箱船航海日誌 2008年02月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’08/02/26 (火)

あるところには、ある

 昨日に続いて「宝探し」の話題である。

 これまではショップのカタログに名前を見つけることすら難しかったレコードレーベルが、かなりの確率でヒットするのが面白くて、検索を止められずにいる。

 中でも嬉しかったのは、イスラエルのレーベル「JERUSALEM RECORDS」のLPが見つかったことである。尤も、今のところは「見つかった」だけであって、正しく入手できるかどうかは不明である。結果が判明するまでには、もう少し時間がかかりそうなグワイだ。

 他にも、蘭KEY TONE、仏INA/GRM、独THOROFON、MD+G、SOUND STAR TON、瑞JECKLIN、等々、何だかワクワクするようなレーベルが次々にヒットするのは痛快である。

 あるところには、あるンだなあ。

’08/02/25 (月)

宝探し

 先日、あるレコードを検索していてちょっと面白いwebショップを発見した。たぶん、検索上手な人なら既知だろうと思う。僕の探索ではこれまでに全くヒットしたことがなかった。キーワードは大切です。

 入手が難しい欧州レーベル盤などがざくざく出てくる。買う買わないは別にして、見ているだけでも充分楽しめるのである。

 なかなか見つけにくい仏ASTREEも、それなりの数がある。ただし、高価である。高値を呼んでいるのは日本だけのことかと思っていたら、本国お膝元フランスのショップでも決して安くはないのだった。永く付き合いのある神戸のショップでASTREEを買うと、一枚平均5,000円くらい。高いなあ、と思うのはマチガイだったのである。ご店主さん曰く「ASTREEはもともとのプレス数が少なかったンじゃないかな。そこへ持ってきて内容が濃いから、人気ありますね」と。

 ホイホイと買えるものではないしても、今も市場にそういうものが流通していることを、喜ぶべきだと、思う。高価だろうが何だろうが、あればいつかは入手できるのだから。

 宝探しのようなもので、実に楽しいのである。

’08/02/24 (日)

美徳と愚行


 相変わらず、手に入れた中古盤のオソウジにはレコパックを頻用している。最近買ったものには汚れの酷いレコードが多く、特に消費が激しいのである。御覧の通り、剥がした皮がずいぶんと溜まってしまった。

 以前は不燃ゴミとして打ち捨てていたこの皮、エラく勿体無いことをしたと大いに後悔している。今では価値あるリサイクル資源なのだ。そう、リ・レコパックの素となるのである。

 精製水、無水アルコールはまだたっぷりとある。写真に見える分量の皮があれば、ボトル1本分(480cc)くらいにはなるかもしれない。ずいぶんといい加減なのである。

 ただし、デメリットもある。喜んでリ・レコパックばかり使い、正規品を後生大事に取っておくと、ボトルの中で半ば固化して使えなくなってしまう恐れがある。モノを大切にするのは美徳だが、それも度が過ぎると愚行である。

 生かすも殺すも、ユーザー次第。

’08/02/23 (土)

日仏比較


 21日に載せた「Sylvio Gualda / PERCUSSION Vol.2」、レコパックのクリーニングが済んだので、日盤仏盤を聴き比べてみた。

 全編優秀録音、だが、僕は個人的にB面の方が好きなので、上のスペアナ写真もB面全曲を通して採ったものである。左が日盤、右が仏盤になる。

 低域と高域に違いが見られる。日盤は仏盤に比べ160Hz以下、12.5kHz以上で3〜5dB程度レベルが高い。F特としては日盤のほうがレンジが広い、ように見えるわけだが。

 聴感もその通りになるかと言えば、そうでもないから面白い。むしろ逆に聴こえるのである。透明感、浸透力、伸び、力感、生々しさ、厚み、実在感など、多くの点で仏盤が上回っている。日盤だけを聴く限りにおいては特に問題ない音なのだが、仏盤と比較してしまうと、どこか作為のある音のように感じられるのだった。

 極めて豊かで立体的な音場感が構築されるのも、このレコードの特長である。その点においても仏盤に一日の長がある。日盤は、音像に曖昧な部分があり、音場もやや平面的になる。前後左右が圧縮されたような感じ、と言えば分かりやすいかもしれない。

 なぜこうなるのか、僕には分からないし、どちらが正しいのかも、分からない。ただ、箱船の再生環境ではこうなった、というだけの話である。普遍性は、ないかもしれないし、あるかもしれない。極めていい加減なことで申しわけないのだが、知識浅薄な一介のエンドユーザーとして言えることは、これくらいのことなのだ。

 とまれ、箱船では仏盤の勝ち。環境が変われば、結果もまた違ってくるだろう。

’08/02/22 (金)

僕のVIR


 オーディオファンには、おのおの愛聴盤というものがあると思う。1日1回、とまでは行かずとも、月に1回くらいは必ず聴きたくなるようなソフト。或いは、装置のどこかに手を入れたとき、必ず一番に再生してみるようなソフト、である。

 僕にとって最もの愛聴盤は、写真のADである。過去の日誌に幾度も登場した、米M&K REALTIMEレーベルのオルガンD2D「The Power and The Glory Vol.1, Vol.2」(RT-114、113)だ。

 オーディオ的には長岡先生の特薦盤になっているVol.1のほうが面白いと思うが、僕としてはVol.2のほうが好きである。特にB面は曲、演奏、録音、すべて素晴らしく、何度聴いても飽きることがない。

 ネットを始める前までは極めて入手困難で、永く手に入れることができなかった。2001年3月、げんきまじんさんのお宅で聴かせていただいたのが初めてである。1回聴いただけですっかり虜になってしまった。

 実物が手に入ったのはそれから4ヵ月後のことである。自分で発見して買ったのではない、友達が海外で見つけたものを、厚意で贈ってくれたのだった。この時の嬉しさは、一生忘れない。

 それから既に7年。今、手元には複数枚のVol.2がある。ネットの恩恵によって、チクチク集めたものである。このレコードだけは、同じものが10枚あっても良いくらいに思っている。それほどに好きなのだ。

 疲れてグッタリしている時も、このレコードを聴くとたちまちシアワセな気持ちになれるし、装置の変更にも敏感で、結果の良し悪しが明確に分かる。僕にとっては、多くの意味で極めて重要なレコードなのである。

 「VIP」ならぬ、「VIR」である。

’08/02/21 (木)

レコードの里帰り


 じっくり腰を据えてオーディオする時間がなくとも、レコード探索は続けている。そんなことやってるヒマがあるのなら、レコード聴け、っちゅう話でもあるわけだが。聴くのと探すのと、どっちが趣味だかワケがワカランのである。

 先日、とある在米ショップで、ちょっと珍しいレコードを発見した。写真のタイトルである。「Sylvio Gualda / PERCUSSION Vol.2」(仏ERATO STU-71106)。これはなかなかの入手困難盤で、あってもかなり高価なことが多い。優秀録音であることを、みーんな知ってるンだな。

 それがどうしたことか、かなり低い値が付いている。これは買いだっ、と条件反射的に注文した。までは良かった。それから2週間、到着した現物を確認したら、なんと日本盤だったのである。ジャケット裏表紙にはちゃんと「発売元:RVC株式会社 ¥2,500」と印刷してあり、高城重躬氏による日本語解説も付いている。うーむ。何だかとても複雑微妙な気分に、なってしまったのだった。

 ショップのカタログには「JAPANESE PRESSING」と書いてあったに違いない。功を焦った僕が、それを見落としたのだ。

 まあ、ヨロシイ。これはこれで価値がある。仏盤も持っているから、両者を聴き比べるのも、また面白いのである。

 発売から30年経っての里帰り。レコードさんも感無量だろう。

’08/02/20 (水)

幸せな時間


 初めて鳴らしてから10ヶ月が経ち、今、FE208ES-Rはヒジョーに好調である。当初気になっていた高域のツッパリ感はすっかり消え、永く使った208ESに少しも劣らないしなやかで瑞々しい音が聴けるようになってきたのである。やや力感不足、と思われた低域も、力強さがぐんと増してきた。

 分解能の高さと歪み感の少なさ、情報量の多さは、使い始めから特に目立った美点だったわけだが、それにもさらに磨きがかかってきたように聴いている。切れが良く透明感抜群。音がとても清澄で、聴いていて清々しい気持ちなる。まだ充分とは言えない1年足らずの鳴らし込みでここまで良くなるのならば、FE208ES-Rの前途は洋々である。ヨカッタヨカッタ。

 斯かる変わり様は、ユニットのエージングだけによるものではない、とも思う。エンクロージャーのこなれグワイも含めて、いよいよスーパーネッシーMkIIは「スピーカーシステム」に成りつつあるのだろう。ユニット、箱とも、1年という時間はやはり一つの節目になるのである。

 1日のうちで、音楽を聴ける時間は決して長くない。けれども、その時間は僕にとって極めて大切で、極めて幸せなものだ。為すべきことを為し、ちょっと疲れて夜、音楽を聴く。

 オーディオは、いいなあと、心の底から思う時。

’08/02/19 (火)

リカバリ

 2003年5月に買った母屋のPC、半年ほど前から動きがヒジョーに不穏になり始めていた。それでもだましだまし使ってきたのだが、とうとう全く起動しなくなってしまった。「リカバリが必要です」というエラーメッセージが出たまま、ウンともスンとも言わない。

 僕が母屋のPCを使うことはほとんどないから、ぶっ壊れても実害はない。困るのは、愚妻と愚息ドモである。「直せ直せ」と矢の催促。このPC音痴のオヤジを捕まえてナニを言うのだと、文句を言いながらマニュアル首っ引きで再インストールに挑んだのだった。

 丸一日かかってしまった。OS、アプリケーションの再インストールそのものは、思ったよりも早く済んだ。手間取ったのは、OSのアップデートである。リカバリCD-ROMに入っているのは買った当時ヴァージョンのOSであるわけだから、5年分の更新プログラムを一日でダウンロードしインストールしなければならない。イヤ、参りました。

 途中、何度かワケのワカランことになりながらも、どうやら無事に終えることができた、ような気がする。今のところは再インストール以前のような不穏さは見られない、と、愚息は言うております。ひとまずは、ヨカッタヨカッタ。

 しかし、これで全てOK、というわけでもないのだろう。PCに詳しい人に拠れば、HDDそのものが劣化している可能性が大で、こうなると不治の病、またすぐに不グワイを起こすという。近い将来には、新調必至になると思う。

 てなことを言っているうちに、愚息ドモはこの家を出て行くンだケレドモ。

’08/02/18 (月)

関心


 今月の日誌はドラムや雪の話題ばかりで、たまには(!)オーディオの話題も書かねば遺憾のである。戯言の羅列、とは言え、一応はオーディオ系のwebページなのである。

 毎週火曜日の22:00〜22:45、NHKで放送されている「プロフェッショナル / 仕事の流儀」を見ていたら、音楽プロデューサー武部聡志氏が紹介されていた。

 超一流プロデューサー。しかし僕としては、松任谷由実の楽曲アレンジャー、さらに彼女のバックでキーボードを弾く姿のほうがピンとくるのだった。

 番組を見ながらそんなことを考えていたら、急に松任谷由実の「WINGS OF LIGHT 〜 "THE GATES OF HEAVEN" TOUR」(日 東芝EMI TOLF-1122)が見たくなった。1991年の古いLDである。久しぶりに引っぱり出して再生してみる。懐かしいのと面白いのとで、最初から最後までしっかり見てしまった。

 画は、言わずもがなである。ハイヴィジョンに慣れた目には、いささか苦しい。最早過去の遺物、という感じである。けれども、音はヒジョーに良い。パワフルで切れがあり、特に低域の馬力と押し出しは凄い。圧縮のかかった放送音声とは次元が違う。音が生きている。ユニットが208ES-Rに進化している所為か、中高域の歪みもさほど気にならない。

 ハイヴィジョン映像にこれくらいの音がつけば最高、だが、放送のほうには期待できない。ついこの間HD-DVDに勝利したBD、パッケージソフトの音はどれほどのものなのだろうか。

 久しぶりに見た(聴いた)LDに、最新映像メディアへの関心を誘われたのだった。

’08/02/17 (日)

また寒波


 春になりそう、と思ったら、またまた真冬に逆戻りである。気温一気に急降下、寒さだけで言えば先日の悪天候時より厳しいと思う。風も強い(各地で相当な被害が出ているようだ)し、殺伐とした天候である。

 箱船入り口脇に自生する草(雑草ではないらしい)は、庇から落ちる水滴がことごとく凍りつき、まるで氷細工みたいになっている。日中もほとんど融けなかったから、やはりだいぶんと寒い日だったのである。

 今日も明日も、除雪に忙しい。

’08/02/16 (土)

選ばれし人

 雪が止んでお天気が良くなり、ここ3日ほどは大いに春を感じさせる陽気になった。

 だから、なのかどうなのか、晩ゴハンを食べたあとは、眠くて眠くて仕方がない。昨夜もパソコンの前に座った途端、恐ろしいような睡魔がやってきて、更新もできずキゼツするように寝てしまった。

 夜更かしに弱くなったのは、季節の所為だけではないようである。webページを始めて7年と少し、当時39歳と今46歳。体力差が、顕著になってきたのだろうと思われる。この歳で老成したようなことを言っては遺憾のかもしれないが、これは実感である。

 ご近所さんには、95歳で自転車に乗り、広大な田畑を耕し、カラオケを楽しむおじさん(おじいさん、ではない)がいる。

 「選ばれし人」だな、あのヒトは。

’08/02/15 (金)

基礎練習


 ドラムの練習をしている。バカスカ叩くのはなく、音量を抑えての基礎練習である。文字通りの「ドラムスコ」ドモに、遅れを取ってなるものかと、オヤヂもがんばるのである。

 今、特に集中して練習しているのは「ハーフタイム・シャッフル」というリズムパターンである。コトバで言ってもピンと来ない。例えば、LED ZEPPELINの「Fool in the Rain」(in Through the Out Door 収録)やTOTOの「Rosanna」(TOTO IV 収録)で演奏されるリズムである。

 僕は大昔から知っている曲だが、いざ叩くとなるとこれがヒジョーに難しい。まずパターンを正確に解読するのに一苦労。右脚(バスドラム)左脚(ハイハット・ペダル)右手(ハイハット)のパターンは何とか理解できたものの、左手(スネア)が実にヤヤコシイのである。

 ヒッシになって聴き倒し、ようやく左手パターンも理解はできた。だが、「理解できた」ことと「叩ける」ことは全く別物である。誰よりも速く走る方法を理解できたからと言って、イキナリ世界新記録を出せるわけではないのと同じことだ。重要なのは、理解できたことを体に覚え込ませること、である。

 それに近道は、ない。ただひたすらに練習あるのみ。同じことを繰り返し繰り返し、できるようになるまで続けるだけである。と、自分に言い聞かせ、両手両脚引き攣らせながら。完璧なリズムパターンの構築には、まだまだ前途遼遠である。

 継続は力なり。と信じて。

’08/02/14 (木)

止まった


 前庭の積雪65cmとなって、ようやく降り止った今回の雪である。「府北部で大雪」という新聞記事に各地の公式積雪量が発表されていて、当地の記録も載っていた。それによると「Y謝町岩屋 112cm」とある。観測地が兵庫県との県境近くの峠(ウチから車で2分)にあるから、こんな表示になっているのだと思う。公式には、1mを超えたことになるわけだ。

 例によって久しぶりの青空である。通路は除雪してあるものの、庭は一面雪だらけだから、外へ出ると眩しくて目が痛い。庭の真ん中に一日中立っていたら、存分に日焼け(雪焼け)できるだろう。ナチュラル日焼けサロン。誰もやらんケド。

 お日様のパワーは凄い。あっという間に雪嵩が減る。元々水気の多い雪だから尚更である。雪が融けて川になって流れて行きます。

 この雪が消えたら、春になるか知らん。

’08/02/13 (水)

現在55cm

 今朝方の積雪は、日当たりの良い前庭でも55cmに達した。こうなってくると「少し多めの雪」ではなくなって、「大雪」ということになるわけである。

 今日は朝から終日除雪である。折り悪く複数のオツトメが重なっていて捗らず、全部終わったのは午後4時頃であった。普段の僕からすると相当な運動量(あくまでも"当社比"です)で、両腕両脚、オマケに腰が、ヒジョーに痛いのである。重い雪は難物だ。

 除雪が終わってからも雪は降り続き、また新たに10cm積った。順調(?)に積雪量は伸びている。この調子では、下手をすると1m雪になるかもしれない。こうイキナリ大雪になられては、慣れているとはいえ驚くのである。今後の天気予報は如何に。

 残念でした。ユキダルママークが、ずらっと並んでいる。

’08/02/12 (火)

侮っては遺憾


 今回の雪は、シャレにならない積り方になってしまった。前庭で40cm以上、北側の裏庭で60cm以上。昨年には一度もなかった積雪量である。インターバルが1年あると、何だかとても大儀である。しかも雪質は水気が多く最低で、人間にも除雪機にも重くて難儀する。

 現在、降雪は康状態である。しかし、これで終わるとも思えない。明日の朝も、除雪必至となるだろう。

 これも運動不足解消だと思って、がんばりましょう。

’08/02/11 (月)

あと7枚


 新着A級盤が2タイトル。ともに第1集に収録されているレコードである。19番「バッハ/トッカータ全集」(蘭PHILIPS 6780 500)、50番「マーラー/交響曲第3番」(独DECCA 6.48127)。どちらも2枚組である。

 両タイトルとも比較的入手が困難で、僕はなかなか手にすることが出来なかった。今回は友達の厚意もあり、入手の運びとなったのである。

 これで第1集は、コンプリートまで残すところ7タイトルとなった。数としてはあと一息、という感じだが、実際にはそんなに簡単ではないと思う。さらなる入手困難盤が、控えているのである。

 2008年内に第1集コンプリート完了できるかどうか。極めて難しいと思う。尤も、時間がかかったってちっとも構わない。A級盤集め始めて既に20年経っているのである。今さら焦る必要は、ゼンゼンないのだ。

 海外ショップ、国内ショップ、オークション。「三所攻め」で、がんばりましょう。

’08/02/10 (日)

文句ばっかり


 先日、久しぶりに青空が見えて喜んでいたら、その後はやっぱりヒドイ天気の連続である。クドいようだが、今年の冬は異様なくらい天気が悪い。日本海側の冬が鬱陶しいのはアタリマエ、そうは言ってもこれほど憂鬱な冬も珍しいのではないか。

 御覧のとおり、今夜も盛大な雪降りである。ここまでは大した積雪にはならずに済んできたけれども、明日の朝はまとまった量になりそうな降り方である。今晩のうちに、除雪機をスタンバイさせとかんと遺憾かしら。

 毎年毎年、この時期は文句ばかりゆってます。

’08/02/09 (土)

安心した


 「CARMEN・PEER GYNT / Saint Louis Symphony Orchestra / Leonard Slatkin」(米TELARC TELARC DIGITAL 10048)。(P)(C)1979。ディジタル録音のADである。せんだって、友達からこのレコードについてちょっとした確認があった。

 長岡先生は、その昔「外盤ジャーナル」(懐かしい!)で「低域の締まりと量感が格別で、部屋をゆるがせ、胸を締めつけてくる」と評価されている。僕はその記事を読んで買ったクチである。友達には「ヒジョーに良いレコードです」と薦めておいた。

 そう言えば最近、あまり聴いていないのである。薦めておいて聴いていないのも何だかシツレイな話である。久しぶりに鳴らしてみた。

 こりゃあ、いい。長岡先生の評価どおりの音である。A-6カルメン「闘牛士」、B-6ペール・ギュント「山の王の宮殿にて」で聴けるグランカッサの強打は、まさに格別だ。厚み、圧力抜群。痛快である。記事中には、当時のディジタル機器の限界に起因する、弦の音の僅かな難を指摘されている記述も見える。しかし、最新のディジタル録音でもこれに劣るものは山ほどあるわけで、僕の耳には難があるようには聴こえないのだった。

 安心した。薦めた友達の好みは僕と似ていて爆音好き(!)だから、これなら大丈夫だと思う。環境が許されるならば、できるだけ大音量で聴いて欲しいところである。

 ムカシのTELARCは、よかった。

’08/02/08 (金)

故障から1年


 話題探しをするに、昨年の日誌を繰っていたら、ヘッドアンプC-17の故障修理から早くも1年が過ぎていることに気がついた。あっという間である。

 その後のC-17は、絶好調である。ケーブルにSILVER Referenceを得て、これまで以上に良い音で鳴っている。ディザインはさすがにクラシックだが、音には微塵の古さも感じさせない。発売以来22年を経てなお、バリバリの現役である。

 今後、これと同等、或いはこれを遥かに超えるようなMCヘッドアンプが出てくるのだろうか。絶対あり得ない、とは言えないだろうけれども、可能性は極めて低いとも思われる。ひょっとしたら現状でもそういう製品が存在しているのかもしれないが、残念ながら僕は寡聞にして不知である。

 大切に使わねばならないと、思う。

’08/02/07 (木)

評価Dレンジ


 あるドラムショップでは、DW-9500を「宇宙最高のハイハットスタンド」と評価している。「デカ過ぎるコメントをしてしまった織○裕二」みたいな表現である。実際、この踏み心地は未知のものであって、「宇宙最高」もオオゲサではないような、気もしてくるのだった。

 この軽さと反応の速さを生み出す原動力は、写真の部分の構造にある。ペダルとトップ(上側)ハイハットが固定された金属棒(シャフト)が繋がる、可動部分である。

 3枚のギアと3本のチェーンが巧妙に組み合わされ、テコと滑車の原理を以って小さな力で速く動かせるように作られている。dw社独自の構造である。「ダブルエキセントリック・カム・ドライブ・システム」と名付けてある。名前長い。

 通常は、シャフトとペダルが直接チェーン、もしくは金属板で繋がっていることが多く、動きは主にスプリングの強弱で決まっている。あとは可動部の軸受にボールベアリングを使うとか、ペダル部を軽量化するとかで動きのスムーズさを追求しているのである。

 DW-9500は、従来のものとは一線を画する画期的なハイハットスタンドだと思う。まさに「宇宙最高」。と言いたいところだが、これとて万人をして満足せしめるには、至らないらしいから面白い。

 あるドラマーは「踏み込み感が軽すぎてキショク悪い」と言い、またあるドラマーは「頑丈すぎてシンバルの音が死ぬ」と言い、はたまたあるドラマーは「構造が複雑でイヤダ」と言う。

 ある人にとって「宇宙最高」のモノも、別の人にとっては「宇宙最低」となる。これまたオーディオと共通する事柄である。この評価Dレンジの広さが、趣味の世界の面白さと奥深さをカモシ出すわけだ。「コレだけが最高、あとは全部カス」などと、自分の評価を他者に押し付けてしまっては、趣味もへったくれもない。と、僕は左様考えるのだった。

 最高も最低も、決められるのは、自分だけである。

’08/02/06 (水)

ドラムセットが目前に


 新しいハイハットに喜び、ヘボなドラムを叩いているうち、ドラムのレコードが聴きたくなった。如何にも単純なのである。

 ドラム(或いはパーカッション)だけを録音したレコードは、幾つかある。その中でも僕が好きなのは、上のタイトルである。「THE SHEFFIELD DRUM RECORD」(米Sheffield Lab LAB-14)。(C)(P)1981。D2Dである。

 A面にジム・ケルトナー、B面にロン・タットのドラム・ソロが入っていて、それぞれ7分11秒、6分23秒。両面合わせても13分34秒は、D2Dとは言えナンボ何でも短すぎやしないか、というムキもあろうかと思う。まあしかし、個人的には音が良いから許してしまうのである。

 ジム・ケルトナーは、ジョージ・ハリソン(故人)やエリック・クラプトン、その他大勢の有名ミュージシャンのバックで、多くのジャンルを叩いてきた名手である。パーマネントなバンドを持たないセッション・ドラマーだ。ロン・タットは、カーペンターズのドラマーとして有名である。カレン・カーペンターよりも多くの曲を叩いている。この人も、セッションドラマーである。

 演奏は、つまらない、と言えばつまらない。しかしこれをドラマーとして聴くと実に興味深い。名演奏である。6〜7分の演奏時間は、ちょうど良いと思う。如何に演奏が良くとも、これを20分も聴くとさすがにタイクツするンじゃないか知らん。

 音は、最高である。生そのもの、と言って良い。質の良いドラムセットを上手くチューニングし、名うてのプロが叩けばこうなる、という音だ。ドラムの生音はかなり大きいから、このレコードも小音量再生では真価を発揮できない。生と同等の音量で再生すれば、目の前にホンモノのドラムセットが出現する。sheffield labのD2Dタイトルの中でも、一二を争う優秀録音盤である。あっという間に聴き終ってしまうケレドモ。

 このドラム・ソロを、せめてコピーできるくらいの腕が、僕にあればなあ。

’08/02/05 (火)

青空


 久しぶりの、実に久しぶりの青空である。前回はいつだったか忘れてしまったほどだ。気温も9℃まで上がり、日なたでは僅かながらも春の匂いがする。ナーンダ、晴れれば結構暖かいンじゃないか。お日様の力は偉大である。

 と、喜んだのも束の間である。この写真を撮った直後、西の方から黒い雲が湧き上がり、忽ち真っ暗になって雪だか雨だか判然としないモノが降り出した。チクショー、ヌカ喜びさせやがってー、と言うてみても仕様がない。これが、冬の丹後なのである。

 僅かではあっても、春の気配が感じられたのは、とても嬉しいことである。

’08/02/04 (月)

ドラムとオーディオ


 ハイハットシンバルの導入にあわせ、ハイハットスタンドも新調した。これも14年ぶりである。

 これまではYAMAHA製の、ペダルと可動部がフレキシブルワイヤーで繋がった「リモートハットスタンド」というヤツを使ってきた。セッティングの自由度を考えてのことである。写真に見える3つのペダルのうち、いちばん左側にセットしてあるのがそれだ。

 ペダルの位置に制限されずハイハットをセットできる利便性は最高、だが、直径1mm程度の細いフレキシブルワイヤーで繋がっているため、レスポンス(応答性)に欠けるのが難である。「ペダルを踏み込む → ハイハットが閉じる」一連の動作に、ワイヤーのたわみからくる僅かなタイムラグを生じるわけだ。踏み込み感にも、力がロスっているような違和感が残る。

 機構上、致し方ないことだと目を瞑ってきたけれども、14年使って経年劣化もあり、さすがに苦しくなってきた。そこで今回は、ペダルと可動部が金属棒で直接繋がったオーソドックスなストレートタイプに変更。セッティングの自由度は低下するが、そこは慣れでカバーするとして、動きの良さを重要視しての選択である。

 選んだのは、米dw(Drum Workshop)社のDW-9500というモデルである。dw社は、ドラム本体(タイコ部分)も作っている。しかし何と言っても定評があるのはスタンド、ペダル類なのである。プロ・アマ問わずドラマー内では「一度でも踏んだらゼッタイ欲しくなるdw」と有名である。

 初めて踏むdwハイハットスタンド。僕はもうあっと叫んでしまった。この軽さ、スムーズさ、反応の速さはナンダ。まるで空気を踏んでいるような軽やかさ、ハイハットの重さは全く感じない。それでいてしっかりとした踏み込み感があり、頼りなさは皆無である。エネルギー伝達にロスがないのだ。恰もペダルと足の裏が完全に一体化したような、フシギな感覚である。ドラム叩いてン十年、こういうハイハットスタンドに出会ったのは初めてだ。これまた欠点なし、オール150点、イヤ200点でもよいと思う。

 本体はガッチリできていて、重量もある。だから、安定感があり曖昧さがない。つまり、動いては遺憾部分は極力動きにくく、動かねばならん部分は限りなく動きやすく作ってあるわけだ。

 これってどこかで聞いたような言い回しだ、と思ったら、オーディオの使いこなしに関する長岡先生の記述である。ナルホド、ドラムとオーディオには、共通点があったわけだ。

 より良く音を鳴らす、という点では、ご親戚さんみたいなモンかな。

’08/02/03 (日)

筆を選ぶ


 「憧れのSOUND EDGE」と題して日誌を書いたのは、2年前である。今回ついに想い断ち難く、導入するに至ってしまった。シンバルの新調は、1994年以来14年ぶりである。

 The Paiste Line Sound Edge Hat 14"。写真に見えるとおり、ボトム(下側)シンバルの縁が波型に成形されている。パイステ独自のもので、この形状が恐るべき切れの良さと透明感を実現するのである。他では絶対に聴けない音だ。

 早速にも叩いてみる。うーむ、こりゃたまらん。切れ、抜け、透明感、浸透力、輝き、粒立ち、すべて最高である。はっきり言って欠点なし。オール100点などあり得ないはずだが、僕にとってはオール150点でもよいくらいだ。コレは凄い。ン十年にもわたって憧れ続けてきただけのことは、充分過ぎるほどあるのだった。

 良い楽器を使うと、ヘボドラマーも少しは上手くなったように聴こえるからフシギである。あくまでも「そのように聴こえる」だけであって、ちっとも上達なんかしていないのが真実、であるのが悲しいわけだが。

 ヘボは筆を選ぶ。

’08/02/02 (土)

叩く


 愚息2号がドラムを叩き始め、1号と僕は大いなる刺激を受けている。何事も、切磋琢磨は大切なのである。

 2号に負けてたまるかと、1号勉強もせずにドカスカ叩く。「僕もちょっと叩かんと遺憾なあ」などと独りごちたら、「そうね。オナカが出るのも風邪を惹きやすいのも、運動不足が元だから」と、愚妻に指摘(イヤミ、とも言う)されてしまった。

 そうか。では、叩くぞ。

’08/02/01 (金)

寒い寒い

 青息吐息で2月の日誌に辿り着いた、ような気がする。年末から大切(?)に持ってきた風邪は、ようやくにして終息しそうな気配になって、ちょっと安心しているのだった。だからといってチョーシに乗ってはイケナイ。不摂生すれば、またまたぶり返すに決まっているのである。用心するに如くはなし、と。

 節分、立春を目前にしても、相変わらずグチャグチャして寒い日が続いているのである。昨年2月の日誌を見ると、6日に「気温13℃、庭のクロッカスが咲き始めた」と書いている。とんでもねえ話なのである。今日なんか最高気温3℃ですから。あと5日でクロッカスが咲くなど、到底無理である。

 今日も、寒い寒いと、文句を言う。