箱船航海日誌 2012年08月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’12/08/31 (金)

APPROCHE


 この1年ほどのうちに入手してみたところの、仏APPROCHEレーベルのレコードである。左から、AP002(オルガン)、003(ピアノ)、005(ヴィオラ・ダ・ガンバ)になる。

 APPROCHEは、基本的には仏CALLIOPEと同一レーベルと考えてよい。CALLIOPEのダイレクトカッティング45回転盤ブランドが、APPROCHEなのである。欧州レーベルもD2Dは、比較的珍しいンじゃないかと思う。何故かD2Dは、米レーベルに多いのである。

 AP004、009の2タイトルがA級盤に選ばれていて、どちらもD2Dらしく鮮度の高い音が聴ける。それに味をしめ、スケベ根性丸出しで他のタイトルを聴いてみたわけである。

 少なくとも僕が聴いた上の3タイトルは、はっきり言ってイマイチであった。D2Dの良さが出ていない。特に悪いというわけではないのだが、取り立てて優秀、でもないのである。おしなべて音がドライで潤いに欠け、瑞々しさと艶が足りない。少し埃っぽい感じもある。D2Dのメリットをデメリットが上回ってしまった、つまり、あまり上手く行っていない印象なのである。

 ちょっと残念ではあったけれども、落胆はしていない。録音は良くなくとも、レコードとしての価値はあると思うからである。仏レーベルがD2Dをやっていたなんて、如何にも痛快ではありませんか。良い時代だったンだなあ、と。

 仄聞するところによると、AP001〜009までの9タイトルで、このシリーズは終了したらしい。それが本当だとすると、あと001、006、007、008の4タイトルが入手できれば、全タイトル制覇となるわけだ。

 コンプリートに挑んでみようかな。

’12/08/30 (木)

保険料込み


 今回のZEROSTAT 3は、Amazonジャパンで購入した。速い安い送料無料と、好条件だったからである。夜遅くに注文したにもかかわらず、翌日の夕方に届いてビックリ。ア○クルより速いのである。

 Amazonで注文を確定させてから、海外オークションを覗いてみた。製造国(英国)お膝元では、どれくらいで買えるンだろうかという、野次馬根性である。

 送料を含めても40〜50%OFF、およそ半額で買えるようだ。もちろん日本への発送にも対応している。ならばこのほうが圧倒的にお得ではないのか。損しちゃったかな。

 と、考えるのは性急だと思う。運悪く不良品に当ってしまったバヤイ、とても面倒なことになるおそれがある。さらに、この手の製品を個人で海外購入すると、税関でハネられる可能性もゼロではない。そうなったらもっと面倒で、最悪のバヤイ本体廃棄お金返らず、みたいなこともあり得るのだ。

 僕としては保険料を支払ったつもりで、国内価格に納得している。どーしても半額で買いたい、とおっしゃるムキなら海外オークション。だが、それなりのリスクを覚悟した上でのお買い物になるだろう。あまりお薦めできないのである。

 もし僕が先に海外オークションを見ていたら、どうしたかなあ。

’12/08/29 (水)

禁用目的外使用


 写真の物体は、ZEROSTAT 3の付属品である。ZEROSTATが正常に働いているかどうかをテストするための、インジケーターである。

 これを銃口に差し込み、トリガーをすばやく引く。その時、本体が正常動作していれば、インジケーターに仕込まれたネオン管がピカッと光るのである。

 新しく買ったほう(青)はともかく、15年使った赤は、今も本当にちゃんと働いているのだろうか。もちろん、レコードの静電気はしっかり除去できているから問題はないわけだが、馬鹿でスケベな僕としては目で確かめたくなったのだった。

 大丈夫である。ネオン管、ピカッと光りました。ついでに青もテストしたらまったく同じように光ったから、現状赤の衰えを心配する必要はなさそうである。

 このインジケーターは青に付属していたものである。赤の銃口径のほうがわずかに大きいらしく、差し込んでもポロリと外れてしまう。ので、テスト時に左手で固定してトリガーを引いたら、結構な電撃を受けてしまった。不用意である。イタイイタイ。要するに、ZEROSTATはスタンガンのご親戚さんなのだな。

 もう一度取説をよく読んだら、「10,000ボルト前後の高圧を発生します。銃口が人体(指や皮膚など)に触れないようにしてください」と書いてあった。さらに「静電気除去以外の目的に使用しないでください」とも。

 形は確かに「ガン」だけれども、護身用に使っては、イケマセン。

’12/08/28 (火)

ZS-3BL


 1997年に使い始め、おそらく僕が死んでもまだ使えるであろうZEROSTAT 3である。何しろ、レコードを1日1枚毎日聴いたとしても68年3ヵ月間も使えるのである。実際、静電気除去効果はまったく落ちていないし、機械的にも何ら問題はない。

 にもかかわらず、もう1個買ってしまいました。左の青いヤツである。右の赤いタイプは廃番、この青いタイプが現行品である。型番はZS-3BL、末尾の「BL」はたぶん「青」(BLUE)の意味だろう。

 一見するところ、色以外に外観上の違いはない、ようだが、よく観察すると青のほうが平たく角張っていて、小型でスマートな印象。実測重量は青149g、赤132g。持ってみると、数字以上に青が重く感じる。

 上記の勘定で行けば、赤の寿命は残り53年、青は68年、合わせて121年。僕が172歳になるまで寿命は尽きない。いつまで生きるつもりか。2個目をストックしておく意味は、まったくないのだ。それなれば、何故に。

 色違いが欲しかっただけ、であります。アホか。

’12/08/27 (月)

本当のこと

 高校時代から深い付き合いのある友達から、久しぶりに電話があった。この男、いつも思い出したかのように突然連絡してくるのである。今回は約半年ぶり、これでもまだ頻度は高いほうになる。永い時なんかインターバルが数年に及ぶこともあり。なにやってンだか。

 このwebページをずいぶん前から読んでいるそうで、感想を述べてくれたりもする。今日は「最近の日誌は休みが多いし文章にも生気がないぞ。どーしたンだ、しっかりやれ」と、お叱りを頂戴してしまった。

 何をコノヤロと、一瞬ムッとしかけて思い直した。その通りなのである。腹を立てそうになったのは、本当のことを指摘されたからに違いない。僕もまだまだ修行が足りんのである。

 今回は叱られてしまったけれども、これまでには大いにホメてくれたこともあるから、要するに彼は極めて正直な感想を述べているのだろう。これは非常にありがたいことだと、思う。永く旧い友達だからこそ。この歳になって、尚更に友達の有り難味を、知る。

 叱られっぱなしでは面白くないから「年に1回2回の連絡では、あまりにも少なすぎる。何でもいいからもう少し頻度を上げろ」と反撃しておいた。「ヨッシャわかった、そうする」と力強い返事が得られた、けれども、さて、本当にそうなるのだろうか。

 お互い、気合入れ直して、がんばりましょう。

’12/08/26 (日)

自然剥離の原因


 見た目にはきれいな中古盤であっても、レコパックもどきを塗布し乾燥した段階で、やや問題ありと分るものもある。

 写真右に見えるレコードは、そういったものの一例である。乾燥し終わった状態で、膜が盤面からわずかに浮き上り、白っぽくなっている。自然剥離しかかっているわけである。左に見えるレコードも既に乾燥完了しているが、そのような状態にはなっていない。明らかに、パック前の盤j面状態の何かが、違うのである。

 正確な原因は分らない。しかし、これまでの経験から判断すると、過去にレコードスプレー剤が噴霧されたレコードで、このようなことが起こるバヤイが多いのである。

 一口にレコードスプレー剤と言っても、多くのタイプがあるから一概に決め付けることはできないものの、多くはワックス成分を含んでいる。噴霧することで、盤面にワックスの薄膜が形成されるわけだ。これが乾燥膜を自然剥離させる原因になっていると考えられる。

 個人的には、スプレー剤の類は一切使わない。メリットゼロ、と断じないまでも、デメリットは極めて大きいと考えるからである。盤面とスタイラスチップの間に、極薄とはいえワックス膜が介在するというような状態を、僕は最良のものとは思えないのである。

 乾燥後、このような状態になったバヤイには、複数回のパックを実施する。多くは2回目で自然剥離しなくなり、3回目ではほぼ完全に通常の盤面に戻るようだ。ワックス膜が除去されたのだろう、と、判断しているがチガウかな。

 まあ、そう思っておこう。

’12/08/25 (土)

カートリッジ監視鏡、でした


 昨日のツールの正体は、ご覧の通りである。カートリッジの真下に置き、スタイラスやカンチレバーの状態を監視するための、鏡である。

 鏡は凹面鏡になっているから、鏡像は3倍〜4倍程度に拡大され、スタイラスチップの状態まで常時目視できる。しかも高輝度白色LEDによる照明付き。非常に明るく鮮明である。

 照明装置にかかわるスイッチ、LED、裏面の電池(単4形×2)ケースの取付け、配線に至るまで、すべて友達の手作業によるものだ。しかも、電池が消耗し電圧低下してもLEDが暗くならないよう、超小型昇圧コンバーター付き。電池が完全に底をつくまでLEDの明るさに変化がない。心憎い一工夫である。これはもう自作の域を越えた立派なオーディオ製品、と言ってもよいくらいの出来映えだ。

 ほとんどレコードしか聴かない、僕のような者には極めて有用なツールである。これまでいちいちアームから外してチェックしていたスタイラス・カンチレバーの状態を、そのまま明るく拡大して常時監視できるのはとてもありがたい。何だか嬉しくなって、意味もなくLEDを点けたり消したりしてしまいました。謹んで、永く使わせていただきます。

 毎度のことながら、工作名人の腕前には、完全に脱帽。

’12/08/24 (金)

魔法のコンパクト、ではない


 工作名人であるところの友達から、写真のようなモノが届いた。テクマクマヤコンテクマクマヤコン、良い音になあれ〜。魔法のコンパクト、ではナイのである。綾○は○かのアッコちゃん、イマイチぴんときません。そんなことはどーでもよろしい。

 アナログ周辺で、たいへん重宝する道具なのである。詳しくは、後日。

’12/08/23 (木)

条件反射


 お盆疲れでくたばっていても、レコード検索は続けている。それで余計にシンドくなるわけである。何をやってるンだか。

 写真は最近見つけたA級盤である。「ISRAELI MUSIC FOR HARP / ADINA HAR-OZ」(イスラエル JERUSALEM RECORDS ATD 8505)。第3集241番収録。このタイトルは数年前、友達の厚意により入手済みである。だったら2枚目は要らないじゃないか、と考えるのはフツーの人。基本的に稀少なレコード、しかも800円となれば、僕はもう条件反射のように買ってしまうのである。

 A級盤300タイトルのうち、現在297タイトルまで集まっている。残るところあと3タイトル。優先すべきはその三つなのだが、これがなかなか発見できない。ヒッシで探すうち、上のようなレコードに出会ってしまうとガマンできないのだ。

 仕様がないのである。

’12/08/22 (水)

夏の終わり


 16日間のご無沙汰でありました。お盆の行事が終わった後、疲れが出て少々くたばっておりました。愚息ドモの少なからぬ加担があってなお、このようなグワイなのである。歳ですな。

 8月も下旬である。残暑は極めて厳しいながらも、空気は秋の匂いを含んでいる。思えば立秋から2週間以上経っているわけだ。

 写真のような風景が見られるのも、もうしばらくの間か。

’12/08/06 (月)

明日は立秋


 暦の上では、今日で真夏は終わりである。明日は二十四節気の立秋だ。

 庭では百日紅が花を咲かせ、暑さはまだまだ強烈である。しかし、感度を上げて風景をよく観察すると、確かに秋の気配を感じることができる。

 夏至の頃に比べて夜明けが遅くなり、日脚はかなり短くなった。空には入道雲と巻雲が同居している。桜の樹はてっぺんの葉が黄色くなった。コスモスの背丈はずいぶんと高くなり、夕方の風に涼しさが増している。

 僕の一番好きな季節が、早くも過ぎ去ろうとしているのだ。

’12/08/05 (日)

大成功


 障子紙で代用したレコパックもどき剥離紙は、写真にご覧の通り大成功であった。ちぎれそうな危機感、ストレスはまったくなく、極めてスムーズに剥離完了。100均付箋は即刻使用中止、今後は障子紙で行くことにする。これは自信を持ってお薦めできます。

 障子張替えの時に出る切れ端を剥離紙用に保管しておけば、おそらく底をつくことはないだろうと思う。

 いつまで生きるつもりか。

’12/08/04 (土)

剥離紙に障子紙


 以前、レコパックもどきの剥離紙に100均付箋を使っていると書いた。これはこれで悪くないのだが、疚しげさんからのご投稿にご指摘の通り「レコードに紙が接着される」トラブルが時々起こる。付箋がちぎれて盤に残り、乾燥膜を上手く剥せないのである。

 ただ、これはさほど大きな問題ではない。付箋がちぎれてしまったなら、膜にセロテープをくっ付けてひっぱり上げれば簡単に剥せる。もしそれでもダメなら、膜の切れ端をパック液で接着、乾燥を待って剥せばOKである。

 とは言うものの、どーでもエエことのようだが僕としては剥離紙にこだわりたい。付箋よりもグワイが好く、どこでも誰でも手に入るような紙はないものか。

 そもそも、何故に付箋では上手く行かないのだろうか。付箋は洋紙だからパック液が染み込みにくく、膜と一体化しないからである。しかも洋紙は紙の繊維が短く、ちぎれやすい。剥離紙としては不向きな紙と言えるわけである。

 オリジナルレコパックに付属している剥離紙は、極薄で繊維の長い、和紙のような質感である。写真奥に見える薄黄色のヤツがそれだ。パック液が瞬時に染み込み膜と強力に一体化する。しかも繊維が長いから、ちぎれて盤に残るトラブルが出にくい。よく考えられているのである。

 ならば、特性がこれと似た紙を使えばよいわけだ。そんなもんが簡単にあるのか。あるのである。障子紙だ。これなら誰でもホームセンターで簡単に買えるし、薄手から厚手まで各種揃っている。特にウチのバヤイ、必需品として大量に常備していて、剥離紙程度の消費量なら在庫は無尽蔵なのである。

 早速実験に取りかかったところが上の写真。実験に具した障子紙はオリジナル剥離紙よりはやや厚手で、瞬時の染み込み、というわけには行かない。だが、少し待てば写真の通り、完全に染み込んで膜と一体化しているように見える。

 これで剥離が上手く行けば万々歳。結果は後日に。

’12/08/03 (金)

激安にガマンできず


 20年来の付き合いになる近所の楽器屋さんへ、久しぶりに出かけた。都から遠く離れた鄙にあって、かなりマニアックなものまで迅速に用意してくれる貴重なお店である。当家は親子二代でお世話になっている。何しろ、ご長男さんと愚息2号とは同一高校同級生で、しかもバンドのメンバーなのである。

 楽器店でもあり、中古レコードショップでもあり、オーディオ店でもあり、要するに僕のような者には面白くて仕方ないのである。オモシロ過ぎてあまり頻繁には行けない。知らず余計な買い物をしてしまうからである。

 今日もやっぱりやってしまった。レコードを買いに行ったのではないのに、写真のような有様である。無造作に積まれた中古盤を漁るうち、あまりに安いものだから、ガマンできませんでした。5タイトル6枚で2,200円。

 どれもジャケットはきれい、盤は汚れがひどいものもあるけれども、見たところ傷は少なそうだ。レコパックもどきすれば、おおかた大丈夫だろうと思う。

 個人的には、右端と左端のタイトルが、何とも懐かしいのである。

’12/08/02 (木)

ニイニイゼミ


 当地では、アブラゼミと並んで最も普通に見られる蝉、ニイニイゼミである。個体数も最多だと思う。にもかかわらず、この蝉を実際に見つけるのは、あまり簡単とは言えない。

 ご覧の通り、体色がヒジョーに地味であって、しかも羽がマダラ模様になっているものだから、樹皮と混じり合ってしまう。見事な保護色なのである。声はすれども姿は見えず。写真は箱船脇にある柿の樹にいたヤツだが、発見にはずいぶん手間取ってしまった。

 暑い夏、彼らは只今絶好調である。

’12/08/01 (水)

道沿いの風景

 8月である。今日はお盆のオツトメ事始で、舞鶴市へ出かけてきた。毎年の恒例行事である。

 以前は1時間半ほどかかった道中だが、近年ようやくにして自動車道整備が進み、50分程度で行けるようになった。40分弱の短縮は、とてもありがたい。ずいぶん近く感じられるのである。

 先日別の用件で、一般国道を走って同じ方面へ出向いた。海沿いの国道脇には、数軒のドライブインや喫茶店などがあったものだが、軒並み閉店廃業している。

 海水浴シーズン(まさに今である)になると、どの店も駐車場は満車になり大変にぎやかであった。それが今や駐車場には雑草が生い茂り、建物は廃墟と化している。ガラス割れ打ち破れたシャッターを見るにつけ、なんとも言えずうら寂しい気持ちになるのである。

 新規に開通した自動車道により、国道の交通量が減った。それも一因なのかもしれない。しかし、絶滅したそれら飲食店に代って道沿いに目立つのは、ご存知コンビニである。ドライブインや喫茶店が左前なら、コンビニもダメなのではないか。シロウトは単純にそう考える。けれども現実は、違うのである。

 当地のようなドイナカでも、近年コンビニが伸してきている。ローソン2店舗、ファミマ1店舗。近々にはサークルKの進出もあるように聞く。それに比して、外食産業は総倒れである。

 これも時代の流れなのか知らん。