箱船航海日誌 2010年04月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’10/04/30 (金)

前途多難


 オーディオの話題を書きたいのは山々なのだが、webページの移転作業にとらわれてしまってサッパリである。

 今回移転しようとしている先は、町営CATV局が運営するサーバーである。公営プロバイダとでも言うべきか。先日、登録完了の通知が来て、早速移転作業に取り掛かった、までは良かったが、なにやらトラブル不グワイ続出で少々イヤになっている。

 知識浅薄な僕の責任、がほとんどだとは思うけれども、それにしてもサポートに不備が多いような気がする。設定マニュアルは提示されているものの、非常に大雑把で不親切である。知りたいことが書かれていない。如何にも「お役所仕事」っちゅう感じ。

 こーゆーことになるだろうと、ある程度の予想はしていた。まあ、仕方ないのである。民間に比べれば破格の料金だし。今後の発展に期待しよう。

 移転完了まで、もうしばらく時間がかかりそうなグワイであります。

’10/04/29 (木)

大快晴三連発


 2008、2009、4月29日の姫路出向は大快晴、そして今年2010もやっぱりご覧の通り、大快晴であった。4月29日は「晴れの特異日」ではなかったはずだが。いずれにしても、ありがたいことである。

 写真は昨年と同じく、播但自動車道下り線市川S.Aからの風景である。お天気は良かったけれども、気温は例年になく低めであった。姫路での最高気温16℃、風が非常に強く、体感温度はさらに低かった。まあしかし、ようやくにしてホンモノの春爛漫好時節がやってきたようだ。

 今年は3年契約の最後の年である。姫路への出向は、ひとまずこれで終了する。ほっとしたような、少し寂しいような。得難いご縁をいただくことができ、僕としては本当に喜んでいる。

 またお目にかかれる日まで、ごきげんよう。

’10/04/28 (水)

準備に手間取り


 明日は、ここ数年恒例になっている姫路への出向きである。その準備に手間取り、今日も更新がまともにできそうにないのである。

 話題を決めて写真を撮った、ところで真夜中になってしまった。明朝は早発ちせねばならず、今夜はこれにて失礼をば致します。

 ADに関連する話題は、また後日。

’10/04/27 (火)

部屋が広くなる


 ルネキャットをカーテンにスプレーし、光を当てること24時間。さて、箱船1階の雰囲気は変ったか。

 臭気大幅低減、とまでは行かない。何となく刺激感、トゲトゲしさは減ったようだ。だが、それよりも強く感じるのは、空気感の変化である。上手く表現できないのがもどかしい。空気が軽く、清らかな印象なのである。

 さらに不思議なことがある。部屋が広くなったように感じる。そんな馬鹿な。もちろん物理的面積も容積もスプレー前と変らないのは当たり前。そんなもんが変ったらエラいことだ。

 なのに、どーしてもそう感じられてならない。「ルネキャットをスプレーしました」というバイアスがかかっている所為かとも思ったが、それだけではないようだ。真に不思議な、ある種奇妙な感覚であって、しかし非常に快適である。

 光触媒の何がどう作用してこのようなふうになるのか、僕にはまったくワカリマセン。しかし、部屋の空気感が好ましい方向へ変ることは、間違いのない事実である。これは精神的・肉体的に、大変良いことなのではないか。たぶんオーディオ的にもグッドだと思う。

 CD-Rへの実験と併せ、こちらも是非お試しください。

’10/04/26 (月)

本来の用途


 完成以来16年5ヵ月を過ぎた箱船だが、未だに独特の臭気は抜け切らないでいる。床に流したエポキシ塗料、壁紙の接着剤、コンクリート、などの臭いである。おそらく、シックハウス症候群の槍玉に挙げられるホルムアルデヒドなんかも漂っているに違いない。

 これらが永く抜けない最大の原因は、この空間を通常生活に使っていないからだと思う。年中ほとんど陽が当たらず、考えてみれば極めて不健康な部屋なのだ。ここで過ごす時間は1日のうちの僅かだから何ともないけれども、24時間引きこもったりしたら忽ちビョーキになるだろう。尤も、既にオーディオはビョーキレベルですが。

 本家方舟にも、似たような臭気があった。お客様の中には「方舟と同じニオイがする」とおっしゃった方もある。個人的にはキライな臭いではないのだが、体には良くないに決まっているのだ。

 そこで、SY-99さんからご恵贈いただいた光触媒スプレー「ルネキャット」を、本来の用途(消臭)に使ってみる。リスニングポイントの左右にある大面積カーテンに、スプレーしたのである。

 効果は乾燥後、光が当ることで徐々に発揮されるから、今のところは何ら変った様子はない。今夜一晩は照明を点灯したままにして、明日以降部屋の雰囲気がどうなるか。

 ちょっと楽しみである。

’10/04/25 (日)

光ファイバー開通


 一昨日、光ファイバー通信について書いたことが知れたのかどうか、突然電気工事店から連絡あり。あっちゅう間に工事が完了し、イキナリ今日から光ファイバー通信が開通してしまった。当初の約束は来月だったのに。永く世話になったADSLモデムともお別れである。

 快適である。ただ、圧倒的な速度、かと言うとそうでもないような。「ぶっ飛ぶほど速くはないね」と言ったら、「ルーターが旧型ですから、そこで制限されてます。最新モデルに替えればもっと速くなりますよ」と言う。商売が上手いのである。

 それよりも何よりも、大変困ったことが一つ。拙webページのほとんどのhtmlファイルを置いてあるホストサーバーに、FTP接続できなくなってしまったのである。当該プロバイダーに尋ねてみると、「当社はセキュリティ保持のため、他社回線からのFTP接続はできない設定となっております」と。

 そうか。まあ仕方ないのである。このプロバイダーとの契約も今期で終わるつもりだったし、そうなれば自然ホストも変えることになる。

 ともあれ、現状のままではグワイが悪いのも事実。緊急避難的に一部ファイルをFTP接続可能なホストへ移し、更新とその後の閲覧を可能にした。要らぬお手間をおかけしますが、少しの間、この状態でよろしく願い申し上げます。

 「近い将来」ではなく、近日中に完全移転いたします。

’10/04/24 (土)

今年も寒い春祭り


 24日・25日の二日間は、当地の春祭りである。昨年は、一日目二日目ともひどい悪天候で、しかも非常に寒かった。後で聞いた話では、山車を引いた子供たちに風邪ひきさんが続出したそうだ。可哀相に。

 今年の天候は、両日ともわりと良さそうである。但し、気温は大変に低くなると聞いている。特に、24日の朝は霜注意報が出されるくらいなのだ。八重桜が咲き、燕の巣が九分どおり出来上がり、蛙がケロと鳴き始めたというのに。

 本来なら、初夏の香り漂う好時節、であるはずなのだ。

’10/04/23 (金)

光通信


 典型的な地方都市である当地も、ようやく光ファイバー通信が整備されようとしている。自治体主導型ではあるけれども。昨年夏ごろから加入募集が始まり、拙宅でも来月あたりから運用開始できそうなグワイになった。

 通信速度は格段に速くなる、はず。コストも現状よりおそらく下がるだろう。いいことばかりのようだが、メンドウなこともある。webページの移転である。

 新しいホストへチャッチャとまとめて転送し、URL変更のお知らせをすればコトは終わるわけだが、何となく気分的にシンドイのである。僕は、馬鹿でスケベなクセに無精者なのだ。

 近い将来、「船長の戯言」は移転いたします。

’10/04/22 (木)

広島行、思い出深く


 今日は(も、と言うべきか)冷たい雨が降り、とても寒い日であった。最高気温12℃。この4月は、何度同じようなことを書かねばならんのか。もう22日ですよ。

 気が付けば、昨年広島へ出かけてからちょうど1年である。あの日は一片の雲もない大快晴。しかも半袖で歩けるほど暖かで、原爆ドームを抱く楠の新緑の美しさが、目に痛いほどだった。

 1泊2日の広島行だったけれども、近年になく思い出深いものになっている。1年経ち、その感はますます強くなるばかり。なぜだろうか。

 また、行きたいなあ。

’10/04/21 (水)

整備工事に向けて


 例年なら今月初めに終わっているべき重要行事だったが、今日、無事に終了した。開催時期が遅れたのは、僕(と言うよりも、当家)の私的事情によるものである。快く了解してくださった役員方々には、心から感謝申し上げねばならない。ありがとうございました。

 さて、この行事が終わったれば、来月早々からはいよいよ整備工事が始まるのである。僕が住職になってから初めての、そしておそらく最後の大工事になると思う。またまた多くの方からお力をお借りすることに、なるわけである。

 工事完了に向けて、気を引き締めてかからねばならぬ。

’10/04/20 (火)

確かに、違う


 ルネキャットをスプレーしたCD-Rを再生したあと、比較的よく聴く、しかも音の違いが分りやすいCDを再生する。すると、摩訶不思議。

 確かに違うのである。分解能、情報量、解像度が改善され、肌理の細かい、一種CDらしからぬ音になる。音の噴出し感(音離れ、とも言うべきか)が向上、前後上下左右の音場も広くなり、リアルさが増して聴こえるのだった。

 ただ、上記の向上は圧倒的で、どのような再生環境でも再現性があるかと問われると、それは何とも言えないようにも思える。使用機器やソース、再生音量によっては、違いがまったく分らない、ということもあり得るかもしれない。

 尤も、箱船での上記のような結果自体もまた、特殊解である可能性も否めない。より多くの再生環境で検証できれば、この効果の正体が見えてくるだろう。

 そもそも、何故にこのような効果が得られるのか。僕にはまったくワカリマセン。光触媒がCDプレーヤーの帯電状況に影響を与えるからではないか、という説もあるが、定かではない。ともかく、音に違いが出ることだけは、確かである。

 ルネキャットは、1本1,600円くらいで買える。興味ある方は、実験してみてください。但し、効果が得られなかったとしても、当方は責任を取れないので悪しからず。そのバヤイでも本来の用途で使えるわけだから、損はないはずだ。

 SY-99さん、ありがとうございました。

’10/04/19 (月)

不思議な実験


 光触媒スプレー「ルネキャット」を使ったCD音質向上実験の手順は、次の通りである。

  ☆ ホワイトレーベルのプリンタブルCD-Rに適当な音源を書き込む。
  ☆ そのレーベル面にルネキャットを適量、ムラなくスプレーする。
  ☆ センターホール周りは乾く前に拭き取っておく。
  ☆ そのまま充分に乾燥させる。できれば一昼夜放置する。
  ☆ その間に音質差がよく分るCDソフトを聴いておく。
  ☆ 完全に乾燥したら、ルネキャットCD-Rを1〜2回通して再生する。
  ☆ その後、事前に聴いておいたCDソフトを再度聴き、音質差を確認する。

 決して難しい作業ではない。ただ、注意すべき点はある。CD-Rは必ずホワイトレーベルのプリンタブルタイプを使うこと。できるだけムラなくスプレーすること。充分に乾燥させること。不充分だとプレーヤーに悪い影響を与える可能性がある。信号面にはリキッドがかからないようにすること、など。

 SY-99さんは、ご親切にもご自身が録音された音源(約70分)を記録したCD-Rも一緒に送ってくださった。僕はそのレーベル面にルネキャットをスプレーするところから実験を始めればよく、随分ラクチンであった。ありがとうございました。

 お気付きのとおり、CDプレーヤーにはまったく手を加えない。ルネキャットCD-Rを幾度か再生するだけである。ホントにそれで音に違いが出るのか。SY-99さんには誠に失礼ながら、本音を言えばヒジョーに懐疑的であった、わけだが。

 僕は何だか、キツネにつままれたような気分に、なってしまいました。

’10/04/18 (日)

光触媒スプレー


 しばらくご無沙汰であった生録の帝王、SY-99さんからちょっと興味深いものをいただいた。東芝マテリアルが製造するところの、光触媒スプレー「ルネキャット」である。

 僕は不勉強で、光触媒なるものがどういったものか、説明を能くしない。清掃困難な外壁などに吹き付けておくと、太陽光の作用によって汚れが落ちる、或いは室内のカーテンなどにスプレーすると抗菌・消臭効果があるなど、その程度の知識しかないのである。もちろん、そのメカニズムを解説するなど、到底不可能である。

 この「ルネキャット」の効能書にも「抗菌・抗ウイルス・消臭」とある。従来、チタン系酸化物が主だった光触媒だが、この製品はタングステン系酸化物によるものだ。画期的なのは、太陽光だけでなく蛍光灯・白熱電球などの室内光でも、優れた効果を発揮できる点だという。

 話がこれで終わったら、新しい光触媒スプレーを紹介しただけである。オーディオネタでも何でもない。そこはSY-99さんからのご紹介、もちろんオーディオにかかわるお話なのだ。

 このスプレー、使い様でCDの音を向上させる効果があると、氏はおっしゃるのである。ただ、その効果がご自身のシステム環境における特殊解である可能性も否めない。ので、箱船の環境で追試して欲しい、というご依頼があったわけだ。

 僕としては大いに興味深く、お断りする理由は何もない。喜んで実験させていただきますと、早速に実行してみたのである。

 その手順、結果については、また後日。

’10/04/17 (土)

花が終わって


 こんなに綺麗だった今年の桜も、もうすっかり散ってしまった。大好きな青空と桜の取り合わせを存分に楽しめる日が少なかったのは、ちょっと心残り。

 花が終わったあと、再び冬がやってきたような日が多く、うら寂しさに拍車をかけている。今日はやや暖かい日になったけれども、しかし例年の4月中旬には程遠い。それでも八重桜は開花準備を着々と進め、今まさに咲かんとしている。

 この寒さ、上手く咲けるかな。

’10/04/16 (金)

滅亡の日は


 今日の関東地方は記録的な低気温で、東京では雪が舞ったと聞いた。4月半ばを過ぎての雪は、当地でも滅多にないことである。

 こちら方面も、今日は天気が悪く寒かった。最高気温10℃。さすがに雪は降らなかったけれども、桜が散ったあとの季節としては異様な低気温である。4月に入って春らしい陽気に恵まれた日は、1回か2回くらいだと思う。

 日本は年々二季化するし、中国では大きな地震が起こるし、アイスランドでは火山が噴火するし、ディープインパクトを起こしそうな小惑星があるというし、地球滅亡の日は近いか。

 まあ、おおかた大丈夫だろう。

’10/04/15 (木)

双璧


 M85さんから、先日のご感想をいただいた。A4紙3枚、3,000字以上に及ぶ非常に詳細でご丁寧なものである。

 その一部を抜粋する。

 「FE208ES Ver.2とES-Rでは、ユニットのキャラクターが全く異なるため、音色自体も大きく変わったが、一番顕著な違いは、元々極小だった歪感と耳障りな音が一段と小さくなったことである」

 これまでに複数の友達が、FE208ES-R×3のスーパーネッシーMkIIを聴いてくれた。皆、異口同音に「低歪み」であると評するのだ。もちろん、僕自身もそのように感じている。これがES-R最大の特長であることは、どうやら間違いないようである。

 では、ES Ver.2は歪みが多いユニットだったのか。もちろん、否である。ES-Rと比較して初めて少々の歪みを感じるのであって、ES Ver.2は低歪みとパワフルさを兼ね備えた、非常に優秀なユニットであったことは論を待たない。

 逆にES-Rは、更なる低歪みを追求し実現したが故に、失ったものもあると思う。音の重量感、ソリッド感、実在感、強烈な信号への応答性などの点では、ES Ver.2に一歩譲る印象があるのは否めない。触れば血が出るような切れ味の鋭さ、超低域の恐怖感、そういった曰く言い難い表現が、ES-Rはやや苦手ではないかと感じている。

 両ユニットに優劣をつけることは、極めて困難である。20cmフルレンジの双璧といってもよい。大音量派である僕としては、僅かでも歪み感の少ないユニットのほうがありがたく、したがってES-Rを採る。再生環境により、それぞれが選択するしかないのだ。

 M85さん、ありがとうございました。

’10/04/14 (水)

懐かしや


 30年近くも音信が途絶えていた大学時代の友達から連絡があり、驚いたり喜んだりしている。ある一人が突破口になって、複数の友達との連絡通路が開通した。これもネットの恩恵である。一昔前なら、考えられなかったことだ。

 24時間ほどであっという間に旧い友達とのネットワークが出来上がり、早速にも再会の機会を得られそうである。同窓会、というほどオオゲサなものではないけれど、懐かしい顔に出会えるのはとても嬉しいことだ。

 思えばみんな50代を迎えようとする、おっさんとおばはんばかりである。僕の頭の中では、ほとんど20代の姿で止まったまま。どんなふうになっているのだろうか。尤も、アチラからすればコチラも同様である。エラいこっちゃ。

 来月が、実に楽しみなのである。

’10/04/13 (火)

早くも


 コロボリーの優秀さに嬉しくなって、Quiex Clarity SV-PII Clear Vinyl 200g LPsシリーズの他タイトルを幾つか買おうとしている。

 調べてみてビックリ。既にプレミアプライスが付いているものがある。限定プレスであることは承知していたが、こんなに早くからプレミア化するとは。驚きである。

 どう考えても聴かないジャンルのタイトルは別として、購入を逡巡しているものは思い切って買っておくべきかもしれない。

 いつでもリーズナブルな価格で買えるよう、レギュラープレスしてくれればよいのに、と思う。しかし、採算、品質保持、材料調達、その他諸々の事情を考えると、限定プレス止む無しなのだろう。如何に優秀盤であっても、今やミリオンセラーLPなどあり得ないのだ。

 同シリーズ向後の展開を、注視しておきたい。

’10/04/12 (月)

特薦


 これが「Quiex Clarity SV-PII Clear Vinyl 200g」盤の姿である。ムカシムカシ、米Crystal Clearレーベルが出していた白色重量盤ほど真っ白ではなく、完全な透明でもない。少なくとも僕は初めて見る、妙な色と質感である。

 さて、その音。抜群である。恐ろしいほど切れが良く、透明鮮明。音の粒子が極めて細かく、しかも一粒一粒がピカピカに輝いている。情報量はやたらに多く、歪み感は皆無。かなりの大音量でもまったくうるさくならない。ナンボでも上げたくなる感じである。

 Fレンジ、Dレンジとも広大、音像の定位が良く音場は広く、非常に生々しい。45回転の威力か、音にクソ馬力があって痛快そのもの。特にレコード2(コロボリー後半)は、凄い。これだけに6,000円払っても惜しくないとさえ、思えてくるほどである。非常によく出来た復刻盤だと思う。

 試しに、1958年EVERESTオリジナル盤も久しぶりに聴いてみた。これはさすがに苦しいかと、思ったらさに非ず。S/N、レンジこそ劣っているけれども、鮮度ではまったく引けを取らない。とても52年前のレコードとは思えない音である。考えてみれば当たり前、と言えるのかもしれない。大元のマスターが優れているからこそ、良い復刻盤が実現するわけだ。

 改めて感じたのは、マスタリングエンジニア、バーニー・グランドマン氏の名手ぶりである。オリジナルの良さをいささかも殺がず素材の優秀さを活かし切り、一音一音を丹念に磨き上げてあるような印象だ。ローハイに妙なクセを付加し、見かけ上の鮮明度を向上させたようなリマスター盤が間々ある中、そのような作為が一切感じられないのはさすがである。実に、上手い。

 特薦盤である。

’10/04/11 (日)

最新復刻盤到着


 先月18日の日誌で話題にしたADが届いた。「Quiex Clarity SV-PII Clear Vinyl 200g 45rpm LPs SERIES」(名前長い)の「Corroboree」(米CLASSIC RECORDS EVS3003-45)である。

 鮮やかな赤のハードケースに200g盤が3枚入っている。開封すると、1枚目(コロボリー前半)がオリジナルジャケット(復刻版)に入っていて、あとの2枚(コロボリー後半とパナンビ)は内袋のまま納められている。

 盤の色は独特である。青味がかった乳白色、と表現するのが最も近いと思う。今まで見たことのない、フシギな色だ。音溝が切ってあるのは片面のみ、ブランク面にはCLASSIC RECORDSのロゴマークが刻まれている。これまでにはなかった仕様である。盤1枚を実測してみたら、204gあった。看板に偽りはない。

 試聴が楽しみである。

’10/04/10 (土)

製造装置


 今日の写真は、レコパックもどきについて掲示板にご投稿くださった、NOAHさんからいただいたものである。レコパックもどき製造装置だ。

 驚いてしまった。微に入り細を穿ち、忠実に再現されている。しかも、随所に独自の工夫が盛り込まれ、僕のいい加減な装置などとは比べ物にならない、優れたものに進化しているのである。

 ドリルスタンドは厚手の板にボルトでしっかりと組みつけられている。軽量カップは4本のクランパーでがっちり挟み込んで固定できる仕組みになっている。鉛板でテキトーに固定しているのとは、えらい違いだ。お見事というほか、ないのである。

 拙日誌を読み、レコパックもどきの製造に挑戦された方は幾人かいらっしゃって、それぞれにご連絡をいただいている。しかし、装置の再現からここまでやった人は、極めて少ないのではないかと思う。有体に言って、たぶんNOAHさんだけだろう。

 レコパックもどきを作るのは、なぜかヒジョーに楽しい。これほどの装置があれば、作業効率が向上しさらに楽しくなるはずだ。

 NOAHさん、ありがとうございました。

’10/04/09 (金)

血が騒ぐ


 桜を撮るに上ばかり向いていて、ふとナニモノかの気配を感じた。音もなく足元に忍び寄ってきたのは、愚猫1号ラクである。

 桜が咲いて春が来て、彼女も気分がそわそわするらしい。おそらく察するに、花を楽しみに来たのではない。小動物が活動を始める季節になり、プレデターとしての血が、騒ぎ出しているのだ。

 間もなく10歳になるとは言え、まだまだ元気である。つい先日も、何処で獲ったか小さなモグラを誇らしげに持って帰り大騒ぎになった。ウチの家族はへタレ揃いで、そーゆーときの後始末担当はいつも僕なのである。花の下に独り佇み思案する彼女の後姿は、さらなる大物を狙っているふうでもある。

 できれば止していただきたいものだ。

’10/04/08 (木)

花の命は


 満開を経て、早くも散り始めた桜である。個人的には、この頃が最も美しいと思う。冬の間は殺風景だった参道石段は、見事桜に彩られている。やはり桜は、いい。

 今日は好天ではあったものの、なぜか気温の上がりが鈍く非常に寒い日であった。春寒である。咲き切った後の低気温は決して悪いことではない。雨さえなければ花が長持ちするからだ。何でも今年は全国的に花持ちが良いそうで、大阪では開花期間の最長記録を更新したと聞いた。

 パッと咲いてサッと散る。その潔さ儚さが桜の醍醐味、とは言え、これほどに美しい花なのだから、1日でも長く愛でたいとも、思うのだった。

 あと2〜3日は、楽しめるだろう。

’10/04/07 (水)

最良の場


 山越木工房さんには2002年以来永くご縁をいただき、ラックやスーパーネッシーMkIIの製作で一方ならぬお世話になっている。まったく以って、おかげさまなのである。

 その工房の一角に、このたび試聴室がオープンしたと、webページで知った。写真を拝見すると、とても趣味が良く、美しいオーディオルームである。個性豊かな製品群が、常時試聴可能状態で展示されている。オリジナルスピーカーの製作を依頼しようとするムキにとって最高最良の場を、作ってくださったわけである。

 最近は、オーダーメイドスピーカーの注文がすいぶんと増えたそうだ。相当な大作依頼もあると仄聞する。「ブーツ」を見て聴いて以来の山越木工房大ファンとしては、ヒジョーに嬉しいことである。

 自分の手で板を組み上げる「純自作」が楽しいのは、言うまでもないこと。一度でもやったことがある人なら、よくご存知だろう。それとは別に、知識経験技術豊富な木工のプロと話し合いながら、オリジナルスピーカーを創り出してゆく喜びも、また格別である。アマチュアでは到底実現不可能なアイディアや技術が、次々と繰り出されるのだ。

 今までもこれからも、山越木工房さんへの期待は、大きい。

’10/04/06 (火)

全能ではない


 カートリッジ固定用ネジとして、個人的には大変気に入って使っているところの、βチタン合金ビスである。現状、長さに不足のない組み合わせにはすべてこのビスで固定している。

 そうは言ってもこれが全能のビスである、とは決して言えない。先日お越しになったM85さんは、βチタン合金よりもSUSキャップスクリューのほうに一日の長があるとおっしゃる。

 僕は元々ややハイ上がりの音が好きである。そのような音の嗜好が、βチタン合金ビスの個性と上手くマッチングしているような気がする。ハイ上がり、とまでは行かずとも、かなり明るい音色なのである。

 素材の違い以外に、締め付けグワイの違いも音に無関係ではないだろう。強力確実な締め付け、という点ではキャップスクリュー圧倒的有利。早い話、両者試聴し自分が良いと感じたほうを選べばよいのだ。

 オーディオの基本である。

’10/04/05 (月)

満開2010


 昨日、今日と好天が続き、庭の桜は一気に満開である。予想よりも少し早かったが、入学式までは持つだろう。

 昨年よりも花付きが良く、とてもきれいである。但し、全盛期からすると30%OFFくらいか。樹齢80年以上の老ソメイヨシノとしては、よくがんばっている方だと思う。

 思えばこの日誌で桜満開を話題に具するのも、今回で10回目である。桜も僕も10年歳を取ったわけだ。あっという間に過ぎ去ってしまったように感じて、しかし我が身周囲を顧みれば、状況は随分と変っているのである。

 桜の花は儚い。人生もまた、儚くいとおしいのだ。

’10/04/04 (日)

鉄人ご来訪


 2006年9月以来3年7ヶ月ぶりに、AD鉄人M85さんのご来訪あり。関西方面へのご出張に合わせてのお越しである。多忙なスケジュールの間隙を縫ってのこと、残念ながら3時間程度のご滞在だった。

 極めて短時間だが、内容は濃い。AD試聴すること3時間休みなし、である。「聴かせていただくのが最高のもてなしです」とおっしゃるのを額面通りに受け止め、僕はアシスタントよろしくご希望のADを次から次へとかけかえるだけ。ある意味、ヒジョーにラクチンである。

 スーパーネッシーMkIIを聴いていただくのは初めてである。「短い時間でしたが、大いに堪能させていただきました」の言を残して風のように去った鉄人の耳に、その音がどう響いたか。後日のご感想に待ちたい。

 超過密スケジュールにもかかわらずお出かけいただき、僕はとても嬉しかった。心から御礼申し上げたいのである。

 M85さん、ありがとうございました。

’10/04/03 (土)

待ってました


 昨年5月1日の日誌に載せたタラの木は、その後順調に成長し、今や樹高2.5mを超えようとしている。さらに根元からは新しく3本ほど株別れし、樹勢益々旺盛なのである。大変ケッコウであります。

 写真は株別れしたうちの1本である。先端には春の新芽を吹き始めている。僕は永年これを待っていたのだ。但し、採って食うにはまだ早い。ここはもうしばらくガマンして待つのである。タラもいい迷惑だろう。

 タラの芽には独特の芳香があり、とても美味しい。セリやウドにも似た香りである。と思って調べたら、みんなセリ目の同じ仲間だった。特にタラとウドはセリ目ウコギ科タラノキ属に分類されていて、濃いご親戚さんか兄弟みたいな関係なのだ。タラは「樹木」、ウドは「草」である。言わばボタンとシャクヤクの関係に似ている。

 これもまた、春の恩恵である。

’10/04/02 (金)

微笑がえし


 久しぶりに買ったCDソフト、なんとキャンディーズ・スーパーベストである。1970年代にティーンエイジャーだった僕の世代には熱狂的ファンがたくさんいたが、ワタクシとしては特にどーとゆーこともなく、わりと冷めた目で眺めていた。

 斯く言う僕がナンデCDを買ったのか。ディープなファンでなくとも、時代の歌として好きな曲もあるわけだ。但し、1曲だけだが。キャンディーズ最後の曲「微笑がえし」である。

 この曲、個人的には稀代の名曲だと思う。歌詞もいいけれども、特に楽曲が素晴らしい。キャンディーズの解散と、彼女たちの新しい出発を記念するため、製作側は異様にチカラを入れたンだろうな。おもしろいことに、録音も他の曲よりかなり良いのである。

 デビュー当時の歌唱力は言わずもがな。せっかく3人いるンだからハモればいいのに、圧倒的にユニゾンが多かった。しかし晩年に至ってはなかなか上手くなったと思う。デビューから22年のイケメン5人組ベテランアイドルさんは、今でも全曲ユニゾンだが。

 「微笑がえし」でも、コーラスがきれいに決まっている。彼女たち自身もがんばったのだ。

 4月にピッタリの曲です。

’10/04/01 (木)

鉄錆色の風景


 4月である。今朝、ツバメ第一陣の姿を見た。

 春は大好きだが、困ることもある。年々歳々ひどくなる、黄砂である。昨日載せた桜の写真に今ひとつ冴えがないのは、僕の腕がヘボなことが最大の原因。だが、黄砂も無関係ではない。風景が、鉄錆色にくすんでいるのだ。

 昔は春の風物詩として、好ましく歓迎する気分だった。最近の黄砂は、そのように雅で悠長なものではない。一歩間違えれば、砂嵐である。1週間くらい前から喉のグワイが悪いです。

 花粉は大丈夫でも、黄砂には弱いのである。