箱船航海日誌 2007年11月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’07/11/30 (金)

自家薬籠中


 SY-99さんのご到着は、予定より遅れて午後5時ごろだった。僕はちっとも構わないけれども、SY-99さんお帰りの道中は大丈夫ですかと、尋ねると「ゼンゼン問題ありません」ということだった。さすがです。

 早速箱船へお入りいただいて、最新音源を聴かせていただく。ウチにはDVD-Aを再生できる装置がない、ということで、何でも再生可能なコンパチプレーヤーをご持参くださった。

 たくさんの音源を次々試聴した。特に優秀だったのは、96kHz/24bitディスクでの、2007年「自衛隊演習」での戦車砲試射、である。昨年の録音も凄かったけれども、今年はさらに凄い。客席最前列まで音源に近づき(凡そ20m)、これまで以上の空気感、生々しさを狙った、とおっしゃる。

 その狙いは大成功である。この音は凄い。超高速で発射された実弾が、富士の裾野の空気を切り裂きながらどしぇーっとぶっ飛んでゆく様子は圧巻。この音は距離を置いた客席からの録音では、実現できない。と言って、不用意に音源に近づいたのでは、発射音がグチャグチャに歪んでしまって音にならない。この辺りの匙加減が、SY-99さんの腕、なのだ。

 僕が聴いた戦車砲射撃音の中では最高。この人の録音は、どこまで進化するのだろうかと、思ってしまった。

 写真はそれをウチでも再生可能なようにと、48kHz/24bit音声のDVD-Vにダウンコンバートして下さったディスクである。ハイサンプリング盤を聴いてしまったあとだから、多少なりとももどかしい部分は残るものの、この盤も立派な優秀録音である。

 ハイサンプリング/ハイビット、高規格ディジタルレコーダーを、完全に自家薬籠中のものとしたSY-99さん。今後の録音が、ますます楽しみである。

 ご遠方を、本当にありがとうございました。

’07/11/29 (木)

1年ぶり

 明日30日は、遠方からのお客様あり。1年ぶりの、SY-99さん御来訪である。例によっておいそが氏、明日の午後遅くにご到着、数時間ご滞在、夜には帰路に着かれるという。当地からSY-99さんのご自宅までは、軽く8時間以上かかる。うーむ。僕が同じことをやったら、完全に即死である。

 それでもこんな鄙までお出かけくださるわけだから、本当にうれしくありがたいことだと、僕はいつも大喜びしている。ありがとうございます。

 スーパーネッシーMkIIで聴くSY-99音源は、どんな風になるのだろうか。

’07/11/28 (水)

任期満了

 4年前に受けた、近辺同業の取りまとめ役の任期が、ようやく満了する。この4年間、僕はもう、心の底からクタビレ果てました。兎にも角にも、ヤレヤレである。

 やってみて分かったこと。やっぱり僕は、この種の役回りには、向いていない。はっきり言って、不適材不適所である。

 4年間、不出来な者を支えてくださったご同業の皆さんには、心から御礼を申し上げねばならない。

 ありがとうございました。

’07/11/27 (火)

未発表


 昨日紹介したレコードのレーベル名「INEDITS/O.R.T.F」とは、何を意味するのか。随分前から気になっていて、夜も寝られないから調べてみた。

 後半部分の「O.R.T.F」、これはすぐに分かる。「OFFICE DE RADIODIFFUSION-TELEVISION FRANCAISE」(フランス放送協会)の略である。僕が分からないのは前半、「INEDITS」という単語の意味である。

 無理矢理「in」と「edits」からできている英単語として考えて、「in-edits」で英和辞典をあたってみた。したらば近い単語がありました。「in・edit・ed」。「未発表」「未編集」。「unpublished」と同意であるとも。試しにweb上のフランス語翻訳サイトで「inedits」を仏→英翻訳してみたら、やはり「unpublished」と出た。

 ナルホド、と思った。「フランス放送協会(O.R.T.F)が所蔵するところの、未発表(INEDITS)音源を中心にレコードをリリースするレーベル」というような意味を持たせてのレーベル名だったわけだ。うむ、これでやっと夜寝られるのである。

 O.R.T.Fの音源は、このレーベル以外、仏ERATOや仏Harmonia Mundi、仏INA-GRMなどからもパッケージソフトになっている。直接の関係性は薄いけれど、仏OCORAの母体はラジオ・フランス、配給元はH.Mだから、同族レーベルと言えないこともないのである。自国はもちろん、世界中の音楽文化をも大切に扱う考え方は、さすが芸術の国と謳われるだけのことはある。

 「INEDITS」。ネイティブ・フレンチは、どう発音するのか知らん。

’07/11/26 (月)

欠番埋まる


 仏INEDITS/O.R.T.FレーベルのLPは、30枚くらい持っている。カタログにはフランスの現代音楽曲が多く、録音にも統一感がある。おしなべて鮮度が高く、壮絶な切れと繊細感が両立した優秀なものが多いのである。概してオフマイク録音のようで、音場感も良い。ただ、やや低音が薄めで、腰高サウンドになっているタイトルもあったりして、100%当り盤、というわけには行かない。当然のことである。

 写真は、外盤A級セレクション第1集79番に取り上げられている、上記レーベルのタイトルである。「Francois-Bernard Mache / Danae, Ivo Malec / Dodecameron」(995 013)。レコード番号前半三桁「995」は全てのタイトルに共通、後半三桁が連番になっている。

 僕の手持ちの中で、最も若い番号は「004」である。それから「012」まで欠けなくあって、次は「014」から「022」まで続いている。つまり、「004」から「022」までの中で、上の「013」だけが欠けていたわけである。カスっているけど当らない。A級盤漁りをやっていると、他のレーベルでもしばしば起こる現象である。

 永い間探し続け、今日ようやく手に入った。名古屋市にあるphonoMediosという通販専門のレコードショップで発見したのである。

 このショップ、web上のカタログはヒジョーに見辛い。文字が細かく、ジャケット画像も付いていないから、目当てのレコードを探し出すのに往生するのである。価格は総じて高めで、しかもカタログには表示されていないものが多い。要、問い合わせ、というわけだ。高級鮨屋の時価、みたいで、ちょっとコワイのである。

 しかし、モノはほとんどが未開封新盤である。今回のレコードも、そうだ。対応は極めて親切丁寧、発送までにかなりの時間を要するが、安心感は絶大である。価格を問い合わせたからといって、必ず買えとは言わない。注文を確定させたあとでも、キャンセルは自由である。初めて利用した店だが、入手が難しいレコードを気持ちよく買えて、僕は大満足しているのだった。

 やっぱり、諦めては遺憾のである。

’07/11/25 (日)

OCRオコラ


 このレーベルのADも、最近トンと見かけなくなった。仏OCORAである。「カメルーンのオペラ」や「ベトナムの新しい伝統音楽」などで一躍有名になった(のかな?)、民俗音楽専門レーベルである。

 前記2タイトルのレコード番号は「558」から始まる(カメルーン:558 536、ベトナム:558 512)、OCORAとしては比較的新しい、若しくはリエディションのタイトルである。ジャケットも、黒をバックにして中央に写真(または絵)という、フランスレーベルらしい高級感のあるディザインに統一されている。

 558ナンバー以前は、「OCR ○○」というカタログナンバーでリリースされていた。ジャケットディザインに統一感はなく、色はバラバラ写真サイズはマチマチ。録音対象となった民族の祭りの風景や人、ブキミな仮面のどアップ、などを適当にレイアウトしてある。

 このレーベルのレコードは70枚ほど持っているけれど、OCRナンバーは少ない。数えてみたら13枚しかなかった。録音は古いものがほとんどで、モノフォニックも多い。音にはあまり期待できない(優秀なものもある)のだが、僕はOCR時代のジャケットが、好きなのである。

 古臭く、泥臭く、オシャレでもなんでもない。一目見て「あっ、欲しい」とはとても思えず、要するに売る気があるのかないのかワカランような、ある意味非常にマニアックなジャケット。これが何とも言えない魅力なのである。

 写真は、先日久しぶりに手に入ったタイトルである。「ペルーの音楽 パウカルタンボの祭り」(OCR 30)。(C)(P)記載なし。1965年7月〜8月、ペルーのクスコから70マイル(約112km)離れた、アンデス山脈の高地にあるパウカルタンボという小さな村での録音である。レコーディングエンジニアは「カメルーン」を録音したジョゼ・ピヴァン、ではなく、クロード・ケーニッヒという人である。42年前の、古い録音だ。

 レコードタイトルにあるとおり、年に一度、7月15日〜18日に行われるお祭りを収録してある。この「パウカルタンボの祭り」は、わりと有名らしい。綺麗な衣装と仮面を付けた踊り子が、聖女カルメンのために踊る盛大な祭りである。マヌー国立公園ツアーを陸路で行くと途中に必ず通過する村だそうで、観光客が少なくないという。ジャケットにある写真は、その踊り子だろう。確かにきれいと言えばきれい、しかしちょっとブキミでもある。

 非常に賑々しく、如何にもアンデスのお祭りといった雰囲気である。ライブ感抜群。しかし、音そのものは埃っぽくて歪みが多くイマイチ。録音機材についての記載がまったくないから詳しいことは分からないが、モノフォニックのように聴こえた。スペアナでリサジューを描かせれば一目瞭然、メンド臭くてやらなかった。スミマセン。

 内容はもう一つでも、僕はとても喜んでいる。

’07/11/24 (土)

バチ当り

 ちょっとした宴席を設ける機会があり、幹事役ということもあって久しぶりにお酒を呑んできた。比較的気楽なメンバーだった所為で、少々油断したようだ。今日はしっかり宿酔いで、1日中グッタリしてしまった。

 宿酔いなんて、いつからのご無沙汰だろうか。たぶん、20年ぶりくらいだと思う。ちゅうことは、前回は20代後半の頃だったわけで、今や40代(四捨五入したら50代)のおっさんになってからの宿酔いは、ヒジョーに堪えるのである。半分死人、です。

 呑めない奴が調子に乗ると、こういうバチが当るのである。遺憾遺憾。

’07/11/23 (金)

こんなにカラフルでした


 外盤A級セレクション第1集4番、「陽気なヨーロッパ」(仏ERATO STU-71098)である。彼のアトリウム・ムジケ・ド・マドリッド演奏による古楽曲集だ。

 誇らしげにジャケット写真を掲げたりしているけれど、残念ながら未入手盤である。アトリウム・ムジケの大ファンである僕は、このレコードが欲しくて欲しくてタマランのだが、実物を見ることさえできていないのだった。はっきり言ってカラーでジャケット写真を見るのもこれが初めてである。あちこち検索して、1枚だけ見つけました。

 こんなにカラフルなジャケットだったンだと、ますます欲しくなってしまった。何とか手に入らんものだろうか。このレコードは仲間内でも有名な入手困難盤なのである。

 長岡先生も書いていらっしゃるとおり、原盤はスペインのレーベルHispavoxから1976年にリリースされている。レコード番号はHHS 10-459。そのほか、同じERATO系のErato-Fiori Musicaliからも出ていた(EFM 18047)らしいし、ソヴィエト(現在はロシアか)Melodyaからもリリースがあった、と、ここまでの調べはついたのだが、肝心の実物が見つかりません。

 ERATOにしてもASTREEにしても、欧州系、特に仏盤の入手は最近富に困難である。仮にあってもおしなべて高価であって、おいそれと手を出せないことが多い。先日も仏HMのあるタイトルに$300の値が付いていて、びっくりしたことがあるし、INEDITS/ORTFレーベルも軒並み高額である。

 とは言うものの、諦めずに、探し続けましょう。いつかは、きっと。

’07/11/22 (木)

偏らず

 久しぶりに連絡をくれた関東地方在住の友達と、あれこれ四方山話をした。彼は筋金入りのオーディオマニアである。だから話題はオーディオのことばかり、かと言うとさに非ず。大変な博識である彼とは、むしろそれ以外の話題のほうが多いくらいである。

 知り合ったきっかけは、もちろんオーディオである。最初はメールの遣り取りで始まり、やがて実際に会う機会を得ることになる。初めて会ったとき、僕はこの人がタダモノではないことを瞬時にして悟った。物腰柔らかくにこやかなお人柄の中に、何かしら非凡なものを、感じたのである。

 それが7年以上前のこと。今に至って、彼の非凡さをますます強く感じている。ファースト・イムプレッションに、間違いはなかったわけだ。以来、ずっと付き合いが続いている。おそらくそれは、関心事がオーディオだけにとどまっていないからだと思う。彼と話をしていると、学ぶべきことが非常に多い。それは僕にとって、とてもありがたく楽しいことなのだ。

 オーディオのことばかり考えないこと。どうやらそれが、オーディオをより楽しくする秘訣らしい。

 偏らず、囚われず、拘らず。

’07/11/21 (水)

車検2回目


 わが愛車CYPHAも、早2回目の車検を受ける時期がやってきた。乗り始めから5年が経つわけである。そうか、もう5年かと、思う。

 走行距離は46,000kmほどだから、年間9,000km程度走ったことになる。平均よりもかなり少ないのではないかと思う。以前ほど遠乗りしなくなった所為である。調子は絶好調、文句をつけるところはまったくない。先代コルサは、普段の整備点検をいい加減にしていたこともあって、50,000kmまでに左後輪のベアリングが焼き付いたりしてしたことを思えば、実にありがたいことである。

 車検の見積もりは130,000円弱。決して安くはないけれども、こればかりは仕方がないのである。受けなきゃ乗れねえ。しかも、今回からは2年ごとに受けねばならんのだ。

 ムカシとは違って、車の性能耐久性は飛躍的に向上しているのだから、お国も車検制度の全廃は無理でも、せめて5年に1度くらいにしてくれんものか。ディーラーの定期点検さえきちんと受けていれば、今の車はそうそう壊れないのだ。少なくともあと5年、できればそれ以上、今の車に乗りたいと考えている。僕はCYPHAが好きなのである。

 先日、友達から「ある車雑誌で『ヘンな車に乗るヘンな人々』という特集があって、それの第2位がCYPHAだったよ」と聞かされた。なるほど、CYPHAはヤッパリ「ヘンな車」で、それに乗る僕は「ヘンな人」なのだな。納得。

 栄えある第1位は、SUZUKIの「Twin」だったそうだ。友達はそれに乗っている。

’07/11/20 (火)

アホである


 使い始めて7年を過ぎても、やっぱり僕のパソコン知識は初心者レベルから進化していないのである。

 9月に友達から新しいPCを譲ってもらい、頼りない知識を元にLANを組み、そうこうしているうちに旧PCがぶっ壊れ、否応なしに全ての機能を新PCに引き継がせねばならなくなった。

 移行作業の全てが順調に進む、ワケはない。あっちゃこっちゃでトラブル続出。但し、PCの所為ではない。これは偏に僕がアホな所為である。

 最もまごついたのが、メーラー設定である。汎用アドレスは一発で決まったものの、どういうわけかプライベート用アドレスの設定がうまく行かない。何度受送信を試行してもパスワードエラーが出てしまうのである。

 パスワードを繰り返し繰り返し確認し、ゆっくりキーを押して入力するのだが、どうやってもダメ。いい加減イヤになってふて腐れていたら、ハッと気がついた。そー言えば以前、サーバー会社から「新サービス移行についてのお知らせ」っちゅうメールがあり、その時にパスワードが変更された、ような気がする。

 確認してみればその通り。アホな僕は、変更前のパスワードを一生懸命入力していたのだ。それではエラーが出るに決まっている。変更後のパスワードで設定したら、一発で問題解消しました。なーんだ、馬鹿みたい。

 事ほど左様に、僕はマヌケなのである。

’07/11/19 (月)

獣道


 鹿様ご一行は、相変わらず毎晩お出ましになっている。警戒心が非常に強く、写真を撮るのは極めて困難であって、勇姿をお目にかけることができないのは残念なのだが。

 上にご覧の通り、箱船(写真奥)から裏山(同手前)に向かって、細く、しかしくっきりと踏み分けられた道ができている。獣道である。写真左に見える土手下からやってきたご一行様は、箱船脇で草や根っこなどを食べたあと、この道を歩いて山へ帰ってゆくわけだ。

 よく調べてみると、道の途中にはシカのフンがたくさん落ちている。パチンコ玉よりやや大きいくらいの、コロコロしたヤツである。なんにもこんなところでせんだって、山へ帰ってからゆっくりすればよいだろう。と思うのはニンゲン様の浅知恵か、要するに縄張りを誇示する目的もあるのだ。特に秋は繁殖期であるから、雄にとっての縄張り誇示は、極めて重要な行為なのである。

 この辺りの草ムラは、夏の間異様に元気である。刈っても刈ってもどんどん伸びる。秋から冬にかけてのケダモノコヤシが、効いているのである。これがホントの有機栽培。

 自然はよくできている。

’07/11/18 (日)

イエロー・カーペット


 冷え込みが厳しくなって、近くの小学校にあるイチョウもすっかり黄葉し、地面いっぱい黄色い絨毯を敷き詰めている。

 見た目にはきれいで大変ケッコウ。なのだが、この木の葉っぱ、水を非常に多く含んでいて、掃き集めて燃やそうとしてもほとんど燃えず、埋めてコヤシにするにも腐りにくく、始末に困るものなのである。庭にこの樹があるお寺さんは、皆さん往生していらっしゃるのだった。ウチには、ありません。

 葉が全部散り去れば、季節は本格的な冬である。

’07/11/17 (土)

素質充分


 近くに住む友達がやってきた。彼はオーディオ・マニアではなく、生粋の音楽(クラシック)ファンである。けれども、あまりムツカシイことを言わず付き合いやすい人柄で、僕としてはヒジョーに気楽なのである。

 彼はヴィヴァルディの「四季」が大好きだ。今日も、最近お気に入りの「四季」(演奏者指揮者忘れました)CDをここで聴きたいと、やってきたわけだ。音楽ファンと言えども、音にまったく無頓着、というわけでもないのである。

 たいへんご満悦であらせられたご様子。ヨカッタヨカッタ。それだけを聴いてハイ終わり、では寂しいので、僕の手持ちソフトの中から特によいと思われる「四季」も聴いてもらった。それが上の写真、アルパ・ゲレッツ指揮、レ・ソリステ・ロマンド盤(蘭PHILIPS 9500 613)である。外盤A級セレ第2集180番に取り上げられているADである。

 僕も「四季」は嫌いではないから、AD、CD複数のソフトを持っている。だが、「名曲に名録音なし」のジンクス通り、演奏、録音が高いレベルで両立しているのは、この盤1枚だけである。実にいい。「四季」なんぞ聴き飽きた、とおっしゃるムキでも、これを聴けば「うむ」と唸ってしまうこと請け合い。

 友達は、「春」が始まったとたん「あ」と小さく叫び、そのままA面最後まで聴いてしまった。「もっと聴く?」と言ったら「うん、聴きたい」というから、B面も全部。この曲を最後までちゃんと聴いたのは、いつぶりのことだろうか。

 帰り際に友達ヒトコト曰く「俺もオーディオ・ファンに、なれるかな」。なれるなれる。アナタにはその素質が充分にありますよと、僕は言ったが余計なことだった、のかもしれない。

 ちょっと楽しい一日であった。

’07/11/16 (金)

初夏が懐かしく


 突然寒くなりました。週間予報は見事に的中、空気はすっかり入れ替わって、風景は最早冬である。ああ、悲しいなあ。

 上の写真は、どう見ても冬の空ではない。そう、今年の5月24日に撮ったものである。気温が30℃を超え、初の真夏日を記録した日である。撮影時刻は午後7時、今なら午後4時頃でもこれより暗い。まだ半年も経っていないのに、何だかとても懐かしい気持ちに、なるのだった。

 冬が来るたび、同じようなことを書いております。

’07/11/15 (木)

dyson DC16


 ルート・サイクロン方式の掃除機で有名(?)なdysonである。箱船では3年前にモデルDC12を導入し、活躍している。恐ろしく細かい埃まで集塵できて、ヒジョーにグワイがよろしい。

 ちょうど1年前、コードレス(バッテリー式)ハンディ型クリーナーが発表された。それが上の写真、モデルDC16である。機会があって実物を見ることができた。初めてのことである。

 ハンディ型、というには少々大型で、持ってみたら結構重い。1.5kgある。日本人がディザインすればこうはならないだろうと思えるような、良く言えば機能美、悪く言えば不恰好なクリーナーである。僕としては、決してキライではない。面白いなあと、思う。DC12で性能の高さはよく分かっているから、いささかならず購入欲をそそられるわけだが。

 と思っていろいろ調べてみると、イマイチ評価は芳しくないようである。何よりの弱点は、バッテリーの保ちが悪いこと。3時間の充電で、5分間しか使えないのである。あまりにも短い。しかも1電源仕様なので、アダプターによるAC使用も不可。これで価格が3万円以上、では、ちょっとクルシイかな。考えようによっては、それでも市販してしまうdysonの力技をホメるべき、とも言える。

 結論。バッテリーが強化され、ACの使用も可能になり、軽量化されたニューモデルが出るまで、待つのが懸命な様子である。

 でも、ひょっとしたらこれでヤメちゃうかも、知れないなあ。

’07/11/14 (水)

冬到来


 山の向こうに日が沈む。こんなに美しい夕日が見られるのも、今週までになりそうだ。憂鬱な冬が、いよいよやって来るのである。

 来週はお天気の悪い日が多く、雪が降るほど寒くなると予報されている。まさか大雪にはならんだろうけれども、陰鬱な天候が続くことは間違いなさそうである。うーむ。イヤだなあ。

 冬だけ早送り、夏が来たらハーフスピード再生、ちゅうワケには、行かんか。

’07/11/13 (火)

カメムシ予告2007


 今日の写真は、箱船2階に現れたところの、カメムシ君の勇姿である。ブイブイ飛び回ったあと、蛍光灯の端っこで一休みしているところだ。遅ればせながら、今年も恒例のカメムシ予告をお伝えしておこうと思う。何の役にも立ちませんが。

 一昨年は、稀に見る大量発生で、コイツはえらいこっちゃと思っていたらその通りの、とんでもない大雪になった。予告大当り。昨年は打って変わって異様なほど発生が少なく、異様なほど少雪の冬であった。これまた大当りである。さて、2007年秋のカメムシ状況は如何に。

 一昨年よりは大幅に少なく、しかし昨年よりはわずかに多い、と感じている。昨年比微増、と言っても通常(何が通常だかワカランけれども)よりは少ないようだ。ちゅうことは、一昨年ほどのムチャクチャな大雪にはならず、昨年よりは少しく多め、しかし平均以下の降雪量になる、と、僕は勝手に予測してしまうのである。

 2005年の秋は、彼らの異常発生に加え、カマキリたちが非常に高い位置(家の軒下など)に卵鞘を産み付けるという、ブキミな現象が見られた。昨年、今年はそれが皆無である。やはり、雪は少ないと見るべき、か。

 3年連続予告的中と、なるや否や。

’07/11/12 (月)

ついに

 7年半使ってきた旧PCは、ついにダメになってしまった。正常な起動が不可能になり、セーフモードでしか立ち上がらなくなったのである。

 あれこれ対策を打ち、正常化を図ってみたものの、僕の限られた知識ではこれ以上無理なようだ。原因は、不明である。要するに寿命ということか。何だか僕は、ヒジョーに疲れました。

 もし、正常に使える状態へ復帰させられる手立てをご存知の方があれば、是非ご教示願いたいと思う。数学音痴でパソ音痴。どーしよーもないのである。もうしわけございません。

 尤も、7年以上酷使したPCであるし、主要なファイルのほとんどは新PCと外部メディアへ移植済みだから、ここは素直に諦めたほうが、ヨイのかもしれない。

 今年は予想通り、モノの壊れ(故障)年だったのである。

’07/11/11 (日)

お買い得CD


 またまた古いCDを紹介しよう。音のよい打楽器CDを聴きたくなってラックをカキ回したらコレが出てきて、ちょうどいいや話題にしようと、思い立ったわけである。

 「PERCUSSION MUSIC」(米nonesuch 9 79150-2)。(P)(C)1974、1978。録音も古いが、僕が買ったのも古い。1990年9月である。

 このタイトルとジャケット、どこかで見たことあるような、とお感じになったアナタ。或いは、こんなもんとっくの昔に持ってるよとおっしゃるアナタ。長岡ファンですな。

 そう、同タイトルのAD(H-71291)が、外盤A級セレクション第1集57番に取り上げられている。ジャケットディザインがちょっと異なっているのと、写真(というかイラスト)の色目が違う(ADはもっと黄色っぽい)所為か、見た目の印象も随分と違う。確か僕は、同一タイトルと気付かずに買ったのでは、なかったかな。

 内容、コレが実はCDのほうがお買い得になっていて、表題ADに加えてチャールズ・ウォリネンの「PERCUSSION SYMPHONY」(H-71353)が収録されているのである。CD1枚でAD2枚分楽しめるわけだ。

 H-71353は、A級入りこそしていないけれど、レコード漫談第1集(赤本)の99ページから始まる「叩けよ、さらば」の項に取り上げられている。その評に曰く「ノンサッチの特長がよく出たハードでシャープで、ダイナミックな録音。鮮烈に切れ込んで、情報量大、音像、音場もリアルな優秀録音盤だ」とある。

 実際、CDで聴いても、そのとおりの優秀録音である。高域の切れと生々しさ、という点ではADに分があるけれども、2枚分を1枚で聴けることを思えば、このCDの価値は充分に高いと思う。

 現在、入手困難になっているのは、残念である。

’07/11/10 (土)

dB換算表

 昨年12月23日の日誌で、スーパーネッシーMkIIの総重量について触れている。総重量210kg、振動板のm0が3本分で45g、重量比4666倍はまずまずか、と。

 実はこの重量比をdB換算したかったのである。だが、「角型ダクトの断面積を円に換算したときの半径」というような基礎的数学すら覚束ない天文学的数学音痴の僕に、そんなことができるはずもなく。仕方ないので、倍率数字だけを挙げ、お茶を濁していたわけである。

 そういう無知な僕に救いの手をさしのべるが如く、電気的知識に極めて明るい友人から、dB換算表をもらった。これが実に便利に出来ていて、任意の数字をあてはめれば、瞬時にdB換算して表示される、というものである。懇切丁寧にも、換算数式もちゃんと記載されている。

 早速、スーパーネッシーMkIIの総重量:m0、4666倍を換算表にあてはめてみたところ、73.38dBと出た。だからどーした、という話だが、僕は何だかヒジョーにうれしい。

 この数値は、FE208ESを3発使ったバヤイのものである。現在使用中の208ES-Rは、1発あたりのm0が12gと、208ESよりも軽量化されている。3発では36gになるから、210000/36で5833倍。これを換算表にあてはめれば、75.32dBとなる。長岡先生が挙げていらっしゃった目標値80dB(10000倍)の、1/2以上は達成できたことになるわけだ。これまた、だからどーした。イヤ、僕が勝手に喜んでいるだけでゴザイマス。

 現状のシステムで目標値を完全達成するには、総重量の数値を上げるしかない。36gの10000倍だから、360kgである。現状210kg、あと150kgの追加が必要。はっきり言って、不可能だ。

 しかしこれも考え様である。システムと床との間のガタを徹底排除し、仮想的に一体化できたとすれば、総重量は部屋の重量込み、とも見ることができるはずだ。そうなれば80dBどころか、100dB(100000倍)も軽くクリアできる、ことになるわけだが、これはまあ、あくまでもヴァーチャルな話なのである。

 早い話、ガタをしっかり排除し、根が生えた如き曖昧さのないスピーカーセッティングが、極めて重要なのである。という、至極当然な結論に達したのでアリマシタ。

 塾長、ヒジョーに有用な換算表を、ありがとうございました。

’07/11/09 (金)

大疑団


 ここのところオーディオといえばADばかり聴いていて、たまさかにはCDも聴かねば遺憾。と、久しぶりに上のタイトルを聴いてみたのである。

 「PAT COIL / STEPS」(米Sheffield Lab 10031-2-F)。これは以前にも載せていて、今回は2回目(たぶん)の登場である。1997年9月に買った、例によって古くて珍しくもなんともないタイトルである。

 僕は一時期、こればっかり聴いていたことがあって、そりゃあもう1日に何度も聴くンだからビョーキか中毒みたいなものである。その理由は、と今改めて考えると、まずは曲と録音が気に入ったこと、加えて、買った時期に関係しているようだ。

 '97年9月というと、長岡先生のご来訪に刺激を受け、先代メインスピーカー、スーパーネッシーを作って間もない頃である。その能力とエージングの進みグワイを見るのに、曲も録音も好きになったこのCDが好適だった、のだろう。個人的なテストディスクだったわけだ。

 録音が気に入った、と言ってモノスゴイ優秀録音であるとは、思わない。ジャンルとしてはフュージョンで、その手のものとしては悪くない、という程度である。自然な音場感などは望めないし、中高域には少なからず歪み感もある。独特のクセ、と言ってもよい。ただ、音に馬力がありなりふり構わず潔く鳴りまくる豪快さが、僕にとっては快感なのだった。

 メインにスーパーネッシーMkIIを据えてから聴くのは、今日が初めてである。これが、なかなかにヨイのである。中高域に感じたクセは随分と減り、非常にスムーズである。それでいて力感はいささかも殺がれていない。全体を支配していた刺々しさが消え、鮮度が上がり生々しさが出る。本来の音とは無関係な、余分な音が減ったのだろう。音場感はともかく、スタジオライブの緊張感などは、充分に感じられるのである。

 ははあ、なるほどなあと、僕は唸ってしまった。これはこういうものだと、分かったような気で治まりかえっては遺憾のである。常に好奇心と大疑団(真理を見極めようとする心)を以って、コトにかかるべし。でないと、モノの本質を見失ってしまうかもしれない。久しぶりに聴いたCDから、教えられたのである。

 長岡先生常々曰く「まずは疑ってかかれ」と。

’07/11/08 (木)

はよ寝ろ

 耳管狭窄はすっかり良くなった、のはいいけれど、鼻腔の炎症はまだ治まらずで困っている。どうやら風邪に鼻炎が重なっていて、治り難くなっているらしい。毎年毎年、この時期には同じようなことになっているわけで、何とかならんかと思えども仕方ないのだろう。こうなるともう完全に持病である。

 「きちんと薬を飲んで、あとは充分な睡眠を取るように」と先生はおっしゃる。睡眠が重要なことだと分かってはいても、好きなことをゆっくりやるには夜しかなくて、ついつい遅くなってしまうのである。

 何をするにも健康あってこそ。できるだけ早く寝よう。

’07/11/07 (水)

秋の夜長は


 秋は空気が澄む所為か、風景がきれいに見えることが多い。写真は今日の午後5時半頃、西の空に現れた夕焼けである。秋の日のつるべ落とし、とはよく言ったもので、午後4時半を過ぎると一気に日が暮れて、5時半過ぎにはすっかり夜になってしまうのだった。

 日中はとてもよいお天気で、気温も20℃まで上がる暖かい日であった。けれども、日が落ちると同時にぐんと冷え込み、今夜はほとんど冬のような寒さである。きっと明日は放射冷却で、ヒジョーに寒い朝になるだろう。すっかり晩秋である。

 秋の夜長は、オーディオで。

’07/11/06 (火)

8年目へ

 「毎日更新」の看板を掲げ、箱船航海日誌を書き始めて丸7年。今日から8年目に突入することになった。これもご閲覧くださっている方々の、本当におかげさまである。心から御礼申し上げねばならない。ありがとうございます。

 この7年間、箱船の航海はおおむね順調であったと感じている。現状と2000年当時を比較してみれば、基本的な再生方法に大きな違いはないものの、装置はずいぶんと進化している。ただし、それらの能力を十全に発揮させられているかどうか、これは使い手の能力に関わることだから、ヒジョーにアヤシイとも言えるわけだが。遺憾である。

 webページを公開したことで、それまで以上に多くの方とご縁をいただくことができた。仲間が増えたのである。なんと言っても僕にとってこれが最大の財産になっている。有形よりも無形の財産。とてもありがたいことである。

 良くも悪くもネット社会は進化(或いは、変化)し続けている。愉快なこともあれば極めて不愉快な出来事が起こることもあって、しかしできる限りそういうものに左右されず、表題どおり今後も「日々雑感」を綴って行きたいと、考えている。

 今後とも、何卒よろしく、伏してお願い申し上げます。

’07/11/05 (月)

通院


 先々週の週末から、耳鼻科に通っている。風邪からくる炎症で、右耳に耳管狭窄を起こしてしまったのである。

 新幹線に乗っていて、高速でトンネル通過する時に耳が詰ったような感じになることがある。鼓膜に陰圧がかかり、ダンプされた状態になって聞こえ方が変になるのである。それの酷いヤツがずっと続くわけで、実に不快である。軽いめまいもある。通常はアクビしたり水を飲んだりすると自動的に耳管(上の画像7番)が開き、鼓膜内外の気圧が等しくなって正常な聞こえ方になるわけだ。

 炎症で耳管が腫れ、狭くなって空気が通りにくくなった状態が耳管狭窄である。ここはやはり専門医に診てもらうのが一番と、隣町にある耳鼻科を受診した。

 鼻から細い管を差し込み、強制的に耳管へ空気を送り込む「耳管通気」という治療をしてもらう。先生曰く「あー、だいぶんと腫れとるねえ。こりゃ相当に不快でしょう」「鼻の粘膜も炎症が強いし、消炎剤出すからしっかり飲んで。しばらく通ってください」と。

 ちゅうわけで、5日も受診日である。症状はすっかり治まって、聞こえも正常に戻った。しかし、鼻粘膜の炎症は、まだ消えていないらしい。自覚症状はあまりないンだけどなあ。

 大昔からあるこの耳鼻科の院長先生は、矍鑠たる老先生である。お歳は80歳くらいだろうか。愛想は良くないけれど、実に丁寧で技術は確かである。風貌と立ち居振る舞いがどことなく長岡先生に似ていて、初めて会った人のような気がしない。妙な話だが。

 何だか懐かしいような気がして、受診がちっとも苦にならないのだった。

’07/11/04 (日)

休める日曜日

 今日は日曜日なのだけれども、珍しくオツトメの予定が入っていない日になった。これはもう滅多にないことであって、日曜日に休める(何だかヘンですが)と思うと何だか妙な気持ちに、なってしまうのだった。

 愚息ドモは、もう家族でお出かけすることを喜ぶような歳ではなくなったし、愚妻は仕事関係の行事があるようだ。正しくお休みの僕は、久しぶりに一日中オーディオ三昧を楽しむことにしよう。

 買っておいたレコードを聴こうかな、やろうと思いながらできていない対策を実行するのもいいな、そう言えばレコードラックの整理もしたいし。

 と、いろいろ考えている今が、最も楽しかったりするわけである。あれもこれもと欲張って、一日終わってみれば何もできていない。そういうことも、ままあるのだ。

 それもまた、良し。

’07/11/03 (土)

ウォント・リスト


 10年以上前になるだろうか、僕は関西圏にある複数の中古レコード店へ向けて、ウォント・リストを送ったことがある。内容は、言わずと知れた外盤A級セレクション掲載のタイトルがほとんどである。

 結果はどうだったか。おおむね良好で、それなりの収穫があった。しかしそれも10年以上経ち、閉店してしまった店、経営者交代でポリシーが変わった店、いつの間にか連絡が途切れた店などあって、今や効力は無きに等しい。当然である。

 だが、そんな中にあって、今でもそのリストを元に連絡をくれる店がある。これは稀有のことだと思う。基本的にはクラシック系のヴィンテージ・レコードが主な商品筋であって、長岡ソフトにしばしば見られる現代曲(有体にいえばゲテモノ)や民俗モノは対象外、の店である。

 にもかかわらず、ご店主さんは「私も勉強になるから」と言ってはウォント・リスト外でも「こんなの入りました」と、10年間以上途切れず連絡をくれるのである。本当にありがたいことだと、感謝すること頻りである。

 先日も「シュトックハウゼンのレコードが幾つか入りましたが如何ですか」と電話があった。既に手持ちにあるものだったから見送ったけれど、中古レコード市場の現状や、稀少盤の相場なども聞けて大いに勉強になったのである。

 話題が件のウォント・リストのことになったのを機会に、新しく作り直して送ることにした。ムカシ送ったものはキタナイ手書き、今回はちょっと進化してエクセルで作ってみた。内容はすべて、飽きもせずA級盤未入手タイトルである。

 「時間はかかると思いますが、探します」と、ご店主さんは力強く約束してくれた。時間がかかるのは一向構わない。誠実なご店主のこと、粘り強く検索してくれることは間違いないのである。

 この店で初めてレコードを買ったのは1988年頃だから、それから思えば20年近い付き合いになるわけだ。

 とても有難いことである。

’07/11/02 (金)

鄙ではあるけれど

 今年の秋も例年通り、否、それ以上に野生の鹿が庭を闊歩している。箱船東側から小学校へ続く道脇の草むらには、見事なまでに踏み分けられた「けものみち」ができてしまっていて、ここに罠を仕掛けたら間違いなく鹿をゲットできるだろう。どなたか鹿、要りますか。

 鹿やイノシシによる田や畑への、いわゆる獣害は年々酷くなる一方だと、村一番のビッグ・ファーマーから聞いた。電気柵や火薬破裂型シシオドシなどの対策も、さほど有効ではないらしい。ケダモノも学習するのである。ウチの庭でも、花の球根から植木に至るまで、バリバリ喰い荒らされてもうムチャクチャである。裏庭ではイノシシがヌタを打ってズブズブだし、まさに野獣天国の様相を呈している。

 と書きながら、何となく気配を感じて箱船2階の窓から外を見たら、柿の木の下に大きな牡鹿が佇んでいた。今夜もお出ましに、なっているのである。

 都市部在の友達にこんな話をしたら、「オマエんとこは、どんな山奥やねん」と言われてしまった。

 確かに鄙ではあるけれど、そんなに深山幽谷でも、ないンだけどなあ。

’07/11/01 (木)

秋の風景


 11月がやってきた。ああ、時の過ぎるのは速い。坂道を転がり落ちるが如く、である。暑かった夏も、やっと涼しくなったと思った秋もすっかり終わり、最早冬の入り口である。僕は毎日、寂しい寂しいとシクシク泣いています。

 そうしていたら、オーディオと写真と山を趣味にする友達から、とても美しい写真が届いた。長野県と新潟県の県境に聳える苗場山(標高2,145.3m)からの、秋の風景である。

 元画像は1800×1200ピクセル、高品位デジカメで撮影されていて、もっともっと綺麗である。こうして縮小してしまうと美しさが激減するのは非常に残念だ。Iさん、申しわけないことでございます。

 湿地帯に細長くボードウォークが敷設されていて、遥か彼方まで続いている。こんな所を歩くのは、さぞ気持ちが良いことだろう。と思うけれど、ここまで到達するには相当な苦労があるだろうことも、想像に難くないのである。だからこそ、尚更に値打ちがあるンだろうなあ。

 見ているうちに、ちょっと元気が出てきました。