箱船航海日誌 2008年07月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’08/07/31 (木)

立秋まで1週間


 27日の午前中までは連日カンカン照り、体温を越える猛暑が続いていた。最低4枚の重ね着をせねばならない僕のオツトメは、ヒジョーに苦しかったわけだが。

 同日午後から突如大荒れ天気に転じ気温急降下、1時間以内におそらく10℃近くは下がったンじゃないかと思う。気温は下がったものの、それまでの猛暑で充分すぎるほど熱せられた地面に大雨が降ったものだから、街は恰もセイロで蒸されたような状態になってしまった。

 遠くの山を見たら、山肌からすごい勢いで雲が立ち上っている。ムシムシして不快指数は高いけれども、山水画のような風景は悪くない。

 今日(30日)になって再び夏空が戻ってきた。ただ、27日以前のような殺人的猛暑は影を潜め、どことなく秋を感じさせる爽やかな風も吹いている。ちょっと、寂しい。暑けりゃ暑いで文句を言い、風に秋を感じて心細くなる。勝手なものである。

 立秋まで、あと1週間である。

’08/07/30 (水)

ヤマトタマムシ


 真夏のクソ暑い午後、キラキラ光る虫が高いところを飛ぶ風景をしばしば見たのは、もう大昔のことである。最近はトンと見かけなくなってしまった。

 キラキラ光る虫、とは、写真に見えるタマムシである。正しくは「ヤマトタマムシ」という。すごく久しぶり、というよりも、境内でコイツに出会うのは初めてかもしれない。

 実に美しい甲虫である。ベースカラーはメタリックグリーン、それに虹色のラインが2本入り、如何にもゴージャスな雰囲気をカモシ出している。最近復元された奈良県法隆寺に伝わる国宝・玉虫厨子には、この羽が約43,000枚(21,500匹分)使われたそうだ。ゴージャス故の受難、と言ってもよいか。タマムシさん、ちょっと気の毒。

 何故にわざわざここまで金属光沢ビカビカの体を持たねばならんのか。一説によると、光を反射し鳥の目を眩まし、捕食から逃れるための金属光沢色、とも言われている。本当のところはよく分かっていないらしい。

 個体数が減っているンじゃないかと、思ったらそうでもないようだ。都心部でも、食樹(エノキ、ケヤキなど)があるところではさほど珍しくはない。当地であまり目にしないのは、食樹が減ってしまったのが原因なのである。個人的には大好きな虫だからもっと見たいところ。尤も、こんなのがウジャウジャいたら、それはそれでキショク悪いだろうな。

 手のひらに乗せてお日様に翳したら、羽を拡げて飛び去った。やはりキラキラと輝いて、とても美しい。

 懐かしい風景だと、思った。

’08/07/29 (火)

推奨盤


 昨日触れたLED ZEPPELINのベスト盤「MOTHERSHIP」ADバージョンは、今のところ8月26日の発売予定となっているようである。これもAmazonで扱っているから早速予約注文しておいた。今度は予定通り出るかしら。

 さて、ライブ盤「永遠の詩」BOXセットである。大いなる興味と期待を以って、早速に聴いてみたのである。

 非常に良いと思う。1976年にリリースされた米盤とは比べるべくもなく、Classic Recordsの200g復刻盤(2枚組)も凌ぐ音の良さである。

 最も印象的であるのは、高域の美しさ、歪み感の少なさである。妙なアクセントがなく素直に伸びていて、特にシンバルは非常に綺麗だ。ボーカルも厚みが増し、カーカーせず自然で聴きやすい。1976米盤は、ギターがガシャガシャしていて極めて耳障りなのだが、今回の盤にはそれが皆無である。正しくギブソン・レスポールスタンダードの音、という感じだ。

 中高域の分解能が向上した所為か、スネアがとても良い音で聴ける。ジョン・ボーナム愛用(憚りながら、僕も愛用)ラディック・スーパーセンシティブ LM-411特有の、抜けが良くしかも厚みと粘りのあるスネア・サウンドである。

 低域の解像度も大幅に向上している。これまで聴き取れなかったバスドラムとベースのパターンが明瞭に聴けて、ヘボドラマーの僕としてはとても嬉しいのである。特に1曲目「Rock'n Roll」は、別テイクなんじゃないかと思われるほど違って聴こえて驚いた。

 全体的に低歪み、高解像度、高分解能。オーディオソースとしては大きく向上している。だが、ロックとしてはどうだろうか、と思ったのも事実である。「ロックン・ロール」と言うが如く、でっかい岩が転び出るような力感、威勢の良さなどが、やや殺がれているようにも感じるのだった。その点では、Classic Records復刻盤に分があるかもしれない。

 とまれ、とても良いレコードである。オリジナル・リマスター、ハーフスピード・マスタリング、RTI180g盤4枚組、豪華な装丁、さらに未収録曲6曲入り。これで7,323円はお買い得だと思う。

 推奨盤である。

’08/07/28 (月)

堂々たるBOXセット


 昨年12月4日の日誌に載せたLED ZEPPELINの決定版ベスト・アルバム「 MOTHERSHIP」。翌日12月5日にAmazonへ予約注文したところ、当初の発売予定(2008年3月下旬)は遅れに遅れ、6月になってついに「発売時期未定」ということで、一方的にキャンセルされてしまった。

 こんなのはよくあることで、イチイチ怒ったり落胆したりしてはイケナイ。まあそのうち出てくるンだろう、くらいの気分でいたほうが健康的なのである。

 同時に注文したライブ「永遠の詩」(米Atlantic R1 357564)も、同様に発売時期未定としてキャンセルされていたのだが、7月に入ってついにリリースされたことを知った。ニュースソースは海外通販サイトである。ショップAでは$59.98、Bでは$59.99、Cでは$60.00。円換算で凡そ6,600円くらいだ。

 Amazonでの扱いはあるのかと調べてみると、ちゃんとありました。税込7,323円。723円高いけれども、海外からの送料を考えるとAmazonのほうが圧倒的に割安である。どう考えても$6.5あまりの送料では済まないのである。一昨日注文したら、今日届いた。あっという間である。しかも送料無料。

 上の画像はヴァージンシールに貼ってあったステッカーである。オリジナル収録曲に加え、未収録曲6曲を含む全15曲、RTIプレスの180g盤4枚組8面仕様。マスタリングの名手スタン・リッカーによるハーフスピード・マスタリングである。

 豪華で頑丈な箱入り、インナー・スリーブも厚手の紙製でこれまた豪華。実測総重量1,920gの、堂々たるBOXセットである。

 33回転盤である。非常に余裕のあるカッティングになっていて、4面、5面、7面は1曲のみのカッティング。7面には「天国への階段」が収録されている。内容にこだわり、音にこだわった再発盤、というわけである。ディープでコアなゼップファンには堪えられんレコード、なのだろうなあ。

 僕はディープでもコアでもないファンだから、興味は専ら音のほうに向いてしまうのである。これまでに聴いた中ではClassic Recordsによる200g復刻盤(マスタリング・エンジニアはバーニー・グランドマン)が最も優秀であった。今回のヴァージョンは、どんなものか。

 興味津々である。

’08/07/25 (金)

剥離膜累々


 塵も積れば山となる。

 5月20日から始まって、もう早2ヶ月を過ぎたレコパックもどき実験である。現状最終型レコパックもどきは、とても良いものができるようになり、ここにきてひとまず節目を迎えたように感じている。

 気が付いてみれば写真にご覧の通り、剥離膜がどっさり溜まってしまっている。実験開始当初からの分すべて、捨てずに残してあるのだ。ざっと数えて約50枚、AD25面分である。

 フエキ オーグルー基材のもの、アラビックヤマトのもの、アトフィスグルーのもの、CMC無添加タイプ、添加タイプなど、その時々のものがごちゃ混ぜになっている。いずれはこれを使って再溶解実験もしてみたい、とは思うけれども、ヴァージンパック液を比較的容易に生産できるようになってしまうと、イマイチ機運が盛り上がらないのだった。まったく以って、勝手なものである。

 だからと言って、捨てるに忍びない。ビンボー性は、直らないのである。

’08/07/24 (木)

オリジナルセット


 レコパックもどきを好評価してくれた友達から、とても嬉しいプレゼントが届いた。オリジナルレコパックにセットされていた、レコード支持台である。しかも、元箱入りで2台。僕にとっては最高の贈り物だ。大喜びである。

 写真に見えるオリジナルボトル(初期型)は、もどきパック液を送るため、友達が同封してくれたものである。言わば「リターナブル・ボトル」、昔で言うところの「お通い瓶」である。

 左端のスペースは、ご覧の通りアプリケーターが入る部分である。そこに僕が使っているものをはめ込んでみれば、往年のレコパックセットがコンプリートする。今や滅多に見ることのできないものなので、記念撮影しておいた。僕も初期型ボトルを持っていたのだが、今は手許にない。おそらく、捨ててしまったのだろう。置いとけばヨカッタ。

 こうして完全な形のセットを見ると、何だかとても懐かしい気持ちになるのだった。1985年。まさか二十数年後に至ってなお重用することになるとは、まったく思いも寄らなかった。当時はレコパックのクリーニング効果を、過小評価していたような気がする。

 友達のおかげさまで、手持ちの支持台は4台になった。作業効率がぐんと向上するのである。

 素晴らしい贈り物を、ありがとうございました。

’08/07/23 (水)

残念でした


 一昨日、ダメモトでレコパック(もどき)クリーニングを実行したAD、「EIN STRAUSSFEST」(米TELARC DG-10098)である。

 パック後の見た目はご覧の通り、ヒジョーに美しい。だが、真実本当の効果は、音を聴いてみないことには分からないのだ。

 残念である。パック効果は皆無ではなく、多少なりとも静かになってはいる。しかし、ノイズを取り切ることはできなかった。うーむ。

 仕様がないのである。ここはすっきり諦めましょう。ナニ、ノイズが多くったって、僕にとってはとても魅力的なレコードであることにいささかの変わりはない。一昨日から両面通して3回くらい聴いたけれども、ちっとも飽きないのである。

 web上にあるうちに、もう1枚買っておこうか知らん。

’08/07/22 (火)

猛暑大好きアブラゼミ


 ニイニイゼミに遅れることほぼ一旬、いよいよ当地での夏の主役、アブラゼミの登場である。午後9時半頃、本堂の外壁によじ登り羽化する幼虫を発見した。ムシがニガテな方、ゴメンナサイ。

 アブラゼミの一生については、諸説あるようだ。卵から孵化し土中へもぐり、今日の羽化を迎えるまでの期間はどれくらいかと調べてみると、3〜5年、4年、6年、7年、などの説があり、どうもはっきりしない。羽化後の寿命についても、一週間だ、10日間だ、イヤ30日間だと、こんなに身近な蝉なのに完全には生態が解明されていないのである。

 ウチの庭にはやたらこの蝉が多い。最盛期にはニイニイゼミを抑え、そこらじゅうアブラゼミだらけになるのである。ナンデだろうと思っていたら、彼らはバラ科の樹が大好きなのだそうだ。

 ウチの庭はサクラが多い。バラ科の樹である。ナルホド、納得しました。同じ科の樹にはリンゴやナシがあって、これまた大好物。よって、果樹園では害虫として嫌われることもあると聞いた。

 当地では最もメジャーな蝉だが、全国的に見ると数は減っているという。近畿地方(特に都市部)で近年数を伸して来ているのは、圧倒的にクマゼミなのである。羽が透明で体はマックロケ、大型で強そうなヤツだ。関東地方で圧倒的なのは、昨年も書いたが、ミンミンゼミである。

 土地によって夏を感じさせる蝉が違っているのは面白いと思う。例えば大阪ではクマゼミ、東京ではミンミンゼミ、当地ではアブラゼミ、なのである。

 今夏はとりわけ暑いようだ。猛暑大好きのアブラゼミさんたちは、大喜びである。

’08/07/21 (月)

ダメモトで


 3月28日に載せた「EIN STRAUSSFEST」(米TELARC DG-10098)の180g復刻盤、音はともかく、買った当初から気になっていることがある。

 2008年のニューリリース、もちろん未開封新盤、であるにもかかわらず、ノイズが多いのである。所謂、盤質イマイチ、というヤツだ。ヴィニール品質の所為か、プレスが原因か、製品管理が甘いのか。ひょっとしたら、僕が買ったものだけに限られたこと、という可能性もあり得る。ドシロウトの僕には分からないけれども、現実出てくる事象はノイズの多さ、である。

 新盤にイキナリレコパックをぶちかますのも気が引ける、というわけで、今日までガマンしてきたがもういけない。自作レコパックもどきを展開してみた。

 ノイズの原因がプレス或いはヴィニール品質、いい加減な製品管理によるキズ、だったりしたらば、レコパックなんぞ無意味である。それを承知の上での対策である。無駄骨だったらそれでも良し、僅かでも改善できれば儲けモノ。

 只今乾燥中。結果や如何に。ダメかな、やっぱり。

’08/07/20 (日)

22日間の盛夏


 梅雨明け以来、当地も連日猛暑である。17日には隣町京都府宮津市で36.4℃を記録、この日の国内最高気温となった。今日も朝からカンカン照り、オツトメでお墓参りをしたら、あまりの暑さに気が遠くなった。午前中でこの調子だから、午後2時頃ともなれば、はっきり言って殺人的猛暑である。

 それでも僕は、夏が好きだ。真っ青な空にギラギラ輝く太陽を見ていると、それだけで嬉しくなってしまうのである。ああ、夏なのだなあ。

 今年の近畿地方梅雨明けは7月16日と、近年になく早かった。2008年の立秋は8月7日だから、真夏を22日間も楽しめるわけだ。一昨年は9日間、昨年は14日間だった。ちょっと得したような気分なのである。

 夏が来れば、間もなくお盆である。がんばらねば。

’08/07/19 (土)

濾過能力


 0.045mmメッシュに濾し取られたところの「見ないほうがヨカッタ」、ゴミ塊である。成分(?)のほとんどは細かな糸くず、毛、粉塵のようなもので、それをレコパック液で練ったような、キショクの悪い物体である。ともかくもこれを見れば、友達カスタムメイド濾過器の濾過能力は一目瞭然だ。

 一度に濾過できる量は約250ml程度だから、480mlボトル1本分なら2回に分けて実施することになる。実際にやってみると1回目のゴミ含有率は低く、2回目になると俄然ゴミ量が増えるのである。

 考えてみれば当然の話である。大雑把に言えば、1回目はボトルの上半分、2回目はボトルの下半分を濾過するわけだ。液よりも重いゴミはボトルの下方へ沈殿しているから、底に近くなるほどゴミが増えるのである。

 実際、液を全部排出したボトルを口から覗いてみると、底にはゴミ(或いは汚れ)が薄黒く沈殿しているのが見える。うーむ。キボチ悪い。

 ゴミの混じったパック液が、レコード盤に悪さをするとは思えないし、実際にも悪影響は出ていない。しかし、精神衛生上は、よりクリーンなパック液のほうが良いに決まっている。

 極めて簡素な濾過器だが、効果は抜群。永く愛用させていただくのである。

’08/07/18 (金)

フィルタリング


 レコパックの話題は尽きることなし。今度は、リ・レコパック液の濾過に挑戦である。

 昨年10月、初めてリ・レコパックを作った時、僕は「この再利用液にはレコードから剥ぎ取ったホコリや汚れが多量に混入しているわけで、その分の濁りはどうしようもないのである。それをあまり深く考えると気色悪いからどんどん無視する」と書いた。その後、2回目3回目とパック液を再生するうち、さすがに「どんどん無視」できなくなってきたのである。液中はゴミだらけ、如何にガサツな僕でも、気色悪くなってきたのだった。

 これは何とかせんと遺憾。思いついたのは、濾過、である。液中のゴミを、濾し取ってやろうというわけだ。理屈はそうだが実際どうやる。天ぷら油よろしく、リードキッチンタオルで濾すか。

 このようなことを、レコパックもどき実験においてひとかたならぬ世話になっている友達に話したらば、あっという間に何とも快適な濾過器を作っておしまいになった。

 基本になっているのは、ケチャップやマスタードを入れて搾り出す容器である。写真でさかさまになっているのがそれ。もちろんそのままでは濾過器にならない。ステンレス製の細かなメッシュ(篩い)を円形に切り抜き、口金部分に仕込む。写真手前にあるのがそれだ。篩いの目は、0.15mm、0.07mm、0.045mmの3種が用意されていて、パック液の汚れグワイに応じて選べるようにしてある。

 粘度のある液体を濾過する時、問題になるのは通り難さ、である。何らかの方法で圧をかけねば充分に通らないわけだ。何やら大掛かりなふうにも思えるのだが、この濾過器はそこを最も単純明快な方法でクリアしている。「搾り出す」こと、である。

 早速に、ありがたく使わせていただいた。まずは0.07mmメッシュで濾しておき、そのあと0.045mmメッシュで再濾過する。完璧、とまでは行かないものの、濾過前にくらべると明らかに透明感が上がっているし、液中のゴミが激減しているのは、肉眼でもはっきり分かる。お見事である。簡便な濾過器だが、効果抜群。

 濾過後にメッシュを調べたら、見ないほうがヨカッタ、くらいのゴミ(糸くず、毛ゴミが最も多かった)がびっしりひっかかっていた。こんなモン、混入していないほうがヨイに決まっている。

 3回目再生液があと1,000mlあるから、それらも全部濾過し、いつでも気持ちよく使えるように、しておきたい。

 ありがとうございました。

’08/07/17 (木)

第三者の目


 先日、リ・レコパック発案者である友達に、レコパックもどきの試用を依頼したところ、そのレポートが届いた。これまでに何度も実験を重ねているとは言え、冷静な第三者の目で、しかも永くレコパックを愛用している友達から批評してもらうことは、大きな意味があると言える。

 レポートの概要は以下の通り。

 「塗布に関して、驚く程ムラなく均等に仕上がり、オリジナルレコパック液よりも塗り易い。剥し易さもオリジナル液よりやや上。パックの効果に関しても結果良好で、一発で殆どのパチパチノイズが消え去った。クリーニング効果はオリジナル液を上回ると思う。副作用等は全く感じられない」

 良い評価だと思う。ただ、未だ1回のみの試用に過ぎず、今後はオリジナルパック液、友達自作パック液などと比較し、改めて報告すると約束してくれた。

 実験を依頼した僕はと言うと、好評価に嬉しくなってしまって、写真の通りまたぞろ追加分を作り始めている。これが出来上がれば、レコパックもどきの備蓄分は3,000mlに達する。原材料にはまだ余裕があるし、最早充分な量と言えるだろう。「なくなったらどーしよー」という強迫観念に駆られていたのがウソみたい。おかげさまである。

 貴重なレポート、ありがとうございました。

’08/07/16 (水)

お役所仕事

 先月25日の話題にした「消防計画書」、ようやく本署の決済が下り、晴れて承認されるに至った。先ずはメデタシ、というところである。

 今日までの22日間に、訂正のための呼び出しが幾度かあった。当然そうなるだろうと思っていたから、別段驚きもしない。だが、検閲する側はその道のプロなのだから、訂正箇所の指摘くらい1回にまとめられんものかとも、思う。

 以前、代表役員の変更登記をした時も、同様の印象を持ったことがある。所轄法務局へ書類を提出、誤りを指摘され再提出、また指摘され再々提出、さらに指摘され再々々提出。そんなことを何度繰り返したか、最後にはもうイヤになってしまったことがあった。ようやくにして受諾された時は、嬉しかったなあ。

 イワユル一つの、お役所仕事、である。通常、このような手続きは司法書士に任せるものだと知りながら、つまらん意地を張ったことを後悔したのだった。ドシロウトが踏み込む領域では、なかったのだ。世間知らずとは、恥ずかしくも恐ろしいものである。

 消防計画の件を司法書士に依頼するわけには行かない。しかし、今回にしても変更登記にしても、自分でやればそこには必ず何かしら学習できる事柄があるわけで、手間と忍耐は必要だが決して無駄な作業ではなかった。と、僕は考えることにしている。

 お役所ってえのは、今も昔も融通の利かんところなのである。

’08/07/15 (火)

これも値上げ


 レコパックもどき作りに使うエタノールがなくなった。少しでも安く買える量販薬局へ行ったら、間の悪いことに休店日である。仕方がない。ので、個人経営の薬局で買った。そこでビックリ。値上げされているのである。

 500mlボトル税別1,500円が1,600円に。税込1,680円である。約6.7%の値上げということになる。量販店では税込1,390円、これが値上げされていなければ価格差は290円となって、存外馬鹿にできない額になる。

 昨今、正気の沙汰とは思えないほどの石油高騰である。エタノールも石油化学製品の仲間と考えれば、驚くに値しないことなのだ。ここ数ヶ月のガソリンや軽油、灯油値上げ幅を思えば、カワイイものとも言える。と、自分勝手に何となく納得してしまう馬鹿なエンドユーザーがいるから、遺憾のだろうな。

 明日、量販店での値段を確かめて来よう。

’08/07/14 (月)

ニイニイゼミとヒグラシと


 近畿地方の梅雨明けはもう少し先だというのに、連日猛暑が続いている。今日も暑かった。午後からのオツトメでは、あっという間に汗だくである。けれども、僕は暑いのが好きだから、まったく文句はございません。

 今年もニイニイゼミが鳴き始めた。桜の木の根元、その周辺の草むらには、ご覧の通り彼らの幼虫の殻が、いくつも脱ぎ捨ててある。アブラゼミとは違い、非常に低いところで脱皮するのである。殻が泥だらけなのも、ニイニイゼミの特徴である。

 朝早、この蝉とヒグラシとのインタープレイが聴けるようになれば、夏の到来は間近である。

 うれしいなあ。

’08/07/13 (日)

NAGAOKA No-102


 レコパックと同様、これも大昔から使っている。LP用静電気防止内袋「NAGAOKA スタットディスクファイル No-102」である。1パック50枚入り。常に切らさないように気をつけていたのだが、備蓄分の残量を見誤り、底をつかせてしまった。

 この内袋、レコパックと併用するにとてもグワイが良いのである。汚れ、埃のひどい中古盤をレコパックしたあとに元々の内袋へ戻すと、せっかくクリーニングした盤がまたぞろ汚れてしまうことが多い。そこで内袋をNo-102に交換するわけだ。きれいになった盤はきれいな内袋へ。

 とは言っても、埃を完全にシャットアウトすることは不可能である。「静電気防止」と銘打たれてはいるが、それとて完璧ではない。程度の差、或いは精神衛生上の問題、くらいのものである。その違いを大きいと思うか小さいと考えるか、そこは人それぞれだと思う。僕は、たいへん快適に、もう20年以上使い続けている。

 ちょっと面白いのは、パッケージ表記の変遷である。使い始めた1985年頃のパッケージには「静電気防止対策レコードスリーブ」とある。これが90年代に入ると「帯電防止LD用内袋」と変わり、現在はまた「帯電防止LP用内袋」という表記に戻っている。レコード用 → LD用 → LP用と、パッケージ表記に時代の流れを見ることができるのである。

 ちょこちょこ買い足すのもメンドウだし、それほど高価なものでもないから、今回は10パックまとめて買っておいた。LP500枚分である。

 これが底をつくのは、何年後になるのだろうか。

’08/07/12 (土)

懐疑への回答


 レコードクリーナー数あれど、レコパックは極めて優れたクリーニング方法だと思っている。もちろん、あくまでも個人的にそう考えているだけで、普遍的に優れている、とまでは言えない。物事すべて一長一短なのである。

 ある知人は、懐疑的にこう言った。「パック液が音溝の奥までちゃんと届いているのか」と。ある意味、尤もな疑問だと思う。パック液を塗布した盤面を肉眼で見ただけでは、正確な判断はできない。ただ、明らかに届いていない、というふうでもなく、僕は安心して使ってきたワケだが。

 というようなことを考えていたら、先般から多くのアドバイスをもらっている友達より、上のような画像が届いた。自作レコパックもどきの、剥離乾燥膜断面顕微鏡写真である。

 赤く見えるのは、標本を固定する台の色である。顕微鏡倍率は40倍、さらにそれを画像で3倍拡大してあるから、最終倍率は120倍になっている。三角形に出っ張っているのが音溝、平らな部分は溝と溝の間である。

 出っ張りの頂点が溝底である。大変きれいに尖っている。パック液が音溝の最深部まで充分に行き渡っているのである。このような画像にして示されれば、一目瞭然だ。

 だからレコパックは優れているのだ、というのは短絡的に過ぎると思う。ただ、僕がこれまでに試行してきた多くのクリーニング方法の中で、最も盤が美しくなり、最もノイズ低減効果が高かったのが、レコパックなのである。

 溶剤(エタノール)の盤への影響は無視できる程度、極めて軽微、とは言ってもブキミに感じられる方もいらっしゃるわけだから、積極的にお勧めはできない。然は然り乍ら、僕にとっては今のところ最高最良のクリーナーなのだ。

 貴重な画像のご提供、ありがとうございました。

’08/07/09 (水)

ベリーグッド


 昨日の続報である。日誌を書き終わったあと実施したレコパックもどきが乾燥した。いささかワクワクしながら、剥離してみたのである。

 結果はグッド。ベリーグッドと言ってもよい。音溝の底までガッチリ食い込んでいるように見えたベタベタの指紋は、見事に消えている。一発除去成功。予想以上の好結果である。剥離直後の黒く沈んだ艶やかな盤面は、レコパック(もどき)クリーニングならではのものだ。

 早速に聴いてみる。極めて静かである。キズによるポップノイズも、サーフェイスノイズも皆無に近く、楽音だけがくっきりと再生される。これなら「新盤同様」レベルを超え、まさに「新盤」そのものだ。未開封新盤でも、これよりノイズが多いものもある。こりゃ、いい。

 今回の実験で、最新型レコパックもどきの指紋除去効果は極めて高いことがわかった。その部分ではオリジナルパック液を上回っていると思う。もちろん、細かな埃に対するクリーニング効果、使い勝手(粘度、乾燥時間など)も、優りこそすれ劣らない。

 こういうモノが、オリジナルパック液の1/3に近い低費用で出来てしまうのは、偏に友達の綿密な実験観察の成果である。恥ずかしながら僕は、常に後追いしてきただけ。まったく以っておかげさま、なのである。ありがとうございます。

 今回の実験は、ヘタレな失敗、しませんでした。

’08/07/08 (火)

恰好の実験素材


 今日、海外ショップからLPが届いた。注文したのは先月28日、運送方法や送料の確認があり、実際に発送されたのが今月1日だから、1週間で到着したことになる。ごく普通の国際郵便としては、速いほうだと思う。

 純然たる中古盤である。カタログには「This is a Minty looking. Little Sign Of Play. 」とあった。「新盤同様、ほんの少し再生しただけ」というような意味だろう。状態は悪くなさそう、だが、こればかりは実物を見るまで安心できないのである。

 実際に検盤してみる。ジャケット状態は並程度である。肝心の盤は、まずまず新盤同様といって良く、傷はほとんどない。センターホール周囲の探り痕も皆無である。「Little Sign Of Play」は誇大広告ではなかったわけだ。

 但し、埃と汚れが少々目立つのだった。特に、B面の中ほどには、大きな指紋がべったりと貼り付いている。写真はその様子である。接写したとは言え、安物のデジカメでこれだけはっきり撮れるのだから、かなり強力な指紋なのである。様子からして、付いてから相当な時間が経っている感じ。

 これはある意味面白い。最新型レコパックもどきは、調合を工夫して指紋など油脂汚れの除去効果を改善した、つもり。強力にこびりついた指紋が除去できるや否や。

 このレコード、恰好の実験素材になりそうである。

’08/07/06 (日)

1KVA


 友達から、またまたいただき物である。一体ナンボほどお世話になるのか、恐縮しすぎてバクテリアほどに小さくなってしまうのだった。ありがとうございます。

 今回のお宝は、写真の通り大容量スライダックである。左は以前いただいた、容量0.5KVA(500W)のもの、右が今回いただいた容量1KVA(1000W)のスライダックである。

 前者は110mmφ×125mmH(ツマミ含)、3,520g。後者は140mmφ×130mmH(同)、5,480g。両者とも実測値である。数字から受ける印象以上に、1000Wタイプは大きくて重い。500Wタイプはちょっとカワイイけれど、1000Wのほうはやたらと迫力があるのだった。

 電動ドリルの回転をコントロールするだけなら、500Wで過不足なし。充分である。では、何故にここで1000Wなのか。実は、またぞろレコパックもどき実験に新テンカイあり。それを実行するには、容量1000Wが必要になるのである。

 やればやるほどネタが出てくるレコパックもどき実験、なのだった。

’08/07/03 (木)

おそらく、またやる

 上手く行った、グワイが良い、大成功、などと、景気の良い文言ばかりが並んでいる、ように見えるレコパックもどきの実験報告である。しかし実際にはその裏側で、恥ずかしくて他人様には言えないような失敗を、数々やらかしているのである。

 最近やった最も馬鹿げたしくじり。スライダックの使い方を誤り、かなり粘度が上がった状態のPVA洗濯糊+CMCにビーターを突っ込んだまま、容器を固定するのも忘れてイキナリ高速回転させてしまった。

 結果は察しがつくだろう。粘度が高くなっていた所為で、ビーターの回転に引っ張られて容器も一緒に高速回転、ドロドロの液体が辺り一面に飛び散ったのである。オノレの馬鹿さ加減に呆れて、思わずゲラゲラ笑ってしまいました。

 さらに恥ずかしい失敗。初めてスライダックを使おうとした時のことである。AC100Vにスライダックのプラグを挿し込み、スライダックのアウトレットにドリルのプラグを挿し込んで、準備完了。スライダックのダイヤルを回すもドリル動かず。さらに回すがヤッパリ動かない。

 うーむ。スライダックが悪いのか、ドリルが死んでいるのか。イヤ、ドリルは直接AC100Vに繋いだら動いたな。ならばスライダックか。もう一回同じことをやってみる。動かない。

 結果は察しがつくだろう。ナンボやっても動かんはずだ。ドリルの握りに付いているスイッチを、入れていなかったのである。僕はこれで2日間悩みました。原因(と言うほどのものですら、ない)が判明した時、思わず「アホか!」と独り叫んでしまいました。

 「失敗は成功の母」という。この言葉を広義解釈すれば、確かに僕の失敗も「成功の母」と言えなくも無い、かもしれんが、あまりにも次元が低すぎて、情けないことこの上なし。これに学習して、今後は馬鹿げたしくじりをしなく、なれば立派なのだが。

 たぶん、またやります。

’08/07/02 (水)

改良版ビーター


 レコパックもどき実験にあたり、多大なるアドバイスをもらっている友達から、実に良いものが届いた。よりよい攪拌が可能なように改良された、ビーター(攪拌棒)である。

 上の写真、右がハンドミキサー付属のもの、左が改良版である。最下部が切り離され、4枚の羽が独立している。さらに、1枚1枚にはヒネリが加えられ、回転方向に対して面積の広い面で攪拌されるように工夫されているのだった。

 論より証拠、というわけで、実際にこれで攪拌してみる。容器、パック液の組成、製作手順など、条件は従来とまったく同一である。

 実にグワイが良いのである。最も肝心な第一工程、PVA洗濯糊+CMCの攪拌で、特に差が出るのだった。改良前のビーターでは中心付近の流速が遅くなり、攪拌が不十分になることがあった。容器の底に溶解し切れないCMCのダマができるのである。改良ビーターではそれが皆無だ。羽が独立していて、しかもより幅広な面でカキ回すため、中心付近の流速が落ちない所為だろうと、思う。

 第一工程がこれほど上手く行けば、あとはまったく問題なし。アトフィスグルーを加え、最後にエタノールを添加して、全工程20分弱で400mlのパック液が完成する。

 出来上がったものは、これまでで最高の品質である。透明感、滑らかさが明らかに向上する。もちろん、肝心要のレコードクリーニング能力も素晴らしい。生産効率が上がったうえ、品質も向上する。事実上のコストダウンである。

 わずかな違いに見えて、実は深い知識と豊かな経験則に裏付けられた改良なのだ。僕などには、とても智慧が出ません。

 ご恵贈、ありがとうございます。

’08/07/01 (火)

命短かし


 2008年も、あっという間に後半へ入ってしまった。残り6ヶ月である。こんな調子で月日が過ぎて行けば、人生は如何にも短いと感じざるを得ない。今月、僕は47歳に、なるのである。

 その47歳のオッサンは、今日もオーディオに血の道を上げている。レコパックもどき実験の合間にもレコードを探し回り、先日は滅多に出ない珍しいブツを見つけて大喜びしたり。大変ケッコウでございます。気持ちだけは、20年前とちっとも変わらない。

 ただし体力は年相応、或いはそれ以下だから、困るのである。