箱船航海日誌 2013年07月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

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’13/07/19 (金)

PH-2S/1.2


 ADプレーヤー3号機のフォノケーブルを、Zonotone 7NTW-7060 Grandio(名前長い)からNanotec Systems PH-2S/1.2へ交換した。WE-506/30の構造上、さっと抜いてさっと入れ換え、というわけ行かず、なかなか億劫だったのである。

 LR2本のケーブルがアース線を挟んで平行にまとめられているケーブルだから、曲げに方向性が出る。しなやかではあるものの、取り回しはやや困難なタイプと言える。DINプラグとアーム側ジャックの噛み合せはやや緩めだが、これは仕方ないと思う。渋すぎるとアーム側のピンを曲げてしまうおそれがある。そもそもこの規格はかなりいい加減で、カチッと決まるほうが珍しいのだ。

 RCAピンプラグとアンプ側ジャックの噛み合わせもやや緩めで、なんだかシャキッとしない。これには大いに文句あり、だ。この辺りにガレージメーカーの限界のようなものを感じる。コールド(アース)側の接触グワイは、想像以上に音への影響が大きいのだから、もう少し気を遣って欲しいところである。

 まだ交換直後でレコードを1枚半聴いただけ、だが、明らかに音が違う。まったく違う、と言ってよいほどの変りようである。

 まず、音量が上がる。いつものボリューム位置で聴いたら、エラくでっかい音が出てびっくりした。それくらい違うのである。詰まっていたものが取れて、急に通りがよくなったような感じ。音もそのままである。抜けが良く惜しみなく音が吹き出てくる。かったるい感じは一切なし、スピード感にあふれたパワフルな音である。ロスが少ないのかな。現状、どちらかと言うと高域寄りのバランスに聴こえる、けれども、下への伸びは使っているうちに改善されそうな感じがする。

 ファーストインプレッションは、たいへんヨロシイ。少なくとも、Zonotoneよりは僕好みの音である。尤も、未だ入り口を一歩半歩踏み込んだだけの段階、あまりホメすぎては遺憾のだ。

 聴き込んでの感想は、また後日。

’13/07/18 (木)


 今年の近畿地方梅雨明けは、7月8日であった。2010年は7月17日、2011年は7月8日、2012年は7月17日と、ここ3年間は8日と17日が替わりべんたんになっている。ただの偶然だろうけれども。

 今のところ猛暑の夏、ということで、特に関東から西では毎日のように熱中症でぶっ倒れる人が続出、エラいことになっている。結構若い人でもそのまま意識が戻らなかったりしているようである。皆さん、くれぐれもご油断召さるな。

 僕は絶好調である。暑い夏、大好き。今日もご覧の通りの夏空である。お参りでお経を読んだら、瞬時にして汗まみれになったけれども、これでこそ夏なのだ。こうでなきゃイケナイ。

 立秋までの19日間、一日一日をいとおしむのである。

’13/07/14 (日)

WERGOのNatural Sound


 外盤A級セレクション第3集252番「KIRK NUROCK / Natural Sound」(米LABOR LAB13)は、ちょっと不思議なレコードである。先生の紹介記事では米MODEリリースとなっているが、実は米LABORレーベルの盤なのである。

 これは何も先生が間違われたのではない。方舟で実物を見たけれども、ジャケットの裏、右上カドに、LABORのレーベルマークを隠すようにMODEレーベルの三角形シールが貼ってあった。元々はどうでも、先生お手持ちの盤はただしくMODEリリース盤だったのだ。同じ仕様の盤をお持ちの方もいらっしゃると思う。

 では、LABORレーベルの盤がオリジナルかと言えば、これがまたそうでもないのである。細かい字で書かれたジャケット裏のクレジットをよーく読むと、以下のようにある。

 「Licensed from WERGO Records, Germany」

 独WERGO。なるほどこの内容(はっきり言ってゲテモノです)は、実にWERGO好み。あそこならやりそうだ。ならばWERGO原盤が存在するのではないか。と、検索してみて発見したのは、もうずいぶん前のことである。

 その時にヒットしたのは、あまり良くない状態のわりに高価だった。もっとキレイでしかも安いヤツはありゃせんか。そんな自分だけに都合のよいものはなかなかないのだ。検索を続け、先日ようやく見つけたのが上の盤である。ショップのグレーディングは「Like New」、それに違わぬ素晴らしい状態であった。

 WERGOでのカタログNo.はSM 1026。MODE盤、LABOR盤とはジャケットデザインがまったく違っている。WERGOにしてはわりとフツーだな。タイトル、録音日時、場所、エンジニア、曲名、曲数、曲順、曲の長さ、すべて同一。現在クリーニング中で未聴だが、これが原盤と見て間違いないと思う。

 だからどーした、っちゅうお話。これも趣味です。

’13/07/13 (土)

森の賛歌


 これまで実物はもちろん、ジャケットのフルカラー写真すら見たことがないレコードである。外盤A級セレクション第3集268番「森の賛歌」(ベルギー PAVANE ADW 7147)。今日、初めて本当の色目を知った。大感激。こんなのだったンだ。

 と、恰も実物を手に入れたように書いている。実はこれ、僕がヒッシのパッチになって探し求めていることを知った友達が、検索のヨスガになるようにと送ってくれたものである。僕はとても嬉しかった。ありがとうございます。

 前々から書いてきたように、レコードを検索する上でジャケットデザインや色目を正確に知っておくことは極めて重要である。不正確だったりウロ覚えだったりすれば、ここぞという時にすぽーんと見落としたり似て非なるものを買ってしまったりする。しかも何度も何枚も。そーゆーしくじりを、僕は実際にやらかしているのだ。

 さてもこのレコードは、発見が極めて困難である。そもそもPAVANEレーベルのタイトルは品薄傾向で、その中でもさらにマイナーなタイトルらしく、いやもう本当に出てこないのだ。カタログNo.でADW 7146、7148、7149は出てくるクセに、いつも7147だけが跳んでいる。「カスっているけど当らない」の典型的パターンである。

 あまりにも見ないから最近は「もう手に入らんかもしれん」と、不吉な想念に囚われ始めていた。しかし今回フルカラー写真を見て、やる気がムクムクと湧いてきたのである。諦めて検索を止めればそこでオシマイ。ダメでもムダでもスカタンでも、執拗に続けていればいつか必ず巡り逢える。そうやって僕は、A級盤300タイトルのうち298タイトルまで到達したのだから。

 絶対見つけてやるぞ。

’13/07/12 (金)

3号機用フォノケーブル


 またまたご無沙汰をしてしまいました。忙しくもないのに忙しそうにしていた、のではなくて、先月今月はホンマに殺人的多忙であった。実は今もその最中なのである。こんなことは滅多にないのだが。どーなってるンでしょーか。

 それはともかくとして。

 忙しくてもオーディオはやめられない。実験してみたいことはたくさんあるのだ。そのうちの一つは、ADプレーヤー3号機のフォノケーブル交換である。現用Zonotone 7NTW-7060 Grandio(名前長い)は、まずまずの音である。しかし、満足というにはもう一息。ウルサイことを言えば、レンジがやや狭く感じられるとか、切れと抜けがイマイチとか、深みが不足するとか、まあ、いろいろあるわけです。

 さりとて他に優秀なものがあるのかどうか。ピンは数十万円からキリは数千円まで、それなりに数は揃っている。その中から何を基準にどれを選べばよいのか、はっきり言って暗中模索である。ゼンゼンわかりません。

 考えあぐねつつオーディオ雑誌を見ていて、何となく気になるものを発見した。Nanotec Systemsからの最新モデル、PH-2S/1.2である。

 まず、色が気に入った。緑色の被覆に目の粗いSFチューブが被せてあり、なかなか高級感がある。ルックスは重要です。アーム側のDINプラグ、アンプ側のRCAピンプラグとも頑丈そうなロジウムメッキタイプで、これも僕の好みである。導体は片側φ0.32mm OFC×7本、0.563sq。フォノケーブルとしてはオーソドックス。2号機現用のAT6209Pは1.27sqあり、これは例外的に太いと言える。シールドは銅箔を巻くタイプ、高級品仕様である。

 これで終り、ならばごくフツーのケーブルとそんなには変らん。そこはNanotec Systems、もう一捻りあるわけだ。

 金、銀の超微粒子をスクワランオイルに分散させたコロイド液を、導体に含浸させてあるそうな。これで微小信号への対応性が上がり、しかも振動にも強くなってより正確な再生が実現する。

 というのはメーカーの口上である。実際にはどんな音になるのか、聴いてみないとわからない。「コロイド液云々」に関してはいささかの疑問もあるのだけれど、リーズナブルな価格のわりにしっかりした作りであることにアドバンテージを見て、ともかくは使ってみたいと思う。

 どんなものかな。