箱船航海日誌 2010年06月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’10/06/30 (水)

2号でも


 ADプレーヤー1号では最高のパフォーマンスを示したAT-OC9/IIIである。これで決まり、にしようと一度は思ったものの、やはり2号、WE-407/23のほうでも聴いてみたい。

 という気が逸るばかりで、現在準備中。407/23でのカートリッジ交換は、調整個所が多くてなかなかにホネが折れるのだった。最も気遣いでシンドイのが、ラテラルバランス調整である。しかし、これをきちんとやらねば407/23の本領が発揮されない。

 明日は、やるぞ。

’10/06/29 (火)

270日間以上


 ADプレーヤー2号、SP-10MkIIAのプラッタを、藤崎氏のご厚意によりSUS製に交換したのは昨年の9月であった。早いもので、9ヶ月が経ったわけである。

 オリジナルアルミプラッタの2.9倍、7.7kgに達する大重量プラッタである。換装当初、負荷増大によるモーターへの影響を心配した。9ヶ月後の今、様子はどうか。

 結論から言えば、まったく問題なしである。すべての動作に支障は出ないし、軸受から異音が発生することもない。回転させておいてキャビネットに耳をくっつけ、動作音を調べるもまったく無音である。尤も、ここでギリギリゴロゴロゆってたらお話にならないわけだが。

 9ヶ月間という時間が、負荷増大による悪影響はない、と判断するに充分なものかどうか、僕にはわからない。ただ、270日間以上、ほとんど毎日使っても何ら支障なし、ということだけは確実である。

 今後も、おそらく問題は出ないような気がしている。

’10/06/28 (月)

湿度管理


 昨日今日の蒸し暑さは尋常ではなく、体にカビが生えるンじゃないかと思うほどであった。体感的には湿度100%、蒸篭の中にいるような気分である。

 一般的な住宅に比べて箱船は、遮音には優れているけれども、気密性に関しては特に優れていると言えない。24時間換気状態だからである。外気の湿度が上がれば、箱船内の空気も同様である。

 このような季節、威力を発揮するのがデシケーターである。庫内に設置した湿度計は、45%以下を指している。湿気を充分に飛ばした再生シリカゲルを入れてから3ヶ月以上経っていてこの数値は、非常に優秀と言えるだろう。

 控えのカートリッジを保管するに、安心感は大きい。ゲンミツには温度も管理すべきだが、アマチュアレベルでそこまでやるのは困難である。

 庫内湿度が45%を超えたら、シリカゲルを再生しよう。

’10/06/27 (日)

あり得なかった音


 クドいようだが、またまたAT-OC9/IIIの話題である。どうかご容赦を。

 16日の日誌に「これまでに聴いたテクニカのカートリッジ中、最高の音」と書いた。聴けば聴くほどその印象は強くなるばかりである。さらに詳しく述べれば、従来のテクニカにはあり得なかった音、とも言える。

 テクニカは意識的に大きく方向転換したのだろうか。それとも、このカートリッジだけに限られた突然変異なのか。もし、後者だったとして、その突然変異は意識的なものか、或いは偶々このような音になってしまった、だけなのか。

 そーゆー余計なことを考えてしまうほど、従来とは毛色の違う音なのである。テクニカはちょっと、というムキにも、是非一度は聴いて欲しいと思う。もちろん、この音を良とするか否とするかは、リスナーの好みによって分れるところだろう。しかし好き嫌いとは別の次元で、新鮮な驚きがあることは間違いない。

 痛快至極。

’10/06/26 (土)

進捗70%


 只今、整備工事工程進捗率約70%。3日に載せた母屋西側の新しい建屋は昨日で完成、それと平行しながら台所の改修工事と旧浴室・外トイレの解体が進んでいる。

 写真は旧浴室の解体現場である。箱船2階から撮ったものだ。30年近く、よくがんばった浴室である。当時としては非常にきれいなものだったのだろうけれども、経年劣化には抗えない。一昨日を以ってお役御免である。

 全工程完了予定まで、あと25日。現状からして、少々早まるかもしれない。お盆までには余裕を持って完成しそうである。

 誠に以って、おかげさまなのである。

’10/06/25 (金)

喜ぶが吉


 βチタン合金ビスに換装後の実測重量は25.94g、SUSキャップスクリュー使用時(26.66g)よりも0.72g軽い。それぞれのネジ1本を実測してみると、SUSキャップスクリュー(15mm)0.72g、βチタン合金ビス(同)0.36gと、きっちり1/2である。ちょうどSUSビス1本分だけ軽量化されたことになるわけだ。

 拙宅の環境において、EPA-100MkIIに対しては総重量25g台が最適値のように感じている。その伝からすれば、わずか0.72gといえども大きな意味を持っているのかもしれない。

 音は、素晴らしいものであった。切れ込み、スピード感、透明感がぐんと向上、ややふくらみ気味だった低域も締りを増して明瞭度が上がり、これなら文句なし。LH15/OCC+アルミナプレートとの組み合わせにも負けない。やはり僕の耳には、βチタン合金ビスが向いているようだ。

 尤も、ネジ交換だけが効いているのではない、とも思う。総重量がEPA-100MKIIの最適範囲内に入ったことも無関係ではないだろう。音を変える要素は多くあって、しかし結果的にオノレが好む音になったれば、それで吉。

 どんどん聴きましょう。

’10/06/24 (木)

ビミョーな違和感


 取り付けネジに先ずはSUSキャップスクリューを具し、どんなグワイになるかを知っておきたかったAT-OC9/IIIである。試聴を重ねるに、やはり勝手が違うようである。再生音の根幹を揺るがすような圧倒的な差、とまではさすがに言えないものの、何かしらビミョーな違和感があるのだった。

 座り心地の良くない椅子に無理して座っているような感じ、というか何と言うか。ともかくこのままではどうにも落ち着かないから、ネジを交換する。使うのはもちろん、βチタン合金ビス(+ナベネジ)、である。

 このビスの効果は、既に何度も確認済みである。ほぼ例外なく、僕にとって好ましい音へ変化している。友達からお借りしたものもこのビスで取り付けてあったわけだから、良い結果が出ることはまず間違いないと思う。

 では、換装作業へ。

’10/06/23 (水)

プリウス


 TOYOTA プリウスである。昨今のエコブームに乗って、僕も車を乗り替えた。なんてことはあり得ない。愛車サイファにちょっとした不グワイあり。修理の間の代車である。

 走行8,000km強の、新しいものである。代車としてはかなり豪華なほうになるだろう。室内は新車の香り芬々としているし、走行中もガタピシ言わない。ナカナカ快適であります。

 ハイブリッド車を運転するのは初めてで、その意味でも楽しませてもらっている。非常に静かで振動も少ない。信号待ちではモーター、エンジンともに完全停止し、ほとんど無音である。アクセル踏んだらちゃんと走り出すのがとても不思議な感じだ。すべての自動車がハイブリッドかEVになったら、街はずいぶんと静かに、空気もきれいになるだろう。

 良いことばかりではない。はっきり言って、重い。大きな電池を積んでいるわけだから、物理的にも重いのだろうけれど、走行感にもそれが出ている。特に発進の瞬間に強く感じられる。サイファの感覚で乗っていると、一呼吸遅れて動き出す感じ。トランジェントが悪いのだな。慣れの問題かもしれないが。

 ディザインに起因する、視界の悪さも気になる。車体の大きさに比して窓が小さく、死角が多いのである。特に、後方視界は最悪と言える。あまり良いとは言えないサイファよりも悪いのだ。バックモニター機能のあるナビが付いているけれども、そーゆーことで解決できる問題ではないと、僕は思う。

 借りておいて文句言うな。そのとおりである。総合的には良い車だ。サイファがぶっ壊れて乗れなくなったら、間違いなく次期候補の一つになる。但し、その頃にはさらに優れたハイブリッド車、或いはEVが出ているだろう。

 実際の乗り替えは、まだまだ先である。

’10/06/22 (火)

一長一短


 AT-OC9/IIIの適正針圧は1.8g〜2.2g、標準針圧として2.0gが推奨されている。現状、その値に合わせてある。ULS-3Xとの組み合わせで、少々緩めになった低域を改善すべく、針圧を増やしてみることにした。

 上限いっぱいの2.2gである。写真はその針圧に調整したところ。カウンターウエイトに錘を付加しているから、目盛の数値と実際の針圧は一致しない。凡そのところにアタリをつけておいて、細かい追い込みはディジタル針圧計頼みである。

 低域に関しては、確かに改善効果があるようだ。締りが良くなり鮮明度が上がる。ただ、高域の切れ、輝き、中域の力感などがやや後退する感じ。これは一長一短だ。

 友達宅では2.2gがサウンドバランスOKだったそうだから、おそらく装置や部屋、リスナーの好みによって、それぞれ最も良いところがあるのだろう。僕としては、2.0gを採りたい。

 それにしてもOC9/IIIは、極めて優れたカートリッジである。今、この時代にこれほどのものを比較的安価で手に入れることができる意味合いは、ヒジョーに大きいと思う。

 絶対買い、である。

’10/06/21 (月)

上手く撮れません


 クドいようだが、今日の写真もAT-OC9/IIIである。このカートリッジとULS-3Xの組み合わせは、上手く写真に撮るのがヒジョーに難しいのだ。

 本体がブラック+ゴールド、シェルが純白。露出をシェルに合わせると本体がツブれ、本体に合わせると今度はシェルが飛んでしまう。

 それをごまかすため、夜景モードで撮ったのが昨日の写真である。コントラストのバランスはやや改善される。但し、夜景モードは露光時間が長いため、大きくブレるのである。シャッターが開いている間にも、アームはLP内周へ向かって進んでいるからだ。何となくボーヨーとしているのは、そのせいである。

 上の写真は通常モードで撮り、レベルやガンマ補正で調整したものである。ブレは少ないように見えるけれども、本体は黒ツブれシェルは飛び飛び、どちらも質感が見事に失われている。やはりNGだ。まあ早い話、僕がヘボなのである。

 オーディオテクニカとAT-OC9/IIIの名誉のために申し上げる。実物は、つやつやしていて美しく、もっともっと高級感があります。

 音はもちろん姿形も、正確に表現しお伝えするのは、至難の業である。

’10/06/20 (日)

豪快、だが


 ULS-3Xと組み合わせたAT-OC9/IIIの音は、AT-LH15/OCC+アルミナプレートとはまた一味違った、実に魅力的なものであった。

 中低域は豪快に、高域は輝きを増し、ローハイのコントラストがよりくっきりする。力感漲る、非常に良い音である。音が前へ前へと押し出されてくるような印象だ。

 ただ、この音がオーソドックスなHi-Fiサウンドかというと、ちょっと違う。特に低域は、豪快であるけれども少しふくらみ気味で緩めになる。腰の強さ、瞬発力が若干殺がれる感じだ。高域の輝きも、ソースによっては余分な色付けとなる。

 ULS-3Xは優れたシェルだが、いくぶん華奢であるのが玉に瑕。そこが音に出ているのかもしれない。総合的には、LH15+アルミナとのセットのほうが優れていると感じた。

 その音を基準にしながら、もう少しULS-3Xにこだわってみたい。

’10/06/19 (土)

ULS-3Xと


 先日、ULS-3Xに取り付けたばかりのDL-103C1には気の毒だが、一時ご退去願うことにした。代わってAT-OC9/III取り付け完了。ご覧の通りである。形状同一色違いのART2000と並べ、記念撮影しておいた。

 今回は少々思うところあり、取り付けネジにSUSキャップスクリューを使う。15mm長がぴったりだった。リード線には、往年の名シェルリード、オーディオ・クラフトCW-Rh1を具する。「1セットだけ残って商品にならないから」と、普段お世話になっているオーディオショップさんからもらったものだ。

 この状態での実測総重量は26.66g。友達から借りている組み合わせよりも0.57g軽い。今回のバヤイは、重量よりもシェルによる音の違いのほうが大きいだろうと思う。

 鳴らさぬ先にカンチレバーをぶっ飛ばさないよう、用心深くゆっくりゆっくり作業していたら真夜中になってしまった。

 試聴はまた明日。

’10/06/18 (金)

6年ぶりの新規購入


 これだけホメておいて、オマエは買わんのかAT-OC9/III。買うのである。実は既に届いているのだった。ちゃんとした新品だが、針交換価格を大きく下回る値で買えた。ナンデこんなに安いのか、よく分かりません。恐るべきハイCPである。

 新しいカートリッジを買うのはとても久しぶりである。思えば2004年4月のeminent以来、6年ぶりになる。そうか、もうそんなにもなるのだなあ。光陰矢の如し。

 友達から借りているものは、AT-LH15/OCC+アルミナプレートに取り付けられている。昨日までに書いたとおり、この組み合わせは極めて優秀である。それに倣えば最も確実、だが、ここは別の組み合わせにし、比較試聴するほうが面白いだろう。例によってナントカの一つ覚え、セラミック系シェルを選びたい。

 PH-L1000か、或いはULS-3Xか。

’10/06/17 (木)

新しい音


 聴けば聴くほど、このカートリッジは素晴らしい。いろんなジャンルの音楽を次々再生してみて、その感をますます強くしている。

 形状はART2000とまったく同じ、配色だけが違う。諸元上では、ダイナミック・コンプライアンス、針圧、針先形状、出力電圧などに差異が見られる。磁気回路についてはよく分らない。OC9/IIIの諸元には「ネオジウムマグネットとパーメンジュールヨーク」と記載があるが、ART2000は「強磁気マグネット」と書かれているのみである。

 製品キャッチコピーに「きめ細やかな音から雄大な表現まで豊かに魅せる、シリーズ最高の音質を追求したMCカートリッジ」とある。看板に偽りなし。そのとおりである。「シリーズ最高」どころか、ひょっとしたら「テクニカ全カートリッジ最高」なのではないかとさえ、思えてくるほどだ。

 テクニカの新しい音として、大歓迎したいのである。

’10/06/16 (水)

素晴らしい


 AT-LH15/OCC+アルミナプレートに取り付けられたAT-OC9/IIIの総重量は、ご覧の通り27.23gであった。重い部類に入ると思う。28g以下、ということで、EPA-100MkII、ADプレーヤー1号で試聴した。

 一聴、これまでのテクニカのカートリッジとは一線を画する音と感じた。たいへんレンジが広く、特に中域には一本筋が通り、とても充実している。ハイに作為は感じられず、素直によく伸びている。低域は深々と豊かに鳴り、それでいて力強く腰があり、緩んだ感じは一切ない。

 従来、テクニカのカートリッジには一種ナヨッとした部分があり、美音ではあるけれども薄味傾向であるのが気に入らなかった。ART2000では、それがかなり改善されたと感じていたわけだが、このOC9/IIIはそれよりもさらに、否、遥かに素晴らしい。

 俄然シャキッとしていて男性的で味が濃く、音の立ち上がり立ち下がりが極めて速い。トランジェント特性に優れているのである。音の陰影がくっきりと深く、鮮烈、鮮明。しかも喧しくならない。誤解を恐れずに書けば、優秀録音大音量再生向きのカートリッジ、とも言える。本質的な歪みが少ないのだと思う。

 音像定位、音場感も大変良好。もちろんソフト次第だが概して透明感に優れ、ギョッとするような生々しさがあり極めてリアルである。

 僕がこれまでに聴いたテクニカのカートリッジの中では、明らかに最高の音である。晩年の長岡先生が推奨された33PTGよりも、遥かに良いと思う。これは素晴らしいカートリッジだ。圧倒的ハイCPである。

 引き続き、試聴する。

’10/06/15 (火)

最新カートリッジ


 少々遠方でのオツトメあり。無事お役目を果たし、ヤレヤレと遅くに帰り着いたら友達から上のようなものが届いていた。一気に疲れもぶっ飛ぶ、というものである。

 オーディオ・テクニカの最新カートリッジ、AT-OC9/IIIである。友達の厚意により、購入直後のもの(ほとんど新品)を聴かせていただけるのである。心から御礼申し上げねばならぬ。ご厚意、本当にありがとうございます。

 シェルにきっちり取り付けられ、今すぐにでも聴ける状態である。本当はどんどん試聴に進みたい、のだが、貴重なカートリッジである。夜中に焦って作業し手元が狂ったらタイヘンだ。逸る気持ちを抑え、取り付け試聴は明日のことにしたい。

 このカートリッジ、期待感大、であります。

’10/06/14 (月)

プラズマクラスター


 近頃話題のプラズマクラスターイオン発生機である。車載用の小型タイプが発売されたと聞いて、ここは一丁ブームに乗っかるつもりで買ってみた。

 SHARP IG-BC15という。高さ150mm、底面65mmφ、天面80mmφ、340g。車のカップホルダーにすっぽり収まるサイズである。電源は12Vカーアダプター対応。別売りでACアダプターも用意されている。

 僕の車は禁煙車だが、それでも永く乗っているうちには室内臭が出てくるもので。埃っぽいような、汗臭いような、これも一種の生活臭なのだろう。わざとらしい芳香剤は大嫌いだから、無臭タイプの消臭剤やスプレーでごまかしてきた。

 この装置には多くの効果があるそうだが、僕が使う上での主な目的は、車内臭の消臭である。実際に使っている人に話を聞くと、効果は相当なものだという。もし、それが確かなことならば、消臭剤の使用から解放されるわけである。

 ずいぶん高価なものかと思ったら、僕が常用してきた消臭剤6〜7個分で買えてしまった。これで効き目が良ければ、元を取っておつりが返ってくる、というものだ。

 後日、また報告したい。

’10/06/13 (日)

流用


 この道具を、友達が作ってくれたのはもう8年以上前にもなる。太陽通信μΛコンデンサー0.47μF専用の、真鍮製コンデンサースタビライザーである。

 当時使っていたμΛからJENSENに交換して既に久しく、同時に出番がなくなってしまった。眺めているだけでも嬉しくなるほど作りが良いから、いつも目につくところに展示(!)してきたのだが、この間ふと、これでケーブルを挟んだら、或いは下駄を履かせたら面白いンじゃないかと思い立った。

 ともかく試してみたのが上の写真。通っているケーブルは、パワーアンプとスーパーネッシーMkIIをつないでいるVCT8.0sq、これではユルユルである。このままでも下駄としての機能は果たせているわけで、しかしそれなら上半分のパーツは不要だ。取り外して2個目の下駄にしたほうが得策だろう。

 折角だから、スタビライザー(或いはクランパーと呼ぶべきか)として、使いたい。ケーブルを挟んで締め付けたいのである。ならばスペーサー様のものが要るわけで、さあそれをどーしよーかと、只今考え中なのであった。

 考えるのは結構だが、こんなことをしてナニか意味があるのか。たぶん、ほとんど無意味だと思う。ただ、やってみたいだけ。如何にも意味ありげで、実は何の意味もない。僕はそーゆーのが好きなのである。

 要らんことやって、音を悪くしていたら噴飯ものだ。

’10/06/12 (土)

仏盤を聴け


 レコパック完了。元々の状態が非常に良かったらしく、耳障りなノイズはまったく出さない。これよりうるさい新盤も沢山あるくらいだ。新盤以上の中古盤である。

 さて、試聴である。さすがオリジナルMADE IN FRANCE。音にしなやかさと潤い、深い艶がある。滴らんばかりの瑞々しさ、鮮度の高さ、生々しさには驚くばかりだ。特に高域の伸びと切れ、リアルさは最高である。

 勝負あった感じ。これに比べると独DMM盤は、埃っぽく歪み感も多めに聴こえてしまうのだった。ハイが派手でうるさいわりに、伸びがない。仏盤から水分が飛び、ヒカラビたような印象である。音そのものだけでなく、音場、定位にも違いを感じた。

 思ったよりも差が大きく、ちょっと驚いたのだった。他にも同レーベル仏盤、DMM盤の両方を持っているタイトルがあるけれども、それらと比較しても特に差が大きいと思う。このタイトルは、仏盤を聴かねばなりません。

 恐れ入りました。DMM盤はもう聴けない。

’10/06/11 (金)

やっと仏盤


 外盤A級セレクション第1集6番「アラブ=アンダルシアの音楽」(仏harmonia mundi HM389)である。長岡先生ファンの間では有名な、おそらくは多くの方がお持ちのレコードだと思う。内容、録音は今更言うまでもない。

 これまでに僕は2枚買っている。1枚目は1988年、A級盤集め始めの頃に買った。当時すでにADは入手難になりかけていたから、手に入って大喜びしたのを憶えている。

 けれども後年、この盤は独プレスDMM盤であって、仏プレス盤とは音が違う(有体に言えばイマイチ)らしいと知った。残念である。それなればと、2枚目を買う。仏プレス、のはずが、なぜかまた独プレスDMM盤であった。ショップの見立て違いだったのである。ちゃんと確認しなかった僕にも落ち度はあるし、返品するのも面倒なのでそのまま購入。

 とゆーわけで、独DMM盤を2枚、持っていたのである。イマイチ、というけれどもひどく音が悪いわけではなく、ごく普通に聴ける。ただ、仏盤を求める気持ちは断じ難し。折に触れ探していたのだが、これがなかなか見つからない。

 最近ようやく手に入った。もちろん中古盤である。ジャケットにはほとんど違いが見られない。印刷がやや茶色っぽいのと、裏表紙のバーコードがない程度。盤は確かにフランスプレスである。ランアウトグルーブに「DMM」の刻印はないし、センターレーベルにはちゃんと「MADE IN FRANCE」と書いてある。今度は間違いない。

 シキタリにより只今レコパック中。完了次第、試聴する。

’10/06/10 (木)

ニホンノウサギ


 この前の日曜日、オツトメでお墓参りに行った折のこと。道脇に、茶色い毛玉のようなものが落ちている。大きさは、さて10cmほどか。最初は何だかワケが分らず、ぼんやり見ていると。

 そのムクムクした毛玉が、ピョコタンピョコタン跳ね始めた瞬間、あっと正体を悟った。野ウサギの幼獣である。大変珍しいことだ。

 草むらに飛び込んだところで昵とうずくまっている。本能が「動いたら存在がバレる」と言っているのだろう。天敵である猛禽類などから逃れる方策である。

 おかげでまじまじと観察することができた。上の写真はweb上から拝借したものだが、僕が見た個体と寸分違わない。ニホンノウサギだ。小さいながらも耳は長く、ちゃんとしたウサギである。当たり前か。つぶらな瞳とタマゴのような体形、もふもふの毛。こりゃたまらん。

 以前、雪の積もった庭を走る冬毛(耳の先っぽ以外真っ白)の成獣を、眼の端で見たことがあるし、足跡だけならさほど珍しくない。わりと身近にいると知ってはいたものの、これほどじっくりと見たのは初めてである。大いに感激してしまいました。

 思わず持って帰りそうになったけれども、そんなことをしてはイケナイ。ウチには、毛玉様のものに対しては異様に激しく反応する、凶悪なケダモノが二頭もいるのだ。こんなの見たらたちまちプレデター本能スイッチオン、マクマクしまくって一撃でアウトである。

 尤も、そうでなくったって野生動物を妄りに捕獲飼育したりしては遺憾わけだ。人間の健康面でも危険が大きいと思う。しばらくの間飽きず眺め、あとはそっとしておいた。

 このような自然環境を、僕は喜ぶべきであろう。

’10/06/09 (水)

おっさんの戯言


 D-77を自作し、本格的にオーディオを始めた二十数年前、僕の好みは只管スピード感あるのみ、であった。多少の歪み感があろうとも、モノによっては破綻しようとも、反応が速ければそれで吉。

 プリアンプを排し自作パッシブアッテネーターを使い、入力切替はピンプラグ差し替えで行う。確かに「スピード感」という点においては、ある程度のものが実現できていた、のかもしれない。

 但し、今から思えば相当にギスギスした、ある意味壮絶な音を聴いていたに違いない。歪みも多かったはずだし、殊、低域に関しては致命的に不足していたと思う。

 今もトランジェントのよい音が好きなことに変わりはない。けれども、スピード感さえあればすべてグッド、とは思わ(え)なくなっている。以前ほどは、テンションの高い音を好まなくなったようだ。歪みはできるだけ抑え込みたいし、レンジも広く取りたい。過渡特性に優れ、しかも静かできれいな音を実現させたいのである。

 歳を取って好みが変わったとも、耳だけが肥えて贅沢になったとも、言える。個人的には、前者のほうが強く影響しているように感じられるのである。それならそれでまったく問題はない。そのような音を求めて行けばよいのだ。

 五十路を目前にしたおっさんの、下らない戯言である。

’10/06/08 (火)

ある自覚


 毎日々々同じような写真ばかりで、申しわけないのである。例によって、イマジネイションのヒンコンなのでございます。どうかご容赦を。

 DL-103C1(以下、C1)は快調である。幾枚かのレコードを聴くうち、だいぶんに目が覚めてきたようだ。なにしろ、ほとんど使わないまま10年以上も眠っていたのである。ウォーミングアップ、ではなくてウエイクアップ、なのだ。


 その昔、DL-103SL(以下、SL)と聴き比べた時、僕はSLのほうが好みに合うと感じた。先日も書いたとおり、C1はやや線が太く、切れや鮮明感に劣るような印象だったのである。

 今、改めて聴いてみると、どうも以前とは感じが違う。線の太さは厚みと感じられ、切れ、鮮明感、透明感に劣るようには聴こえない。聴感上の歪み感が少ないのもたいへんヨロシイ。有体に言って、SLよりバランスが良いンじゃないか、と。

 以前とは装置も部屋もまったく違うから、そのような変化があることは不思議でも何でもないのだろうし、このことが両者の優劣を決定するものではない。斯かる差異とは別に、僕自身の側にも変化があるのではないかと、思うのである。

 最近、音の好みが変わりつつあることを、自覚している。

’10/06/07 (月)

奏功


 スペーサーの追加は功を奏した。ご覧の通りである。盤面と2.5mm程度のクリアランスを確保、これくらいあればまず安心して再生できるのである。

 総重量は31.13gに達した。箱船のAD再生環境において、EPA-100MkIIでは使えない。WE-407/23で上限ギリギリである。

 実際の再生に、重量増のデメリットは感じられない。メリットとしてはPARNASSUS D.C.tのバヤイと同じく、低域に作用するようだ。締りと力感が増す印象である。

 カートリッジのコンプライアンス、アーム、プレーヤーキャビネットなどとの関わりグワイもあるから、闇雲に重ければ良い、などと言うつもりは毛頭ない。環境によってはデメリットがメリットを上回ってしまうこともあるだろう。ただ、拙宅では重いなりの良さが目立って認められるのである。

 斯様にパラメーターが多いからこそ、AD再生は楽しいのである。

’10/06/06 (日)

重し


 音が良いと喜びながら試聴しているDL-103C1だが、少々困ったことが一つ。PARNASSUS D.C.tのバヤイに同じく、盤面とコネクターワッシャ固定ネジの頭とのクリアランスが充分に取れないのである。

 PARNASSUS D.C.tは、2月13日の日誌に書いたとおり、完全に盤面と干渉してしまい再生不能だった。今回は、0.5mmほどのクリアランスは取れているから、一応の再生は可能である。しかし、0.5mmではヒジョーに危険だ。ソリの大きい盤ではおそらく問題が起こるはず。コワイから実際には試していない。

 このままULS-3Xで使うのならば、現実的解決方法は一つ。スペーサーの使用である。前回はSAECのセラミック製を使った。もう1枚同じものが手持ちにあれば、万事解決である。

 あったような、なかったような。僕の記憶はいつも極めていい加減である。半ば諦めながら小物入れをかき回してみる。すると、あっ、なんということだ。古ぼけたヤツが1枚、出てきたのである。ヨカッタヨカッタ。

 クリアランス不足に関してはこれで解決できる。けれども、既に重量は28.74g、これにセラミックスペーサー2.39gが加われば31gを超える。どうにも重いのである。

 これも一つの実験、ということで。

’10/06/05 (土)

グッド・サウンド


 このカートリッジを聴くのは何年ぶりか。すっかり忘れてしまうほどである。箱船で鳴らすのは初めてではないかと思う。もったいないお話、18年間ほとんどまともに使っていないのである。

 どんな音だったかも、確かには覚えていない。切れ味はほどほどだが、芯のある男性的な音、だったような。103SLよりはやや線が太く、しかし音の厚みでは上回っていた、という記憶がある。

 そのようなグワイだから、新規購入カートリッジを聴くのに似た気分で試聴に臨めるわけである。一粒で二度おいしい。かなり強引なリクツだな。

 「切れ味ほどほど」とは大変失敬。厚みと切れが両立した、とても良い音である。鈍重な印象はまったくない。音に勢いがあり、非常にパワフル。男性的な音だが、ハード、シャープ系とは少し違うようだ。どちらかといえば暖色系だと思う。

 ちょっと気がかりだったシェルとの相性、これは杞憂であった。抑圧感はまったく感じられない。音抜けも良し、詰まり感なく朗らかに鳴っている。

 これはこれはと感心しながら、もう少し試聴を続けるのである。

’10/06/04 (金)

グッド・ルッキング


 DL-103C1、取り付け完了。リード線には、友達謹製の純銀製(0.05mmφ×28芯)を使う。銅とは一味違った切れとしなやかさがあり、しかもクセのない優れたリード線である。取り付けネジには、少々思うところあって久しぶりにSUSキャップスクリューを具した。

 総重量28.74gと、かなりの重量級である。おそらくEPA-100MkIIでは苦しいだろうから、WE-407/23で試聴することになる。軽重に関わらず、このカートリッジは407/23のほうにマッチングの分があるンじゃないかと思う。例によっていい加減な勘、だが。

 思ったよりもルックス良くまとまった、と個人的には感じている。見た目など音に関係ない、ようでこれが結構侮れないのである。オーディオは顔が命です。

 グッド・ルッキング、グッド・サウンド、となるかどうか。

’10/06/03 (木)

進捗25%


 先月から始まった整備工事は、好天に恵まれて、はいないけれども、遅れも問題もなく順調に進んでいる。ありがたいことである。

 大正の香り漂う「お便所」はすっかり取り壊され、替りに新しい建屋の骨組が見えてきた。3坪に満たないほどの広さだが、母屋との接続の関係で結構な背丈があり、梁には太い材木が使われている。きっと頑丈なものが出来上がるだろう。

 これと平行し、境内の数カ所で掘削工事が始まっている。制限あるスペースでの工事になるから、職人さんも大変である。小型ユンボ大活躍。その働きぶりを見ていて、こんなのが1台あったら便利だな除雪にも使えそうだと、運転できもしないクセにスケベなことを考える。

 只今、工程進捗率約25%である。

’10/06/02 (水)

30年物+18年物


 クリーニング成った中古ULS-3Xに合わせるカートリッジ、3秒考えてコレに決めた。DENON DL-103C1である。

 1991年12月発売の、ヒジョーに古いカートリッジである。購入したのは、たぶん1992年の2月か3月くらいではなかったか。30年物のヘッドシェルに18年物のカートリッジを組み合わせる。今となってはほぼ遺跡か化石のようなペアリングだが、だいじょーぶなのだろうか。

 永く、しかもほとんどまともには使っていないカートリッジだから、ちゃんと鳴るかどうかちょっと心配もある。おそらくはOKだと思う。ただ、ULS-3Xとの相性という点では、どうだか分からない。

 これまでの経験からすると、樹脂ボディのカートリッジ+セラミックシェルは、イマイチ上手く行かないことが多かった。抜けが悪く、どこか抑圧されたような音になる感じ。尤も、今回の組み合わせを聴くのは初めてだから、実際に鳴らしてみるまでは何とも言えないわけだ。

 まずは、やってみること、かな。

’10/06/01 (火)

変温動物並み


 6月である。季節で言えば「初夏」のはず、だが、今年は何だかヒジョーに寒い。涼しい、のではなく寒いのだ。箱船では、夜になると未だファンヒーターを点けている。

 先月、レコパックもどきに一生懸命になっていたから、当然の如くパック液は激しく消費されるわけである。備蓄量にはまだ余裕がある、とはいえ、そろそろ追加分を作っておこうかと、考えている。

 友達からの教示を仰ぎながら、レコパックもどきの実験を始めたのはちょうど2年前、2008年5月末であった。その所為かどうか、この季節になるとレコパックもどきを作りたくなるのである。昨年もそうだった。

 僕は元来トカゲ・ヘビ(変温動物)体質、ハチュー類並みの人間だから、この時期が来ないと行動的になれない、ということもありそうだ。冬の間は血の流れが悪く、サクサク動けない。寒いと言っても、6月なのである。

 とゆーわけで、明日からレコパックもどき、作ります。