箱船航海日誌 2014年08月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

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’14/08/31 (日)

決定


 約10日間、幸せに迷った末、次期メインカートリッジはMy Sonic Signature Goldに決定。そうと決まれば早いほうが良い、っちゅうわけで、すぐさま注文したら、あっという間に届いてしまった。試聴と購入を依頼した販売店はとても親切丁寧で、地方在住の身としては実に心強くありがたい存在なのである。感謝感謝。

 2004年4月以来10年ぶりの新調に、とてもワクワクしている。Eminentシリーズの音とは少し傾向の違うカートリッジを、今後どんなふうに鳴らし、自分なりの音に仕上げて行くか。オーディオマニアとしては最も美味しいところである。

 まずは新品SGの、第一音を聴こう。

’14/08/25 (月)

幸せな迷い


 返却期限が近づいてきて、SG、Bcいよいよどちらかに決めねばならない。両方あれば幸せこの上ないわけだが、そんなことしたら別のところで不幸になってしまうのである。どちらか一方だけでも、分不相応なのに。

 試聴前の本命はBcだった。しかし実際に聴いてみれば、気持ちはSGのほうに傾いている。あの圧倒的なエネルギー感と解像度は捨て難いものがあるのだ。Bcの音も間違いなく素晴らしい。けれども、SGの第一音を聴いた時の大きな驚きと感激があるかと言えば、ややインパクトが弱いような気がするのである。

 もちろんSGとて完璧ではないわけだ。これまで使ってきたEminentの音と素直につながるのは、Bcだと思う。誤解を恐れずに言えば、無難な選択である。しかしそれでいいのか。新しい音、これまでに聴いたことのない音を得、そこから自分の音を作って行く。これこそ趣味のオーディオではないかと、考えるのだった。

 とまれ、オーディオマニアとしては実に幸せな迷いなのである。

’14/08/23 (土)

次元が高すぎて


 シェル、取り付けビス、リード線はSignature Gold(以下SG)と同じ条件に揃え、Ultra Eminent Bc(以下Bc)の試聴を始める。実測自重9.46g、SGは実測10.08gだったから、0.62g軽い。シェル込みトータル26.09gは、やや重い部類に入る。

 切れ味抜群。総じて透明感が非常に高く、見通しが極めて良い。スピード感ではSGをかなり上回っていると思う。力感は少し後退、圧倒的とまでは行かない。けれども、例えば初代Eminentに比較すれば遥かに大きなエネルギーを持っている。SGが凄すぎるのである。全域に渡ってバランスが非常に良く、聴感上ではSGよりもフラットに聴こえる。音色としてはやや寒色系のイメージである。

 音の瑞々しさと艶がわずかに不足しているように感じたSG、その点Bcは優秀である。新緑のような瑞々しさ、丁寧に研磨された漆器のような艶がある。ひょっとすると、ごく僅かの歪みが乗っているのかもしれない。ジャリジャリした、いわゆる「歪み」ではないから念のため。

 音像はSGよりもさらに小さく、見通しが良い分音場を広く感じる。しかし、よーく聴くと分解能、解像度という点ではSGに分があるようだ。たくさんの音が一度に重なり合って出てくるような音源で、その差がよくわかる。あくまでも「SGと比べて」のお話。

 ともかくも比較の次元が高くて、ちょっと戸惑ってしまっているのである。おそらくどちらを選んでも後悔は絶対にないと思う。これは困った。

 返却期限までの間、もう少し困ってみるか。滅多にない機会だし。

’14/08/21 (木)

Ultra Eminent Bc


 Signature Goldの音は、正しく素晴らしい。これ以上の音はないンじゃないかと思うほどである。ただ、大編成オーケストラ(特に古い時代の優秀録音盤)では何故かやや力感が後退し、あっさりと鳴るようなところもある。録音の良いポップスやフュージョンなどで見せる表情とは少しばかり違ったものになるのだった。ナンデかな。もちろん極めて次元の高い部分でのお話だから、それが欠点とは言えないのである。

 そして今回の試聴シリーズ第2弾。これまたMy Sonic Labの高級カートリッジ、Ultra Eminent Bcである。同じ販売店から試聴機を借りての試聴である。よくぞ貸し出してくれたものだと思う。感謝感謝。

 個人的にはこちらを本命視している。実際には、どうなるのだろうか。

’14/08/18 (月)

圧倒的力感


 ヘッドシェルにVICTOR PH-L1000、βチタン合金ビスで取り付け。リード線にはAUDIO CRAFT CW-Rh1を組み合わせ、Signature Goldの試聴を始める。ADプレーヤーは3台のうち最も使い込んでいる1号機、アームはEPA-100MkIIである。ヘッドアンプC-17 → AE86さん謹製フォノイコライザー → C-280V(チューナーファンクション)という経路になる。

 猛烈圧倒的なエネルギー感。これがSignature Goldの第一印象である。何の躊躇いもなく、猛烈な力感を持ってスピーカーから音が噴き出してくる。帯域云々というお話ではない。全帯域が足並み揃えて一気にドッと襲いかかってくるような、そりゃアもう凄まじい音なのだ。こんな音、聴いたことない。

 けれども決して荒々しいとか、粗暴だとか、そう言ったアバレた感じはまったくないのである。恐ろしいほど分解能が高く、清澄で、静かで、極めて端正なのだ。音像は小さく引き締まり、あるべきようにかちりと定位する。スピーカーから出ている音とは信じられないほど生々しく鮮明で、音場感抜群。音の重なりグワイが明確に分り、一音一音を丁寧に描き出しながら、しかも美しく見事に融合する。

 未だレコードを3枚程度聴いたに過ぎないところで、非常に大きな驚きと感激があった。これは凄いカートリッジだ。頭の中で聴いてみたいレコードが幾枚もグルグル回り、たいへんなことになっているのである。

 試聴の時間は限られている。どんどん行こう。

’14/08/17 (日)

Signature Gold


 My Sonic Labのフラッグシップカートリッジ、Signature Goldである。新しく導入した、のなら凄いことだが、まさかそんな。

 現用メインカートリッジ、同社のEminentに代る次期カートリッジを選ぶにあたり、販売店から試聴機を貸し出してもらったのである。買える買えないに関わらず、一度は聴いてみたいモデルだったのだ。あくまでも、次を決めるための参考資料である。

 実物を見るのも触るのも、もちろん初めてだ。アコースティックギターメーカーの雄、Takamineが作るところの豪華なウッドケース入り。分厚いメイプルブロックにローズウッドの化粧板が貼ってあり、とても質感が良い。ギターネックのような構造である。

 本体はご覧の通り。実物は写真で見るよりずっと綺麗で高級感がある。ベースはコーヒーブラウン、DLC処理されたジュラルミン製で、ツルツルピカピカである。ケースは名前のとおりゴールド、これが実に上品な金色なのである。写真うつりの悪さでずいぶん損をしているように思う。

 自重は約10gとあるが、持ってみるとずしりと重く、実際にはもう少しありそうだ。あとで実測してみよう。Ultra Eminent Bcまでのモデルに比べてベースの面積が広く、取り付け強度は上がっていると思う。かなり大型のカートリッジという印象である。

 どんな音で鳴るのだろうか。楽しみ楽しみ。

’14/08/16 (土)

修理完了


 昨年に続き、CYPHAがバンパーだけ新品になって帰ってきた。ザイモールワックスを比較的頻繁にかけていた所為か、他の古い部分との色目の違いは少なく、違和感はない。真後ろから見る限りにおいては、新車同様(言い過ぎかな)である。

 自分の過失がほとんどない事故による損傷がいつまでもそのままになっているのは、実に不愉快である。何よりも不格好だ。さっさと直して気分を取り直したいのである。速く修理できて、ヨカッタヨカッタ。

 今後はこれまで以上に気をつけて走ろう。

’14/08/15 (金)

お盆行事終了


 11日以降はまずまずのお天気で、棚経も無事に回り切ることができた。14日、15日は近在のお寺の施餓鬼お手伝いである。今日を以ってお盆の行事すべて終了。事故も体調不良もなく終れて、心から安堵している。

 例年、お盆が終わるとタマシイが抜けたようになるわけで、実際今日はヘロヘロである。年々しんどくなるなあ。

 明日は一日、ちょっとお休み。

’14/08/10 (日)

無事通過


 当地では、思ったほどヒドイことにはならなかった台風11号であった。午前9時半頃が悪天候のピークで、それでも傘を持って行かれるほどの強風はなし。雨はかなり強く降ったものの、ずぶぬれにもならなかった。町内、村内にも被害はなかったようで、ヨカッタヨカッタ。

 台風の進路が予想よりもやや東へ逸れ、本体の西側(進行方向左側)に入った所為ではないかと思う。上陸してから当地へ達するまでに時間がかかり、勢いが衰えるのも幸運なのだろう。

 写真は昨日と同じ時間(午後4時30分頃)、同じ場所から撮ったものである。空が明るくなり、雲の切れ目から青空が見えている。

 明日は、晴れの棚経になるかな。

’14/08/09 (土)

雨でスタート


 棚経1日目は、雨。どちらかといえば大雨である。台風だから仕方ない、とは言え、少々メゲるのだった。やっぱり棚経は暑くてもいいから晴れていて欲しい。

 明日は台風が朝方に最接近するという。どーなるんだろうか。傘吹き飛ばされ、全身ずぶぬれ、なんてことにならなきゃいいケド。

 それでも参らねばならぬ、棚経である。

’14/08/08 (金)

晴れた


 天気予報も難しいのだろう。午前中曇はまあまあ当り。午後雨は大ハズレだった。写真は開式前、午後2時過ぎの施餓鬼櫓上空である。雨の気配、なし。結局一日を通してまったく降らなかった。

 おかげさまで、気持ちの良い施餓鬼供養を営むことができて、僕は大喜びである。少々暑くたって雨が降るよりずっといい。施餓鬼は暑くて晴れなきゃダメなのだ。

 皆々様に、大感謝。ありがとうございました。

’14/08/07 (木)

ガッカリ


 2014年の施餓鬼供養の日がやって来た。5日の余計な出来事で段取りに狂いが出ながらも、どうやらほぼ準備が整って一安心。ああ、ヨカッタヨカッタ。

 心配なのは空モヨウである。7日の当地は午前中曇、午後雨という予報が出ている。開式は午後3時だから、雨中の供養となりそうなグワイだ。ガッカリ。晴れて欲しかったなあ。

 大雨にならないことだけを願っておこう。

’14/08/06 (水)

グッタリ


 お盆の準備に忙しくなり、加えて時を待たないオツトメが出来、そこへ持ってきてこの有様である。今日はもう本当にクタビレてしまいました。昨年新しくしたばかりのバンパーなのに。まあしかし、お互いに人的被害は皆無、車対車の軽微な物損で済んだのは幸いであった。

 お願いですから「止まる」っちゅうことを、覚えてください。

’14/08/05 (火)

よくできた脚、だが


 SAEC SBX-7の脚はこのようなグワイである。φ50mmとφ44mmのアルミシリンダー二重構造。中には硬いスプリング(と思われる)が入っている。ちょうどバイクや自動車のショックアブソーバーのような仕組みになっているわけである。

 外側シリンダーと内側シリンダーの重なり目には薄いゴムシートが巻いてあり、それぞれの鳴きと摺動音を抑えてある。おそらく内部のスプリングにも、きしみ音を抑え込む何らかの対策が打たれているはずだが、分解していないから正確にはわからない。

 50kg以上のキャビネットを支える脚だけに、かなり硬いサスペンションである。ヤワいようでは潰れてしまって役に立たない。硬いとはいえバネ性はあるわけで、キャビネットを上からぐんと押さえパッと手を離すと、一瞬上下の揺れが残る。

 ショックアブソーバー構造の効果で、水平方向の揺れは少ない。しかし、内外シリンダーの合わせ目には多少なりとも遊びがあるから、その分揺れを抑え切れないようだ。したがって、フォノモーター起動時の反作用によるキャビネットのねじれ運動(腰を捻るような動き)が皆無とは言えない。特にSP-10MkIIIのように瞬時の起動トルクが巨大なフォノモーターでは、かなり明確に出てくると思う。

 よくできた脚である。けれども、経年により劣化していることは否めない。ゴムが風邪をひいてヒビが入り、摺動音を抑え切れなくなっているし、スプリングのきしみ音も出るのだ。横揺れがやや大きいのも、その所為かも知れない。キャビネット本体の劣化はほとんど見られないものの、やはり可動部のゴム・樹脂部分は弱点なのである。30年以上の時間経過は、無視できないのだった。

 実際の使用にあたっては、この脚を頼りにしては遺憾かな。

’14/08/04 (月)

不思議な変りよう


 ADプレーヤー2号機でCFRPワッシャを試聴した。ヘッドシェルはPH-L1000、アームはWE-407/23である。交換前のワッシャはPH-L1000純正のOFCリングだった。

 音の違いは一聴瞭然。良い意味での柔かさ、しなやかさが出る。特に低域での変化が目立つ感じで、筋肉質の人がちょっと太った、というような印象だ。ただ、解像度は落ちない。寒色系からわずかに暖色系へ傾いた、と言うべきか。

 女性ボーカルには色気が出るし、ちょっとキツめに聴こえるヴァイオリンなどは優しく暖かく聴ける。と言ってもカドの取れた甘口の音になるわけではなく、切れもあるし立ち上がりも良い。ちょっと不思議な感じの変りようなのである。

 これまでにワッシャ(或いはリング)の種類はいろいろ試してみたけれども、すべて金属系であった。そのどれとも違う音である。当り前なんだな。金属ではないわけだから。リスナー、ソースによっては素晴らしいワッシャという評価になりそうだ。僕としては、月並な表現だが、一長一短。もう少しの硬さ、突き抜けた感じが欲しい、ような気もするのだった。

 写真にご覧の通り、シェルとアームの間がスキマなくきっちり埋まっているのは気持ちが良いし、実際に機械的なガタは皆無である。締まりグワイも大変結構。聴いてみたいレコードはまだ沢山あるから、このまま使わせていただくことに決定。ありがとうございます。

 でも、これって決して安くないンだろうなあ。

’14/08/03 (日)

CFRPアクセサリー


 上の写真は視力検査の記号、ではありません。接写してあるから大きく見えるけれども、実物は厚さ0.45mm外径12mmの、薄く小さなものである。これが何か、アナログファンの方なら形状と大きさからすでにお分かりだろうと思う。

 ヘッドシェルネックとアームの間に挟むワッシャである。材質がドライカーボン(CFRP)製であるところが、ミソなのだ。一度使ってみてくださいと、ご縁のある方からのいただきものである。

 最近(と言ってもずいぶん前か)流行のCFRPオーディオアクセサリー。ヘッドシェルもいろいろ出ている。使い様次第なのだろうけれども、僕はこの手の製品に懐疑的である。何となく、使いどころを誤っているような気がするのだ。剛性が高い、と言っても、CFRPとセラミックとでは剛(こわ)さの質が違うのではないかと。

 と、使う前から文句を言うては遺憾。罰が当る。シェルとワッシャでは働きがゼンゼン違うわけだし、折角のご厚意を無駄にはできないのである。

 謹んで試聴させていただきます。

’14/08/02 (土)

クソ重い


 現状、SBX-7はこんなところに置いてある。通路(と言ってよいかどうか)のド真ん中。極めて危険である。重々承知しているのだ。さっさと設置するか、それができないならもう少し安全なところへ移動させるべきである。

 わかっちゃいるけどダメなのだ。ヒジョーに重いのである。30代ならまだしも、53歳のプレジジイ一人で52kgは持てない。搬入の折には、死にそうになったのである。ほんとうです。今の僕には40kgまでが限界である。

 これを見て、そして持ってみたとき、往年の名プレーヤーAurex SR-M99を思い出した。ムクの銅合金削り出しキャビネットを持ち、見た目の大きさに相違して異様に重く、軽い気持ちで持ち上げようとした人たちにギックリ腰を続発させたことで有名なプレーヤーである。当時長岡先生曰く「一見シスコンサイズの小型プレイヤーだが、重量42kgとクソ重い」。

 また憲さんに手伝ってもらおうかな。

’14/08/01 (金)

暑い時には


 ああ、もう8月になってしまった。寒い冬は遅々として終わらないのに、夏はどうしてこうも速く過ぎ去るのだろうか。楽しい時間はあっという間に、終わるのである。

 と言っても現状極めて暑い。昨日は夕方になって遠くから雷鳴が聞こえたものだから、こりゃ夕立が来るかな真夏の風景だ嬉しいな、と思ったら空振りだった。暑いのがニガテな愚妻と愚猫2号は、すっかりノビています。

 暑い時にはこのCD。「高中正義 / 夏・全・開」である。手持ちのCDは1枚が3,500円もしていた頃の旧譜だから番号は載せない。現在はリマスター盤が1,700円くらいで買えます。

 「暑いなあ! どこかへ行きたいなあっ! ......どこでもいいよ.....暑くなきゃ.....」という男の呟きから始まり、実に夏っぽい曲ばかりがずらりと並ぶ。タイトルどおりである。決してサウンドマニア向けではないけれども、夏向きであることだけは確かだ。

 少しでも涼しくなりたい方は、是非BGMに。