箱船航海日誌 2008年11月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’08/11/30 (日)

常温急速解凍プレート


 アルミナセラミックスが届いた日は、冷え込みが非常に厳しかった。運搬道中、すっかり冷え切っていたわけである。こういうモノを暖房の効いた部屋に持ち込み開梱するとどーなるか。結露するのである。

 特に写真のものは、非常に激しく汗をかいていた。入っていたビニール袋に水が溜まるほど、同じくらいに冷えた金属では見たことがないような猛烈な結露である。こりゃあ凄い、と思いながら、袋から出しておいたら、今度はあっという間に乾いている。どうやらこの物質、熱容量が非常に大きい、と同時に、熱的トランジェントに極めて優れているらしい。

 このことをぼんやり考えていて、ふと思いついた。これって常温急速解凍プレートとして使えるンじゃなかろうか、と。最近、通販や実演販売で好調な売れ行きを示しているという、アレである。

 考え込んでいても仕方がないので、ここは実験である。一般的な製氷器でできる程度の氷を1個載せ、完全に融け切るまでの時間を計ってみた。

 載せた瞬間から、融け方が尋常ではないことがわかる。氷がムズムズ動きながら、どんどん融ける。セラミックスは特に温めてあるわけではない。室温よりやや低いくらいである。何だかヒジョーに不思議な感じだ。驚きながら見ているうちに、氷は3分21秒で完全に融け切ってしまった。

 比較のため、同時に普通のお皿へ載せた氷は、少し水が染み出した程度で、まだ氷のままである。10分経っても融け切らなかった。

 これはハッキリ言って、使えると思う。ただ、このドーナツタイプは形として不向きである。23日に載せたφ145mm×7mm厚の円盤がもう1枚あるから、それを使うのがベターだろう。厚みがちょっと足りないようにも感じるけれど、市販の正規品でも8mm厚程度だから、大丈夫かな。あとで実験してみよう。

 オーディオ、楽器、インテリア、調理用具。いろいろ使えて、実に楽しいのである。

’08/11/29 (土)

また失敗


 今度こそ鮮明に撮った、はずがこの有様。相変わらず毎晩出没するシカの勇姿である。3日に載せた写真に比べれば、おぼろげながらも全身の様子が見えるし、ツノは割合はっきりしているから、半歩前進と言える、かどうか。いずれにしても「鮮明」というには程遠いのである。

 立派なツノを持った牡鹿だが、これはまだ若く小さいほうだ。3日ほど前には、これまでに見たことがないような大物が来ていて、少々ブキミだった。アシタカがシシガミを見たときの気持ちは、こんなだったかもしれないと、妙なことを考えてしまった。

 次こそは。

’08/11/28 (金)

比重3.85


 昨日のアルミナセラミックス角柱は、結局写真のようなグワイに使っている。例によってケーブル支持台である。これまでの支持台は、その辺にあったものをテキトーに組み合わせて高さ71mm。この角柱の高さが70mm。1mmの不足分は円形fo.Qシートを挟んで調整した。まさに、「御誂え向き」である。

 同サイズの角柱がもう1個、少し高さの低い角柱が2個、残っている。使い道は工夫次第、まだまだ楽しめそうだ。

 この物質について少々調べてみたら、比重は3.6〜3.99程度という。純度によって違いがあるようだ。純アルミ(2.70)より重く、純チタン(4.51)より軽い。写真の角柱で実際に計算してみると、約3.85と出た。

 こんなのわざわざ作ってもらったら、とんでもない値段に、なるンだろうなァ。

’08/11/27 (木)

よりオーディオ向き


 友達から、アルミナセラミックス第2弾が届いた。今回はご覧の通りの、角柱タイプである。サイズは64.5mm(W)×39.5mm(D)×70mm(H)で、中央にφ3.5mmの穴があり、これは上面から底面へ貫通している。実測重量688g。

 見た目以上にずっしりと重く、ドーナツタイプとはまた違った迫力がある。指で弾こうが中指第二関節でノックしようが木槌で叩こうが、まったく鳴らない。鳴るまで叩いたら、たぶん割れます。石でもない金属でもない、実に不思議な質感である。

 この形状、ドーナツ型にも増してオーディオ向きだと思う。例によってのケーブル支持台はもちろん、装置の脚としても充分使えるし、ウエイトにもなる。こりゃ面白い。ある種の廃棄物、だそうだが、僕にとっては極めて有用なものである。

 眺めているだけでも、うれしいです。

’08/11/26 (水)

地図情報更新


 今月14日、サイファ搭載G-BOOK(以下、GB)のカーナビ地図情報が、2008年秋版に更新された。僕がサイファに乗り換えた2002年当時はDVDカーナビ全盛であって、SDカードに記録された地図情報をweb経由で書き換えられる(もちろん有料である)GB方式は、サイファの大きなウリだった。今やHDDカーナビの時代になり、それも既に旧い感じ。

 とは言え、古い地図のまま放置するのもキボチ悪いから、早速更新するべし。と、以前から使っているSDカードリーダーライターでダウンロード(以下、DL)しようとするが、どういうわけか上手く行かない。最後のステップで書き込みエラーが起きてしまうのである。何故だか分からない。前回の更新は、ちゃんと完了できたのに。

 GBサイトやサイファユーザーBBSなどで調べてみる。同様のトラブルを経験した人が少なからずいて、結果、著作権保護機能対応型のリーダーライターでないと、正常にDLできないことがわかった。いつからそーゆーことになったのか。文句を言っても仕様がない。要るものは要る、ということで、新しく買ったのが写真のものである。パナソニックBN-SDCJP3。名前長い。

 GBが推奨するところの、イワユル「純正品」である。これでもなおDLに失敗したら俺は暴れるぞ、と思いながらやってみたれば、さすが純正品。一発完了である。ヨカッタヨカッタ。

 パソコン使い始めて8年半。未だにこの方面には、暗いままである。

’08/11/25 (火)

高揚せず


 昨日、北海道では最低気温−20℃を記録したところがあると、ニュースで聞いた。恐ろしい寒さである。「美しいダイヤモンドダストが観測され」なんて、ユーチョーなことを言うけれど、実際そこに暮す人々のご苦労に思いを至せば、なんとも粛然とするものあり。誠にお大変でございます。

 それに比べれば生ヌルい、とは言え、当地の寒さもさらに深まりつつある。天候は完全に冬のものとなった。写真にご覧の通り、空は連日鈍色である。細かな雨が断続的に降り、雲の切れ目から陽が差して虹がかかる。典型的な日本海側の冬景色である。ああ、イヤダイヤダ。

 こういう日は、気分が高揚しないのだった。

’08/11/24 (月)

セラミックスリングベルズ


 有効利用をあれこれ考えながら、残ったアルミナセラミックスをいじっているうち、リング型のものはとても良い音で鳴ることに気が付いた。考えてみれば当然のことである。金属以上に硬く、均質なのだから。

 最も音が良かったのは、リング型のなかで最大のもの。外径φ125.5mm、内径φ78mm、厚さ4mm。23.75mm幅の環形、ということになる。実測重量125g。

 写真のように細い絹糸で吊るし、同じ素材で軽く叩く。金属のような鋭さ、冷たさがなく、しかも金属よりもはるかに澄んでいて、軽やかで涼しげな、それはもう快い音で鳴るのである。他の素材では、ちょっと聴けない音だと思う。

 この音、聴いているだけでは勿体無い。スペアナで測定してみた。右の写真、打撃後1秒程度経過したところの周波数分布である。ご覧の通り、2kHzにきれいなピークが立つ。1/3oct.バンドの粗いスペアナ像だから、これだけで音色までお分かりいただくのは無理があるわけだが、なんとなくは想像していただけるだろうか。

 これより一回り小さなリング型も測定した。そちらは2.5kHzにピークが現れ、上記のものより倍音が多めで、僅かに線が太い音になる。これはこれで良い音である。もう一種、さらに小型のものがあるが、これは内径も小さい所為か余韻が少なく面白みに欠ける。

 3種のリングを使って、できることは何かと考えた。良い音で鳴ることを生かしたい。となれば、オーディオ用途ではイカンだろう。それぞれ複数個あるから、上手く組み合わせて並べ吊るし、一種の打楽器として使い得ないだろうか。

 真鍮パイプを複数吊り下げた「チューブラーベルズ」という、涼しげな音を出す打楽器がある。それのアルミナセラミックス版「セラミックスリングベルズ」。高硬度の自然鉱物が打楽器として使われる例は珍しくないけれども、アルミナセラミックス打楽器、なるものは寡聞にして不知である。最初からそれを狙って作っても、採算が合わないのだろう。

 上手くやれば、ドラムセットに組み込めるかもしれない。

’08/11/23 (日)

WAGC支持台


 昨日に続くアルミナセラミックスの使い道は、こちら。尋常ならざる重さと硬さでは、これの右に出るものはないと思われるラインケーブル、FOSTEX / WAGC302の中間支持台として使ってみる。

 譲っていただいたうち、最も小さいドーナツ型と、最も大きい円盤型を組み合わせた。ドーナツ小はφ100mm×H27mm、内径φ29.5mmで実測618g。円盤大はφ145mm×7mm厚、実測438g。高さ34mm、重さ1,056gという、非常に頑丈な支持台となるわけだ。これまで間に合わせ的に使っていたコンデンサースタビライザーの高さも34mmだから、まるで誂えたかの如くピッタリの高さである。なんだかとても嬉しくなってしまいました。

 無意味に大げさ、と言えばその通りであって、理想的にはドーナツ状のものを扇形に切り分けて複数箇所で支えられれば、とも思う。しかし、一昨日に書いたとおり、この物体をシロウトが切断加工するのは事実上不可能である。超高速回転ダイヤモンドカッターか、超高圧ウォーターカッターが必要。それは無理というものだ。

 音の変化は、ほとんどございません。しかし、支持台の接地面積が大きくなり、ずっこけにくくなったのは大きなメリットである。見た目の安定感は極めて重要だ。昨日の用途と同様、個人的には大いに満足しているのだった。

 あとは、どんな用途が、あるかしら。

’08/11/22 (土)

まずは月並に


 血の巡りがあまり良くないアタマを捻るのは、楽しいけれども高効率とは言えないわけである。アルミナセラミックス、まずは誰でも思いつきそうな使い方をしてみた、の図。

 60mm×60mm、3mm厚のものを3枚、自作テーブルタップの下に敷いた。ガタはなく、セラミックスの表面は微細な凹凸があるから、スリップもない。しっかり落ち着いている。

 このタップに繋がるのは、C-AX10、DP-85、DVD-H1000などのディジタル機器である。音への影響はそれなりにあるはず、だが、実際にはさほど変わったように聴こえない。多少ハード方向へ振れたような気も、しないではない、くらいの感じだ。そりゃそーだろうな。これだけで驚天動地の大激変が起きたりしたら、エラいことである。

 ともかく、アサッテの方向へ行ってしまったわけではないから、これはこれでよいと思う。音云々以前に、こういうものを使っていること自体が面白いし、個人的にはヒジョーに気に入っている。月並な用途ですケレドモ。

 さて、あとはドーナツ型、リング型のブツだが、どーしようかな。

’08/11/21 (金)

アルミナセラミックス


 しっかり悪化させてしまったのだった。19日は完全に寝込んでしまった。おかげさまで昨日には峠を越えたようで、今日は健常に戻れて一安心。だが、寒さはますます厳しくなり、初雪まで降る有様である。油断はできない。

 さて、少しく元気になったところへ、友達からご覧のようなものが届いた。ありがとうございます。

 写真だけでは何だかよく分からない。実はコレ、アルミナ焼成物、所謂アルミナセラミックス、である。ドーナツ状、リング状、板状のものイロイロ。元々の用途は、ナゾである。最大のものはφ115mm×H45mm、内径φ35mmのドーナツ状で、実測1,660gある。板状のものは60mm×60mm、3mm厚で1枚60g。見た目に相違して、重いのである。

 同素材のオーディオ利用として思い出すのは、その昔SAECが製品化したヘッドシェル「ULS-3X」がある。気品漂う美しい純白のヘッドシェルだった。カチンカチンに硬く、音もその通りに極めてハードでシャープ。うっかり落として割った人も大勢いたと聞く。今も人気が高く、中古市場では結構な値が付いている。

 質感はそれとほとんど同様で、重いだけでなくヒジョーに硬い。この物質のビッカース硬度は1320〜1900Hv程度(モース硬度で9)、ステンレス(SUS304)のそれが174Hv、純チタンで140Hvというから、そりゃア硬いはずだ。おまけに2000度以上の高温で焼結してあるものだから、少々熱しようが何をしようが容易には加工できないという、いささか難物、なのである。

 これらを如何様に使うか。まだまったく思いつけない。ただ「アルミナセラミックス」というブツに対し、パブロフの犬よろしく反応して譲り受けてしまったのである。一般的にはなかなかお目にかかれないシロモノである。ヘッドシェル素材に具されていたくらいだから、使い様によっては有効活用できるはず。自分で切削整形できればULS-3Xが100個くらい取れそうだが、それは絶対不可能だ。

 矯めつ眇めつ、用途に思いを巡らせるも、また楽し。

’08/11/18 (火)

やっぱり、風邪

 天気が悪くなり、気温がぐっと下がった。と思ったら、やっぱり風邪をひいてしまった。今回のヤツは、先月と違ってかなり強烈である。ハナミズと頭痛が特にひどくて、昨夜からすっかりヘコんでいる。絵に描いたように、寒さがニガテなのである。

 明日からは、真冬並みの寒波がやってきて、さらに寒くなるそうだ。日本海側では、初雪になるところも多いという。

 寝込むほどに悪化しないよう、構えて早く治さねば。

’08/11/17 (月)

冬パターン


 13日から15日までは非常な好天、気温も10月半ば並みでとても暖かだった。特に15日の夕空は美しく、早出のお月様と夕焼けのセットに、ひと時見とれてしまった。

 こんなお天気が、この時期にいつまでも続くはずはないのである。16日は朝から雨降り、鬱陶しい冬の様相である。17日はさらに寒くなるそうだ。暖かな日のあとすぐに寒さがやってくる。これはもう当地の典型的な冬パターンである。左様承知していも、腹が立つ。ヌカヨロコビさせやがってー、と。

 まあ、自然の為せるわざに文句を言うてみても仕方がない。それそのままに受け容れて、今年も本格的に冬支度を始めるのである。

 穏やかな冬でありますように。

’08/11/16 (日)

大物


 またまたケダモノネタである。

 今日の画像は、最も新しく柿の木に刻まれたクマ爪痕である。5本の傷跡がしっかりとついている。地面近くの低い位置にあるから、おそらく後足、それも右後足だと思う。差し渡しは優に15cmを超える。先日のニアミス以後も、まさに足繁く通っているのだ。ウチの柿は、よほど美味であるらしい。

 村内には、猟師だった人がいる。正確には「半農半猟」というべきだが、「猟」の部分では正しく職業的狩人であったと聞く。現在は高齢で、完全に引退(銃の免許も返上したそうだ)し、寡黙で穏やかなご隠居さんとなって悠々自適に暮らしている。

 この人に、上の写真を見せ「これってどれくらいのクマでしょう」と尋ねてみる。暫時考え込んだご隠居さん、ゆっくりとこう言った。

 「おっさん(和尚さん)、こら大きいで。25貫を超えとるかもしれん。どえりゃあ大きいクマだ。(たいへん大きなクマだ)。こんなもんと鉢合わせしたら、がっしゃああぶにゃあで、ようきーつけないよ(とても危ないから、よく気を付けなさいよ)」

 1貫は15/4kg、3.75kgだから、25貫で93.75kg。それを超えるとなれば、100kg級である。そんなもんに襲われたら、タダゴトで済まないのは誰にでもわかる。反撃は絶対不可能だ。大山倍達じゃあるまいし。

 イキナリ至近距離で出くわすのが極めて危険なのはもちろんだが、もし、遠間から攻撃モードで突進されたとして、そのバヤイは逃げ切れるのだろうか。

 完全攻撃モードに入ったホッキョクグマは、100mを7秒程度で走るという。恐ろしい速さである。時速51.4km。当地に生息するのはツキノワグマで、ホッキョクグマよりはずっと小型だからもう少し遅いかもしれない。それでも100mを10秒くらいで走るンじゃないかな。絶好調時のウサイン・ボルトさんなら辛うじて逃げ切り、僕なら死にもの狂いで逃げてもあっという間に捕まって、頭からカジられること必至。「逃げるが勝ち」というが、このバヤイ「逃げても負け」である。

 ご隠居さんのご警告を、心からありがたく頂戴したのだった。

’08/11/15 (土)

煌々と


 昨日午後5時半頃、隣にある小学校の体育館上に浮かんだ、お月様である。暮れてゆく空と見事な満月のコントラストがあまりに美しかったものだから、デジカメで一枚。肉眼ではウサギさんがくっきりと見えたけれども、それをドシロウトがきれいに撮るのは至難の業である。目一杯の画素で撮ってはみたものの、見事ノッペラボウになってしまいました。

 朝晩はヒトケタ台の気温になった。母屋も箱船も、暖房器具なしでは寒くて居られない。秋の空に煌々と輝く月を見ていると、冬が近いことを実感するのである。

 秋も最早、晩である。

’08/11/14 (金)

超高品位素材CD


 SHM(Super High Material)-CDなるものがナニモノなのか、皆さんは既によくご存知だと思う。要するに、透明性に優れた高品位ポリカーボネート樹脂(液晶パネル用、と説明されている)を使ってプレスされたCDなのである。

 10年ほど前にも、ディスク素材にこだわった高音質CDが話題になったことがある。APO(アモルファスポリオレフィン)、ZEONEX、ARTONなどの名を覚えている。やはり透明性や硬度に優れて音が良い、ということだった。しかし、CD用途としてはコストの問題などで主流になり得ず。市場から消え去ってしまった。

 能書き、ウンチクはともかくとして、実際の音はどうなのだろうか。昨日紹介したSHM-CD、ついでに'77年ADも聴いてみた。

 あまりの音の違いに驚いてしまった。まず、カッティングレベルが異様に高い。レンジは広くなっているようではあるが、随分と派手でけたたましい。低域の締りはイマイチ、高域もやや耳障りである。この違いは、高品位ポリカーボネートとはおそらく無関係、リマスターされたことによるものだと思う。

 F特はどうなってるンだろうかと、スペアナで調べてみた。上の画像、左が'08年SHM-CD、右が'77年ADである。

 カッティングレベルは、SHM-CDのほうが8〜10dBくらい高い。分布も随分と違っている。中域はほぼそのままに、ハイとローが上がっている感じ。ADの40Hz〜160Hz、2kHz〜10kHzのレベルを5dB程度上げれば、全体の形が似てくる。

 なるほど、これなら音が違って当然だ。クオリティ云々とは別次元の話である。尤も、どちらがオリジナル・マスターの音に忠実なのか、それは分からない。普通に考えれば、新しくリマスターされたほう、と判断するのが自然、なような気もするが、何となくそうでもないような。実際の試聴では、'77年ADのほうが素直な音なのである。ナゾだ。

 こうなってくると、Super High Materialの音質改善効果がどれほどのものか、有体に言ってゼンゼンワカラン。少なくとも、マテリアル以外全ての条件を同じくして試聴しないことには、確かなことは何も言えないのである。1998年リリースのディジタル・リマスター盤を聴けば、何か分かるかもしれない。

 SHM-CD。大きな流れを掴み得るか。

’08/11/13 (木)

大衆のギタリスト


 Amazonから定期的に送られてくる「おすすめ商品のご紹介」メールの中に、少なからず興味を惹かれるCDがあった。それが上の画像である。

 「Rory Gallagher / Calling Card」(日BGM BVCM-34423)。原盤は1977年発表の、古いタイトルである。1998年にディジタル・リマスターCDが出て、今回はSHM-CDでの限定発売である。

 ロリー・ギャラガー。1948年3月2日アイルランド・バリーシャノン出身の、ロック・ギタリストである。'70年代ロックファンなら、知らない人はいない。また、人気も高かったミュージシャンだ。ブルース・ロックをバックボーンとした骨っぽく土臭い、しかもシンプルでストレートなハードロックは、実に痛快であった。塗装ハゲハゲのオールド・ストラトキャスターをノー・エフェクターで弾きまくり、飾り気のない人柄で「大衆のギタリスト」とも呼ばれた。1995年6月14日、47歳で病没。

 このアルバムが発売された直後に来日公演があった。1977年11月4日、大阪厚生年金会館大ホールの最前列。僕は彼のコンサートを観た。当時16歳のロック小僧には、生涯忘れ得ぬ強烈な体験となったのだった。

 ADは、リリース直後に買っている。今も時々聴くことがあるけれども、30年以上を経てなおいささかの色褪せもない、名作だと思う。A-1「Do You Read Me」は特に好きで、コピーして演奏したこともある。Y、覚えてるか。

 '98年のディジタル・リマスター盤は、持っていない。たぶん、ADがあるからいいやと、見送ったのだろう。今回は、昨今話題(かな?)のSHM-CD仕様ということで、買ってみる気になったわけである。マスターは'98年盤と同じもののようだ。

 試聴後感は、明日以降に。

’08/11/12 (水)

カメムシ予告2008


 今月の日誌は、スタビライザーとケダモノのネタばかりである。「聴く」ほうのオーディオはどーなっとるンだ。と言いつつ、今日は虫ネタである。

 今年も早、カメムシ予告の季節となった。2005年は大量発生で記録的な大雪、2006年は発生極少、雪も極少。昨年はその中間くらいで、1m弱の積雪が1回あったにとどまった。ふり返ってみれば、カメムシ予告は概ね的中しているのである。

 んで、今年である。不気味なほどに、少ないのである。ほとんどいない、と言ってよいくらいだ。2006年の秋よりも、さらに減っている感じ。これからすると、今冬の積雪はほとんどない、という予測が立つわけだが、これほど発生が少ないと逆に心配してしまうのだった。何かとんでもないことが、起きやしないか、と。

 雪が少ないのは、個人的にはありがたいことである。大雪ほど鬱陶しいものはない。だが、ある程度は降らないと、色々と不グワイも出るわけだ。

 どうなりますことやら。

’08/11/11 (火)

生きている


 例によって不鮮明な画像、申しわけございません。

 昨夜午前1時頃、箱船から母屋へ戻る前、2階の窓から外を確認(この頃は必ずそうしている)したら、暗闇の中をコソコソ動くものがいる。小型犬くらいの大きさだから、シカではなく、もちろんクマでもない。

 写真でお分かりいただけるだろうか。ホンドタヌキである。なかなか毛艶のよい、よく太った個体だ。♀♂の判別はつかない。ウチの庭にタヌキが出るのは、随分と久しぶりである。彼らもホンドキツネと同様、個体数を減らしているのだろうか。

 タヌキはシカに比べると警戒心が希薄、良く言えば鷹揚である。サッシの開閉音にもデジカメのストロボにもほとんど動じない。草むらに鼻先を突っ込んで、一心に何かを漁っている。「けものへん」に「里」と書いて狸。人里と共に、彼らはあるのだ。と思ったら、本来「狸」は「ヤマネコ」を意味する字だったという。ヤヤコシイのである。

 イヌ科の動物だが、ズングリした体つきに加えて非常な短足、特に冬毛の今はムクムクしていてネコのほうに似ている感じ。妙に愛嬌がある。しかし油断は禁物。愛嬌があっても立派な野生動物である。迂闊には手を出せない。

 いっとき草むらを嗅ぎまわり、幾許かの収穫があったのか、得心したように山へ消えて行った。寒さの冬がやってくる前に充分な栄養を貯め込むべく、彼らも必死なのである。

 タヌキだって、シカだって、クマだって、みんなみんな生きているんだ。

’08/11/10 (月)

随縁赴感


 歌66歌さん、アルミ缶さんから、スタビライザーについての情報を掲示板にいただいている。貴重な情報を、ありがとうございます。

 件の「アダムスキー型UFO」様のスタビライザーのモデルは「BS-756」といって、その昔、木村無線が販売していたものらしい。長岡先生が永く愛用され(過ぎてハゲチョロケだった)ていたのは、おそらくコレの兄弟版ではないか。上半分の形状に、やや違いがあるように思う。

 いろいろ調べてみると、複数の兄弟版(バージョン、というべきか)があったようだ。上半分ツバ部分の径が大きいものや小さいもの、軽量型、重量型、塗装仕様、メッキ仕様、などなど。しかも当時(歌66歌さんによれば、30年前)でも比較的低価格で、ハイCPスタビライザーとして人気が高かったようである。

 友達にスタビライザー製作を初めて依頼したのは、1999年頃だった。真実使いたいと思うようなものが、市販品には無かったからである。最初はMICROのST-10をモデルに、それを純銅でコピーするところから始まった。これは4個作ってもらい、親しい友達や長岡先生に試聴をお願いした。

 それぞれから使用感の報告や、或いはアドバイスなどもあり、その後材を変え形状に工夫し、果ては異種金属複合タイプまで行き着いて、今に至るわけである。

 BS-756シリーズが全盛だった頃とは違い、現状スタビライザーに限らずAD周辺機器は、選択の余地が非常に狭くなってしまっている。一時期に比べると、AD復権の兆しが見られるとは言えども。寂しいことである。

 だが、モノは考え様。欲しいものが無かったからこそ、色々な実験ができたわけだし、結果、多くのことを知ることができた。無ければ作る。自作の原点かもしれない。それもこれも、多くの方々と在り難いご縁を得られてこそ。

 深く感謝するほか、ない。ありがとうございます。

’08/11/09 (日)

塗り直し必至


 塗装後4日にして、スタビライザー実際の使用に具してみる、の図。塗装のやり直しはしなかった。

 概ね良好である。塗装に難あり、とは言え、研磨前とは比べられない美しさである。音も良くなった、ような気がする。スタビライザーは顔が命です。ドシロウトのやることだから、この辺でヨシとしよう。

 ルックスはともかくとして、塗料の選択は大いに誤ったと思う。完全乾燥後も、塗膜の硬度が絶対的に不足しているのである。ヒジョーに軟らかい。一度取り付けたらほとんど触ることのないアダプターリングにならば、問題は少ないのだろうけれども、素手でつかむ機会が多いスタビライザーにこの塗料は不向きである。

 1面聴く程度の時間(20〜30分)ならまったく問題ないものの、うっかり載せたまま長時間放置したりすると、レーベル面にくっ付いてしまう恐れもありそうだ。底面だけでも塗膜の硬いヤツで塗り直したほうが、良いに決まっている。

 メンドクサがっているバヤイではないのである。

’08/11/08 (土)

出没率300%


 今日もクマネタである。

 朝になってから、改めて柿の木の周囲を調べてみたれば、思った以上にムチャクチャである。大枝小枝がひどく散乱し、柿の木ボロボロ。実は、枝に付いたまま食べてあった。ご覧の通り、きれいにヘタだけ残してある。きっちり数えはしなかったが、ゆうに10個は超えている。タネは丸呑みのようだ。

 食べるのは専ら富有柿ばかりで、もう1本の与謝柿には手を付けていない。根元にウンコしてあるくらいだ。与謝柿は基本的に甘柿だが、5〜6個に1個くらいの割合で、ひどく渋い実が混じっている。そのことをクマは知っているのである。実際に食べて学習したンだろうな。

 村の事情通にこの話をしたら、地域のお役所へのクマ出没通報は、例年の3倍以上になっているそうだ。個体数が増えたこと、山の食糧事情が悪いこと、人里の柿は旨いのを学習したこと、などが頻繁な出没の大きな原因だろうとも。そりゃあクマだって、甘くておいしい柿のほうが、良いわなァ。

 食べたきゃ食べればいいけれども、枝をボキボキ折られる柿の木はいい迷惑だ。既にすいぶんな古木であって、ただでさえ元気がないのに、こんなふうにされたらさらに弱って枯れてしまうンじゃなかろうか。

 クマさん、食料資源は大切にしましょう。

’08/11/07 (金)

ニアミス

 ついさっき、母屋から箱船へ行こうとしたら、箱船入り口のすぐ脇に柿の実が1個、ころがっている。夕方6時頃にも出入りしたが、その時にはなかった物である。ナーンデこんなもんがこんなところに、あるンだ。

 誰の仕業かは、明々白々である。クマが樹から落として食べ残していったのだ。ヤロウ、また出やがったな、と独り呟き、辺りを観察してみれば。

 前回にも増して盛大に枝を折り散らかし、ずいぶん沢山の実を食ったようだ。今回はまた派手にやったなあと、思ったその時。

 前方、比較的近いと思われるところから、「ぶふー」とナニモノかの荒い鼻息が聞こえた。姿は見えない。ボカァもうシンゾウが停まりそうでした。僕の人生47年間で、これ以上慌てたことがないくらいに慌てて箱船へ飛び込んだのだった。入り口ドアの開け方が、一瞬ワカランかった。こーゆーのが、ホンマモンの「恐慌」なのだろうな。

 膝をカクカクさせながら階段を昇り、窓を開けて外を窺うと、再び「ぶふー」という。近くにいたのである。僕が母屋を出て箱船へ近づいた時、クマさん今ゴハンの真っ最中、だったのかもしれない。しばらく息を殺して様子を見ていたが、どうやらそのまま山へ帰ったようだった。マトモに鉢合わせしていたら、僕は柿の実諸共カジられていたかも知れない。喰われないで、ヨカッタヨカッタ。

 柿の樹周辺の様子を写真に撮り、今日の画像に掲げたいと思ったけれども、現状ちょっと恐ろしいから自粛する。撮影に気を取られ、振り向いたらクマがいた、なんてえのはシャレにもならない。姿を見たいのは山々だが、それは我が身の安全が保障されているバヤイに限るのである。ライオンを見たがる人も、同じ檻の中に入ろうとは思わないだろう。

 あー、怖かった。

’08/11/06 (木)

8年


 航海日誌を書き始めてから、今日で8年になった。今年は特に休載が多く、誠にお恥ずかしい限りである。斯くの如く青息吐息でありながらも、何とかここまで続けることができたのは、偏に皆様方のおかげさま。改めて御礼申し上げたい。ありがとうございます。

 今日の画像は、その頃日誌用写真の撮影に使っていたところの、インスタントカメラである。フジフィルムの「FOTORAMA SLIM ACE」。元々はスペアナ写真をリアルタイムで撮るために買ったものだ。

 コレで撮った写真をスキャナで取り込み、日誌に貼り付けていたのである。今の画像の質も、とても褒められたものではないけれど、当時の写真はさらに低品位。フォーカスも色バランスもヒジョーにヘンである。スキャナも画像編集ソフトも、使い方がゼンゼン分かっていませんでした。

 取り直すたびに高価なフィルムを消費し、ずいぶんと低能率だった。デジカメを使い始めてからはすっかり出番がなくなって、今は箱船2階の片隅でアクビをしている。おそらく今後も出番はないだろう。

 その後デジカメは飛躍的な進化を遂げ、今や数千万画素の時代である。8年前、僕のデジカメは150万画素だった。最近の携帯付属カメラにも及ばない。

 「一昔」と言われる10年までには、あと2年ある。しかし、物事の進化、遷り変わりが速い昨今であってみれば、8年前でもすっかり「昔」なのである。

 そういう時代にあって、恰も十年一日の如く変わらぬ(変われぬ)日誌を書いている。有体に言って、愚行である。けれども、それもまた吉。と自分勝手な理屈をつけながら、くだくだしくも続けて行きたいと思う。

 今後とも、よろしくお願い申し上げます。

’08/11/05 (水)

失敗は繰り返される


 物事が思い通りに運ぶ、なんてことは、滅多にないような気がする。

 底面の塗装が済み「これまででいちばん上手く行った」、と思ったら然に非ず。裏返しにして乾燥させていたら、上面に下敷きの紙の痕がくっきりと付いてしまいました。塗膜の乾燥固化が、不充分だったのである。

 思わず「やっちまったなあ」と独り叫んでしまった。そう言えばこの塗料、スーパーネッシーMkIIのアダプターリングに使った時にも似たようなトラブルを起こしているのを、今、思い出した。

 山越木工房さんへ向けてリングを送り出したのは、塗装後2日経ったころであった。お受け取りいただいてすぐに連絡をくださった。「塗面にプチプチシートの痕が付いています」と。功を焦った僕のミスである。このトラブルで、充分な乾燥時間が必要な塗料であることが分かっていたにもかかわらず、またぞろ今回の失敗だ。アホ丸出しである。

 付いてしまったものは仕様がない。だが、これ以上裏返したままにしておくのも気色が悪いのである。と言って底面の塗装はまだまだ乾かない。どうしようか知らん。

 悪い頭をヒネり倒し、写真のようなグワイで乾燥させることにする。短くしたワリバシを中心穴に挿し込み、手持ちのスタビライザー(ヤマハのYDS-3)を土台にして空中へ掲げるかたち。これなら塗装面はどこにも接触しない。最初からこうしておけばヨカッタのに。

 さて、下敷き痕が付いてしまった上面、これをどうするか。1.一から塗装をやり直す。2.上面だけ二度塗りして誤魔化す。3.メンドクサイからこのまま使う。

 たぶん、3だな。

’08/11/04 (火)

これも道楽


 スタビライザーの防錆塗装を実施するのはもう何度目になるか。これまでで本当に満足できる結果が出たことは、有体に言って一度もないのだった。

 初期の頃は、使わなくなったターンテーブルをロクロ代わりにし、筆で手塗りしていた。これは塗りムラがひどく、防錆効果が一様ではなくなってダメダメ。経年劣化でマダラに錆びてしまうのである。次にやったのが、自動車用ワックス。これはまったく効果なし。やらないほうが良いくらいだった。

 現用のものは、センターホールに木の棒を突っ込み、片手で回しながら速乾性ラッカースプレーで塗装した。全面同時塗装、ムラなし一発仕上げを狙ってのことである。これまた見事に大失敗。均一な塗膜の実現、なんかできるワケがない。ひでえムラムラ。速乾性だったのも大いに災いした。吹いたあとに残る気泡が消えないうちに固まってしまうのである。サイテーの仕上がりにゲンナリし、一からやり直す気力もなくなって今もそのまま使っている。いつか再挑戦、するかもしれない。

 今回はそのしくじりを踏ンまえ、上面と底面を2回に分けて塗装した。もちろん速乾性ラッカーは使わない。

 まず底面をマスキングテープで覆っておき、上面だけにスプレーする。周りを自分がグルグル回りながら、できるだけムラができないように。ハタからはわりとマヌケな行動に見えると思う。充分乾燥させたら、底面以外をマスキングテープと新聞紙で包み、さらに塗装する。写真の様子がそれである。

 最高の出来、とは言えないまでも、これまでではいちばん上手く行った、のではないかと、思う。ムラはまあまあ少なく、気泡も目立たない。あとは時間が経ってどうなるか、である。

 たったこれだけの作業の中にも、やってみて初めて分かるコツ、上手く仕上げるための手順がある。工夫次第では、さらに良い結果を出すことができそうにも思われる。オーディオとは直接関係のないところだけれども、これはこれで楽しい道楽なのである。

 そう言えば最近、音を聴いてないな。

’08/11/03 (月)

千載一遇


 つい先ほどのことである。階段室の窓から外を覗いたら、シカがいる。外灯の仄かな光を頼りに確認すれば、どうやら若い牡鹿のようだ。珍しくサッシを開ける音にも逃げず、草むらに眤と佇んでいる。

 これは滅多にないシャッターチャンスである。気配を殺してデジカメ準備、千載一遇の機会を逃すものかと、暗闇へ向けてストロボ一閃。ついに撮れた。

 と思ったら、ご覧の有様である。ストロボ光量まったく足りず。極めて不鮮明な写真になってしまった。解説無しには意味不明。掲載するのも躊躇われるようなものだが、ドシロウトのご愛嬌ということで、どうかご勘弁願いたいのである。

 撮ったあと確認すると、写真左上方にもう1頭いたようだ。黄色い↓に写っているのは、ストロボ光を反射して光るシカの目である。写真右下、白い←は、手前にいた牡鹿の目、赤い←は彼のお尻(シカはお尻だけに白い毛が生えている)である。

 なんとも悔しい結果となってしまった。もうあと少しでも近ければ、もっと鮮明な写真が撮れたのに。ヒジョーに残念である。

 次の機会、が、あればよいのだが。

’08/11/02 (日)

寝る前にはハンドクリームを


 磨きかけスタビライザーの脇には、使い終わって汚れたベンコットの山ができている。研磨剤と削り取られた銅の微粉末が混ざって真っ黒である。

 クロスが汚れるのは当然、困るのは指先も一緒にマックロケになることだ。油と研磨剤と銅粉末が混ざったもの(ある意味、始末の悪い泥である)だから、指紋や爪の間に入り込み、容易には落とせない。

 それがイヤで、医療用プラスチック手袋を使ったこともある。しかし、これはあまり上手くないのである。

 ドシロウトの道楽、とは言え、偏執的に研磨し続けていると、金属表面のグワイと研磨剤の番手が適合しているかどうか、何となく分かってくるようになる。上滑りしている、好い加減に削れている、削れ過ぎている、などの違いが、指先から伝わってくるのである。

 手袋を使うと、この感覚が鈍ってしまい、作業していてイライラするのだった。隔靴掻痒の感あり。汚れるのは承知の上、結局素手が一番、ということになるのである。

 作業を中断するたび、油に強い洗剤で手洗いする。結果、肌荒れして手はバリバリ。空気が乾燥する冬に向かっては、なかなかに厳しいDHKであった。

 寝る前のハンドクリームが、必須になりました。

’08/11/01 (土)

引き続き


 11月である。ここ数日で一気に寒くなったようである。朝夕の冷え込みはもちろん、好天でも日中の気温が上がりにくくなっている。秋が終わって冬が来る。当たり前だが僕は悲しい。

 月が変わり季節が遷っても、やっていることはちっとも変わらない。先月末から引き続きの、ADスタビライザーDHK(大日本偏執的研磨党)ネタ、である。

 昨日までに磨き終わったものは、只今防錆塗装の乾燥待ち。上手く行ったような、そうでないような。あまり褒められる結果ではない、と思う。ま、仕方ありません。

 次なる研磨対象は、これまた永きにわたって放置されていた、純銅製スタビライザーである。ずーっと前にピカールだけで磨き防錆塗装しないままホッタラカシ、全面使い込まれたギザ十(昭和26年〜33年発行の、旧十円硬貨)みたいな色にしてしまったものだ。これは磨き甲斐があります。

 今、上面だけがきれいになった状態である。この部分だけでも切削痕を消し去り、鏡面仕上にしたいと奮闘中。60%くらいまで進んだ。写真中、ボールペンのフック部分「PILOT」の文字が写り込んでいる辺りは、まだ切削痕を取り切れていない。残り40%を磨き切り、最後にダイヤモンドペースト#15000で仕上げるまでには、まだまだである。

 いよいよDHKらしく、なってきました。