箱船航海日誌 2008年05月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’08/05/31 (土)

モジャモジャ

 あっと気付けば5月も終わりである。明日からは6月、すでに梅雨の気配がしのびよっているような、今日の天候であった。

 ここのところ、毎日のようにムカデが出現して困っている。幸い、噛まれて大騒ぎ、には至っていないからよいものの、アレは何度見ても気持ちの良いものではない。僕は足の無い生き物は比較的ヘーキだが、ムカデやゲジゲジといったモジャモジャしたヤツは、大のニガテなのである。

 豊かな自然との共存も、なかなかにホネが折れるのだった。

’08/05/29 (木)

8年

 29日は長岡先生8回目のご命日である。ああ、もう8年も経ったのかと、思い出を懐かしんだり寂しく感じたりしている。

 2000年5月、稼動開始から6年半だった箱船も、今や14年半を迎える。長岡先生が本家方舟を運用された年数(13年)をすっかり超えてしまったわけである。上回ったのは時間だけ、最も肝心な音は、未だ及ばず。なかなかに大難である。

 最良の時期の方舟の音は、それはもう素晴らしいものだった。今でもあんな音は、容易に聴けるものではない。それはまさしく「長岡鉄男の音」であって、他の誰にも真似のできないものである。

 僕のようなモノ知らずが、それを超えるような音はもちろん、同等レベルの音を実現することすら、不可能である。けれども、自分なりの音を求めて行くことは、可能なはずだ。

 「方舟と同じ音を目指すオーディオなんか、ナンセンス以外の何物でもない」。先生がしばしば仰ったことである。自分の好む音を明確にし、その音を実現するために奮闘する。僕が長岡先生から学んだのは、そいうことだったのだと、今思う。

 前途は遼遠だが、僅かずつでも前進したい。

’08/05/26 (月)

実験順調


 アラビックヤマト+エタノール40%添加のレコパックもどきの乾燥剥離は、御覧の通りたいへんグワイ良く完了した。クリーニング効果も良好で、微細な塵埃はもちろん、指紋も綺麗に除去できる。やはり、エタノール濃度は40%程度が適当か。

 オーグルー+永久ノール(PVA洗濯糊)+エタノール25%添加タイプに比べて、明らかに乾燥時間が短縮される。形成される膜の強度は今回のもののほうが高く、剥離時の危機感が少ない。ひょっとしたら、オリジナルよりも強靭かもしれない。

 レコパックトラブルは、剥離中に起こることが多い。膜が裂ける、ちぎれる、盤面に残る、などのケースである。永く使ってきての印象だ。中途半端に膜が残ると、ほとんどのバヤイ一からパックのやり直しになるわけで、非常に厄介だ。膜がしっかりしている、それはヒジョーに良いことなのである。

 今のところ、アラビックヤマトレコパックもどきの問題点を、僕は見つけることができない。強いて言えば粘度の低さ、だが、これも致命的ではないと思う。今後必要であるのはやはり、長期的な観察、だろう。

 盤面への物理的ダメージ、カビの助長、などの問題は、今すぐ判明するものではない。時間をかけて観察せねばならない。ただ、永くレコパックを使ってきた者としては、おそらくグッドなのではないかという感触を、持っている。

 現状、レコパックもどき実験は、順調である。

’08/05/25 (日)

レコパックもどき続報


 レコパックもどき実験の続報である。先日はフエキ「オーグルー」を基材に使った。今回は、ヤマト株式会社の「アラビックヤマト」糊を使っての実験である。

 小さなボトルを複数買うと割高になって、ケチな僕としては面白くない。そこで、大容量補充用ボトルを買い込んだ。品番はE・NA-960。400ml入り、アスクルで買ったら730円だった。

 前回は、粘度が下がることを嫌ってエタノール濃度25%で実験した。オーグルーに比較すると、アラビックは元々の粘度がやや高く、今回はエタノール40%でやってみることにした。指紋除去効果の向上、乾燥固化時間短縮が期待できるはずである。

 実際に混ぜてみると、前回のものよりやや粘度が下がる感じである。オリジナルレコパックに比すると、かなりサラサラになる。オーグルーは無色透明、ほとんど無臭だが、アラビックは薄い琥珀色、独特の芳香がある。良いことか悪いことか、それはわからない。

 オリジナル液と同様、アプリケーターで盤面に展開する。粘度の低さが不グワイ(アプリケーターを満たしている最中にデロデロ流れ出してしまう)を引き起こすかと心配したが問題はなく、スムースに塗布できた。只今乾燥中である。剥離は明日になるだろう。

 ボトル裏面にある「使用上の注意」を読んだら、「接着以外に使用しないでください」とあった。レコパック、なんか完全に「接着以外の使用」であるわけで、オマケにエタノールを混ぜたりして、これでレコードに害があっても絶対にメーカーへケツを持ち込めない。だからこそ、何方にでもお薦めできるような実験では、ないわけである。

 洗ったネコを電子レンジで乾燥させたら焼け死んでしまった、メーカーは責任を取れ、とネジ込んだ御仁が居たとか居なかったとか。レコパックもどき実験がそれと同列に語れるほどの愚行ではないと思うけれども、ある程度のリスクを伴う行為であることは間違いないのである。

 個人的には、大いに楽しんでやっているのだが。

’08/05/24 (土)

ようこそ


 箱船の屋上軒下に、コシアカツバメが営巣している、という話題で日誌を書いたのは、もう7年も前である。その前年までは毎年営巣していたものが、2001年の初夏からは、まったくやってこなくなってしまった。何か気に入らないことがあったのか、しかしトックリ型の巣だけは7年間壊れもせずしっかり残っていて、スズメが再利用していたりしたわけだが。

 どういう風の吹き回しか、今日、再び営巣し始めていることに気がついた。入り口部分が少し壊れかけていた巣が、新しい土で補修されているのを発見したのである。しばらく観察していたら、一組のコシアカツバメご夫婦さんが、仲良く補修作業している。

 写真は、補修中の隣にある巣でお休み中(ひょっとしたら警戒中)の、これはたぶん♂、だろうと思う。この画像では分かりにくいけれども、シッポの上部、腰の辺りがオレンジ色、間違いなくコシアカツバメである。

 僕はとても嬉しくなってしまった。毎年初夏が来るたび残ったカラの巣を見上げ、何で来なくなっちゃったンだろうと、寂しく感じていたのである。古い巣を補修再利用してくれるのも、ヒジョーに嬉しいことだ。

 ツバメの寿命は3年〜16年、平均して7年くらいだそうだ。しかし、生後1年目の死亡率が約80%と非常に高く、全体的な平均寿命は1年半くらいと考えられているという。1固体を追跡観察した結果、15年11ヶ月生きた例も報告されていると聞いた。

 その伝でいけば、今年飛来したツバメが2000年に営巣したツバメと同一個体、である可能性は極めて低いが、皆無ではないと言える。或いは同じ血統の2世代目、3世代目であることも考えられなくもない。もしそうだとしたら、この場所を覚えていたことになるわけで、それを思うとなおさらにいとおしくなるのだった。

 営巣してみたものの居心地が悪く、飛び去ってしまうこともあるそうだ。何とか子育て完了まで居ついて欲しいものだと、僕は願っている。

 ようこそいらっしゃいました。大歓迎です。

’08/05/23 (金)

初出、でした


 ATRIUM MUSICAE DE MADRID / GREGORIO PANIAGUAのAD(或いはCD)は、これまでに何度か紹介したことがある。「古代ギリシャ」「タランチュール・タランチューレ」「アラブ・アンダルシアの音楽」「ラ・スパーニャ」などがそれである。

 上の写真に見えるタイトルも過去に紹介したはず、というのは僕の思い違い。今回が初出である。「VILLANCICOS」(仏harmonia mundi HM1025)。(P)1980。「VILLANCICOS」とは、田舎歌、田園歌のこと。15〜16世紀、スペインの田園歌作品集である。

 このADの録音は極めて優秀。尤も、アトリウム・ムジケの録音はほとんどが優秀であるから、珍しくもないわけだ。そうでありながら「古代ギリシャ」同様、外盤A級セレクションには収録されていない。アトリウム・ムジケだらけになるのを避けての措置だろう。

 長岡先生の紹介記事としては、別冊FMfan37号(1983年春号)誌上「長岡鉄男の外盤ジャーナル」に初出である。曰く、

 「一聴してパニアグアとわかる独特のサウンドだ。fレンジ、Dレンジ広大、情報量大、高分解能、立ち上がり、余韻、ホールエコー、ツヤ、厚み、力感、何をとっても最高。音像はリアルの極致、音場は三次元的に無限。今回のNo.1」

 ベタ褒めである。今、改めて現用システムで聴くと、その優秀さを殊更に感じるのであった。もの凄くいい音。個人的には、数あるアトリウム・ムジケのレコード中、「古代ギリシャ」をも抑えて最高ではないかと思っている。久しぶりに聴いて、大いに感激したのだった。

 CDも出ていて、それも優秀だが、残念ながらADには及ばない。

’08/05/22 (木)

実験続行


 次の実験では、フエキ「オーグルー」とは違ったメーカーの糊を使おうと考えている。これまた僕が見つけたものではなくて、友達から教えてもらったものである。何から何までオンブにダッコ、僕はただ後追いするだけのラクチン実験である。友達には、心から感謝している。ありがとうございます。

 今、その糊の到着を待っているところ。たぶん月曜日くらいには届くはずだ。その間、「オーグルー」パック3回目を実施。指紋除去のグワイを観察してみた。

 エタノール濃度25%では、やはり最低3回は必要、という感じである。指紋はほぼ除去できている。しかし、付いてから時間が経った固着型指紋については、3回でもNGだった。乾燥時間が長くなるのも、エタノール濃度が低い所為ではないかと思う。濃度を上げる必要がありそうだ。

 オーディオファンの中には、レコード盤にエタノール(アルコール)を含んだ液体をぶちまけることに大きな疑問を持たれるムキもあろうかと存ずる。そういう危惧をお持ちの方には、このクリーニング方式は絶対に薦められない。およしになったほうがよいと思う。

 但し、レコパックを使い始めて20数年、僕の個人的な経験の中で、パック液に含まれるアルコールがレコードに害を為したと明らかに認められる事例は、皆無である。1986年、初めてレコパックしたレコードは、今も新盤同様美しい状態にある。

 尤も、長期的にも問題なしと認められるのは、オリジナルレコパックのみであって、現在実験中のものについては全くの未知である。だから尚更にお薦めできないわけだ。あくまでも「実験」なのである。

 なお、このパック液を「顔面パック」に使ってはイケマセン。もし、使って皮膚に不グワイが生じても、当局は一切関知しないからそのつもりで。この日誌は、自動的に消滅、しない。

 糊の種類を違えた実験結果も、追って報告したい。

’08/05/21 (水)

正体はPVA


 レコパック代替品の乾燥剥離は、ヒジョーに上手くいった。特に剥がれ難いことも、途中でちぎれることもなく。初期実験としては大成功と言ってよいと思う。して、最も重要なクリーニング効果はどうか。実際に聴いてみるのが一番である。

 お見事。予め付いていたキズによるノイズは如何ともし難いけれども、汚れに伴うノイズは、激減している。今のところ、盤面にダメージを与えている様子もない。これなら、クリーナーとして立派に実用できるレベルである。

 この「化学製品」の正体は、上の写真に見える如くである。液体のり、と、合成洗濯のり、である。今回使ったのは、フエキ(不易糊工業株式会社)の「オーグルー」と、株式会社永久糊の「永久ノール」というものだ。

 主成分は、どちらもPVA(ポリヴィニールアルコール)という物質で、まさにこれがナガオカオリジナルレコパックの主成分、でもあるのだった。などと、知ったようなことを書いているが、すべて友達から教えてもらったこと。受け売りである。僕はまったく知りませんでした。

 これらをそのままパック液に使う、には無理がある。オーグルーは粘度が高すぎ、逆に永久ノールは粘度が低すぎる。よって、昨日書いたように「調合」が必要になるわけだ。

 先ずはオーグルー、永久ノール、無水エタノールを、6:1.5:2.5の割合で混合撹拌する。比率を決定するに明確な根拠は、ない。グワイの良さそうな粘度を探りながら混ぜたらこうなった、というだけである。できればエタノールの含有率をもう少し上げたい(リ・レコパックでは約40%混合)のだが、粘度が低くなりすぎ、これ以上は無理だった。

 出来上がったPVAパック液は、美しく透き通った無色透明の液体である。オリジナルよりもややユルいけれども、実用に問題はなかった。エタノール濃度がやや低い所為か、指紋除去効果はイマイチである。ただ、複数回のパックを行えば除去可能、という感触はある。できれば今後は、粘度を下げずエタノール濃度を上げる工夫をしたい。乾燥時間は、オリジナルよりも永い感じ。これもさほどの問題にはならないだろう。

 初期実験は大成功。だが、誰にでも薦められるものでもないとも、思う。如何に主成分が同じもの、と言っても、接着用糊、洗濯用糊にレコードを害する成分の含有が皆無である証拠は、ない。仮に無害だとしても、何らかの添加物が含まれていると考えるべきである。レコードへのダメージが長期的にも無い、という保証はできないのだ。

 この記事をお読みになって、自分も実験してみようとおっしゃる方は、自己責任でお願いしたい。悪い結果が出たとしても、残念ながら僕は一切責任を負えない。

 さて僕は、次の実験に進もうと考えている。

’08/05/20 (火)

実験開始


 早速実験開始である。近くのホームセンターで、レコパック代替品となる「化学製品」を買い込み、例によって超音波洗浄機の洗浄槽でグリグリと調合する。代替品と言っても、そのままでは使いにくさがあるから、実用にあたっては少々の工夫が必要になるのだった。

 オリジナルパック液よりも、ややゆるめ(粘度が低い)にはなったものの、実用に問題はない。ただ、これ以上ゆるくなると、たぶんグワイが悪いと思う。写真は盤面に塗布したところ。パック液の質感は、オリジナルとほぼ同等。あとは乾燥剥離がうまく行くかどうか、である。

 仮に首尾よく剥離できたとして、最も重要なのはクリーニング効果の程、である。乾式ベルベットクリーナーでも取れるような微細な糸くずや埃に関しては、言うまでもなく充分な効果があるだろう。問題は、油脂分除去効果である。

 厄介なのは、指紋である。中古レコードには、べったりとフィンガープリンティング(正に!)されているLPが、少なからずある。この汚れ、ベルベットでは全く歯が立たない。却って油脂分を塗り広げ、被害部分を拡大させるだけである。

 オリジナルレコパックは、新しい(付いてからさほど時間が経っていない)指紋であれば除去できる。時間が経って固着してしまった指紋には効果が落ちる、けれども、何度か繰り返しパックすれば、それもほぼ取り去ることができるのである。

 その効果を見るため、実験に具した盤には意識的にベタベタと指紋を付けた。レコードには気の毒だが、実験には犠牲がつきもの、ということにしておくのである。元々、どうやったらこんなにキズだらけになるのか、と首を捻るくらいの激安中古盤なのである。

 問題がないことを確認できたのち、「化学製品」の正体を報告したい。

’08/05/19 (月)

朗報


 新しいものが入手不可能なレコパック、それに困ってリ・レコパックなる裏技でしのいでいる現状を、一気に打破できるかもしれない、という朗報である。

 電気、化学の専門知識に大変明るい知人から、上のような写真が届いた。まさしく、レコパック剥離の瞬間である。これはナガオカの「レコパック」ではなくて、ある化学製品を代替品として実験されたものだ。

 「化学製品」というと何だか大仰だけれども、何処でも誰でも入手可能な、ごく身近で一般的な製品である。今のところ、それがナニかは書けない。勿体を付けるわけではなくて、僕自身が実験したものではないからである。後日、実際にやってみて、うまく行ったら正体を明かしたいと思う。木工用ボンド、の類ではないから念のため。

 それにしても思うのは、知識を持つことの大切さ、である。レコパックの正体を原材料物質として理解し、その物質の他用途を知る。さすれば代替品を探し出すことも充分可能になるわけだ。僕には到底不可能なことである。

 貴重な情報のご報告、本当にありがとうございます。

’08/05/18 (日)

何やら不穏

 今日はとても暑い日であった。冬物の衣でオツトメに出かけたら、大汗をかいてしまった。やはり夏物へ、文字通り「衣替え」しなければ遺憾ようだ。

 と思ったら、明日からは天候急変、大雨になって気温が急低下するという。なんだかもう、よくワカリマセン。この季節、寒暖の差が大きくなるのが通常とはいえ、今年は特に高低差が大きいように思われて仕方がない。村一番のビッグファーマーも「何か変だ」と言う。

 ミャンマーや中国での天災が、対岸の火事とは思えない。

’08/05/17 (土)

能率低い

 早く寝なければ遺憾、と思いながら、一日の残務整理や明日の準備、などに追われ、気がつけば午前零時を過ぎている。コレは忙しいのではなくて、単に僕の段取りの悪さ、仕事能率の低さに原因があるのである。どもならん。

 明日こそはもっと高効率に、と、昨日も思ったなあ。

’08/05/16 (金)

アヴァンギャルド、ですから


 このレコードも、最近入手できたものである。国内レコードショップの通販webページ上で発見した。珍しいことである。しかもファクトリー・シールド盤、となれば、さらに稀有のことだと思う。それだけに少々高めの価格設定だったけれども、メンタマが飛び出すほど、でもなかった。僕としては大喜びである。

 「アヴァンギャルドのブロックフレーテ音楽」(独TELEFUNKEN 6.42521)である。(P)1980。外盤A級セレクション第1集71番収録。演奏は、6人のリコーダー奏者で結成された「ウィーン・ブロックフレーテ・アンサンブル」によるものである。

 「アヴァンギャルド(avant-garde)」、つまり「前衛」と銘打ってあるとおり、リコーダー音楽としてはかなりとっつきにくい曲ばかりである。音楽的に楽しめるかと問われると、答えに窮するのである。但し、録音は優秀でオーディオ的にとても面白い。システムの能力を測るに好適、みたいなキビシイ音も出てくるのである。

 斯かる如くの聴き方をするから、「オマエは音楽聴かずに音だけ聴いている野蛮人」なるお叱りを頂戴するわけである。まあしかし、オーディオの楽しみ方は人それぞれ、十人十色千差万別だから、ヨロシイんじゃあないでしょうか。

 ちゅうわけでこのレコード、サウンドマニアには特薦、音楽ファンには特不薦。

’08/05/15 (木)

カラダに悪い

 最近、本当に「宵っ張り」できなくなったように感じている。ちょっと夜更かしすると、翌日が辛くて辛くて。体調を悪くする大きな原因に、なってしまうようだ。20、30代のように「俺は夜型だから」なんてえエラそうなことは、もう言えないのである。

 今後は、この日誌もできるだけ早い時間に更新しようと思う。考えてみれば、書き始めたのは39歳になったばかりの頃だったわけで、四捨五入すれば50歳の今とは、体力がチガウのである。

 最近思います。人生は、短いものだと。

’08/05/14 (水)

ロックとクラシック


 僕がクラシック音楽を頻繁に聴くようになったのは、長岡先生と出会ってからのこと、だから、多寡だか20年くらいである。それまでは、ここにも書いたとおりのロック小僧であったわけだ。「クラシック音楽なんて辛気臭いモン、聴いてられるか」などとウソブいていたのである。

 ロックとクラシック、音楽的芸術的にどっちが優れているのか。きっと、ロックファンはロックだと言い、クラシックファンはクラシックだと言うだろう。歴史の波に洗われて尚、今に伝えられている音楽を以って「クラシック」と称するのであってみれば、やはり軍配はクラシックに上がる、ような気もするが、まあこの辺りは諸論あるだろうから僕としては黙っておくのである。

 オーディオ的観点からすると、これはもう勝負が見えている。クラシックの圧勝である。四六時中大音量でガンガンバンバンやってるロックに、広大なDレンジなど求めるべくもない。優秀録音盤が皆無、というわけではない。しかし、仮にそうであったとしても、やはりオーディオ的には大味、と言わざるを得ないようなモノが多数を占めている。

 その点、優秀録音盤で聴くクラシックは実に面白い。消え入るようなpppから怒涛のfffまで広大なDレンジ、広く深く高い音場感、オーケストラを包む空気感など、聴き所は多い。

 上の写真は、友達の厚意により最近入手できたA級盤LPである。「マーラー / 交響曲第3番 / ズービン・メータ指揮/ LAPO」(独DECCA 6.48127)。(P)1979。2枚組である。外盤A級セレクション第1集50番に収録されている。

 このAD、ちょっとほかでは聴けない音である。厚み、馬力、重量感が凄い。どれくらい凄いかと言うと、冒頭のティンパニ強打で座っている椅子が後方へ動いた、ような錯覚を起こさせるほど、なのだ。本当に動いたのかもしれない。音の塊がウナリをあげてぶっ飛んでくる。管楽器もぶ厚く豊かで、しかも輝かしく切れ味抜群。fffでも混濁しない。まさにオーディオ的快感、である。

 素晴らしいレコードである。実はマーラーがニガテ(あの重厚長大さが、クルシイ)だったりする僕が全編すっかり聴けてしまって、自分でも驚いているほどなのである。

 ロックは大好きだが、こういう快感は、得られない。

’08/05/13 (火)

恵まれて

 3日間のご無沙汰でございました。いろんなコトが重なってしまって、慌しい週末〜週始であった。けれども体調は悪くないし、元気にオツトメできることを感謝せねばならないのである。

 明日からは少しばかり時間に余裕ができる予定、になっている。聴きたい(話題に具したい)ADが幾枚かあるから、明晩は「レコードの夕べ」にしたいところである。

 いつでも聴ける、時にはちっとも聴かず、なかなか聴けない、となるとやたら聴きたくなる。妙なものである。蓋し、それだけ僕は恵まれたオーディオ環境にあるということなのだ。

 全く以っておかげさま。ありがたいことである。

’08/05/09 (金)

読めない

 今週末は比較的時間に余裕がある、ので、日誌更新の遅れも取り戻せるはず。と読んでいたのが大違い。急に慌しくなってしまった。新しく入手したA級盤も話題にしたかったのだが、クリーニングすらできていないのだった。

 というワケで、今夜はこれにて失礼致します。

’08/05/08 (木)

或る日突然


 永い間聴かずにいて、しかし或る日突然聴きたくなるタイトル。誰にでもあるものなのだろうか。今日紹介するのは、そーゆーCDである。

 「細野晴臣 / 紫式部 / 源氏物語」(日EPIC/SONY 32・8H-148)である。(C)(P)1987。僕が買ったのは1989年10月4日、それからでも既に19年近く経っている。古いCDだ。杉井ギサブロー監督の同名アニメ映画のサウンドトラック盤である。

 実はこのCD、以前にも一度紹介したことがある。2000年12月18日の日誌に載せているのである。それから8年弱、以来ほとんど聴いていないような気がする。何故に突然聴きたくなったのか、よくワカリマセン。

 久しぶりに聴いて、その優秀さにちょっと驚いてしまった。音も優秀だが、音場感は特にスゴイ。冒頭の一音が出た瞬間、部屋中音だらけ。360度、音に囲まれてしまう感じは、実に快感である。前後上下左右、縦横無尽に音が飛び交う様は圧巻。正に三次元音場である。非常に面白いCDだ。一気に全曲聴いてしまった。

 残念ながら現在は廃盤状態である。再発盤も出てはいないようだ。中古盤なら買えそうな様子だが、何故か高価である。細野マニア間でレア物扱いになっているのかもしれない。

 是非とも再発して欲しいタイトルである。

’08/05/07 (水)

小遠足


 連休最終日の6日は、予報どおり素晴らしい好天であった。湿度も低く、まさに「風薫る五月晴れ」である。

 午後から少しく暇あり、ふと思い立って愚妻と久美浜町の「丹後ジャージー牧場」まで出かけてきた。前回は2006年7月だったから、ずいぶんなご無沙汰である。

 連休中のこと、人が多いかと思いきや、さほどではない。最終日、ということもあったのだろう。牧場内をクルリと一巡りしてジャージー牛さんのご尊顔を拝し、マッタリと美味しいソフトクリームを食べ、愚息クエストのアイスクリームを買って帰途につく。

 片道30分ほどの小遠足だったが、何だかとても楽しかった。

’08/05/06 (火)

仕舞えない

 真夏のような陽気だった4日に比べ、5日は朝からドンヨリ曇って気温も急降下である。雨になった午後からの冷え込みは激しくて、夕方5時には15℃まで下がってしまった。1日の違いで−16℃、過渡特性の悪い僕にはヒジョーに堪えるのである。カラダがついて行きません。

 これだから、暖房器具をなかなか仕舞えないでいる。特に、断熱性ほとんどゼロ、の母屋居間には、まだコタツががんばっている。最早冬の遺物、という感が強いわけだが。

 連休最終日の6日は、好天になりそうである。お休み中、お出かけしていらっしゃった皆さん、Uターンお疲れ様です。

 くれぐれも、お気をつけられて。

’08/05/05 (月)

食糧事情

 「柱のきずはおととしの / 五月五日のせいくらべ」。

 5日は端午の節句、「こどもの日」である。幼少の頃は毎年この日を楽しみにしていた愚息ドモも、今やブアイソになってしまって、クラブに補習にと忙しくしている。大変ケッコウなことでございます。

 せいくらべ、と言えば、愚息1号の身長は既に僕のそれを大きく上回り、2号は間もなく追いつこうとしている。なんだかちょっとフシギな感じもするのだった。

 僕も愚妻も、日本人男女平均身長を下回っている。小型なのである。その遺伝子からして、愚息ドモも小型になるものだと決めてかかっていたわけだ。ところがさに非ず。愚妻などは数年前にアッサリと抜き去られ、今や僕も風前の灯火、である。

 親芋痩せる、子芋は太る。僕などは高度成長時代と歩を合わせるが如くに育ってきた人間(昭和36年、1961生まれです)だから、食糧事情は決して悪くなかったはずだ。そういう親以上の体格を有するに至る。食糧事情がさらに良くなっていることの証左か。尤も、それだけが原因ではないのだろうケレドモ。

 だがしかし、こんな飽食の時代が未来永劫続くのだろうかと、少々心配にも、なるのである。食糧自給率は年々下がり続けている。こんな調子で、将来他国とコトを構えるような事態になったら、あっという間に国民総飢餓、なんてえことになりゃせんか。ちょっと怖いのである。

 現代ニッポン、現状にのうのうと胡坐を掻いていてよいのか。

’08/05/04 (日)

ややこしや

 今日も終日オツトメ専一。これ以上はない、というくらいの好天である。最高気温31℃。午前中は冬物、午後は夏物と、衣、袈裟を着替えるにも忙しい一日であった。冬大嫌い、夏大好きの僕としては、文句のあろうはずはない。大喜びである。

 恰も真夏がやってきたような陽気だったが、このまま夏になる、ワケはないのである。きっとファンヒーターが恋しくなるような日が、この先夏までに必ずある。夜昼の寒暖差が最も大きくなるのは、この時期なのである。風邪、惹きやすいです。

 皆さん、くれぐれもご自愛ください。

’08/05/03 (土)

天橋立


 オツトメに付随するお斎で、天橋立まで出かけてきた。灯台下暗し、と言うべきか、車で15分程度の近距離でありながら、僕は滅多に行かない。

 久しぶりに連休中に行ってみて驚いた。北近畿タンゴ鉄道(第三セクター方式の私鉄線、元は国鉄宮津線)天橋立駅前周辺は、たいそうな人出である。数ヵ所ある駐車場はどこも満車状態、狭い道路の脇は歩行者で埋まっている。

 腐っても鯛(失敬!)、さすが日本三景の一だと、妙なふうに感心してしまった。やっぱり橋立は、観光地なのだなあ、と。

 連休が終われば、潮が引くように閑散としてしまうのだが。

’08/05/02 (金)

連休突入

 ゴールデンウイーク、である。連休中の天候は比較的安定しているようで、絶好のお出かけ日和に、なりそうなグワイである。何処へ行っても大混雑は必至である。

 僕はというと、連日オツトメ専一に、なる予定。お出かけ日和=仏事日和でもあるわけだ。尤も、これは毎年のことであって、おかげさまで僕は連休の大混雑というものを、体験したことがない。元々出不精で人の多い場所はニガテだから、これでいいのだ。

 先日、オツトメで出かけた兵庫県姫路市では「第25回全国菓子大博覧会・兵庫」が開催されている。会場の近くに住む友達に聞いたら、開会以来大変な盛況であるという。1日6万人くらいの人出だそうだ。これが連休となれば、もうとんでもないことに、なるのだろう。

 クワバラクワバラ。

’08/05/01 (木)

新緑


 薫風南より来る。桜は、遅咲きの八重もほとんど散ってしまった。気温は夏日並みにまで上がり、早くも初夏の様相を呈し始めた5月である。

 花が終われば、次は新緑である。箱船脇の柿の古木も、大喜びで若葉を繁らせ始めている。カエルがケロと鳴き、ツバメが玄関にやってくる。

 やっぱり、この季節は、大好きだ。