箱船航海日誌 2010年12月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’10/12/31 (金)

回顧と御礼


 2010年も、早、大晦日である。恒例に因ってこの1年を振り返りつつ、皆様方に心からの御礼を申し述べたいと思う。

 まず、オーディオ方面。特に大きな変化はなく、相変わらずアナログオーディオにウツツを抜かした2010年であった。

 その中で白眉と言えば、やはりAT-OC9/IIIではなかったかと、改めて感じている。男性的で切れが良く、ワイドでフラット。これまでのテクニカのカートリッジでは聴かれなかったハードでシャープ、しかも瑞々しくしなやかな音は、新しいテクニカサウンドの始まりを予感させるものであった。

 秋口になってからのMC-L1000との格闘も、個人的にはヒジョーに楽しかった。極めて危ないことをやったものだと思うけれども、作業を通して学習できたことは多い。破壊スレスレのことをやりながら、無事故に完了できたのは、何と言っても正真工作名人である友達からのアドバイスとツール提供あってこそだ。本当に、ありがとうございました。

 webページ方面においては、箱船航海日誌初の2年連続365日更新を達成でき、喜んでいる、と言うよりも、大いに安心している。例によっていささかならずゴマカシがあったわけだが、まあ、満10年の記念には、なるかしら。これ、偏にご閲覧下さった皆様方の、おかげさまである。心から御礼申し上げたい。ありがとうございました。

 十年一昔、という。確かに、オーディオは大きく様変わりした、とも言えるし、しかし個人的には何も変わっていないような気もする。少なくとも、オーディオを面白がる僕の気持ちは、10年前と何らの違いもない。今後もおそらく変わらないだろう。そのようである限り、僕は戯言を垂れ流し続けるのだろうと思う。

 この1年、本当にありがとうございました。来たる新しい年も、一日一日の日誌を、ただ積んで行く所存であります。何卒よろしくのご縁をいただけますよう、お願い申し上げるのでございます。

 良きお正月をお迎えください。

’10/12/30 (木)

聴きたいけれど


 重なるときには重なるものだ。今日は刮目すべきオーディオアイテムがどさどさっと届き、僕は大喜びである。

 但し、今日もひねもすお正月準備で、とてもオーディオしている時間がない。AT-OC9/IIIもリード線を繋ぐ手前で止まったまま。どれもこれもどんどん聴きたいのは山々だが、まともな試聴と報告は、年が明けてからになりそうだ。

 ちょっと早いお年玉をもらったような気持ちである。

’10/12/29 (水)

追い込み


 今日は終日お正月準備であった。いよいよ追い込まれてしまって、気忙しいことこの上ない。もっと早くに終わっておけばと、毎年思うのだが、こればかりは今日くらいにならないと作業できない深いワケが、あるのだ。

 2010年残りあと2日、恒例行事のように最後までジタバタするのである。そのうちに年が明け、気が付いたらお正月が終わっている、というのが毎度のパターンなのだ。とまれ、大過なく健康で新年を迎えられるのならば、それに勝るものなし。大いに感謝すべきである。

 さすがに、今日はオーディオできませんでした。

’10/12/28 (火)

ネジ到着


 M2.6SUSキャップスクリューは、どうやら年内に届いた。ギリギリである。写真はPH-L1000に仮止めしてみたところ。18mmがぴったりだった。20mmも用意したけれど、今回は出番がない。またいつか、、どこかで役に立つ機会があるだろう。ナットは工作名人の友達謹製、表面窒化処理純チタン製を使う。

 あとはグワイの良い位置に本固定し、リード線を繋ぐだけ、だが、今夜はここまで。眠くて死にそうなのである。webページを始めた10年前なら、一気に試聴まで行けただろうと思う。こんな調子じゃ試聴は年を越しそうである。

 チョロっとでも、年内に聴いておきたいンだケド。

’10/12/27 (月)

オクトパスよりも


 23日に載せたオクトパストライポッドである。航海日誌の写真撮影用に、一つ購入してみた。1,890円ナリ。安いような、高いような。黒とオレンジの色目は、どうもムカデっぽくてブキミなのでグリーンを選んだけれど、これはこれで何だかイマイチである。まあ、いいか。

 このような使い方も、できるわけだ。グリーン部分には軟質プラスチックスを使ってあるから、スリップしにくくズリ落ちない。どちらかと言えば、インドアよりもアウトドアで重宝する道具だと思う。

 棒に巻き付けたこの形、どこかで見たような気がする。オクトパスだからタコか。いや、違う。もっと似たものがあったはず。フシフシの脚がニョロニョロしていて何処にでも取り付くこの感じ、何だろう。うーん。

 あっ、思い出した。映画「MATRIX」のイカ型戦闘ロボット、「センティネル」だ。

’10/12/26 (日)

Y31AS506-1


 Y31さんより、Y31AS506-1が届いた。ご覧の通り、極めて美しい仕上りのアームスタビライザーである。59.5mmφ×45mmH、実測重量550g。材は真鍮、SAEC WE-506/30専用である。肝心のアーム本体がメンテナンス中で、現状取り付けテストできないのは残念だ。

 これでADプレーヤー3号構築の準備が一つ進んだことになり、大いに喜んでいる。アームが帰ってきたら、実際に取り付けてアームボード下部の切り欠き寸法と形状を考えよう。やはり、実物が揃わないことには、気分も盛り上がらないのである。

 Y31さん、ありがとうございました。

’10/12/25 (土)

なんだかなあ


 さあ付け替えよう、としたところでネジエラー発生。現状、15mm長βチタン合金ネジを使っていたのだが、これでは長さが足りないのである。PH-L1000はヘッドケース、カーソルプレートともULS-3Xより厚いうえに、ナットで締め付けるタイプだから、少なくともあと3mm、余裕を見れば5mmは必要になる。

 そう言えばそうだったと、ART-2000をPH-L1000に付けたときのことを思い出した。長いネジがなかなか見つからなくてナンギしたのである。9年も前のことで、すっかり忘れておりました。仮令そうであっても、ボディの厚みとPH-L1000の構造を見れば分りそうなものだ。マヌケなのである。

 さても困った。M2.6βチタン合金ネジは15mmが最長である。次善の策、SUSキャップスクリューならば30mmくらいまであるけれども、僕のストック分にはない。これはどうもネジを手当てするところから始めねば遺憾状況に、なってしまったようだ。

 時、恰も年末である。ともかくは然るべきショップへM2.6SUSキャップスクリュー18mm、20mmの注文をかけておいたけれど、年内に届くかどうかは微妙である。

 なんだかなあ。

’10/12/24 (金)

付け替え


 AT-OC9/IIIは現在、SAECのヘッドシェルULS-3Xに付いている。この組み合わせに文句はない。けれども、購入当初からビクターPH-L1000でも聴いてみたいと考えていたことも事実。友達謹製リード線も落ち着いてきたようだし、ここらで一度シェル交換してみようと思う。

 どちらも極めて優秀なヘッドシェルである。金属製シェルではなかなか聴けない、切れと抜けの良さが特長と感じている。キャラクター皆無、というわけには、もちろん行かない。だが、個人的にはセラミックス系シェルの音が、大好きである。

 今晩中に付け替え試聴まで行ける、予定だったが、お正月準備に専一でいたら夜中になってしまった。眠い目で作業してカンチレバーをぶち折ってはオオゴトである。今夜は止しておきましょう。

 明日の楽しみに。

’10/12/23 (木)

妙なモノ


 久しぶりに大阪から帰省した愚息1号が、妙なモノを持ってきた。どことなくムカデを連想させる姿かたちである。マガマガしい。

 妙、と言ってもこれが三脚であることはすぐにわかる。面白いのは脚である。まさに節足動物の脚のような構造になっていて、クネクネと自由自在に曲げられるのだ。フックのようにフォーミングしてどこかに引っ掛ける、棒に巻き付ける、など、通常の三脚では不可能なセッティングができる。これはなかなかのアイディア商品だと思う。

 オクトパストライポッド、というンだそうな。携帯電話やipodを固定し写真を撮るための三脚で、バネキャッチ式のホルダーも付属されている。特に新しいわけでもなく、そのスジではすでに有名。ご存知の方もいらっしゃるだろう。バカ売れしているらしい。僕はまったく知りませんでした。

 改めて調べてみれば、従来からある純粋なカメラ用小型三脚に携帯電話ホルダーを付けたものもあったりして、つまりそれだけ携帯で写真を撮る人が、増えているのである。大きな需要がモノを進化させるわけだ。「戦が国の栄えとなる」みたいなお話だな。

 航海日誌のために、ほぼ毎日ヘボな写真を撮っている。大型三脚では高すぎる、小型では低すぎる、チョイとその辺に引っ掛けられれば、と思うことはしばしばで、そうしてみるとこのオクトパストライポッドは、ヒジョーに有用な道具かもしれない。

 買いましょう。

’10/12/22 (水)

冬至


 冬至である。写真は午後4時33分に撮ったもので、ほぼ日没している。さすがに日が短いのである。夏至の頃の午後4時半なんか、まだ昼過ぎっちゅう感じだけれども。夏が好きな僕は、何だか憂鬱なのである。

 しかし、今日を過ぎれば日没は遅くなるほうへ転じるわけで、そう思うと少しは気分も晴れようというものだ。と、夕方の天気予報を見たら、週末は大雪になるという。イヤだなあ。

 今日の晩ゴハンにはカボチャを食べ、お風呂には柚子を浮かべた。この冬の無病息災は間違いなしである。

 と思い込み、寒い冬をぶっ飛ばせ。

’10/12/21 (火)

聞こえたらしい


 裏庭の土手を登ったところに、立派な柚子の木がある。ご近所の方が育てていらっしゃるものである。今年はなかなかの豊作らしく、黄色の美しい実がたくさん生っている。

 明日は2010年の冬至である。冬至といえば柚子風呂だ。柚子を買って来んと遺憾なあでも新鮮なほうが香りが良いよなあ裏の柚子一つか二つもらえないかなあ勝手に採ったら盗人だしなあお願いしてみようかなあ。

 などとヨコシマなことを考えていたら、それが聞こえたらしい。「明日は冬至だから」と、わざわざ届けて下さった。「ありがとうございます」と申し上げるべきところ、思わず「申しわけありません」と言ってしまいました。あまりにもグッドなタイミングだったのである。本当に、ありがとうございます。

 明日はカボチャを食べて柚子風呂に入ろう。

’10/12/20 (月)

ベストのど飴


 先月以来、僕はすっかりのど飴ファンになっている。

 そもそも箱船は1階2階とも湿気が少ない。完成当時はモノスゴイ湿度だったものが、17年経ってカラカラに乾いてしまった。そこへ持ってきて冬場は暖房するから、さらに乾燥する。風邪をひいていなくとも、何やら喉がケホケホするのである。

 弱めに絞ったタオルをぶら下げてみたり、流しのシンクに水を溜めてみたり、あれこれ対策してみるのだが効果は少ない。個人的好みにより、加湿器は使いたくないし、マスクをかけるのはもっと嫌いだし。困った困った。

 そこで、のど飴登場。ケホケホしたらこれなめる。効果は上々である。実にグワイがヨロシイ。眠気覚ましの副次効果もあり、大変重宝している。唾液の分泌が促進されれば、風邪もひきにくくなるンじゃなかろうか。

 いろいろ試してみて、現時点でのベストのど飴は写真のヤツである。扇雀飴本舗の「緑茶のど飴・石臼挽き」。お茶の香りがとても良く、ハッカなどのハーブが爽やかさをカモシ出し、のどのイガイガを抑えてくれる。何よりも、あまり甘くないのがよい。後味もすっきりしている。

 オーディオ機器は湿気を嫌うから、凡そどちらのオーディオルームも乾燥気味ではないかと、思う。そう言えば喉のグワイが何となく変、とおっしゃるムキには、のど飴をお薦めします。

 飴なめながら聴いたら、判断誤るかしら。

’10/12/19 (日)

車冬支度


 19日は朝から快晴で、とても暖かであった。この機を逃してならじと、僕のサイファ、愚妻のi、2台まとめてタイヤ交換を実施する。

 やってみれば何と言うこともない。シロウトが車付属の軽便工具で作業しても、1時間ちょっとで終わってしまうのである。なのに取りかかる前の億劫さは格別だ。もう、考えただけでメンドウでメンドウで。なぜだろう。

 これから来年3月いっぱいまでの約3ヶ月間、冬タイヤで走ることになる。考えてみれば年の1/4ほどである。しかもその間実際に役立つ日数は、20日もあるかどうか。大したことはないのだが、ないと困るのも事実。この辺りが、交換作業を億劫に思う因なのかもしれない。

 車の冬支度はできた。今度は、お正月準備である。

’10/12/18 (土)

周辺整備


 只今オーバーホール出向中の、SAEC WE-506/30である。年内の完了は、おそらく無理だと思う。まったく問題なし。当初からそのように了承している。

 帰って来るまでの間に、やっておきたいことはたくさんある。その第一が、キャビネット設計を完了すること。第二に、より良く使うための周辺機器を揃えておくこと。

 まずはアームスタビライザーである。SAECからの純正品、AS-600Eというモデルが存在するが、ほとんど入手不可能である。しかし大丈夫、彼の「Y31 project」に、オリジナルを越える素晴らしいスタビライザーがラインアップされているのだ。

 Y31AS506-1。先月中ごろに注文、今月25日ごろから発送していただける段取りになっている。おかげさまで、現行機であった当時を上回る使用環境が実現されるのだ。大変にありがたいことである。

 あともう一つ、欲しいものがある。アームリフター EV-506である。ガンダムのように堅牢頑丈で、精緻な造りのリフターだ。実にSAECらしい製品である。WE-506/30には独立型アームレストが付属するだけで、リフターはない。プロ仕様なのである。実用的にはそれで問題ない、けれども、あったほうが便利であるし、何よりも安全である。

 但し、入手は極めて難しい。ほとんど不可能に近いと思う。世に出た数が、元々少ないのではないか。そうとなれば余計に欲しくなるから、始末に悪いのである。

 何方かお譲りいただけませんでしょうか、EV-506。

’10/12/17 (金)

音楽との相性


 引き続き、HX-10000をフォノイコライザーとして、色々なLPを聴く。音の傾向は一昨日述べた通り。加えて、鳴らす音楽との相性が、わりとはっきりしているように感じ始めている。

 最もマッチングが良いと感じるのは、小編成ジャズや静かな女性ボーカルもの、である。厚みとコクがあり、パワフルである。声の通りが非常に良く、色気があって生々しい。ソリッドな音像、リアルな音場は、聴いていてワクワクする。

 大編成オーケストラも悪くはない。ただ、もう一息抜けの良さが欲しい。切れよりも繊細感を大切にしているような鳴り方で、曲によってはもどかしさを感じてしまうのだ。

 意外に良いのがロックである。本質的に歪みが少ない所為か、かなり音量を上げてもうるさくならない。厚く太く豊かで、豪快にどすばす鳴る。MO-FIのロック復刻盤などは、実に痛快である。高品位フォノイコライザーでロックを大音量再生し、嬉々とする野蛮人。それはワタクシでございます。

 現代音楽、民俗音楽などの優秀録音盤は、どうもイマイチだ。僕の大好きなジョージ・クラム「真夏の夜の音楽」や、OCORA「ヴェトナムの新しい音楽」などは、エネルギー感が殺がれて雅な音になり、弾け飛び散乱する感じが後退する。

 以上は現時点での、極めて個人的な感想、印象である。ロックがうまく鳴るのはとても嬉しいことだし、現代音楽だって決してダメダメということではない。貴重で価値あるフォノイコライザーであることに、何ら変わりはないのだ。

 聴きたいLPは、まだまだたくさん、ある。

’10/12/16 (木)

ギリギリセーフ


 明け方、箱船の窓から外の様子を覗うと、思ったよりも白くなっている。こらエラいこっちゃと、半ば絶望的な気分になった。

 けれどもこのあと天候回復、旭日燦々とするうち、雪はどんどん消え始め、僕らが動き出す頃にはすっかり平常に戻ってしまった。ああ、助かった。冷え込みがさほどではなかったことが、幸いしたようである。ギリギリセーフだ。

 危ない橋を渡っとらんで、さっさとタイヤを換えろ、っちゅうお話である。

’10/12/15 (水)

初雪


 初雪である。昨年は18日だったから、3日ほど早いことになるわけだ。降り様はさほどひどくもなく、うっすらと白くなる程度。降りっぱなしではないから、明日の朝も大事にはならないだろう。

 そうなってもらっては困るのである。実は、冬タイヤへの交換が未だ済んでいないのだ。メンドクサイものだから、まだ大丈夫まだ降らないと、先延べしているうちに追い込まれてしまった。週末は天候回復するそうだから、絶対に換えとかんと遺憾のである。

 こればかりは、命に別状なしとは、言えない。

’10/12/14 (火)

HX-10000 再登場


 音が変わった、と言えばこのアンプもまた同様である。YAMAHA HX-10000。8月の末、久方ぶりに聴いた折の印象は、きれいな音だがやや暗く重い、というものであった。以後、ほとんど電源入れっぱなしでホッタラカシ。フォノケーブルも換えたことだし、もう一度聴いてみよう、と。

 低歪み低雑音であることに変わりはなく、極めて静かで美しい音である。しかし、8月に聴いたときに感じた暗さ重さは影を潜め、代わって力強さが前面に出てきたようだ。特に中低域の充実感は素晴らしい。タイトに締まった低域に、通りの良い中域、情報量が多く繊細感抜群の高域が乗る。

 ただ、C-17+C-280Vフォノイコライザー、或いはC-17+AE86謹製フォノイコライザー、で聴けるような、晴れやかで抜けが良く空間に散乱するような音とは、ちょっと違う感じだ。やや粘りがあるというか、良い意味で抑制が利いているというか。ヘッドアンプらしからぬ音、とも言えるわけだが、この辺りがHX-10000の持ち味、特長なのだろう。

 これはこれで非常に魅力的な音だと思う。只今計画進行中であるADプレーヤー3号のヘッドアンプ・フォノイコライザーとして使えば、AD再生はますます面白くなりそうだ。

 寝かしておくには、あまりにも勿体無いアンプである。

’10/12/13 (月)

待て


 SAECのフォノケーブルを聴くのに専らで、しばらくご無沙汰したAT-OC9/III+友達謹製シェルリードの組み合わせである。先月下旬の時点では、中域に残るピーク感と音の尖りが気になるところだったのだが。

 久しぶり(と言っても半月ほど)に聴いて、僕はぶったまげてしまいました。これを「激変」と言わずして何と言う。全域に渡って解像度がさらに向上し、一音一音の粒立ちが極めて美しい。しかも恐ろしいほどの力感が伴っていて、生々しいことこの上なし。中域にあったピーク感はウソのように消え失せてしまった。これは良い音だ。

 時間経過とともに音は変わるだろうと予測していたものの、ここまで違うとは。あまりのことに、唖然とするのである。何か間違っているンじゃないかと、信号経路を検分し直したほどだ。何処にもおかしなところはなかった。やはりエージングによるものか。これほど大きな変化を見せたパーツの例を、僕は他に知らない。

 このリード線、実装直後は本来の音にほど遠く、それだけを聴いて判断するとエラい目に遭うのだ。その意味では「曲者」と言える。けれども特に扱いが難しいわけではない。繋いでしまえば、あとは待つだけ。どんどん良くなる。実にアナログ的である。

 待てば海路の日和あり。

’10/12/12 (日)

拡張するには


 昨日述べた「アーム下部のスペース」とは、写真に見える部分を指して書いたつもり。どうも文章表現がへたくそで、申しわけのないことであります。この開口寸法を、前後上下左右に拡張したいわけである。

 前後左右はともかく、上下をどれくらい拡げればよいのか、思案している。当面の目標はWE-506/30が問題なく載せられる寸法、ということになる。そうするにはアームボード下への出っ張り分寸法を知る必要がある。現状506/30はメンテナンスへ出しているから、戻ってきてからの話になりそうである。

 ADプレーヤー2号で使用中のWE-407/23と同様、大型アームスタビライザーを使って取り付ける予定だから、それなりの空間寸法が要るだろう。フォノケーブルが無理なく取り回せる配慮もせねば遺憾。

 ここまで考えて気がついた。こーゆー作業、僕はものすごくニガテではないか。空間認識能に著しく劣る者にとって、物体を三次元的にイメージするのは極めて困難なのである。ナニを大層な、と思われるかもしれないけれど、本人にとっては切実な問題なのである。

 エラいこっちゃ。

’10/12/11 (土)

汎用性を高め


 実現できるかどうか、現状かなり不確定ではあるものの、ADプレーヤー3号用キャビネットについて思案し始めている。

 フォノモーターにはSP-10MkIIIを使うことになるし、基本的には上の写真に見える1号(長岡式)と同様のものになる予定。変更せねばならないのはモーターから右、アームが取り付く部分である。

 WE-506/30を使おうとすると、現設計では上手く行かない。アームボードの右側にある出っ張りを撤去或いは縮小、アームボードの幅を拡張、アーム下部のスペースも拡張。最低限これだけはやっておかないと、有効長286mmのロングアームは使えない。

 どうにかうまく考えて、音を悪くせずして高い汎用性を確保したキャビネットにしたい。アームボードだけを載せかえれば、ショートでもロングでも、好きなアームが使えるような。ダブルアーム仕様、という手もアリなわけだが、個人的には避けておきたい。

 簡単なようで、なかなかに難しいのである。

’10/12/10 (金)

厳しく恐ろしい


 昨日触れた「日本の自衛隊 2」は、早速購入予約をしておいた。僕自身も二度(2000年、2001年)のライブを体験し、生録にも挑戦した「総合火力演習」音源の集大成となれば、見逃すわけには行かないのである。

 MYUさんからは早速のご返信をいただいた。出来上がり次第、ご発送願えるそうである。今回のディスクは、大変なお手間なのである。マスター音源から高品位CD-Rへ1枚1枚手焼きされるのだ。通常のCDとは、まったく別物である。6,000円は高くない。

 マスター音源は超低域(20Hz以下)のレベルが猛烈に高い。このことは、源音に忠実な録音がなされている一つの証明でもあるわけだが、そのまま製品化するには極めて危険である。下手をすると、スピーカーを壊すユーザーが続出するかもしれない。ヒジョーにグワイが悪いのである。

 したがって、CD-Rには20Hz以下を支障のないレベルまで落してカッティングされる。と言ってもAB誌上に載っているF特写真を見ると、かなり厳しく恐ろしいソースであることに変わりはないようだ。迂闊には再生できません。

 サウンドマニアの血が騒ぐ。

’10/12/09 (木)

AB誌最新号


 先月今月は季刊オーディオ誌の発売ラッシュ(というほどでもないけれど)である。今日はオーディオベーシック誌、第57号を買った。来たる15日はアナログ誌が発売されるし、これまた楽しみなのである。

 AB誌は、創刊号以来毎号欠かさず購読している。ナニを思ったか、勢い余って同じ号を2冊買ったこともある。オーディオ誌としてはかなり後発で、若い雑誌とも言える。

 いちばん好きな連載記事は、「高音質ディスク聴きまくり」である。ソフト購入の指標として大いに有用であることはもちろんだが、個人的には市川二朗、高崎素行、炭山アキラ、3氏のかけあいを楽しんでいる。ショート鼎談風というか、これはきっと炭山氏のまとめが上手いンだろうな。

 今号の紹介ソフト中、「ニコレッタ・セーケ / マイ・ソング」の欄、高崎氏の「市川さん、どうしたんだ」には、思わず笑ってしまいました。是非読んでみてください。

 往年の名オーディオ誌、「別冊FMfan」の香り漂うAB誌、間もなく本家の号数(59号。60、61号は『AV FRONT創刊号、2号』として発売)を抜き去ろうとしている。そうであってみれば、最早「若い雑誌」ではないのだな。

 とまれ、CD-R仕様「日本の自衛隊 2」、これは買わねば遺憾。

’10/12/08 (水)

彌栄え


 オーディオアクセサリー誌、最新号(第139号)を買った。11月20日の発売だから、随分とモタついたお話なのである。

 購読を始めたのは第42号(1986年秋号)からで、創刊以来の購読者、と言えないところはちょっと残念。きっかけは、長岡先生の記事であった。「長岡鉄男のワンダーランド」である。以降、ほとんどこれだけを楽しみ(失敬!)に、毎号購読するようになって現在に至る。

 2000年に先生が亡くなってからも、うっかり発売日を忘れたりしながら、継続して購読している。今回もそのクチである。ムカシは3ヶ月に一度の発売を指折り数えて待ち焦がれたものだが。

 それでも続けて読んでいるのは、この雑誌が楽しいからである。オールカラーで写真もきれい、広告は多いけれどそれもまた良し。昔はヒジョーに多かった誤植も、最近はぐんと少なくなった。10年以上据え置き価格の1,300円は、ハイCPである。

 今、僕が最も楽しみにしているのは、炭山アキラ氏の記事・評論である。長岡先生の遺伝子を受け継ぎながら、独自の視点と切り口を持った評論文に、僕はいつも独り頷きながら読んでいる。文章表現に独特の静けさと品の良さが感じられるのは、氏のお人柄だと思う。

 日毎号毎進み行く、オーディオアクセサリー誌、彌栄え。

’10/12/07 (火)

映像をダシに


 久しぶりに映像を観た。プロジェクターもプレーヤーも拗ねてしまって、ちゃんと動かないンじゃないかと心配するほどのご無沙汰である。

 特定のナニかが観たかった、というよりも、主眼は音の確認である。ADを聴くに専らであった後、映像音声に何がしかの違いや変化があるのかどうか。それを知りたかったのである。

 激変、はしていない。しかし、一聴してわかる程度の変化は、やはりあるのだ。音の濁りが減り、解像度が上がったように聴こえる。レンジも広くなったようだし、繊細感も向上している。明らかに、ヨロシイ方向への変化である。

 音確認のダシにされる映像も、気の毒なことだ。

’10/12/06 (月)

寒波が来る


 いよいよ本格的な寒波がやってくるという。今週末あたりは、ちょっとした雪降りになるかもしれない。イヤだけれども、こればかりはどうしようもないのである。

 写真は約5年前、2006年1月9日に撮った境内の様子である。近年の当地としては、モノスゴイ積雪量である。僕が丹後へやってきて22年、今のところこの年を越える積雪はない。

 今冬は厳冬になると聞く。本当だろうか。5年前と同じような積雪があるのかな。明日の天気予報は当たって欲しいけれど、この長期予報はハズれて欲しい。

 自然の営みの前には、人間様もまったく無力である。

’10/12/05 (日)

スーパーネッシーMkII 4年


 山越木工房謹製、スーパーネッシーMkIIの箱船乗船は、2006年12月13日のことである。徳さん、憲さん、いわしゃじんさん(随分ご無沙汰です)、それからとても親切だったトラックドライバー氏の多大なる助けを受け、決死の搬入作業したのがついこの間のように思える。もう4年経つのだ。

 写真はその日、ユニットの取り付けが終わったところである。現在のFE208ES-Rではなく、まだFE-208ESが付いている。そうか、最初はESだったのだなあ。

 このあとみんなで「せえの」と引き起こしたわけだが、これがまた決死の作業であった。あの恐ろしい重さは、忘れられない。もう二度と同じことはやりたくないと、心から思う。尤も、今立っているものを横倒しにするほうが、さらに困難だろうけれども。

 2007年4月にユニットがFE208ES-Rに変わり、現在に至る。出来立てからいきなり良い音で鳴るスピーカーであったが、4年間のエージング効果は絶大。今や箱船歴代メインスピーカー中、最良の音を再生している。もちろん、「当社(箱船)比」である。

 先代スーパーネッシーは、9年半使ってなお音が変わり続けることを実感した。極めていい加減な工作精度の自作スピーカーでさえ、そのようなグワイだったのだ。プロの手による超強力スピーカーなら推して知るべし。MkIIの4年はまだまだ若いと言える。

 僕にとっては今後も永く楽しめる、素晴らしいスピーカーなのである。

’10/12/04 (土)

更新遅れの理由


 近頃の日誌に更新遅れが出ているのは、偏にこれADを聴くのが楽しい所為である。写真右に見えるADプレーヤー1号で、友達謹製リード線の音変化に喜んだり驚いたりし、左の2号でSAECフォノケーブルの音に感激したり、ヒジョーに忙しいのであった。

 ひとたびこのチャンネルに入り込んでしまうと、抜け出すのは容易ではない。時間はあっという間に過ぎ去り、気がつけば真夜中になっている、とまあ、こーゆーわけなのであります。オーディオと音楽大好き人間としては、大変にシアワセな状況というべきだ。

 これにADP3号を追加設置なんかしたら、とんでもないことになってしまうのではなかろうか。よしておいたほうが、いいかな。

 そもそも、これ以上どこへ置くのだ。

’10/12/03 (金)

気温乱高下


 写真のような青空が見られたのは、3日の午前中まで。午後からは、突然黒い雲の塊が北西から繰り出してきて、あっという間に全天を埋めてしまった。それまでの暖かな南風がぴたりと止み、冷たい北風がビュービュー吹き始める。劇場で舞台暗転を見ているような気分である。

 珍しくもないテンカイだから、今さら特段に驚きはしない。けれども僕は、いつも思うのだ。チクショー、ヌカ喜びさせやがってー、と。冬だから寒いのは仕方ない。だったら寒いままである程度安定してもらえんものか。昨日今日での気温差が13℃、こういうのは困るのである。

 明日の午後から天候回復し、5日の日曜日はまたまた暖かく(ひょっとしたら、暑く)なるという。10℃くらい上がるのか知らん。

 何だかよくわかりません。

’10/12/02 (木)

逃すなチャンスを


 現状、リタイヤ中のZonotone 7NTW-7060 Grandio(S)である。作りは極めてしっかりしているし、プラグも高級感抜群でルックスは最高。音も決して悪くないのである。

 だが、何かがもう一つ、足りないように感じられるのだった。どこそこの帯域がどうとか、そーゆーことではなく、何かこう、音の形(なり)と言うか、構えと言うか、文章では上手く表現できないようなところなのだ。

 おそらくこれは、良し悪しではないのだろうと思う。Zonotoneが自信を持って提供するケーブルの音に、僕の好みが合致しなかっただけのお話。またある人にとっては、宝物のようなケーブルであるかもしれないのだ。

 自分の好みに合うものを見つけるのは、大変に困難なことだと思う。世の中にあるもの全てを試してみられればよいのだが、事実上不可能である。それなれば、モノ選びは勢いバクチのようになってしまうわけだ。しかも、ほとんどのバヤイ一発勝負である。

 斯くの如き状況にあって、自分にとって最高と思われるモノに出会えたならば、それはまさに千載一遇の好機到来というべきである。逃さず掴めるか。上手く掴めたものもあるけれど、遅疑逡巡し逸してしまったほうが圧倒的に多いような気が、するのである。

 目を養うことが、肝要である。

’10/12/01 (水)

好天の後は


 時間の流れは加齢とともに加速するようである。2010年お正月の日誌を書いたのは、ついこの間、と思っていたら、もう早12月になってしまった。ほんっとーに、あっちゅう間に過ぎ去ってしまった。

 今日は大変な好天で、12月としては異様に暖かい日であった。明日も同じようなグワイだそうだが、その次は強烈な冷え込みが待っている。冬季日本海側のお約束である。「冬の南(風)は雪連れる」。初雪を見るかもしれない。

 2010年も、あと30日。