箱船航海日誌 2010年07月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’10/07/31 (土)

最新版は


 純チタンM2.6ナットの最新版が、友達から届いた。今回のバージョンは御覧のとおり、やや金色がかっている。これが「もう一工夫」の結果である。

 金メッキ、ではない。表面が窒化処理されているのである。この金色は、窒化チタン(TiN)の色なのだ。TiNは非常に硬く耐熱性が高いため、ドリルビットやタップなど切削工具のコーティングに多用される。

 そのような処理を、オーディオ用パーツに施す意味や如何に。純チタンそのままでも充分な硬度を持っているわけだが、表面をTiN化しさらに硬度を上げるとどーなるか。それを知りたいわけである。未処理純チタンM2.6ナットはもちろん、あまつさえTiN表面処理された純チタンナットなんか何処にもない。極めて貴重なものである。

 製作・処理にはずいぶんなお手間をおかけしてしまった。心から御礼申し上げたい。ご厚意、本当にありがとうございます。

 これで音の違いが判別できなかったら噴飯もの、だが、自信はないのである。何しろ毎度申し上げるとおり、タコ耳ですから。

 実装試聴へ進む。

’10/07/30 (金)

恒例境内草刈


 恒例境内草刈が、無事終わった。早朝からご加担いただいた60数名の方々には、心から御礼申し上げねばならない。お暑い中、本当にありがとうございました。おかげさまでございます。

 今年は例年以上に段取り良く作業が進み、実質1時間半ほどで完了した。年々、皆さんの手際が良くなっているようだ。僕の余計な口出しはまったく無用である。刈る場所ごとに引き手さんが自然発生(失敬!)しているからだ。これまた、とてもありがたいことである。

 明日で7月も終り、お盆の8月がやってくる。

’10/07/29 (木)

真夏の風景


 27日も暑い日であった。当地の最高気温36℃。夕方、梅雨明けから12日ぶりに雨が降る。

 25日に書いた「まったく降らず」の声が、天に届いたか。けれども御覧のとおり、陽が差しながらの天気雨である。彼方に見える入道雲に稲妻が走り、遠雷が響く。

 熱く乾ききった夏の地面に雨が降れば、土と草の匂いが一気に沸き立ってくる。僕はこの匂いが、とても好きである。ひどく懐かしい感じがする。何十年ぶりに嗅ぐものでもないのに、何故だろう。このような感慨を持つのは、僕だけなのか知らん。

 絵に描いたような、真夏の風景。

’10/07/28 (水)

♀がいて、♂がいる


 蝉取りの子らに桜の樹を薦めたはよいけれども、ほんとにアブラゼミがいるのかしらん。27日午前中の時点では、未だ目立った鳴き声が聴こえてこないのである。

 ちゃんと、いました。八重桜の枝にとまっていたのは、♀である。♀のほうが早い時期に羽化するのだろう。彼女らは鳴かない(鳴けない)から、現状静かなのだ。

 モノの順序を考えたとき、♀がいるところへ♂が現れる、というほうが段取りが良いような気がする。♂が鳴くのは♀の気を惹き我がDNAを遺すためだから、彼女らのいないところでナンボ鳴いても無意味なのだ。彼らの鳴き声には、イノチがかかっている。

 「ここにいるよ」と蝉取り兄弟に教えようとして、やっぱりやめた。♂にとっては、♀が1匹でも多いほうが、よいはずだから。

 同じ動物の♂として、せめてもの情けである。

’10/07/27 (火)

蝉取り兄弟


 昨年7月29日の日誌で、「蝉取りする子供の姿を、とんと見かけなくなった」と書いた。今年はどうだろうかと、思っていたら、居ました居ました。おそらく兄弟と思しき小学生が2人、ムシ網持って境内にやってきた。何か相談しながら、柿の樹を見上げている。いいなあ、こういう風景。

 アブラゼミを狙っている、という。それなれば柿よりも桜のほうがヨロシイ、石段のほうに大きな樹があるから、そっちへ行ってごらんなと、世話焼きなおっさんは声をかけるのだった。

 宿題なんかほっといて、遊べ遊べ。

’10/07/26 (月)

98%完了


 境内整備工事は98%完了。少々遅れているのだが、工務店の所為ではない。当方の都合である。予定できない事柄が起こるのは、お寺の常なのだ。

 上の写真、サイファの左側が旧浴室のあった場所である。すっかり撤去され、駐車スペースがぐんと拡張された。軒も1m以上高くなり、実に広々として気持ち良い。正面からの箱船ビューが、ヒジョーによくなった、のは、良いことか悪いことか。

 あとはわずかの造作と電気工事を残すのみ。今月末には、すべての工事が完了する。工期の遅れは当初から折り込み済みだから、まったく問題ないのである。

 今年のお盆は、快適だ。

’10/07/25 (日)

青空とサルスベリ


 梅雨が明けて一週間、当地の夏はますます快調である。雨はまったく降らず。それでも、田んぼの水は満々としているし、生活用水が不足してしているという声も、聞かない。梅雨時の雨を、山が充分に保水しているのだろうか。

 庭ではサルスベリが咲き始めた。正しく、真夏の花である。一昨年来、幹に虫が入り枯れかけていた樹である。庭仕事を担当してもらっているお寺役員さんの的確な対策により、見事息を吹き返したようだ。ヨカッタヨカッタ。

 青空にサルスベリの花。いやあ、夏はいいなあ。

’10/07/24 (土)

もう一工夫


 純チタンM2.6ナットの追加分が出来上がったと、友達から知らせをもらった。10セット分(20個)である。これだけの数を100%自作するには、どれほどの労力が要るのだろうか。僕のようなこらえ性のないニンゲンには、絶対不可能な作業だと思う。ありがとうございます。

 一つ一つ手作りされるものだから、外径に多少のバラツキがあるのはやむを得ない。実用上、まったく問題なし。先日載せた写真に見えるとおりである。それよりも何よりも、斯かる貴重なものを使えるという喜びは、極めて大きい。

 実はこの追加分ナット、これで完成、ではないのである。もう一工夫加え、さらなる音質向上効果を狙う。

 結果は、また後日。

’10/07/23 (金)

吸血鬼


 厳しい暑さが続く所為かどうか、今年はやたらとアブが多い。上の、一見スズメバチのようないかついヤツはウシアブの一種だが、これよりももう少し小型で灰青色のヤツ。何だかいっぱいいる感じ。

 ♂は特段の害はない。ただ居るだけ。タチが悪いのは、♀である。ご存知の通り、吸血するのである。コイツは実に厄介だ。吸われる時は蚊の何倍も痛く、後は何十倍も痒く、吸い口の傷は何百倍も治りにくい。特に僕はアレルギー持ちだから、とんでもないことになってしまうのだ。

 体長約2cm、蚊とは違って随分と大きい。こんなもんが体の何処かに取り付いたら、すぐに気がつきそうなもの。だが、アブの足、特に先っちょは非常によくできていて、取り付かれただけではほとんど何も感じない。安全なる吸血を全うするため、そのような機能を獲得しているのである。

 口吻を肌に挿し込み、吸血を始めたところでやっと気付くのである。「痛っ」と。そうなってから叩き落しても時既に遅し。僕のバヤイ、下手をすれば病院行きである。

 夏は好きだがアブは嫌いだ。

’10/07/22 (木)

満を持して


 高校2年生になった愚息2号が、満を持してバンド活動を始動するようである。夏休み明けの学園祭に向け、箱船2階で練習させてくれ、というわけである。断る理由は何もない。1号同様、どんどんやってくれ。

 何時からやるかと問うと、明日から、という。ちょ、ちょっと待て。現状2階は、足の踏み場もないほど散らかっている。大急ぎで片付けた、のが、上の写真である。まあ、これくらいで勘弁しておくれ。

 初めての2号バンド、どんなグワイになるのだろうか。ちょっと、楽しみ。

’10/07/21 (水)

出ない


 少しく繁忙になった所為か、思考回路が停止したように話題を思い付けなくて困っている。写真を撮れば何か出るか、と期待したがやっぱりだめ。ホントに何にも出ないのである。

 うーむ、弱った。

’10/07/20 (火)

知りたい


 SAEC ULS-3Xはカーソルプレート穴にネジが切ってあるタイプだから、カートリッジを取り付けるのみに限定すれば、ナットは不要である。但し、カートリッジ側にもネジが切ってあると、基本的には取り付け不可能。一長一短の方式だと思う。

 写真に見えるナットは、指かけを固定するためだけの役割を担っている。このナットを緩めても、指かけが外れるだけであって、カートリッジ固定グワイに影響はない。

 斯くの如くカートリッジ固定には関係していないナットである。これを純チタンナットに交換したバヤイ、音に変化はあるのだろうか。ビスの先っちょにくっ付いている物の材質が違えば、多少なりとも音が変わるンじゃあるまいかと、例によってスケベ根性丸出しにしている。

 写真のカートリッジはSAEC C-3である。テクニカ AT-OC9/IIIも同様にULS-3Xへ取り付けてあるから、今度実験してみよう。

 良くなるか、悪くなるか、変わらないか。それが、知りたい。

’10/07/19 (月)

ナットも快調


 ジャンルいろいろとりまぜながら、純チタンナットの試聴を続けている。やはり向上効果に間違いはないようである。僕の耳には、情報量が増え解像度が上がり、微妙な音の重なりグワイまで細大漏らさず再現しているように感じられる。

 中でも特筆すべきは、歪み感が減ること。もちろん、あくまでも僕のタコ耳においての「聴感上」で、である。ゲンミツに測定した結果、ではないことをお含みいただきたいのである。

 ナット交換当初、僅か高域寄りの音になり、ツッパリ感が出るかと思われる部分もあったけれども、聴いているうちに消え去ってしまった。耳が慣れた、のでもないようだ。意識的にややハイ上がりのソフトを聴いてみるも、まったく問題なし。明らかに以前よりも低歪み、ヒジョーにスムーズな音で鳴っている。

 こうなってくるというと強欲なもので、他のカートリッジ+シェル組み合わせにも、友達謹製純チタンナットを使ってみたくなるのだった。例えば、フェーズテック CS-1+MC-L10、とか。

 友達の大いなる手間苦労を知りもしないで、いい気なものである。

’10/07/18 (日)

夏、快調


 18日の夜明け(午前4時半頃)はご覧の通りで、一日を通して大快晴であった。気温は32℃。もちろん暑いけれども、僕としては文句なし。嬉しいなあ。

 今日は隣町のご縁深いお寺に於いて比較的大きな法要があり、お招きに応じて出席してきた。お経をよむにも汗かきになったわけだが、これはこれで爽快である。何故か、夏の法要は終わった後の達成感が大きいのである。

 そろそろ、お盆の準備を始めねばならない季節になった。

’10/07/17 (土)

17日早く


 17日、近畿地方ほかの梅雨明けが発表された。空にはまだ湿り気が多そうな雲が浮かんではいるものの、夏は確かにやってきたようだ。ヒジョーに暑く、明るい日であった。

 昨年の梅雨明けは異様に遅く、8月3日だった。しかも、その後も夏だか夏でないンだか、煮え切らない天候が続き、とても悲しい思いをしたのである。それと比較して今年は17日早く、今後も太平洋高気圧は元気なようだ。ホンマモンの夏を、大いに期待したい。

 ネムの花予告、当たるかな。

’10/07/16 (金)

明らかな改善


 こうして見ても、決して「美しくないっ」ことはない、友達謹製純チタンナットである。実際の製作者にしかわからない作品への不満というものが、あるのだろう。現状に満足してしまっては、その後の向上は望めない、ということか。

 小さなナットを交換しただけで、音に変化はあるのだろうか。仮にあったとして、それを僕のタコ耳で判別できるのか。いささかアヤシイお話だが、ともかくは試聴しないと何も始まらないのである。

 案に相違して、結構な違いが認められた。取り付けビスをβチタン合金製に交換したバヤイの変化に似て、音に曖昧さが減り、音像の彫りが深くなる印象である。トランジェントが向上、音の抜けも良くなる。個人的にはヒジョーに好ましい変化である。

 ひっくり返って驚くような「激変」とは言えない。けれども、目の前にアルミ、SUS、真鍮、純チタン、4種のナットを並べ、どれを使うかと問われれば、僕は躊躇なく純チタンを採る。仮令激変ではなくとも、明らかな改善が見られるならば、それを使うべきであろう。小さな向上の積み重ねが、将来の大きな向上につながると考えるからである。

 現状、聴いたLPは数枚程度である。引き続き、試聴する。

’10/07/15 (木)

実装完了


 純チタンM2.6ナット、実装完了。MC-L1000+PH-L1000の組み合わせに使ってみる。これまではSUS(ひょっとしたら、真鍮)ナットで締めてあったものからの交換である。お作りになったご本人は「美しくないっ」とおっしゃるけれども、僕としては非常にグワイ良く収まっていると思う。

 締結の感触は独特である。ある一点でがちりとロックし、それ以上は締まらない。いっぱいまで締まったンだか、締まらないンだか、そのような曖昧さは皆無である。これはチタン系ビス・ナットに特有のものなのか、初めてβチタンビスを使った時にも感じたことである。

 このことが直ちに音へ影響する、かどうかは、今のところ何とも言えない。少なくとも、悪いことではないはず。これまでのテンカイからして、まったく変化なし、ということには、ならないと思うンだが。

 エアコンも直ったことだし、さあ、聴きましょう。

’10/07/14 (水)

大雨、降らず


 1階エアコンの修理が完了した。機器の移動はほとんどせず、ほぼ全面をビニールシートで養生するだけで済んだのは、大変ありがたかったのである。

 前日、お弁当包装用の透明ブルー白水玉模様ビニールシート(ムカシ、長岡先生もADプレーヤーに被せていらっしゃった)で準備しておいたら、サービスマン氏がさらにその上からプロ用大面積シートで覆ってくれた。さすが、用意周到なのだ。

 心配していた「大雨」はまったく降らなかったが、室内機にはドレインポンプが汲み上げられなかった水が残っていた。30cmバケツに5cm溜まるくらいの量である。作業の手際が良く、一滴も床に落ちることなく回収された。

 作業は1時間強で終わった。若く寡黙で、礼儀正しいサービスマン氏が2人。1人は修理、1人は外したパーツとフィルターのクリーニングを黙々とこなす。準備から撤収まで実に段取りが良く、とても気持ちがよかった。これでこそ、プロである。ダイキンさんは、エラい。

 ドレインポンプが新しくなり、クリーニングも行き届いた所為か、運転音がずいぶんと静かになっている。ヨカッタヨカッタ。あとは、室外機がいつまで持つか、である。

 近い将来、新規入れ替えせねばならんかな。

’10/07/13 (火)

純チタン製M2.6ナット


 またまた友達からのいただきものである。今回はのものは、なかなかすごい。純チタン製M2.6ナットである。

 ナニが「すごい」のか。実はこのナット、100%自作なのである。その所為で、多少外径が不揃いだったりもするわけだが、実用上はまったく問題なし。タップが極めて正確に立てられていて、M2.6βチタンビスにストレス皆無で合致する。1個あたりの実測重量0.09g。同サイズのSUSナットが0.15g程度だから、40%軽いことになる。

 自作せずとも純チタンナットなら市場にあるはず。ところがM2.6は、どうしたことか何処にもないのである。大概最小M3.0まで。オーダーメイドを受けてくれる製作所は存在するようだが、数と値段の桁が違う。

 「100%自作」という表現にはいささかならず含みがある。あまり詳しくは書けないのが残念である。とにかく、貴重な「100%自作」なのだ。カートリッジ取付け用ナットとしては、この世に2個だけの純チタン製、ということになるはずである。「ないなら作れ」。工作名人の徹底したポリシーには、いつもながら感銘を受けるのだった。

 現状、使っているナットのほとんどがSUS製、一部真鍮製。ビス交換では、音に顕著な変化が見られたが、ナットではどうだろうか。

 実験が楽しみである。

’10/07/12 (月)

ネムと夏


 今、村の山ではネムの花が盛りである。咲き始めたのは1週間ほど前だから、例年より早めで、しかも数が多いように感じられる。

 似たようなことを以前にも書いた、と思って過去日誌を調べてみる。2007年7月2日にあった。この年も花が多く、早めの開花であったらしい。

 「この花が早い、となれば、梅雨も早めに明けるかもしれない」と書いている。2007年の梅雨明け宣言は7月24日、決して早いとは言えない。かなりいい加減なことをゆっているのである。

 ただ、この年の夏は、実に夏らしくとても印象的なものであった。太平洋高気圧の勢力が非常に強く、陰影が濃く思い切りの良い、素晴らしい季節がやってきたのだ。ひょっとしたらネムの花が元気な年は、好天の暑い夏が来る、のかもしれない。だったら、うれしいな。

 昨夏はサイテーだったから、今年は何としても夏をキメて欲しいものだ。

’10/07/11 (日)

おおごと


 今週の火曜日(13日)、1階エアコンの修理が入る。故障がドレインポンプ不良、ということは、本来排出されるべき水が、室内機内部に停留している可能性があるわけだ。

 修理交換作業の最中、部屋に大雨が降るかもしれない。室内機は写真に見える装置のほぼ真上にある。そこから大雨が降ったらどーなるか。ヒトジニは出ないだろうけれども、オーディオ的には惨事必定。もし事故ったら、精神的にしばらく死ぬかもしれない。

 水以外の落下物もあり得る。となると可能な限り片付けをし、何らかの方法で養生もせねばならない。考えていた以上の大事になりそうなグワイなのである。

 業務用エアコンも、良し悪しである。

’10/07/10 (土)

話題尽きず


 豪快至極な音に喜んで、一日一度は鳴らしているAT-OC9/IIIである。エアコン効かずとも音は聴く。但し、LP1枚が限界だ。

 未だ充分とは言えないまでも、エージングが進んだようである。顕著に感じるのは、情報量の増大だ。細かな音の再現性が高まっているのである。これはなかなか優秀なレベルであって、同等クラスのカートリッジでは滅多に聴けない音だと思う。

 日を追う毎に能力を発揮しつつあるAT-OC9/III、この先伸び代がどこまであるのか、実に楽しみになるのである。

 しばらくは話題が尽きない、OC9/III。

’10/07/09 (金)

アナログテスター


 友達から、写真のような道具をもらった。アナログテスターである。純然たる中古品だが、外観はほとんど新品、内部は友達の手によってメンテされ、動作完璧である。ありがとうございます。

 sanwa YX-361TRというモデルだ。立派な現行品である。僕が持っているオモチャみたいなディジタルテスターとは格が違い、プロの使用に堪え得る超多機能型である。ちゅうことはつまり、僕如きにはオーバークオリティなのだ。

 このテスター、来たるべきある目論見のための布石、なのである。但し、それを実現できるかどうか、僕の知識・能力においてヒジョーに怪しいのだが。先ずはこれを使えるようにならねば、何も始まらないのである。

 習うより慣れろ。その辺にあるもの、手当り次第測定してみるのだ。

’10/07/08 (木)

コイル断線


 エアコンメーカーのエンジニアさんが故障調査に来てくれた。原因は、ドレインポンプのコイル断線と判明。要するに、ポンプを駆動するモーターが動かなくなってしまったわけだ。モーターもカートリッジも、コイルが切れるといけません。

 上がってきた修理見積によれば、部品代+技術料で4万円弱。「こら、あきまへんな」と言われて新規交換数十万円、みたいなことにならなくて、ヨカッタヨカッタ。

 そうと決まれば早々に作業してもらわねば遺憾。この季節、さすがにエアコンなしで快適なオーディオはあり得ない。

 暑い夏は大好きだが、そーゆーこととは、チガウのである。

’10/07/07 (水)

シリカゲル交換


 デシケーターの庫内湿度が45%を超え、50%に近づいてきた。シリカゲルの色も、ほぼピンク色に変化している。そろそろ交換時期がやってきたようだ。

 写真中、左が吸湿後のシリカゲル、右が吸湿前のものだ。こうして二つ並べると、色の違いは歴然である。しかし、デシケーター内での変色は非常にゆっくり進むから、見比べ改めて驚くわけである。

 友達からのありがたい贈り物、デシケーターとシリカゲルを使い始めて、約1年になる。湿気を嫌うオーディオパーツを保管するには最高のツールである。安心感抜群。しかも電源不要、乾燥剤は再生可能、人畜無害で廃棄も容易となれば、文句のつけようがない。

 カメラ用はあるのに、何故にオーディオ用がないのだろう。

’10/07/06 (火)

爆発力


 HELIKONをまともに聴くのは、2009年2月以来である。ずいぶんとご無沙汰してしまったものだ。何だか毎度同じことを書いているような。

 今更どうこう言うことのない、たいへん良い音である。いつ聴いてもHELIKONは、圧倒的な爆発力において他を寄せ付けない。余カートリッジを以って代え難し。価格だけで音が決まる、などとは毛頭考えない。しかし、こーゆー音を聴かされると「高いだけのことはある」などと、下品にも独りごちてしまうのだった。

 思えば購入から9年が経っている。現行機種ではあるものの、決して新しいとは言えないわけである。それなりに経年劣化もあるはず。だが、音に古さはまったく感じない。高価ではあってもハイCPだと思う。

 尤も、今なら20万円台を「高価」とは言えないのかもしれない。

’10/07/05 (月)

風に吹かれて


 ADプレーヤー2号で聴くAT-OC9/IIIの豪快な音は、個人的にとても気に入った。ので、しばらくはこのまま据え置き。席が空いた1号には、久方ぶりのHELIKONにご登場願った。

 写真はゼロバランスを取り終えようとしているところである。何故か今日は上下左右の揺れがなかなか静止しない。写真がブレ気味なのはその所為だ。どうしたことかと、首をかしげてハッと気がついた。

 エアコン不調の砌、「開かずの窓」を開けて作業していたのである。外から吹き込んできた微々たる風にアームが反応し、揺れが止まらなかったのだ。思わず「ははあ」と声を上げてしまった。図らずも、EPA-100MkIIの初動感度の高さを実感したのである。1988年1月から使い始めて22年以上、まだまだイケそうなグワイ。

 劣化の度合が少ないのはたいへん結構なことである。しかし、感度の高さは時に諸刃の剣ともなり得るわけだ。高感度、だから良いアーム、とは一概に言えない。但し、感度が低すぎてカンチレバーがヒン曲がる、或いは音溝を傷めるようなアームは、当然論外である。

 さて、HELIKONを聴こう。

’10/07/04 (日)

豪快痛快


 WE-407/23のカートリッジ換装は、難しくはないけれども気遣いである。殊に僕は注意散漫で粗忽な人間だから、なおさらに億劫なのであった。それでもどうやら無事AT-OC9/IIIに換装できて一安心。

 やはりこのカートリッジは本質的に優れているようだ。どこか特定の帯域にクセを持たせ、一聴良い音のように聴かせるようなタイプでは、絶対にない。ADプレーヤー2号で聴いても、実に素晴らしい音である。

 ADプレーヤー1号で聴くよりも更に豪快で骨太、筋肉質で男性的な音になる。と言っても粗削りではなく、しなやかさと瑞々しさはいささかも殺がれず、情報量がネグられることもない。音離れが良く音場感抜群。ソフトによっては、あっと驚く立体感と生々しさが実現する。

 歪み感極少、圧倒的大音量でもまったくうるさくならない。A級中のA級盤、米NEW WORLDの「魅入られた風景」を大音量で聴いたら、モノスゴイ音が出てきて吹き飛ばされそうになった。痛快痛快。

 1号2号、甲乙つけ難い音である。強いて表現すれば、質の1号力の2号、という感じか。カートリッジ以降フォノイコライザーアウトまでの再生環境がまったく違う両者の特長が、十全に活かされた音だと思う。

 すごいぞ、OC9/III。

’10/07/03 (土)

箱船不順


 お寺の整備工事は極めて順調だが、箱船のほうは只今問題だらけである。冬に2階のエアコンがぶっ壊れたかと思えば、今度は1階のエアコンも絶不調である。ついでに(かどうか)、電話にもトラブル発生。なんだかもう「泣きっ面に蜂」状態なのである。

 完成以来間もなく17年、あちこちに不グワイが出てくるのは致し方なし。建物自体の致命的トラブルではないことだけが、せめてもの救いだと、考えることにしよう。

 1階エアコンはドレインポンプ不良、電話のトラブルは架線の内部断線が原因と判明した。両者とも経年劣化に起因するものである。それぞれ然るべく改善策を講じねばならない。それなりに覚悟はしているものの、メンテに関するかかりがヒジョーに多いのには、弱ってしまうのである。

 持てば持つほど苦は増える。真理だな。

’10/07/02 (金)

工程順調


 先月26日の話題に具した旧浴室は完全に解体撤去され、間口の広い空間が出現した。新しく作られている屋根の向こう側に見えるのは、箱船である。

 当地へお出でになったことがある方なら、おわかりいただけるかもしれない。この空間の右半分は、普通車1台分の駐車スペースだったのである。左半分に旧浴室があり、そこを解体撤去しスペースを拡張する形に、したわけである。

 普通車が余裕を持って2台、軽自動車ならちょっとツメて3台駐車できそうな広さが得られた。前後は吹き抜けだが、上から降るものをしのげるのは大変にありがたいのである。特に、冬の露天駐車は苦しいです。

 外トイレの改修も完成に近づき、本堂と隠寮の水周り改修も進んでいる。多くの方々からお力をいただき、工程は極めて順調だ。

 唯々、感謝するばかりである。

’10/07/01 (木)

68年3ヵ月


 7月である。2010年も半分が終わったことになる。速いなあ、もう。

 「明日は、やるぞ」と意気込んでおきながら、AT-OC9/IIIの換装作業はまったく進んでいないのであった。ので、他の話題に逃げるのである。

 レコードの静電気除去に使っている、ZEROSTAT 3である。1997年10月に買ったものだから、おおかた14年経つわけだ。充分なご老体である。寿命は大丈夫なのだろうか。取説によると「半永久的(約50,000回)の使用が可能」とある。50,000回。この数字、どう見れば良いのだろうか。

 仮に、毎日3枚のLPレコードを両面聴いたとする。年間使用回数は3×2×365=2190回。50000÷2190≒22.8。毎日必ず3枚聴き続けても、22年9ヵ月は使える勘定である。

 1日3枚、それを毎日、は絶対に聴いていないと思う。それだけ頻繁に聴くのは、おそらく不可能だろう。多くみても1日1枚、すると68年3ヵ月も使えて残りあと54年。僕は103歳になってしまう。まさに「半永久的」なのである。

 1個で一生もの、というわけだ。超ハイCPである。