箱船航海日誌 2004年11月

日々雑感、出来事などを思いつきに任せて綴っていこう

過去の日誌コンテンツ

’04/11/30 (火)

お迎え準備完了


 2階の、ほぼ全景を公開するのは久しぶり、否、ひょっとしたら初めてではないか。過去にあったらスミマセン。2階には極めて重大な箱船のキギョウヒミツが隠されているので、公開できない。そんなこたァゼンゼンなくて、いつもはキタナすぎて、したくてもできないのであった。

 明日は5名のお客様がある。ので、大掃除敢行。こればっかりだな。どうやら片付いた、ように見えるので、公開と相成ったわけである。しかし、大見得切ってお見せするほどのものじゃありませんな。整理下手の僕には、これくらいが限界である。誰か整理に来てくれませんか。

 ゴミが出た。大量である。必要なものよりゴミのほうが多かったンじゃないか。これでは住むとは言えず、棲む、という感じである。ゴミ屋敷寸前。遺憾遺憾。今日からは今の状態を保つように努力しなければ遺憾のである。お恥ずかしいことだ。

 皆さん、明日はお待ちしています。

’04/11/29 (月)

わからない男


 打ち抜いたフォックをネジ頭に貼ると、こんな感じである。思ったよりポンチの径が小さかったかな。ヤッパリ企画倒れか。まあ、一つの実験ということで。

 両chSネッシー32本のネジすべてに貼り、音を聴いてみる。....う〜む、ようワカラン。多少なりともS/Nが上がり雑味が減った、ような気はするけれど、「貼った」というバイアスがかかっている所為ではないか。あっと驚く大変化、にはほど遠い。そりゃそうだろう。これはいわば"小手先"対策である。こんなことで激変するようなら、オーディオとは一体ナンダ、っちゅう話である。

 一足飛びの向上はないものの、少なくとも悪い影響もないようだ。わずかながらも良い方向への変化は感じられた。折角コチコチ打ち抜いたことだし、このままで行くことに決定。今後いろんなソフトを聴いているうちに、やっぱり貼って良かった、ということになりそうな予感もあるのだった。

 あとはリヤカノンL、サブウーファーにも貼るかどうか。これはあまりアテにならない直感だが、Sネッシーだけにしておいたほうがよいように感じている。全部に貼ってしまうと、つまらない音になりそうな気がするのである。よって今回はSネッシーだけに止めておく。

 取説にある通り、音を聴きながら適量を探るところに、使い方のコツがあると感じた。良くなったからといって何処までも力で押してもダメなのである。そーゆーのを野暮という。一旦野暮まで行ってみないと粋が分からん、ちゅうのが僕なワケである。違いがわかる男になるには、まだまだ前途遼遠。

 精進しましょう。

’04/11/28 (日)

思慮不足


 やる気になっているうちにやってしまおう。というわけで、早速1mm厚フォックシートをポンチで打ち抜くの図である。100mm1辺から14個取れた。まずはSネッシー用に32個、2列と4個を抜く。リヤカノンL、サブウーファー分までというと、あと64個必要になる。

 作業を始めて気が付いた。1個ずつコチコチ打ち抜く姿はヒジョーにチマチマしていて、僕としてはあまり性に合ったシゴトとは思えないのであった。同時に、こんな小さなものをネジの頭に貼り付けたところで何かしらのメリットが、あるのだろうか。折角のシートをゴミに変換しているだけみたいな気もする。と、疑問は多いわけだが、乗りかけた船なのだから最後までやってみよう。労多くして功少なしの危惧、大いにあり。企画倒れかな、コリャ。

 独りブツブツ文句を言いながら、ともかくSネッシーは貼り終わった。これで効果が得られたならば、他のスピーカーにも貼ってみるべし。でも、よくよく考えてみたれば、ネジを増し締めする時には剥さなきゃなんないのだな。

 そこまで考えてなかった。

’04/11/27 (土)

正体判明まで


 グワイが良かったことに気をよくして追加購入の図。「fo.Q」である。今回はA5版シートに加え、円形スペーサー(φ32×1mm厚)、粘着テープ付きシート(100mm×100mm×1mm)も試してみる。

 円形スペーサーは、アンプかプレーヤーの脚下に使ってみたい。ラック、床とも一般的な住宅に比べれば強力、とはいえまったく共振しないわけではなく、何かしらの効果を期待できるかもしれない。ひょっとすると悪くなる可能性もある。が、これも実験である。

 テープ付きシート、これはいろいろなところに使えるだろう。細く切ってCに巻く、ピンプラグに巻く、スピーカーユニットのフレームに貼る、磁石に貼る、自分の腰に、貼っても効果はないか。

 僕はこれを皮ポンチで打ち抜き、ユニット取り付けネジの頭に貼ってやろうかと、密かに考えている。ここでゆってしまったらちっともヒソカじゃないね。効用の程は、これがゼンゼンわからない。ただやってみたいだけだ。この間、別の物を捜すのに道具箱をひっくり返していて、たまたまポンチを見つけて思いついた。ちょうど良い加減の径だったのである。

 A5版は適当な大きさに切り、ADプレーヤーの鉛アームボードに載せておこうかと。先日出た切れ端を載せてみたら、それなりに効果があるようだった。

 前回購入分で、ある程度アタリはついたものの、まだ正体不明の感じもある。使ってみないと分からない部分もあるのである。それが判明するまでは、ともかくどんどん使ってみたい。やり過ぎたと感じるまで行ってみて、そこからまた引き返す。結果的にダメだったならば、さっさとヤメればよいのである。いい加減がヨロシイ。

 上手く行きますかどうか。

’04/11/26 (金)

ちょっとばかり愛想よく


 ネタ探し、或いはリンクをつけるため、過去日誌を繰ることがしばしばである。ところが目当ての記事を見つけるのに往生するのだった。自分で書いておきながらいつだったかが思い出せない。いい加減なものである。

 オノレでさえそうなのだから、ご閲覧いただいている皆さんには大変な不都合をおかけしていることになる。尤も、愚にもつかぬ日誌を過去に遡ってまでご覧いただけることはほとんどないと思う。さりながら、エラそうに「過去の航海日誌」などというページを挙げているからには、もう少しでも親切でなければ遺憾と。

 もし僕が電脳の達人だったらば、検索プログラムくらい簡単に作ってしまうのであるが、残念ながらそうは行かない。そんなことは一生不可能である。そこで、僕の手に負える範囲の改善を施す。従来、日誌のタイトル表示のみだった各月の目次に、その日その日の写真を付けた。それだけである。改善とはおこがましい、けれど、多少なりとも愛想良くなった、かな?

 過去目次すべてをそのようにしたい、のだが、例によって手際が悪く遅々として進まないのである。ようやっと今年8月分まで遡れた。どこまでやれるかヒジョーにあやしいものである。少なくとも今後の目次は、このレイアウトで続けて行きたいと考えている。

 よろしくお願いしたいのである。

’04/11/25 (木)

挿してよいのは入力だけ


 プリアンプのリヤパネルである。裏から見るとプロジェクターラックの奥のほうに引っ込んだ形になるので、どうしても暗い画像になってしまうのはご容赦願いたいのである。

 ラック入れ替えに伴うレイアウト変更で、ケーブルの取り回しなどがすっきりした、と思ったのも束の間。映像系まで含めてすべての接続が終わってみれば、やっぱりこの有様である。ゴチャゴチャになってしまった。これでもAD2、SACD1、DVD1、プリアウト2、入出力併せて6系統しか繋がっていないのである。この上さらに機器を増設し、オマケにマルチチャンネルなんぞをやろうと思ったらどんなことになるのか。想像するだけでオソロシイのである。僕にはゼッタイ不可能だ。

 空き端子にはプラスチックのキャップをかぶせている。ショートピンはAD2の端子だけで、あとはタダのキャップ、単純に埃除けである。共振防止、というにはあまりにもおこがましい。プラスチックじゃ遺憾でしょう。

 オープンになっている入力端子にショートピンを挿すと、音が良くなるという説がある。金メッキで重厚上等な高級仕様ショートピンもアクセサリーとして出ている。見るたびいつもピクピク引っかかるのだが、未だに使ったことがない。あれって、どーなのかしらん。

 気になるのなら実験してみればよいのである。単なる実験ならすぐできる。ケーブルに着ける前のピンプラグをチョイと細工すれば簡単である。ホットとコールドをショートして挿せばよいのだから。全身金メッキでピカピカの高級品には及ばないものの、傾向くらいはつかめるかもしれない。やってみようかな。

 昔々あるところに、ショートピンを出力端子に挿し「まあ、なんということでしょう。どこからも音が出なくなりました!」と大騒ぎした人がおりましたとさ。

 それは僕です。

’04/11/24 (水)

好きですから


 購買意欲をそそられるようなDVDプレーヤーがない、と言った。よくよく考えてみれば当然のことなのである。メーカーは商売である。売れるものしか売らない。僕のような一方向へ突出した変人、極少数派などを相手にしていたのでは商売にならない。欲しくなるような物を出せ、などとメーカーを批判する前に、自分の脚下を照らし顧みるべきである。単機能でしかも30万円、重さ16kg、なんていうものを喜ぶのは奇人変人(○○のうち)だけ。フツーは重量だけで敬遠するだろう。

 家電製品と化すのは、ある意味喜ぶべきことである。DVDがそれだけ市民権を得たわけだから。多機能普及機を買った人が画の美しさ音の良さに感激し、どんどんグレードアップ、やがてオーディオ(ヴィジュアル)マニアへと成長(ではなく変質?)して行く、なんてことは、しかし絶対にあり得ないだろうな。

 今やほんの一握りなってしまったマニアと言われる人々。資本主義のメカニズムからすると、商行為に於いて重要なターゲットにされることは、おそらく望めない。大きな流れからは取り残されること必定。少数派はやがて先鋭化し、地下に潜って秘密結社へと変容するのである。既にそうなっているか。それはオマエだ。箱船は地下室じゃないケド。

 個人的にはオーディオほど面白い趣味はないと、思っている。小学生の頃からあれこれカジってみたけれど、ずっと続いていてしかも未だに飽きないのはこれだけである。何がそんなに面白いか多寡が音を聴くだけじゃないかと怪訝なカオで訊ねられることもある。何で聴いても大して変わらんだろうと呆れる人もいる。そんな時僕は、それほどケッタイで暗い、いわゆるオタッキーな趣味でもないよと、呟いてみるのである。だがやはり、妙なヤツと映ってしまうのだろうなあ。

 それでもなお、僕は大好きなのである。こういう馬鹿げたオーディオが。

’04/11/23 (火)

ご無沙汰映像


 ラックを入れ替えて以来、というよりもそれよりずっと前から、映像のほうとはトンとご無沙汰である。まとまった時間が取れないこともあるにしても、「観る」時間が少なくなったのは確かである。専ら「聴く」ばっかり。今年の2月時点でのプロジェクター総使用時間が2,065時間、さっき確認したら2,150時間だった。10ヶ月弱で85時間。一日平均17分にも満たない。これではプロジェクターも立つ瀬がないだろう。

 その所為かどうか、突然画が見たくなったのである。映画を1本観るほどの時間は取れない。ので、あれやこれやをハイライト的につまみ食いしてみた。

 VPH-1252QJ、古色蒼然三管とはいえなかなか綺麗である。観始めから1時間ほどは寝ぼけているものの、それを超えると俄然本領発揮。高精細でカラフルな映像、これなら最近見る機会があった最新液プロ(と言っても高級機じゃないケド)を上回っている。どうも液プロはカリカリしていて好きになれない。最高機種なら良いのかな。

 DVDプレーヤーも古い。なんてったって未だにDVD-H1000なのである。プログレッシブ再生対応第一号機。おそらく現在の最低価格機にも及ばないだろう。少なくともカタログスペックでは完敗である。今や単機能プレーヤーの時代でさえない。ほとんど化石である。

 しかしこのプレーヤーは、画も然ることながら音が非常に良いのである。クセがなく素直で、切れと底力がある。強度が高く重いキャビネットが効いているのだろう。現在ほとんど家電製品と化しつつあるDVDプレーヤーだが、コイツは正しくオーディオ製品だ。買い換える予定はまったくなし。僕にはこれで充分である。

 買ったのはいつだったかと確認してみたら、'99年11月24日だった。そうだ、発売前に予約までしたのだった。偶然だが、今日でちょうど5年経つわけである。

 それほどまで欲しいと思わせるようなDVDプレーヤー、今はまったくない。製品に魅力がなくなったのか、僕の関心がなくなったのか。

 どーしても観たいと思う映画が減ったのにも、一因あり、かな。

’04/11/22 (月)

fo.Q


 これは切れ端である。元の大きさはA4版(210mm×297mm)、厚さは2mm。マックロケの単なるゴムシートに見えるブツが2枚セットで6,000円弱。この値段でホントにゴムシートだったら暴れるわけだが、実はかなりヒネリの利いたものなのである。

 「fo.Q」(フォック)という。AA誌114号(今から言えば前号)に載っていた広告に目が止まり、ヒジョーに気になっていた。早い話が制振シートである。

 この手の素材は山のようにあるわけだが、どれも何やらイカガワしくて使う気になれない。そういう中で、これはにはピンと来るものがあったのダ。アクリル系ゴムに圧電素材を練り込んである。それによって振動を電気エネルギーに変換、さらにその電流を熱エネルギーに変換し減衰させる、というものである。

 振動や圧力を電気エネルギーに変換することで有名なのは、ピエゾフィルム(『ピエゾ』とはギリシャ語で『圧する』という意味なんだそうな。知らんかった)である。振動、圧力センサー、身近なところではタッチパネルなどにも応用されている。詳しいことは分からんけれど、この「fo.Q」もその仲間だと、言えなくもないか。

 写真では質感までお伝えできない。感触は硬めのゴムシートである。弾力性には低く、どちらかと言えば粘性が高い感じ。表面には細かい凸凹があり、キラキラと輝く細かい粒子が見える。まさにゴムに細かい砂を練り込んだふうである。このツブツブが圧電素材か。正体は書いてないから分からない。たぶん企業秘密。手触りはややザラザラしている。同じ厚さのゴムシートに比べると、かなり重い。裏面は木目調のシートで化粧してある。ホントはこっちが表なのだろうな。

 買ってみたA4版は、品番SH-01。「スピーカー用シート」であると説明してある。天板に載せたり、側板に貼ったりしろ、と。だから片面が化粧してあるンだな。僕はトゥイーター下の砲金板とSネッシー天板の間に挟んで使っているから、化粧は要らないのだが。この他にA5版(SH-02)、1mm厚シート(TA-01)、円形スペーサー(G-104、G-204)などがある。

 さて、肝心の効果である。高域にやかましさが減り、トゲトゲしさがなくなった。透明感が上がる。滲みが減る。音のほぐれが随分と良くなる感じである。ゴムシートにありがちな音の鈍り、眠たい印象。それがまったくない。今のところデメリットは感じられない。

 これはなかなかグワイがよろしい。コマーシャルに曰く「その性能があまりに優れているため、大量に使用することは逆効果を招く場合すらあります。まずは少量からお試しください」と。それに恐れをなして今回は遠慮したけれど、他の部分にもどんどん使ってみたくなる素材である。昨今世に溢れかえる「オカルトグッズ」とは一線を画した製品だと思う。

 機器やスピーカーの上に鉛を置く。或いはPタイルを置く。そーゆーヤバンでバッチイ行為を嫌われるムキには、是非お薦めしたいのである。

 余った切れ端をH-Z1の上に置き、僕は鉛も載せているけれど。↓

’04/11/21 (日)

アクセル全開


 写真にするとただの黒い箱にしか見えないのはいささか残念。ブッキラボーなディザインである。

 修理成ったH-Z1を、早速システムに組み込む。この音を聴くのは何年ぶりか。ある意味新製品を聴くよりも楽しみな部分もあるのだった。

 左側ラックに増設したADプレーヤーに繋ぐ。HELIKON→H-Z1(ゲイン22dB、ロード100Ω)→C-280Vフォノ(MM)という経路になる。同じAD再生系でも、もう一方のADプレーヤーとはまったく異なったものになるわけである。

 13日にも書いた通り、こちらで再生されるADサウンドは極めてハイスピード、先鋭感の強いものである。一聴して素足で逃げ去る人がいると思われるほどに。ハイゲインEQでこの音、ならばヘッドアンプではどんな音になるのかと思いながら、聴く。

 スピード感が、さらに上がったのである。これはもう凄い音だ。何も考えずアクセル全開にしたような。ちょっとアブナイ。何ら抑制されることなく自由奔放、辺り一面に音がシブキを上げて飛び散るさまは、ただただ圧倒されるばかりである。澄み切った青空、どころではなく、成層圏まで一気に上昇したような抜けの良さがある。

 分解能がぐんと上がり、隅々まではっきりと見通せる音場表現はすさまじい。音のエッジは凛と立ち、もう一歩踏み出せば歪みの淵に転落、する寸前で踏み止まった、というような危なさも感じる。それも魅力のうち、いかにも痛快爽快である。

 この圧倒的な抜けの良さと分解能の高さこそ、H-Z1最大の魅力なのである。ボカァ好きだなあ。同じくヘッドアンプといえども、C-17とは随分印象が違うのである。

 良いことばかりではない。一種独特の硬さがあるし、やはり冷たい印象は拭えない。音に深みが足りない感じなのである。低域のイムパクトは凄いがやや厚みに欠ける。質感に色彩が不足し、表現が一辺倒になる部分もある。どちらかといえば絶叫調で余裕がない。この辺りはカートリッジが持つキャラクターとの兼ね合いもありそうだ。

 設置場所、ケーブル、脚など、今後追い込んで行きたい部分は多くある。が、現状AD最右翼(最左翼?)みたいな音が出ていることは大変結構。しばらくはこのまま鳴らし込むことにして、システムに馴染ませた後、然るべき対策を打ちたいと考える。

 「角を矯めて牛を殺す」ことにならないよう、使いこなして行きたいのである。

’04/11/20 (土)

また使える


 13日の日誌を書いたあと、早速にMCヘッドアンプH-Z1を繋いでみた。わけだが、悲しいことに故障が判明したのである。原因は一つ。使いもせず通電もせず、永く放置した所為である。古い機器にはこういうことがよくあるのダ。バチが当たったんだな。粗末に扱ってはイケナイのである。

 盛大なハム音が発生し、通常再生まったく不可能。明らかに異常である。パワーランプも点灯しない。これは遺憾と即修理依頼した。

 H-Z1の発売は1977年、実に27年前である。M-Z1、C-Z1とともにZ1シリーズのMCヘッドアンプとして登場。定価230,000円だった。かなり高級な機器である。当時高校生の僕にそんなものが買えるはずもなく、入手したのはずっと後。中古品である。長岡先生をして「空前絶後、世界最高のMCヘッドアンプである」と言わしめたのは夙に有名。全身これカスタムパーツの塊で、同じ物は二度と作れないだろうと言われる。今むりやり作ったら、一体幾らになることやら。

 故障個所はすぐに特定できた。電源のフィルターコンデンサーである。もちろんこれもカスタムパーツだ。上の写真がそれ。一般的な円筒形ではなく長方形である。「NON-INDUCTIVE CAP. 50V 2200μF」と銘打ってある。が、上記のようなアンプであってみれば、今に至ってオリジナルパーツがあるはずもない。2個のうち1個は生きていたそうだが、2個とも交換されている。同耐圧、同容量の代替コンデンサーで修理完了。パワーランプも煌々と点灯する。依頼してからちょうど1週間、思ったよりずっと早く、しかもぐんと安く上がってきた。ありがたいことである。

 以前、親しい友達所有のH-Z1にも同じような故障が起き、その時も確かフィルターコンデンサーの不都合だったと聞いた覚えがある。それからもう数年経つわけで、よくぞ修理できたものだと思う。オリジナルパーツが失われたってちっとも構わない。また使えるようになったことのほうがずっと嬉しいのである。

 C-17を入手して以来、ほとんど聴いていないH-Z1ならば、修理以前の音は忘れてしまった、かも知れない。聴けば思い出すかな。スピード感と解像度はC-17を上回っていたような気がする。

 使いこなしの楽しみがまた一つ、増えたのである。

’04/11/19 (金)

バロメーター

 昨日の午前中あたりが症状のピークだったようで、今日はやや楽になった。大袈裟ではあるが、ホントに死ぬかと思うくらいシンドい風邪である。体の痛みが激しく気力減退。これは歳のせいもあると思う。年々風邪が辛くなる。ひかないようにすればよいわけだが、学校で埃まみれになって帰ってくるバカ息子を持つ身としては、常にウイルスの脅威に曝されるのである。キミタチは若くて馬鹿だからよいケレドモ、年寄りは弱いのよ。

 わずかながらも元気が出たので、ちょっと音を聴いてみる。僕の健康バロメーターは、やはりオーディオである。

 遺憾。ひどくハイ上がりに聴こえてしまうのだった。砂を噛んだような音。ダシをとり忘れたうどんツユみたいだ。細かいニュアンスが聴き取れない。音量を上げると苦しくなる。

 オーディオとは、基本的に眤と座って音楽(音)を聴く趣味である。体力は要らない、はず。だが、実は結構なエネルギーを消費しているのではないだろうか。実際、まとまった時間集中して音を聴くと、それなりに消耗する。体力絶対必要。こんな時は聴くもんじゃない。インドア趣味の権化みたいなオーディオであるけれど、やはり健康第一なのである。

 気持ちよく音が聴けないのは悲しいものである。はやくげんきになりたい。

’04/11/18 (木)

未だピークならず

 マトモな更新再開まで、もう暫くお待ちください。フツーでもボケてる頭が、さらにボケボケ中。なかなかツライ風邪にござんす。

 腰の痛さに参ってます。

’04/11/16 (火)

風邪でござんす

 風邪惹きました。3日ほど前からアヤシかったのである。ハナミズと咳と熱。ピークを過ぎるまで、日誌更新を休みます。

 ああ、しんど。

’04/11/15 (月)

耕された


 久しぶりにケダモノネタである。

 熊のご来訪はどうやら一段落ついたようで、目撃談も聞かなくなった。ちょっとばかり安心するのである。と思っていたら、昨晩、滅多に見られないケダモノを目撃してしまった。イノシシである。

 箱船入り口から3mほどのところに、刈った草を積んである。そこを鼻先でフゴフゴ掘り返していらっしゃる姿を目撃した。体長1m以上、なかなかの大物である。よほど集中していたのか、しばらくこちらに気がつかない。少々怖いから、ドアの影に隠れて見ていると、突然「フゴッ」と顔を上げた。人の気配を察知したのだろう。

 暫し僕を眤と見つめ、こちらに向かって突進、してきたならば大変なことになるところだった。さっと踵を翻し、ブルルッ、フゴフゴッと警戒音を発しながら土手のほうへ逃げていった。

 この辺りではイノシシそのものは決して珍しくない。沢山いるのである。だが、民家のすぐ近くで目撃するのは滅多とないことである。うむ、なかなか面白かった。何事もなかったからこんなユーチョーなことも言っていられるわけだが。

 今朝方、周囲を検分してみた。箱船裏手を見てビックリ。ご覧のように、えらくご丁寧に耕されているのである。誰かがハタケ作ろうとしてるンだな。ンなアホな。これみなイノシシの仕業である。深さ10〜15cm、幅2m、長さ5m以上。これだけの面積を鼻先と鼻息だけ(キバも使うのか?)で耕そうとすると、相当な労力と時間が要ることだろう。大変なご苦労である。

 その時僕は壁一つ隔てた部屋の中で、音楽を聴いていたことになる。いくら箱船の遮音が良いと言ってもこの位置なら漏れ漏れである。超低域どすどす。イノシシそれでもヘーキでフゴフゴやってたわけで、太いというか鈍感というかヒッシと言うか。

 別にガーデニング趣味で土を耕しているわけではなくて、草の根やミミズ、ムシの幼虫などを食べているのだそうな。それなら山のほうがたくさんありそうだが、人間が考える以上に食糧事情が悪化しているのかもしれない。生きて行くのは大変なのである。

 ハンターさんの家へは行っちゃ遺憾よ。ボタン鍋にされちゃうからね。

’04/11/14 (日)

さて、新着ソフトを聴こう


 ラック新調計画は大成功裡に終わり、僕としてはこれ以上ないくらいの喜びである。masaさん、(株)高原木工所さんには改めて感謝御礼申し上げるのである。本当にありがとうございました。

 ついでに永らくほったらかしにしていた箱船大掃除も敢行し、実に気持ちヨイ。さっさとやればよいものを。

 今月初め、カスタムラック導入直前に幾らかの新着ソフトが届いた。入れ替え完了後に聴こうと開封せずに置いてあったものを、今ゆっくりと聴くのである。

 上の写真はその内の1枚である。「STRAVINSKY/THE FIREBIRD, FIREWORKS, ETC.」(ANTAL DORATI指揮 ロンドンSO 米Mercury 470 643-2)。このタイトルは以前に復刻盤ADを紹介したことがある。今回はCDトラック付きハイブリッド2chSACDである。最近リリースされたマーキュリー・リヴィング・プレゼンスシリーズのSACDバージョンだ。2枚組を1タイトル含む5タイトルセットで$99.99とお買い得。先日、別タイトル5枚(すべて1枚もの)で$79.99というセットも出た。

 ADでは「火の鳥」1曲だけの収録だったが、このSACDにはそれに加えて「Fireworks」「The Song of the Nightingale」「Tango」「Scherzo a la russe」の4曲が入っている。これで$20以下なら安いと言える。

 しかし、ナンボ安くても音が悪ければどーしよーもないわけである。そこはさすがにリヴィング・プレゼンスシリーズ。ADを聴いてぶっ飛んだあの音は、SACDになっても健在なのである。

 音色はADと大きな差はない。大変良い音である。ディジタルにありがちな硬さはない。Dレンジも広く繊細さと爆発力を併せ持ったパワフルな音。この辺りがSACD最大のメリットである。CDとは一味違うのダ。


 優秀なSACDだと思う、が、1点惜しむらくは、ADに比して音場が狭くなること。前後左右上下とも、随分と圧縮されて聴こえるのである。フルオーケストラのスケール感が出にくい。空間に音が散乱するような感じが抑えられ、音場がスピーカーの内側に収まってしまう印象だ。これはちょっと残念である。

 オリジナル3ch録音を2chにミキシングする時、復刻盤ADとSACDで何か違いがあるのか。同時に買った「スッペ序曲集」(470 238-2)の音場は充分に広かった。何故だかワカラン。ま、ドシロウトが詮索しても屁のツッパリにもならんのであって、それでもこのSACDは優秀である。

 次は$79.99セットも買わねばならん。RCAリヴィングステレオのSACDバージョンも出ているし、ロック系復刻盤も次々とリリースされている。システム環境が充実したあとは、ソフトに走るのである。

 ますます楽しくなってきちゃったぞ。

’04/11/13 (土)

壮絶ADサウンド


 このプレーヤーシステムを友達から借りたのはいつだったろうかと過去日誌を調べてみたれば、それは'02年5月だった。もう2年半も経ったのである。何だか申しわけない。だが、使わないまま放置するのはもっと申しわけないと思う。2階に置いてあったのでは、どうしても疎遠になる。ので、今回のラック新調を機に、メインシステムの一員に加わってもらったのである。

 構成は'02年5月3日の日誌に詳しいので、そちらをご覧いただきたい。20mm厚鉄板(実測40kg)を2枚重ね、その上に設置した。鉄板まで含めて一つのシステムと考れば、総重量約140kgのプレーヤーとなる。超重量級である。

 カートリッジにはライラのHELIKONを使い、C-280Vのphono1へ入力する。とりあえずは間に何も入れず、プリのMC入力で受ける形にした。カートリッジロードは100Ωを選ぶ。

 これまでメインに使ってきた右側のADプレーヤとの共通点は、アームだけである。モーター、キャビネット、カートリッジ、ケーブル、PEQはゼンゼン別物。この構成でどんな音になるのか、興味津々で聴いてみた。

 強烈、壮絶である。超ハイスピードサウンド。こんな音は滅多に聴けない。音の粒子が超音速でぶっ飛んでくる。カオが痛くなるような音である。痛快極まりなし。強烈に馬力のある音だが粗暴な印象はなく、繊細感もある。透明感先鋭感抜群。音場は渺々として広大。音像は引き締まってピンポイントに定位する。ディジタルでは得難い音である。

 但し、艶やかさ、瑞々しさという点ではいささか苦しいか。音が荒れているわけではないのだが、細身でやや冷たい感じになってしまうところもある。総金属140kgというキャビネットとHELIKONとの相乗効果なのかもしれない。eminentに比べると、わずかながら歪みが目立つ感じ。この音は、間違いなくリスナーを選ぶだろう。一聴して逃げ出す人が、きっといるはず。僕は好きだ。ある一方向へ突出した音。ヒジョーに魅力的である。

 決してオールマイティーではない。ロック、フュージョンは豪快且つ透明、大編成オーケストラ、バロック、古楽はいささか素っ気なく、硬さが目立ってしまう。リスナーだけでなく、ソフトも選んでしまうのである。

 メインシステムに2台のADプレーヤーを使うのは13年ぶりである。向後、随分と楽しめそうだ。ラックとあわせてこれからのエージングに、期待が持てるのである。

 久しぶりに、H-Z1も使ってみようかな。

’04/11/12 (金)

音を出さないパーツ


 この角度からシステムを見た時、ラック入れ替え以前とは比べ物にならないほど整理されたふうに見えるのである。ケーブルの錯綜混乱が減り、信号の流れが分かりやすくなった。理想的、とまでは言い難いけれど、これまででは最もきれいに整理できたと思う。僕にしては上出来と、言えるのである。

 ラックは最高、ケーブルの交通整理もできた。こうなれば当然の帰結として音も良くなるわけだ。昨日から寸暇を惜しんでADを聴いている。AD再生にはディジタル系にも増してラックの重量増、強度増、安定感増がよく効くのである。何を聴いても情報量増大、マスキングされていた音がどんどん出てくる感じ。嬉しくて楽しくて仕方ない。子供みたいなものである。

 天、底板を75mm厚にしてもらったのは大正解だったと思っている。僕の下手くそな自作品ならこうは行かなかっただろう。総圧力9トンに及ぶプレス圧着の効果は絶大。板を重ねることで発生するデメリットが完全に解消、厚く重く丈夫というメリットだけが浮き上がった印象である。強固に圧着された板にイヤな鳴きは一切ない。振動コンデンサーになることも危惧したが、それも問題なかったようだ。改めてプロの技に恐れ入るのである。

 ラックそのものは音を出さないパーツである。極論すれば、ラックがなくとも音は出るわけだ。ならば使わなければヨイ、ということになるのだが、現実的には使わざるを得ない。であってみれば、自分のシステムに適合し、条件が許す限り丈夫なものを使いたい。既製品では追い切れない部分も出てくるから、いきおい自作ということになるのである。

 ウデに覚えのある人なら、アマチュア工作でも素晴らしいものができるだろう。残念ながら僕にはそこまでの自信がない。これまで使ってきたラックに明らかである。今回はプロに依頼して大成功だった。

 直接には音を出さないパーツこそ、カギを握っているのかもしれない。もちろん、自分の好みに合った機器を選ぶことが重要なのは当然である。それらの能力を存分に発揮させるためのカギ。ラックであり、床であり、壁なのである。

 そう、音を出さないもののうち、最大のパーツ。それは、部屋である。

’04/11/11 (木)

設置完了


 ADプレーヤーのセッティングも完了し、新旧ラック入れ替えと機器のレイアウト変更すべて終了の図。今月初めから準備を始めたわけだから、ちょうど10日かかったことになる。グズの僕からすれば早かったほう、などと、エラそうなことをゆってはイケナイ。タイミング良く製作完了してくださった(株)高原木工所さんのおかげなのである。

 ラックを入れ替えた他に大きな変更は、ADプレーヤーを2台置いたこと。それに伴ってDP-85をラック下部に移す必要が出てきた。ピンジャックの位置関係もあり、DP-85を右側下部へ、DVD-H1000を左側下部へと左右入れ替え。P-700は既に書いた通り、左側ラックの後方へ置いた。

 両のラックとも天位置にADプレーヤーを置くとなれば、少しでも安定を図りたい。ので、下部には両側とも御影石を置く。結果、高さ300mmのスペースにプレーヤー1台しか置けなくなった。ムダと言えば無駄である。しかし1個48kgの御影石の効果は大きく、安定感抜群。プレーヤーの足元を固める効果もあり一石二鳥。と言うには、やっぱり無駄が目立つのである。見た目にはすっきりしたし、まあいいか。

 AE86さん謹製カスタムPEQの位置も少々変更。これまでより外乱の影響を受けにくいと思われる場所へ移動する。ついでにすべてのケーブルを外し、接点をクリーニング。これがヒジョーにメンドウだった。特にプリアンプのピンジャックを掃除するのは、はっきり言って苦行である。ラックの奥に首を突っ込み、極めてムリな体勢での作業を強いられる。フトモモの筋肉がケイレンし、アタマの血管がキレそうになりました。血圧上がります。

 ADプレーヤー追加、レイアウト変更、接点クリーニング。これみなラックを新調したからこそ、できたことである。それがなければ、いつまでもそのまま放置したに違いない。年がら年中システムをいじくり回すのは如何なものかと思うけれど、まったく触らずほったらかしも同様である。反省せねば遺憾。

 SACD/CDを聴いた段階では、大変良い結果が得られたカスタムラックである。あとはADを聴きながら、時間をかけて細かく追い込んで行きたい。向後、さらに良くなること間違いなし。

 見ても触っても聴いても、実に素晴らしいラックなのである。

’04/11/10 (水)

音出し


 ああでもない、こうでもないとセッティングを思案したり、喜んで眺めたりしているうちに時間はどんどん過ぎる。とうとう昨夜は日誌の更新まで手が回らなかった。その甲斐あって作業ほぼ完了、SACD/CDだけは音出し可能になりました。

 部屋の中は工具やらゴミやらケーブルやらでゴチャゴチャだが、ともかく音を聴いてみる。聴きたくて聴きたくてウズウズしているのである。

 最高である。音が出た瞬間、あっと叫んでしまった。細かい音の出方がまったく違う。超鮮明でありながら強調感はなく、繊細極まりない。音の輪郭が非常に綺麗、かと言ってシャープネスをかけたような不自然さは皆無である。高域の切れ、透明感が大幅に向上。ボーカルは艶やかで瑞々しく、従来あった冷たさが消え去ってしまった。低域はぐんと締まってソリッド感抜群、しかも深みがあり豪快である。特にSACD再生において向上が顕著である。

 まったく以って素晴らしい。音が良くなることは間違いなしと予想していたものの、これほどの向上を見るとは。驚きました。ラックが音に与える影響の大きさを、改めて思い知らされた感じである。ナルホド、こういうことだったワケね。今さら何をゆっとるか。

 今回のレイアウト変更では、両の天位置にADプレーヤーを置いた。向かって右は今まで通りのプレーヤーを、左には友達から借りているSP-10MkIIAによる自作プレーヤーを配す。未だカートリッジの取り付けが済んでおらず、音出しには至っていない。

 これがまた、楽しみなのである。

’04/11/09 (火)

搬入完了


 近在の友達に助っ人を頼み、カスタムラック箱船搬入完了の図。母屋から二人でヨイショヨイショと運んだわけだが、それでも52kgは重かった。ラックも人も無傷で搬入でき、ああ良かったと安堵したのである。大袈裟だと思われるでしょうが、ホントに重いのでゴザイマス。憲さん、お疲れさまでした。ありがとう。

 定位置についたラックを改めて眺める。よろしいンじゃないでしょうか。旧ラックとは風格が段違いである。次元の差だ。惜しむらくは、機器を置いてしまうと美しい木目の大部分が隠れてしまうこと。実用上致し方ないことなのだが、ちょっと残念。

 まだすべての機器を載せ終えてはいない。ルックスの違いも然ることながら、この段階でも強度の差は歴然である。微動だにしない感じ。そりゃそうだ。9トンの圧力をかけて積層接着されているのである。ガサツな自作品とは雲泥の差、月とスッポンである。

 中央に見えるプロジェクターラックとのルックスの差がすごい。写真ではさほど目立たないけれど、実際には悲しくなるほどの違いである。将来的には何とかせんと遺憾。

 ともかくも、嬉しい限りである。さっさと機器の設置を進め音を聴かねばならん。だが、またしては作業を中断しては眺めて喜んでしまい、いっこうに進まないのだった。アホ丸出しである。

 新しい機器を導入する以上に喜びが大きいのは、偏にこのラックの仕上がりが素晴らしい所為である。見ているだけで勇気が湧いてくる。そういう魔力があるのである。

 機器レイアウト、よーく考えよう。

’04/11/08 (月)

到着


 新ラックついに到着。今日の午後8時頃、運送屋のオニイサンがヒーヒー言いながら届けてくれた。「お宅へ届くものは、重いモンが多いねー」と。どーもスミバセン。木箱と緩衝材で厳重丁寧に梱包されたラックは、1個60kg超。運送屋さんには気の毒だが、なんとも嬉しい重量である。

 今回このラックを製作してくださったのは、(株)高原木工所さんである。ネットでのご縁により、お骨折りとご厚意をいただいた。何から何まで、本当にお世話になったのである。心から御礼を申し上げねばならない。ありがとうございました。

 仕上がりは、言うまでもなく最高。工作精度、強度、塗装仕上がり、木目、機能性、重量、どこをとっても文句なし。こんなの見たことない。当たり前か。極めてゴージャスなラックである。僕のようなガサツな人間が使うには、分不相応という気がしないでもない。美術工芸品レベルの仕上がりである。キズをつけたらバチが当たりそうだ。

 実測重量52kg。一人では持てない。ので、まだ母屋にある。箱船の受け入れ態勢は万全である。明日、友達に助っ人を頼んで搬入したい。二人で持っても重いケド。

 ともかく設置しなければ次へ行けない。どこに何を入れ、何を載せるか。天位置には、今のところ左右ともADプレーヤーを置くつもり、だが、再考の余地もある。ワクワクしながらじっくり決めたい。どんな音になるのか。う〜、実に楽しみなのである。

 小さな写真では仕上がりの素晴らしさをイマイチお伝えできない。別ページに幾枚か大きな写真をアップしたので、よろしければご一覧いただきたいのである。

’04/11/07 (日)

ラックが来る


 SWの+−繋ぎ間違いも直し、ようやく正常な状態での試聴である。何日かかってるんだか。

 劇的な変化、はない。しかし、ぷあさんからのご投稿にもあったように、セッティングがスッキリすると音にも同様の変化がある。どことなく雑味が減り透明感が上がる傾向だ。たいへん好ましい方向である。P-700の接地状態が変わったことも大きな原因だろうと思う。木製であるラックを介してコンクリート床に置かれているのと、直にコンクリート床に接しているのとでは、違って当たり前である。

 実際、低域の出方に変化があった。随分と締りが良くなり、同時に押し出しも向上する。締りがよくなって聴感上の低域が不足気味になる、こともない。押し出しが良くなった分だけ、却ってレベルが上がったように聴こえるのである。

 これはSネッシー側の変化である。SW側とは直接関係ないわけだ。だが、実用上ではSWのレベルを下げたくなる感じ。尤も、絞っても1〜2dBだと思う。それくらいならそのままでも良いか。

 ケーブルの取り回しも音もスッキリしたし、レイアウト変更はまずまず成功。あとはラックの入れ替えである。

 と言っているうちに、今日、新しいラックが届くという連絡があった。ヨシ、やるぞ。

’04/11/06 (土)

間違えマシタ


 AC電源の取り方はさておき、ともかく音が出る状態になった。オメデタいことである。ラインケーブルのLR、スピーカーケーブルの極性、ショートなど、不グワイがないか注意深く確認し(たつもり)、スイッチを入れて、さあ試聴である。

 うむ、ちゃんと音は出ている。LRも間違いないようである。ヨシヨシ、これでOKだ。と思って聴いていると、何となく音がヘンである。やたらと高域が張り出し中域がスカスカしている。低域も馬力だけで厚みも深みもない。何だコリャ。SWアンプのスイッチ入れ忘れたか(以前そんなことがあった)。

 確認するが大丈夫である。なら気の所為かと思って違うレコードを聴く。やっぱりオカシイ。M&Kのオルガンを聴くと、超低域の厚みがさっぱりである。そのわりに60〜80Hzあたりに妙なクセが出る。ボーボーいうのである。これは明らかに異常だ。

 あっと気がついた。スーパーネッシーかSWか、どちらかの極性が裏返ってるンじゃないか。アヤシイのはSWだ。JBLのユニットは、+−表示が逆になっているのである。写真では端子の黒(−)に赤マーク(+)が、赤(+)に白(−)が繋がっている。大元のアンプ側が正常に繋がっていれば、これで正相になるわけだ。ヤヤコシいのである。

 もう一度確認したらば、アンプ側で+−が逆になっていた。つまり、スーパーネッシーに対してSWが逆相で鳴っていたわけである。これでは遺憾。箱船の環境ではSW正相が正常な接続なのである。

 慌てて繋ぎ直し、もう一度試聴。うむ、これでヨイ。正常な音になった。ちゃんと確認したはずが、どういうわけか間違えてしまったのである。よくあること(あるか?)と言えばそうではあるけれども、何だかマヌケでアホな話。いい加減してます。

 多寡がアンプをラックの外に出すだけでこの騒ぎ。くずてつ大丈夫か。

’04/11/05 (金)

どこに繋ごうか


 昨夜はトチューで息切れしたが、日誌を書いているうちに元気が戻り、音出しできるところまで行くことができた。集中力が無いのである。一つのことを2時間くらいやったらイヤになる。おぢさん化の証明だな。

 WAGC302も無事接続完了。ほとんど苦行である。すべてつなぎ終わっての感想。P-700をラックの外に出したことで、スピーカーケーブルとラインケーブルの混乱錯綜が少なくなり、非常にすっきりした。これは大変よいことだと思う。ラック後方のスペースは、いわばデッドスペースである。一般的なリヴィングルームをこんなふうに使ったら、おかみさん怒り狂うこと間違いなし。そこにアンプを移動したわけだから、ある意味ではスペースの有効利用とも言える。ちょっとクルシイかな。

 電源ケーブルの取り回しは、少々変更せざるを得なくなった。ディジタル系機器とアナログ系機器は、できればブレーカーごとに系統を分けて電源を取りたい。大元ではいっしょくたになると言えど、そこは精神衛生上の問題である。

 パワーアンプ(2台)が系統1。プリ、ヘッドアンプ、PEQが系統2。CDプレーヤー、ディジタルプリが系統3。DVDプレーヤー、プロジェクターが系統4。全部で4系統必要になるわけだ。そこで問題。ADプレーヤー電源ユニットは、次のうちどこから取るべきか。

 1.アナログ機器だから系統2から取る。2.イヤイヤ、アナログ機器といえどもピッチコントロール付きのヤヤコシイ電源だから、系統3から取るべきだ。3.もう一つ系統を増やして単独で取る。4.全部やってみて音を聴きながら決める。5.サイコロで決める。6.どこから取っても大して変わらん。

 さて、アナタならどーする?

’04/11/04 (木)

音出しに至らず


 6N-S1100は予定通り夕方に到着。安すぎてホントにS1100なのか心配したが大丈夫だった。ちゃんとリールに巻かれた6N-S1100が入っている。ヨカッタヨカッタ。

 早速新旧入れ替え、寸足らずも解消されて何だかすごく気持ち良いのである。昨日書いたように端末処理し、+−それぞれまとめて圧着した。写真はLch出来上がりの図。

 できてしまえばどうってことない様子である。ところが実際やってみるとなかなかシンドイ。圧着スリーブに3本4本のケーブルを押し込み、さあ圧着するぞと工具を構えたらスルッと抜ける。抜けたらまた入れる。入れたらまた抜ける。イライラ。キリなし話みたいなことを何度か繰り返し、4組処理し終わってグッタリしてしまった。

 あとはラインケーブルを繋げば音が出る、わけだが、WAGC302である。これを無理なくスムースにつなぐのがまた一苦労。不用意なことをすれば忽ちピンジャック破壊である。いい加減では遺憾のである。

 只今少々息切れ中。ちゃんと音が出るのは明日か。なかなかサクサク行かないのである。

’04/11/03 (水)

S1100待ち


 一旦外したスピーカーケーブルを元に戻す。アンプとスピーカーが近くなった分、少しでも切り詰めようとしたが、思い留まった。20cmや30cm短くして音が飛躍的に良くなるとも思えず、それよりもギリギリの長さにして身動き取れなくなるほうがイヤである。

 B-2302のほうは繋がったが、P-700はまだである。新しいマトリクス用のケーブルが届くまで繋げない。のはなぜか。

 P-700の片ch出力端子に繋がるケーブルは、全部で3組。FE-208ES(×2)、T-300A、JA-0506IIの各ユニットへの出力分になる。トゥイーター2個は、いわゆるバイワイヤリングになっているわけである。端子の+側にはマトリクス用のケーブルが加わるので、全部で4本のケーブルが繋がることになる。

 ケーブル断面積の総和は−側で10.5sq、+側で14sqくらいになる。P-700の出力端子は、14sqでも余裕で入る超大型である。接続そのものには問題ないわけだ。

 だが、実際には3本4本のケーブルが錯綜し、かなりゴチャゴチャするのである。全部を撚り合せても、どこか曖昧な部分ができてしまう。宙に浮いてブラブラしている芯線もあるはずだ。ヒジョーにキボチ悪い。

 そこで一計。208ESに繋がる8sq線の先を長めに剥き、その根元に2本のトゥイーターケーブル(+側ならマトリクス用ケーブルも)を合わせスリーブで圧着する。スリーブの先から出すのは8sq分だけ、これが端子に入るわけだ。接点の曖昧さを少しでも減らす狙い。

 デメリットはある。接点が増える。トゥイーターだけ、リヤスピーカーだけを鳴らす実験がしにくくなる。しかし、箱船の環境ではメリット圧勝。明らかに音が良くなるのである。何時必要になるか分からんような実験のために、良くない音を聴き続けるのも馬鹿げた話である。どーしても必要な時はちょん切りゃヨロシイ。

 という理由により、P-700のほうは未だ繋げないのである。到着予定は明日の夕方だ。サクサク繋いでラック脱出の音を確認してみたい。

 少しは変わるかなあ。

’04/11/02 (火)

受け入れ準備開始


 というわけで、早速やるべきことに手をつけるのである。新旧ラックの入れ替え準備である。新ラックが届いてから動いたのではマズいような気がする。ので、チョイと先回り。ともかくは、懸念であったP-700のラック脱出計画からである。

 まずはB-2302を後方へ移動し、スペースを空ける。後はご覧のとおりのレイアウトになった。最も心配だったWAGC302の引き回しも、これならOKである。従来はU字型にフォーミングし繋いであったものが、今度はL字型でいける。これはメリットだと思う。ケーブルにかかるストレスが、わずかばかりでも軽減されるからである。C-AX10→B-2302間も問題なし。これでバッチリだ。

 何だか上手く行き過ぎなような気がする。僕がこういうことをやると、たいがいトラブルが起るものなのだが。なんかアヤシイ。

 スピーカーケーブルは、アンプがスピーカーに近づく形になるわけだから問題があるはずはない。切り詰める必要が出るほどだろう。電源ケーブルもOK。なのに、まだなんかアヤシイ感じがするのは何故なのか?

 あっ、と気がついた。確かにフロントSPには近づくが、リヤSPからは遠くなるのである。リヤカノンLから来るケーブルが、足りなくなるんじゃないか。

 予測的中。Rchはどうやら届いたけれど、Lchが寸足らずになってしまった。あと20cmほど、足りない。ヤッパリ馬鹿のくずてつがやることだ。必ずどこかで躓くのである。くそー。

 ここに使っているケーブルはアクロテックの6N-S1100、単芯(単線ではない)ケーブルである。シースにケーブルが1本だけ入った、断面がメダマ親父みたいなヤツである。スピーカーマトリクスには大変都合が良く、しかも音も良い。足りないからといって、一部分だけ異なったケーブルを使うのは絶対イヤダ。

 この際である。新調するべし。4,000円/mと、高価なケーブルだが仕方がない。できるだけ安く買えるお店はないかと、検索してみたらば。

 驚いた。一店だけだがモノスゴイ安値で出ている。信じられないような安さである。半信半疑で確認の電話をしたら、間違いなくその値で在庫もあるという。大喜びで予定よりかなり長く注文してしまった。

 聞けば現在は6N-S1100IIという新製品が出ている(まったく知らんかった)そうで、S1100は型落ち在庫限りの処分品なのだと。なんて間が良いんでしょ。災い転じて福と為す。人間万事塞翁が馬。禍福は糾える縄の如し。

 この調子でラック入れ替え作業が、スムースに進めばよいのだけれど。

’04/11/01 (月)

やるべきこと


 11月である。月が変わってもネタ切れなのは変わらない。何かネタはないかと過去日誌を辿ってみる。3年前の日誌に目が止まった。'01年11月10日の日誌である。

 ≪スーパーネッシーを作った時、ちゃんと鳴らせるまでに最低3年はかかるだろうと思ったが、4年半経って尚、未だに使いこなせていないのである。もう一度言っとくか。「最低でもあと3年はかかるでしょう」≫

 こう書いてから3年経ったわけである。で、宣言の通りちゃんと鳴らせるようになったのか。なっていないから悲しいのである。幾許かの進歩はあったと思うし、少なくとも悪くなってはいないとも思う。だが、すべての点で大満足してるわけでもなく、改善したいことはまだまだ多い。いい加減な宣言である。

 尤も、すべてに満足してしまったら、オーディオはオシマイなのかもしれない。満足して穏座できないからこそ楽しめるのである。その時点では「上手く行った」と思えても、しばらくするとまたぞろ「もっと良くできないか」と欲が出てくる。万策尽して改善が不可能なら諦めもするわけだが、多くの場合実際にその上があるから困るのである。

 前ネッシーIIは3年強使って現用スーパーネッシーへバトンタッチした。そのスーパーネッシーも、既に7年半である。この先どうするか。マルチチャンネル化など、新しい発想で使いこなしていらっしゃる方も多いようだが、個人的にフルレンジはパワーアンプ直結で鳴らしたい。素のままの音が、好きなのである。

 昨今雑事に取り紛れることが多く、細かい追い込みができていない。実行すべきことは、多く残されているのである。