックに収める前に動作確認しておいた。動きが悪かったディスクトレイはスムーズに開閉する。SACD/CDとも正常にTOCを読む。表示パネルはくっきりと明るくなった。実はこのDP-85、購入当初から表示がやや暗かったのである。バラツキの範囲内だったのだろうけれど、たぶん今の明るさが正常だと思う。なかなか気持ち良いです。

 修理前、何となく音が冴えない感じだったが、ピックアップが新しくなってどれほど良くなるのだろうか。じわじわ劣化したものが一気に改善されれば、一聴ハッとさせられるような音で鳴るンじゃなかろうか。などと、実に都合の良い期待をするのである。

 では、設置へ。

’14/07/01 (火)

次期メインカートリッジは


 半年も日誌更新を休むと、ただでさえ短く感じる1年がますます速く過ぎるのである。もう7月になってしまった。

 ここのところしばらくお休み中のメインカートリッジ、My SonicのEminentである。2004年4月購入だから、10年を越えたことになるわけだ。決して新しいとは言えなくなってしまった。当初、My Sonicのカートリッジはこのモデル1つだけだったが、今ではずいぶん仲間が増えている。

 最近、親しい友達からEminent GLを導入したと聞いた。情報量が極めて多く、切れと繊細感が高い次元で両立、音場は渺々として広大、それはそれは良い音の素晴らしいカートリッジだったそうだ。

 10年経って手持ちのEminentが酷くくたびれたわけではないし、音に不満があるわけでもない。けれども上のようなお話を聞けば、やはり心中穏やかならざるものがあるのだった。僕も新しいカートリッジ、欲しいなあ。

 選択肢はいろいろあると思う。個人的には次のメインカートリッジもMy Sonicにしたいと考えている。現用を針交換する、のも一つの方法ではあるけれど、ちょっと面白くない。Ultra Eminent Bcも素晴らしく良い音だと聞いているし、最新モデルSignature Goldも大いに興味深い。いずれも超高級カートリッジだが、これもまた憧れである。

 思いを巡らせるのも、また楽し。